「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開を再開します。
入院・手術などが重なっているので、毎週月曜日に自動更新していきますね。
何かあったら、その合間に記事書きます(^-^)
で、今回のさといぬは、しばらくぶり再開なので、どんな話の展開だったのか忘れてしまった方は、こちらから。
第1章「旅の始まり」
第2章「三つの存在」
第3章「恐れ」
第4章「エゴ」(いまここ)
前回1話飛んでいたので、㉔話から続けて㉕話まで載せますね。
もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。
最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。
㉔預言者クーヨ登場!!
翌朝、朝日が昇ると共に僕たちはチカルに向かって歩き始めた。
ウィルフレッドが言った。
「今日の昼には着くと思うよ」
「予言者さまってすごいんだよ~。何でも分かっちゃうんだ」
サルバトールがガジョに向かって、目を丸くして話しかけた。
「ほう、何でもか、例えばどんなことだ?」
「そうね、例えばね、僕が今日何を食べたかとか、ウィルとけんかをしてどこをかじられたとか…
そうだ、リカルド兄ちゃんに意地悪されて隠されたどんぐりの場所も教えてくれたんだよ!」
「お前は予言者さまに、何でも聞きすぎなんだよ!」
ウィルフレッドが、サルバトールの頭の上から横槍を入れる。
一生懸命話すサルバトールののん気な雰囲気もあって、僕たちはとっても穏やかな気分で歩き続けた。
太陽も真上に昇った昼ごろ、僕たちはチカルの街に到着した。
サルバトールがうれしそうにウィルフレッドに言った。
「着いたよ! いろんな入り口があるけど、今日は僕が一番気に入っているとこから行こうよ」
「え~っ、あそこか? まあ、いいや、じゃあ、行こう」
ウィルフレッドはそう言って振り向くと、僕とガジョに向かってちょっと偉そうに言った。
「ついて来な」
サルバトールはうれしそうにスキップのように飛び跳ねながら、チカルの街の中に入っていく。
「跳ぶなよ! 落ちるだろ!」
ウィルフレッドがサルバトールの頭上で、頭の毛をつかみながら叫んだ。
街にはたくさんの人間たちがいた。
サルバトールは人間に見つからないように、雑踏から少し離れた雑木林の中を歩いていく。
そして僕たちを振り返り、鼻をクンクン鳴らした。
「ここはね~、おいしい匂いがするんだよ~」
確かにいい匂い…。
人間の食堂が近くにありそう。
僕は一瞬、ご主人様のお屋敷を思い出した。
「でもね~、匂いだけなんだ。近づくと危ないからね~」
サルバトールはそう言うと、とてもうれしそうにクンクンと鼻を鳴らしながら歩き続けた。
においだけでも、ごちそうさ~…。
ああ。
おいしい。
ああ、おいしい。
僕はしあわせ~…
サルバトールは歌いながらしばらく歩いていたけれど、急に立ち止まった。
「急に止まるなよ、危ないだろ!」
ウィルフレッドが頭の毛にしがみついた。
サルバトールが目を真ん丸くして言った。
「予言者さまだ!」
サルバトールの視線の先を見ると、小さな影が地面に立っている。
「予言者とは、ネズミか…」
ガジョが冷静な声で言った。
「こら、失礼だぞ!
予言者さまに向かって!」
ウィルフレッドが怒鳴った。
予言者と呼ばれた小さな影が、トコトコと近づいてきた。
その影はやはりネズミだった。
しかし、そのネズミは今まで見たことのあるどんなネズミとも明らかに違っていた。
年齢のせいもあるだろうか、全身が白銀に輝き、長いひげは白くもしゃもしゃと生い茂っている。
長く伸びた白銀の頭の毛から、鋭い眼光がキラリと光っていた。
ウィルフレッドはサルバトールの頭からパッと飛び降りると、僕とガジョに向かって振り向いた。
「このお方が予言者さま、
クーヨ・アレキサンダー・エスコバル・ド・フェンテスさまだ!」
㉕ハイランドへの道案内
サルバトールが、目を丸くしながら聞いた。
「予言者さま、何でここが分かったの?」
予言者と呼ばれたネズミは、ニコッと笑いながら答えた。
「全てのことは、お見通しじゃ」
そして僕とガジョに顔を向けた。
「ワシはクーヨ。この街では予言者と呼ばれておる。そう、残念ながら、ネズミじゃ」
クーヨはニッと笑い、そしてガジョを見た。
「おんしはワシを見て『フン、ネズミか…がっかりした』と思ったじゃろ」
「いかにも…そのとおりだ」ガジョは少し驚いて答えた。
「いいか、物事は外側を見るだけでは何も分からん。大切なのはその『本質』を見抜くことなのじゃ」
クーヨは目をキラリと光らせた。
『本質』…そういえば、ダルシャもその言葉を使っていたっけ…
「目に見えるものだけで物事をとらえ、判断しよるから、いつまでも迷うのじゃ。おんしは」
クーヨはいたずらっぽくガジョに言った。
ガジョはぐっと目を開くと、何も言えずに黙った。
「まあ、ついて来んしゃい。とりあえず、集会場に行くぞなもし」
クーヨを先頭に僕たちは雑木林へ入り、しばらく進むと小さな洞窟に着いた。
クーヨは洞窟の中にトコトコと入っていく。
洞窟の中には少し広い空間があり、天井からは太陽の光がうっすらと差し込んでいた。
クーヨはちょうど光の当たっているところで立ち止まると、振り向いてゆっくりと座った。
僕たちもクーヨを囲んで丸く腰を下ろした。
クーヨは声をかけた。
「皆の衆、よろしく!」
たくさんのネズミたちがワラワラと現れて、僕たちの前に人間たちの作った食べ物を次々に運んできた。
もちろん、それは人間たちにとっては残飯だったけれど、僕たちにとっては大変なご馳走だった。
「予言者さま、こんなご馳走、いいんですか?」
ウィルフレッドが聞いた。
「今日は特別じゃ。久しぶりに客人を迎えたんじゃ」
「わ~い」
サルバトールが飛び跳ねた。クーヨは僕とガジョに向かって言った。
「まずは食べましょう。話はそのあとじゃ。腹が減っては戦は出来ん。戦はせんがの…ほっほっほ」
僕たちもうながされて、人間たちの作ったご馳走をほおばり始めた。
一通りのご馳走を食べ終わると、クーヨはウィルフレッドとサルバトールに言った。
「さて、今日はご苦労じゃったの。これでお仕事は終わりじゃ。お腹もいっぱいじゃろう。今日は遊んどいで」
「わ~い、ありがとう、予言者さま! ウィル、行こうよ、今日は何して遊ぶ?」
「そうだな、リカルドの背中に草の実をくっつけるってのはどうだい?」
「うほ~い、そりゃ、面白そう~!」
サルバトールはウィルフレッドを頭に乗せ、スキップしながら洞窟を出て行った。
歩いていくふたりを愛しげに見つめていたクーヨは、僕たちに振り返った。
「どうじゃ、あのふたりと一緒は面白かったじゃろう」
そして今度は、ガジョを見つめて言った。
「今のおんしには、ああいう無邪気さが必要じゃ。じゃから、あのふたりを行かせたんじゃ。すべておんしのためじゃ」
「私の…ため…?」
クーヨは微笑み、続けた。
「ワシは予言者と呼ばれておるがな、本当のところは道案内じゃ。ハイランドへの」
「ハイランド!」
僕とガジョは、顔を見合わせた。
㉖へ続く
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