「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」

 

無料公開始めました。

 

もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。

 

★Amazonのレビューでは5つ星の4.5、レビューは176レビュー(2022.9.14時点)頂いています。

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5つ星のうち5.0 読んでいるうちに心が自然と楽になる本

2022年6月2日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

目から鱗、さらに心からも鱗雲が落ちたように感じております。後半のクライマックスは言葉では表せない面白さ。身体、心、魂の3つの奥の深いお話です。この本は、YouTubeで知りました。推奨します。

 

 

★学識サロン(登録者51万人)さんに紹介頂きました。

 

★「本要約チャンネル」さん(登録者100万人)で、日本文学の傑作と、より詳しくご紹介いただきました。

 

 

最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。

 

 

(前回まで)

巨大な大クスの下にいる、これまた巨大な大熊、「赤い魔獣」へと勇気の前進を続けるジョンを待っていたのは…

 

 

 

 

 

⓭赤い魔獣と対決!

 

 

三十メートル、二十メートル、十メートル、五メートル…もう大熊は目と鼻の先だ。

 

大熊の発する威圧感は、この場所だけ重力を数倍にもしているようだった。もう、手を伸ばせば届きそうだ。

 

 

 

三メートル…

 

 

 

大熊はまだ目をつぶっている。

 

 

 

 

僕の視線は大熊の顔に釘付けになっていた。

 

大熊がいつ目を開けるか、不安でいっぱいだった。

 

 

 

 

しばらく、そう、数分ほどもそうやっていただろうか。

 

でも、大熊は全く動かなかった。

 

 

 

 

ここから、どうしよう?

 

 

 

 

ここまで来たのはいいけれど、この先どうするのかは全く考えていなかった。

 

頭の中は真っ白だった。

 

 

 

そうしてまたしばらくそこに立っていただろうか、だんだんとその重苦しい空気にも慣れてきた。

 

大熊の発する威圧感も最初ほどは感じなくなって、呼吸もやや普通にできるようになってきた。

 

酸素が頭に供給されて、それにともなって頭も動き始めた。

 

 

 

 

話しかけてみよう…でも、起こして襲われても…

 

いや…本当に寝ているんだろうか?

 

もし起きているんだとしたら、何のつもりだろう?

 

よし、『赤い魔獣』が目を開けるまでここで待ってみよう。

 

 

 

 

僕は、辛抱強く大熊の前に立つことに決めた。

 

大熊は目を閉じたまま、微動だにしない。

 

大熊の発する呼吸の音だけが、周囲を圧していた。

 

 

 

 

 

僕にとっては永遠に近い時間が流れた気がしたそのとき、なんの予兆もなく、突然大熊が目を開けた。

 

 

 

 

 

あの、黒い穴が僕を見つめた。

 

 

 

うわ~っ

 

踏ん張れ!

 

 

 

 

 

僕は頭から穴に吸い込まれそうになりながらも、爪にぎゅっと力を入れて踏ん張った。

 

 

 

 

大熊は黒い穴で僕をじっと見つめていたが、しばらくすると、地の底から響いてくるような低い声で僕に話しかけた。

 

 

 

 

 

 

「お前…」

 

 

 

 

 

きっと、悪魔とか大魔王とかがいたらこんな声なんだろう、と思わせるような声だった。

 

その表情は、全く感情がなかった。

 

 

 

 

 

「お前…いつまでそうしているつもりだ。何か用か?」

 

 

 

 

 

 

僕は何か答えようとしたけれど、口がパクパクとむなしく動くだけで、声がまったく出なかった。

 

 

 

 

 

 「…」

 

 

 

 

大熊はまた無言になり、黒い穴で僕を吸い込み続けた。

 

 

 

 

落ち着け、落ち着け…

 

 

 

 

僕は大きく深呼吸して、新鮮な空気を肺と脳に深く流し込んだ。

 

恐怖で酸欠になっていたあたまと細胞に酸素が供給され、ようやく少し落ち着きを取り戻した。

 

 

 

 

 

