姉弟デュエット。鈴木聖美 with RATS & STAR「ロンリー・チャップリン」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は鈴木聖美 with RATS & STAR「ロンリー・チャップリン」(1987年リリース、アルバム『WOMAN』収録、同年シングルカット) です。




歌手の鈴木聖美さんは、元々は一般職に勤めていましたが、弟でラッツ&スターのリーダーである鈴木雅之さんの薦めで、ラッツ&スターが「シャネルズ」だった時にアマチュアでライブステージに上がっていました。そのパワフルな声質は業界関係者から高い評価を得て、1982年に「シャネルズ+1」として「もしかしてI LOVE YOU.」をリリースして音楽業界入りします。その後もテレビドラマの挿入歌を歌うなどの下積みを経て、1987年に弟の雅之さんが全面プロデュースし、ラッツ&スターとタッグを組んでシングル「シンデレラ・リバティ」をリリースし、34歳という遅咲きでメジャーデビューしました。そしてアルバム『WOMAN』に収録された曲がこの曲でした。

『WOMAN』は、雅之さんがプロデュースし、ラッツ&スターがコーラスや演奏といった形で参加しています。この曲では雅之さんもボーカルとして参加し、男女デュエット曲として広く認知されています。元々はシングルカット曲の為、売上は伸びませんでしたが、ジュエリーショップのCMソングに起用されると曲の認知度が高まり、シングル単体でもヒットしました。現在では鈴木聖美さん、雅之さん共に代表曲となり、デュエットソングの定番ソングとなっています。

全ての曲で、雅之さんがアレンジに参加するなど、アルバムの制作にかなり気合いを入れて臨んでいることがわかります。共同アレンジにシャネルズ時代から制作に携わってきたギタリストの村松邦男さんが参加しています。この曲は作曲も雅之さんが作っています。ベース・ラインやドラム・パターン(特にフィルイン) 、一部のメロディが、ジャーメイン・ジャクソンとホイットニー・ヒューストンが1984年に発表した「Take Good Care of My Heart」に酷似しているとしばしば指摘されることもあります。ただ、ブラック・ミュージック要素が強いこの曲に聖美さんの声はピッタリで、名曲として名高いことも事実です。イントロなどでしばしば聴ける桑野信義さんのトランペットは、ブラック・ミュージック要素を都会的な雰囲気にさせるのに一役買っています。

歌詞は岡田冨美子さんによる作詞。「チャップリン」とタイトルや歌詞に出てきますが、「チャールズ・チャップリン」とは一切無関係で、離れ離れになった男女の想いを綴ったものとなっています。「時が過ぎ あなたが消えても きっと待つわ」と女性は男性が例え居なくなろうとずっと一途に待ち続けるという想いを持っていますが、「あなたは私を「恋人じゃない 友達さ」と言うけど」と男性はその想いが愛情では無く、友情だと言っているなど、想いの熱がかなり違っています。その男女の駆け引きが楽しめる歌詞となっています。

男女デュエットとしては珍しい「姉弟デュエット」。聖美さんと雅之さんならではの曲だと言えます。




なお、「Take Good Care of My Heart」も一応載せておきます。