二人の想いと未来。織田哲郎「時の流れに」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は織田哲郎「時の流れに」(1993年リリース、アルバム『T』収録) です。





アルバム『T』に関しては以前投稿した「いつの日か、きっと」の記事に載せてますので、そちらをご参照下さい。

↓こちらです。
ここで私は何を書こうかと思ったのですが、折角なので以前Xにおいてポストした内容をちょっとなぞってみようかなと思います。

それは昨年11月にKANさんが亡くなった時に呟いたものです。このブログの音楽投稿の一番最初に投稿した「愛は勝つ」が私にとっては全ての音楽の出会いのキッカケとなった曲といっても過言ではなく、この曲があったからこそサザンオールスターズ・山下達郎さんに触れることは無かったかもしれません。

「愛は勝つ」という曲はラブソングでもあるのですが、応援歌でもある曲だと思います。何故かと言えば、その歌詞の対象は「相手」だけではなく、「自分」も含めたものだと思うのです。対象が広範囲で、誰しもが共感し、そして相手を思い遣ることが出来て、尚且つ自分の励みになる曲の集大成が「愛は勝つ」に詰まっていると言えます。事実ダブルミリオン・セラーになるほど売上、NHK紅白歌合戦でも歌われ、日本レコード大賞を授賞するなど、まさに国民的愛唱歌と言ってもいいくらいの名曲だと思います。


その反対にある、いわば対象が定まっているのが、H Jungle With tの「WOW WOR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」のある1節です。

思えばlove songなんて歌ってみるとき
必ず目当ての誰かが いた様な

この曲のサビの1節で、「必ず目当ての誰か」が居ることを前提に歌っています。これはラブソングを歌う時によくある、好きな人への想いを、ラブソングに込めて歌い上げる様子を指したものですが、あるあるだと思いますし、私自身も物凄い共感する歌詞です。当時の小室哲哉さんが書き上げたこの歌詞は恋愛へのコンプレックスみたいなものを世に放って共感を得た、グサリと突き刺さるような曲だと思いました。


ラブソングを聴く時、そしてカラオケで歌う時。私はどちらもその時の想い人が頭の脳裏によぎり、その人へ向かって想いを告げるような気持ちになってしまいます。時にはドキドキしたり、時には苦しくなったり、時には寂しさや悲しさを感じたりします。ラブソングは作り手や歌い手の元から離れて、大衆一人一人へそれぞれの想いを持った「自分だけの曲」に変わるものだと思います。

織田さんの曲で言えば、1番はやはり「いつまでも変わらぬ愛を」がラブソングとして人々に愛されている曲であることは間違いありません。織田さん自身は亡くなったお兄さんへの思いを込めた曲として作ったそうですが、受け止め方は人それぞれと話していることもあり、現在でもラブソングとして重宝されています。そんな織田さんの数多くある作品の中にあるのが、この「時の流れに」でした。

「いつまでも変わらぬ愛を」とはまた変わって、時間が経つごとにすれ違いつつあるかもしれないけれど、今のこの一瞬を一緒に過ごせるように、と願う優しいラブソングとなっています。今回はサビの歌詞を抜粋してみようと思います。

時の流れに いつかすれ違ってゆく
それぞれの夢 それぞれの明日

時間が経てば経つほど、2人の想いが何処かすれ違っていくことはあると思います。それは大きいこともあれば些細なこともあります。2人が思い描く夢もそうですし、近い未来すらどうなるかわかりません。

2人いつしか こんなに遠く離れても
今は君と このまま歩いていたい

その些細な掛け違いやすれ違いが、大きなものになっていくかもしれません。勿論、物理的に離れ離れになってしまうこともあるかもしれません。そうなった時に悔いが残らないように、今のこの時間を大切にして、一歩ずつ歩みを進めていこうと決めます。

君がこの街で過ごした すべての瞬間(とき)を
抱きしめながら そっと心がよりそうように

今住むこの街の風景と想い出ごと、自分たちの胸に刻み込んで、お互いが楽しかった想い出を共有できるようにしていきたいと話します。

アルバム『T』の最終曲ということもあり、壮大なピアノとストリングスが使用されています。バンド・サウンドになっていますが、バラードということもあり、ギターも目立たない演奏になっています。しかし作曲・編曲ともにやはり織田さんはスゴイの一言に尽きます。元々はロックン・ロールが好きな方ですが、ここまで壮大なバラードも作れるのはさすがだと思います。

優しいバラードでラブソング。だからこそ、この曲も想いを乗せやすい、上質なバラードだと思います。ラブソングっていいですね。