「…ハ……ハイランドに…行きたいんだ…」

 

声をふりしぼって、やっとそれだけ言葉が出た。

 

 

 

 

 

声を少し出すことができてちょっと楽になったので、僕は続けた。

 

 

「…ハ…ハイランドへのみちを…お…教えていただきたいのですが…」

 

 

 

 

 

 

大熊は、しげしげと僕を見つめて言った。

 

 

「なぜ、ハイランドに行くのだ?」

 

 

 

 

 

 

その低く響く声は、地獄の裁判官のようだった。

 

僕は勇気をふりしぼった。

 

 

 

 

 

 

「ぼ…僕には責任がある。だから…だから僕は絶対に、絶対にハイランドへ行かなくちゃいけないんだ」

 

 

 

 

 

 

すっと大熊の表情が変わり、黒い穴の奥がキラリと輝いた。

 

 

「お前の言う『責任』とは、いかなる責任か?」

 

 

 

 

 

 

僕はまたも、勇気をふりしぼって答えた。

 

「僕にこのことを伝えてくれたダルシャに対する責任、自らの魂の声に従って闘い、その結果、僕が殺してしまったガルドスに対する責任、そしてなにより僕自身の『魂の声』、ほんとうの自分に対する責任だ」

 

 

 

 

 

「私が誰だか、知っているか?」

 

「知っているとも。『赤い魔獣』だろう」

 

 

 

 

 

大熊は、フンと不服そうに鼻を鳴らすと言った。

 

「私の名は、ゾバック」

 

 

 

 

 

 

ゾバックはゆっくりと立ち上がった。立ち上がるとその大きさはあまりにも巨大だった。下から見上げると、ゾバックの顔が見えない。

 

 

 

ゾバックは、はるか頭上から言った。 

 

 

 

 

 

「お前、名はなんと言う?」

 

 

「ぼ…僕はジョン」

 

 

「ジョン、私についてきなさい」

 

 

 

 

 

そして、のっしのっしと歩き始めた。

 

 

 

 

僕は覚悟を固め、ゾバックの後ろについて歩き始めた。

 

 

 

 

⓮『“無”であるがゆえに“鏡”』へ続く

 

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(今日のほっこり)

 

 

 

★生還体験記です。

ベストセラーになりました。

 

 

 

★講演などの画像です。よろしければ。

 

 

 

★オススメのお水やお茶など

よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。

おすすめのお茶や飲み物など

サプリなど

オススメの本①(読むと元気になる)

おススメの本②(劇的寛解事例)

おススメ本③(生還者たちの体験記)

おススメ本④(食事関連)

 

★講演会など

その①

リーらの会 #12

9月30日(金)の開催です。
時間は午後20時から22時くらいまで。

主に仲間づくり、情報の交換、悩み相談などが目的の会です。

「がん」を含めて(ガンでなくても、もちろん歓迎)、病気や気持ちや環境など、その中で感じていること、悩んでいることなどを語り合える仲間がいるだけで、心が軽くなります。

共通の悩み(病気)や、目の前に起こっているトラブルなど、話し合い、聴き合うという体験は大切です。

人は、話すことによって癒されるのです。
(カール・ロジャース談)

前回(8月26日)は約50名のみなさんにお越しいただき、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
この日は僕の話(只管ということ)の他に、大腸ガンステージ4生還者Gさん(寛解してもうちょっとで5年)、
エンディングノートを書いて生き方変えてガン消えて社会復帰の、上顎ガンステージ4から生還したOさん、
そのエンディングノートのご指導をされたリボーン洞戸のセラピスト池田ユリさんの話をお聴きしました。

みなさん、すばらしい。
人の可能性は無限大です。

また、グループのシェアでも、たくさんの仲間と良い交流が出来たようです。
ご参加いただいた皆様に、感謝です。

途中参加、途中退出OKです。
参加方法はZOOM、無料です。

 

 

その②

「時空の杜」サレンダー瞑想キャンプ

10月20日(木)~23日(日)

サレンダー瞑想キャンプ案内

お申し込みはこちらから