バブル経済のおかげでしょうか、私は大学を卒業し社会人になってから数年後に、母校とは別の大学で認知心理学や学習心理学など心理学関係の研究をさせてもらいました。

しかし、心理学では思っていたような研究ができず、限界を感じたため、「脳科学」を研究しようと思っていたところ、運悪くバブル経済の崩壊により研究を続けることができなくなってしまいました。そのため、独学で「脳科学」の勉強をすることになります。

【受験対策本と速聴について】
社労士試験のみならず、難関国家試験に合格するための「受験対策本」は数え切れないほどの種類の書物が売られています。

ところが、肝心の「速聴の効果」について触れている「受験対策本」は、ほとんど見当たりません。
これは非常にもったいないので、今回は脳科学の観点から、「速聴の効果」について、いくつか紹介することにします。

速聴」については、生講義では難しいですから、特に通信講義(オンライン講義)を利用なされているような受験生が、1.2倍速や1.5倍速(場合によっては2倍速)などで視聴することにより、学習効果を上げることに意味があります。

【1】「速聴」は「速読」に繋がる!
TOEICTOEFL、あるいは英語検定でもよいのですが、「リスニングテスト」を受けたことがありますか?

帰国子女でもない限り、ネイティブスピーカーの英語は相当の早口で喋っているように聞こえるため、なかなか聞き取れません。しかも、難しいリスニングテストでは、メモを取っている暇もなく、次々にネイティブの喋る英語が流れます。

実は、この「速聴」に慣れてくると「速読」にも繋がると言われます(速聴速読)。

5年くらい前の社労士試験(択一式問題)から「個数問題」が出題されるようになりました。
社労士試験(択一式問題)は、全70問を210分で解くように作られていますから、1問当たりを平均すると「3分」です。
しかし、個数問題は、3分ではとても解けません。
受験戦術としては、個数問題は飛ばして最後に解くのがよいと思いますが、試験途中でトイレに行くなどの時間を考えると、個数問題でない単なる5肢択一問題については、2分半程度以内で解けなければなりません

脳科学では、「速聴」は「速読」に繋がり「速聴速読」になるそうですから、重要な受験対策になります。

★さらに、「速聴速読」によって素早く問題を解けるようになることを「速解」と言います。過去問や答練問題などを解くときは、速く解く意識で学習してください。ゆっくり解こうとすると、かえって「深読み」してしまうことになりかねません。

【2】「速聴」で集中力を身につけられる!
これは、TOEICTOEFLなどのリスニングテストを受けられた経験がある受験生なら、実感していることでしょう。
リスニングテストでは、肩が凝るほど真剣に集中していないと、まったく解けませんからね。

また、集中力にも関連しますが、「速聴」は眠くなることを防止します。

皆さんの中で、子どもの頃、親から絵本の読み聞かせをしてもらった人はいますか?

実は、絵本の読み聞かせのように、相手にゆっくりゆっくり喋ってもらうと「催眠効果」があるのです。ですから、わずかな効果かもしれませんが、相手に早口で喋ってもらうことは重要なのです。

ですから、せっかく通信講義やオンライン講義で受験勉強をなさっている方は、ぜひ1.2倍速とか1.5倍速などで速聴してください

【3】「速聴」で論点把握力や記憶力が鍛えられる!
リスニングテストでは、英検3級程度の簡単なものであればメモを取ることもできますが、難しいリスニングテストになると、メモを取っている暇もなく次々とネイティブの喋る英語が流れますから「待った!」はできません。

流れてくる英語から、素早く問題(設問)になりそうな箇所を判断し、記憶しておかなければなりません。
これは、まさに社労士試験(択一式問題)を解くことと類似しています。

【4】「速聴」は大脳を活性化させる!
以上述べてきたことを一言で言うと、「速聴は大脳を活性化させる!」ということです。

※ 私自身、速聴のおかげで受験勉強の期間も短く済みましたし、分厚いテキストも短時間で読むことができました。社労士試験に合格したのも、速聴の寄与分が非常に大きかったと思います。

さあ、いよいよ社労士試験の受験勉強も佳境に入ってきました。
働きながら社労士試験の受験勉強をなさっている社労士受験生にとって、まとまって受験勉強をすることができるのは主に…、
①年末年始
②ゴールデンウィーク
③お盆休み
の3回程度です。

しかも、来年度の社労士本試験は、直前に東京オリンピックが開催されますから、まわりが騒がしくなることが考えられます。

社労士試験の内容を早めに仕上げることを意識しておきましょう。