マイアミ・バイス(Miami Vice)は、1984年9月から1989年5月まで、アメリカのNBCで放送された刑事ドラマです。

 

丁度、レーガン政権の2期目の時代ですね。

 

日本では、1986年10月からテレビ東京で放送が開始されました。

 

このドラマは、フロリダ州マイアミを舞台に、麻薬取引や、武器密輸などを専門に取り締まる、特捜刑事達の活躍を描いています。

 

主人公は、ドン・ジョンソンが演じるソニー・クロケット刑事と、フィリップ・マイケル・トーマス演じるリカルド・タブス刑事です。

 

 

クロケットはフェラーリを乗り回し、ヴェルサーチやアルマーニのスーツを着こなす、スタイリッシュな潜入捜査官として描かれています。

 

マイアミ・バイスがヒットした理由の一つは、その斬新なスタイルです。

 

作品は、当時の流行を取り入れたファッションや音楽を特徴としており、MTVの影響を受けた「MTV Cops」とも呼ばれるほど、音楽と映像が際立っていました。

 

テーマ曲を手がけたヤン・ハマーの音楽や、劇中で使用されたボンジョビやステッペンウルフのヒット曲が、ドラマの魅力をさらに高めました。

 

また、リアリズムへのこだわりも成功の要因です。

 

脚本や演出では、アメリカ社会の抱える闇や、捜査のプロセスそして刑事達の葛藤をリアルに描きました。

 

こうして、従来の刑事ドラマとは一線を画した作品となったのです。

 

さらに、豪華なゲスト出演者や高品質の映像技術も視聴者の目を惹きつけました

 

マイアミ・バイスは、スタイリッシュな刑事ドラマとして、1980年代アメリカ社会の一端を象徴する作品となったのです。

 

本作の最大の魅力となったソニー・クロケット刑事のファッションを深掘りしてみましょう。

 

ゆったりとしたアルマーニのジャケットに無地のTシャツを合わせ、素足でローファーを履くというもので、マイアミの暑い気候に適したリラックス感と洗練さを兼ね備えていました。

 

 

このファッションは、単なるドラマの衣装を超えて、男性の着こなしに自由と遊び心をもたらしたと云われています。

 

素足に革靴のスタイルは、実際にはミラノのファッションシーンがきっかけでした。

 

ファッションの先進国、イタリアで生まれたソックスを省略したローファースタイルは、マイアミ・バイスの影響で世界的なトレンドとなったのです。

 

マイアミ・バイスをパクって作られたのが、日本テレビ系列で放送された「あぶない刑事」(通称あぶデカ)です。

 

 

物語の舞台は、マイアミに似た港町横浜で、神奈川県警港警察署の刑事コンビ、館ひろし演じるタカと柴田恭兵演じるコージの破天荒な活躍を描いています。

 

スタイリッシュな演出は、マイアミバイスの二番煎じですが、アクションシーンや銃撃戦もリアリズムは皆無、まあよくできたコミカルパロディでした。

 

あぶデカは、続編の「もっとあぶないデカ」と合わせて、1986年10月から1989年3月まで放送されました。

 

この作品が、日本でヒットしたのは、従来の刑事ドラマの枠を超えたエンターテインメント性と、館ひろし、柴田恭兵、浅野温子など出演者の魅力でしょうか。

 

 

バブルで浮かれた、当時の日本の空気を色濃く反映したドラマでした。

 

そうそう、忘れるところでした。

 

ソックスを省略したローファースタイルで売り出したのが、俳優の石田純一でしたね。

 

 

そんな石田純一が残した昭和の名言が、「不倫は文化だ」ですね。