「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。

(本篇)

第1章「旅の始まり」

第2章「三つの存在」

第3章「恐れ」

第4章「エゴ」

第5章レグードゥの森

第6章女神シャーレーン

第7章最後のたたかい

 

本で読みたい方は。

 

もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。

 

最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。

 

 

前回は…

 

前回は銃に打たれて気を失ったジョンがお花畑で目を覚まし、ダルシャと会うところでしたね。

 

そのあと、どうなったのでしょう?

 

 

 

(60)

 「よぉ~。ジョン。ありがとうな。俺は元気さ。この通りだ」

 

 ゲトリクスは不敵に笑いながら言った。よく見ると、左眼がある。

 

 

「ゲトリクス! 左眼がある!」

 

「はっはっは!」ゲトリクスは豪快に笑った。

 

「ああ、その通りさ。片眼だと何かと不自由だしな。

 

それにこの方が男前だろ。

 

シャーレーン様とヴェルキンの野郎によろしく言っといてくれ」

 

 

 

ゲトリクスの後ろには白銀の大きな馬が立っていた。

 

「白帝!」

 

「ジョン、お前とこのような話が出来てうれしいぞ。積もる話は、お前がこちらに来てからにしよう。とりあえず、妹によろしく言っておいてくれ」

 

 

白帝はそう言って微笑んだ。その横には岩のような大きなイノシシが立っていた。

 

 

「ガルドス!」

 

 

ガルドスは低く響き渡るような声で言った。

 

 

「ジョン、俺はこうなるとは思ってなかったが…うれしいぞ。

 

本当にうれしいぞ。機会があったら、オヤジやアンガスによろしく伝えてくれ」

 

「コウザとアンガスには世話になったんだ」

 

「そうか、それは良かった」

 

「白帝…ガルドス…あの時は…本当にすまないことをした」

 

「そっちの世界のことはもう終わったことだ。気にするな」ガルドスが答えた。

 

「でも…」

 

 僕の迷いに応えるように、白帝が口を開いた。

 

「全ては必然。

 

お前の住んでいる世界の出来事は、すべてお互いの魂の計画なのだ。

 

すべては体験による学びと遊びだ。

 

私たちはお互いの芝居の演目を演じる役者同士なのだよ。

 

だから、そちらの世界にいるときは、その芝居を楽しむことだ。

 

私は充分に楽しんだから、なんの悔いもない」

 

「俺もだ」

ガルドスが続いた。

 

 

「しかし…」

 

 

 ガルドスが僕に言った。

 

「お前は俺に『選択』を学ぶ機会を与えたのだ。

 

『魂の声』を聞き、その声に従って行動するか否かの『選択』の機会を。

 

お前のおかげで俺は魂の声に従い、人生の価値を高める経験とはどのようなものかを、体験出来たという訳だ」

 

 

「でも…」

 

 

「ふっ強情なヤツめ。では、この言葉をお前に与えよう。良く聞け、ジョン」

 

 

僕は、はっとしてガルドスを見た。

 

 

「俺は、お前を赦す。お前が俺にしたことをすべて、赦そう」

 

 

 

白帝も言った。

 

 

「私もお前を赦そう。お前が私に与えたこと、すべてを赦そう」

 

 

「赦す…」

 

 

 

「ジョン、お前は私たちの兄弟なのだ。

 

我々は仲間なのだよ。

 

魂の仲間なのだ。

 

それを思い出すのだ」

 

 

 

 

「そう、仲間だ」

 

ガルドスとダルシャも声をそろえた。

 

 

 

僕の胸が、か~っと熱くなった。

 

目から大粒の涙がぽろぽろとながれ落ちた。

 

 

 

心の奥で魂が、

 

そうだ! そうだ! 思い出したよ! 

 

と叫んでいた。

 

 

 

「その涙と共に、自分を責める罪悪感を洗い流すと良い。

 

罪悪感は人生には無意味だ」

 

 

 

白帝が言うと、ゲトリクスが続いた。

 

 

「罪悪感なんて、クソだぜ。なんの役にも立ちゃしねえ」

 

 

ダルシャが僕をあたたかな目で見ていた。

 

 

ひとしきり涙が流れたら、不思議とすっきりとした気持ちになった。

 

 

「みんな、ありがとう! 僕は僕の世界に戻るよ。みんなとは、また会えるから」

 

 

 対岸のみんなが優しくうなずいた。

 

 

「それじゃ、また、会おう」

 

 

 

するとその瞬間、まるで大波に飲み込まれたように周囲の景色がぐるぐると回り始めた。

 

ダルシャやゲトリクスたちが…川が…花畑が…草原が…そして、虹のような美しい光の輪の中をぐんぐんと猛スピードで突き抜けて行く。

 

 

 

 うわっ~!

 

 

 

次の瞬間、ぼんやりと目を開けると、心配そうなヴェルキンの顔が飛び込んできた。

 

 

 

「おっ、目を開けたぞ」

 

 

(61)へつづく

 

 

【お知らせ】

【お知らせ】

●9月末に「ほんものさがし」という YouTube 番組に出演させていただきました。

全部で3回収録をしていただきまして、その第3回目が公開されました。

 

(第1回)

(第2回)

 

●「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。

ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。

 

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●こちらも素晴らしいです。

ご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。

【動画・英語版/翻訳動画(各回約10分)】

(最新動画)

 

 

(予告編/1分半)

 

(エピソード1)

 

(エピソード2)

 

(エピソード3)

 

エピソード4

 

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ガンの方を中心に、みんなで支え合いながら前に進んでいます。

ガン等や人生についてお悩みの方、僕たち仲間と一緒に支え合って前に歩いていきましょう。やはり仲間は『力』です(^-^)

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●オススメのお水やお茶など

よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。

おすすめのお茶や飲み物など

サプリなど

オススメの本①(読むと元気になる)

おススメの本②(劇的寛解事例)

おススメ本③(生還者たちの体験記)

おススメ本④(食事関連)

 

 

 

 

 

 

 

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