「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。
(本篇)
第1章「旅の始まり」
第2章「三つの存在」
第3章「恐れ」
第4章「エゴ」
第5章レグードゥの森
第6章女神シャーレーン
第7章最後のたたかい
本で読みたい方は。
もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。
最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。
前回は治療を続けるシャーレーンの代わりにシーザーが銃弾を受け、ジョンが銃を持った人間に立ち向かっていくところでしたね。
さて、次はどうなるのでしょう?
(57)
僕は歯を食いしばって、フラフラと立ち上がった。
人間は銃を構えると、僕に向かって構えた。
「まずはお前から撃ち殺してやる!」
パーン!
引き金引く瞬間、シーザーが人間の足に噛みついた。
弾丸は空中に飛んで行った。
「いっ痛っえっ!」
人間は怪我をしたシーザーを乱暴に蹴とばした。
シーザーは血をまき散らしながら転がった。
僕がここぞとばかりに人間の腕に噛みつくと、人間は猟銃を落とした。
「ぎゃっ、くそう!!」
人間は僕を振り払おうと、腕をぶるぶると振り回した。
放すものか!
放すものか!
僕の牙が、人間の腕に深く食い込んでいく。
「ぐぐっ…この、クソ犬め!」
人間は懐から短銃を取り出し、僕の胸に発砲した。
バン!
胸の中が爆発したように熱くなった。
放さないぞ!
放さないぞ!
放さないぞ!
絶対に、放さないぞ!
僕は呪文のように心の中で叫び続ける。
やらせない!
やらせない!
やらせるものか!!
守る!
守る!
絶対に、守る!!
守るんだ!!!
「これで終わりだ!!」
人間は短銃を構え直すと、僕の眉間に突き付けた。
シーザーがまた人間の足に噛みついた!
バン!
シーザーに噛まれて照準が外れたのか、僕の右耳がちぎれて吹っ飛んだ。
「こ…こいつ!」
人間はシーザーを蹴り飛ばすと、もう一度、僕の胸に銃口を突き付け、叫んだ。
「死ね!」
鼓膜が破れそうな銃声と共に、きな臭い火薬の匂い、そして焼けるような痛みが身体を貫通した。
胸から、熱いものがどくどくと流れ出していく。
しかし、僕の牙はいっそう深く人間の腕に食い込んでいく…
は…放すものか……
は…放すものか……
死んでも、放すものか…
だんだんと、意識が遠ざかってきた。
このまま死ぬのか…
うん、悪くない人生だった…
僕は…満足だ…
次の瞬間、とてつもない轟音と咆哮が響き、大地が震えた。
森の木々が巨大な暴風に吹き飛ばされ、風が撒き上がる風景を遠ざかる視界の隅にとらえ、僕は真っ暗になった。
(58)へつづく
【お知らせ】
【お知らせ】
●9月末に「ほんものさがし」という YouTube 番組に出演させていただきました。
全部で3回収録をしていただきまして、その第3回目が公開されました。
(第1回)
(第2回)
●「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。
ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。
●こちらも素晴らしいです。
ご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。
【動画・英語版/翻訳動画(各回約10分)】
(最新動画)
(予告編/1分半)
(エピソード1)
(エピソード2)
(エピソード3)
エピソード4
●オンラインサロン
ガンの方を中心に、みんなで支え合いながら前に進んでいます。
ガン等や人生についてお悩みの方、僕たち仲間と一緒に支え合って前に歩いていきましょう。やはり仲間は『力』です(^-^)
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●オススメのお水やお茶など
よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。
オススメの本①(読むと元気になる)
おススメの本②(劇的寛解事例)
おススメ本③(生還者たちの体験記)
おススメ本④(食事関連)