とっさんの幸せ。 -7ページ目

雪の中…

 二人でクリスマスをやり直すはずの日、私はまたも彼からの連絡を待っていた 

午後になっても、夕方になっても 携帯は何も受信しないまま、夜を迎えようとしていた 


待つことに苛立ちを感じ 私は彼の家へと向かった…
私を迎え入れてくれた扉は またも冷たく私を拒んでいた………… 




泣けてくる…… 



悔しいのか悲しいのか もぅ分からなかった 

ただただ涙がこぼれた 



彼のマンションの通りは 天気予報どおりの雪が舞いだしている 



私の想いと言う雪は、溶けることなく静かに降り積もっていく 




雪のなか 私は3時間近く彼のマンションの扉の前にいた 

下手したらストーカーかも

こんな場所に何時間いてもしょうがない 

頭で解っていても、もしかしたら……と期待してしまうバカな自分がいる 



帰宅する頃には道路にうっすらと雪が積もりだしていた 



泣きながら歩く私は 
 なんて惨めなんだろう 


それでも どうして彼の事が好きなんだろう………

壊れた心

 
彼と知り合いその存在は私の中で とても大きくなっていた 


 深夜勤務の私は学生で普通の生活を送る彼に合わせていた  
 会えるのなら、睡眠時間を削ってでも会いに行っていた  
 
私達は歳が4つ離れていた 
学生の彼に少しでも好きでいてもらいたいから… 



自分自身にものすごく自信がなかった  


こんな自分を好きになってくれるのなら、努力を惜しまない 
 

 
……本当に大好きだった 
こんなに誰かに夢中になれる事 この先にあるんだろうか… 


霧の中…

電話の翌朝、深夜勤務明け私は彼の家を訪れた。

前は開かなかった重い扉が、私の一抹の不安を振り切るかのよぅに開き、彼が顔をだした。

部屋に入りソファーに彼と座る…
彼が私にもたれかかってきた 私はこの瞬間すごく彼をイトオシイと思っていた
普段、外で話す彼はどちらかといえば『ひょうひょう』として、あまりべったりはしてこないが、二人になると彼は私に甘えてくる。
子供が母親を求めるように…私が守らなくては
彼より年上の私は こんな時いつもそう思う。

その時は『どうしたの?』と私の問いに 彼は曖昧な返事ばかりだったが、今日でなくても、すぐに理由聞けるよな………そぅ思うしかできなかった私は 彼とのこのイトオシイ時間に浸っていた。


今気付くと 結局本質的な理由は何も聞けていない。 今現在も。

先の見えない霧の中へ この時期から私は迷いこんでいった……