ナメクジ食べたら死にますぜ ・・・ 医学豆知識
でんでん虫々 かたつむりおまえのあたまは どこにあるつのだせやりだせ あたまだせと 童謡に歌われたように 私の子供の頃は 家庭の庭や 道ばたの草むらで良く見かけたものでした。かたつむりと呼称されるようになったのは 国定教科書に「かたつむり」の唱歌が掲載さえてからのそうです。柳田圀男はかたつむりの方言として マイマイ、デデムシ、カタツムリ、ツブリ、ナメクジをあげています。かたつむりを ナメクジと呼ぶ地方もあるようですが 一般には陸にすむ貝のうち殻をもつものを「かたつむり」、殻のないものをナメクジと呼んでいます。かたつむりのフランス語は エスカルゴです。日本でエスカルゴといえば かたつむりを用いたフランス料理をさしますね。通常は前菜として食されるもので 私も研修医になって 初めてエスカルゴ食べたときは感激したものです。エスカルゴには フランス産のリンゴマイマイが用いられます。食用にするのは養殖されたもので 野生種は絶滅危惧種となる状況だそうです。エスカルゴの調理法ですが 殻から取り出し内臓を除いた後に加熱 パセリとニンニクのみじん切りを練り込んだ エスカルゴバターを絡めるのが一般的です。盛り付けには再び殻に戻す場合と、たこ焼き器に似た専用の容器にエスカルゴとエスカルゴバターをいれて 提供される場合があります。さて、ここでナメクジです。ナメクジは 実はかたつむりの一種なのです。かたつむりの貝殻が退化して 体内にはい入ってしまえば ナメクジになるんですよ。かたつむりからナメクジに変化する、途中の形態を持つ種類もあります。小さな貝殻をもち 止まっている時はカタツムリに見え 活動している時には殻が外套膜に覆われて ナメクジの様に見える ヒラコウラベッコウガイです。さて こららのかたつむりやナメクジを生で食べると とんでもないことになるのを ご存じでしたか。広東住血線虫という 寄生虫がいるんですよ。広東と名付けられていますが 太平洋の島々・極東・東南アジア諸国・オーストラリア・アフリカ・インド・インド洋やカリブ海の島々・北米などに 広く分布しています。沖縄、オーストラリア、ハワイ島では この寄生虫による死者もでています。沖縄では 外来種のアフリカマイマイが、ハワイ島ではアフリカマイマイとヒラコウラベッコウガイから 感染が起こっています。ハワイ島のヒラベッコウガイは 感染率が68%と最も高率で要注意。汚染した野菜サラダを食べて 感染した例も報告されています。また 食べなくとも 素手で触っても感染します。ハワイ島に別荘を買った大谷選手 くれぐれもナメクジやかたつむりには 触らないでください。本症の特効薬はありません。脳脊髄膜炎に対しては対症療法が行われています。予防が肝心です。本項の結論は。ナメクジ食べたら死にますぜ。