固めのカスタードプリンを作るには?~卵を制する者はプリンを制する~
カスタードプリンを作るのに、好みの固さにしたいな~と思ったりしませんか。かたさを決める要因はいろいろあります。そのなかでも固さを左右する大きな要因のひとつは、「卵」です。
ブリティッシュベイクオフ4、テクニカルチャレンジの課題のひとつにカスタードタルトがありました。
審査員ポール氏のレシピを参考にして作ったカスタードタルト。カスタード、つまりプリンのところは、卵黄オンリーで作るレシピでした。
おいしくとろとろに出来上がったタルトのカスタード(プリン)。これで満足すればよかったのですが、卵によって食感がどう変わってくるのか、実際に比べてみたくなりました。
カスタードプリンの固さを決めるもの
カスタードプリンの固さに影響してくるのは、おもに次のふたつです。
1.卵黄と卵白の割合
2.砂糖の量
今回は、卵黄と卵白の割合を変えて、試作をしてみました。
一般的に、カスタードプリンの配合の黄金比は
卵1
牛乳2
砂糖0.5
と、なっています。いろいろなレシピをみていると、この黄金比をきっちりと守っているものはあまりありません。それぞれ配合を動かしながら、好みのカスタードプリンを作っているものが多いです。
卵黄と卵白の割合によるカスタードプリンの違い
前置きはさておき、カスタードプリンを作りましょう。
カラメルを作ったら、プリン型の底に流しておきます。きれいに底面全面に流す必要はありません。(型の違いによる出来具合を試したかったので、2種類の型で作っています。)
卵は3パターンにして作りました。
1.全卵1個
2.全卵半分と卵黄1個
3.卵黄2個
プリン液はできあがったら温かいうちに型に流して、オーブンで湯せん焼にしていきます。これはお湯を入れる前の画像です。
焼き上がりはこちらです。
左から卵黄のみ、卵黄+全卵、全卵のみのプリンです。
我が家のオーブンは、右からの火のあたりが強いので、その影響がちょっと出ているかもしれません。
画像ではわかりにくいのですが、いちおうそれぞれのプリンをのせておきますね。
全卵のみ
画像からもプリン生地がしっかりしているのが、わかります。プルンとした感じ。舌にのせても、保形性が感じられます。味はさっぱり、あっさりした感じです。卵の風味は3つのなかでは一番軽めです。
スプーンですくっても、切り口が崩れません。
全卵+卵黄
全卵のみよりは、型から外すときに少し崩れやすい印象です。卵黄らしい卵の風味が加わってきます。
スプーンですくった切り口は、全卵ほどではありませんが、プルルンとしています。
卵黄のみ
全卵に比べると、ぷるんとした固さがあまりありません。くずれやすい。卵の味がいちばん濃い印象です。舌触りがクリーミーで、舌にのっかるとすぐにくずれて溶けていきます。
スプーンですくうと、切り口はスパっとはなりません。
シンプルなカスタードプリンですが、卵の使いかたで風味も食感もかなり違ってくることが、実感できました。
卵がカスタードプリンの固さを決める理由
卵黄と卵白の割合で、プリンの固さが左右されるのはなぜかということが、ちょっと気になりますね。
熱を加えた卵白は、卵黄に比べると、水分をたくさん含んだ状態でゲル状に固まっていきます。
卵白のタンパク質は、網目状につながって、そのすきまに水分をためこむことができるという性質があるのです。
目玉焼きやゆで卵を作ったときに、卵白がかたまったところは、プルルンとゼリーのような感じで固まっていますよね。
しかし卵黄のところは、水分が少ないぼそっとした感じで固まっています。さわるとすぐにもろもろと崩れます。
卵白多めのカスタードプリンはしっかり固めに固まるけれども、卵黄だけのカスタードプリンは、ずぐに崩れそうなやわらかめのプリンに仕上がることが、イメージできますか?
プリンの柔らかさは、ほかにも要因があるので、卵だけですべてが決まるわけではありません。が、自分好みの配合を考えるときに、まず決めないといけないポイントになります。
カスタードプリンは、シンプルだけど配合を考えるのが実に楽しいお菓子です。好みのものを作りやすいお菓子だともいえるのではないでしょうか。
カスタードプリンと卵の関係まとめ
・卵白が多めのカスタードプリン:固めであっさりとした風味
・卵黄が多めのカスタードプリン:柔らかくクリーミー、卵の風味がしっかりある
好みのカスタードプリン作りの参考にしていただけるとうれしいです。カスタードプリンのこと、またいろいろ書きたいな~と思っています。
ブリティッシュベイクオフ審査員、メアリーさんのレシピで作ったカスタードプリン(クレームカラメル)の記事はこちらです!
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。