必見!知れば、種により理解が深まる!施設でよく見られるキーワードを紹介! | ナショナルけもペディア<ナショけも>

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アラフェネ動物記へようこそ!
こちらでは、明日動物園・水族館で使える
動物基礎知識を主に載せています。
主に、哺乳類、鳥類、爬虫類が中心に
記事を書いていますが、
飼育方法などは記載いたしません。
よろしくお願いいたします。

 

 

こんにちは、アラフェネです。

 

今回は<動物園・水族館>のコラムになります。

 

前回のけもレポの事前の告知通り、<けものフレンズ@公式アカウント>にて、大型企画の一つ<動物園・水族館10周年ポスター提出>にて、全国の各指定の動物園・水族館にコラボグッズの配布が決定したとのポストがありました。

 

まず、今回のコラボ第一弾として、

 

・日立市かみね動物園(茨城)

・花園協会水族館(京都)

・福山市立動物園(広島)

・豊橋総合動植物公園<のんほいパーク>(愛知)

・岡山県自然保護センター(岡山)

・姫路セントラルパーク(兵庫)

 

さんとのコラボが行われ、<10周年記念ポスター>、<フレンズステッカー>などが配布されます。

 

これを機会に多くの方が動物園・水族館へ、来園来館されると思いますので、

今回は、知っておくとさらに動物園・水族館や理解が深まり楽しくなる、施設でよくみられる<ワード>を簡単に解説したいと思います。

 

施設のまわり方などの記事は過去に投稿してありますのでこちらも併せて、ご購読頂ければと思います。

 

 

 

 

 

  動物園・水族館とは?

動物園・水族館とは、世界各地の野生生物を生きたまま展示する<生体博物館>のことで、他の博物館と同じ<博物館法>適用されています。

 

 

動物園やサファリパークは<陸上>をテーマに、<ゾウ>、<キリン>、<カバ>、<ライオン>、<トラ>、<ゴリラ>、<シマウマ>、<スイギュウ>、<ガゼル>、<オリックス>などの陸上動物、<インコ>、<オウム>、<ワシ>、<ダチョウ>などの鳥類、オオトカゲ、カメ、ワニなどの爬虫類など、陸上の中型~大型の動物種を幅広く展示しているのが最大の特徴です。

 

 

一方、水族館は、<海洋>をテーマに、海水魚、淡水魚、熱帯魚、深海魚などの魚類や、<イルカ>、<シャチ>、<アシカ>、<オットセイ>、<アザラシ>などの海棲哺乳類、<ペンギン>、<アジサシ>などの海鳥などの海洋生物を幅広く展示しているのが最大の特徴です。

 

動物園と水族館と2つのテーマに分かれていますが、必ずしも動物園なので陸上動物のみ、水族館だから海洋生物のみという固定的な決まりはなく、動物園でもアザラシ、ペンギン、イルカなども展示してますし、水族館でもイルカショーの合間にバードショーを挟んだりと柔軟な展示を行っているところがほとんどです。

 また、植物を合わせた<動植物園>や、鳥類や爬虫類のみを専門に扱った、<花鳥園>、<爬虫類園>など、施設にも自然にならい多様性が見られるようになっています。

 

 

このように、2つの施設の共通の特徴として、生きた動物を展示し、動きなどを一般の方に見て頂くことで、画像や動画では味わえない要素をいかに5感を通して伝えていくのが、この施設の最大の目的になっています。

 

 また、一時期は、動物を見せて楽しむための施設として、人気を博していましたが、近年は、様々な要因により、絶滅が危惧されている種が急増していることから、<種の保存法>に準じ、絶滅種を保護し、個体数を回復させるという重要な役割が求められるようになっています。

 

したがって、世界の動物園水族館を取りまとめるWAZA<世界動物園水族館協会>では、園館で求められる大きな4つの役割として、<種の保存>、<調査研究>、<環境教育>、<レクリエーション>などを掲げています。

 

詳しくは、過去の記事に詳細を書いていますので、良ければ一緒にご購読頂ければと思います。

 

最後に動物園・水族館の案内板や展示版などでよく見るワードを下に簡潔にまとめてみました。

来園・来館した時の参考になれば幸いです。

 

 

  分類

種の分類は、いわば種の系統ごとに仕分ける住所のような物で、その種はどの種に近縁なのか、同じ仲間なのかが、複雑に枝分かれし、グループ分けされています。

これらのグループのまとまりをいわゆる<タクソン(分類群)>と呼ばれるものになります。

 

 種の分類は基準は生物学者、研究機関などの科学的知見に基づき決定されていますが、本当にこの分類でよいのか日々議論されているため、分類が見直されることがあります。

 

 基本的に種を分類する際は、<リンネ式分類体系群>と呼ばれる分類体系を採用しており、生物階層の最上位から、

 

<ドメイン>⇒<界>⇒<門>⇒<綱>⇒<目>⇒<科>⇒<属>⇒<種(名前)>の階層で分類されています。

 また、種を更に細かく分類する際は、階層の前に<上(じょう)>、<下(か)>、<亜(あ)>などをつける場合があり、例えば、上目、下目、亜種というような形です。

 

 しかし、施設や<けものフレンズ>などでの公開表記上は、上から

<綱>⇒<目>⇒<科>⇒<属>⇒<種(名前)>のみの5階層が基本とされており、<ドメイン>~<門>は基本的に省略されています。

ただし、<種>に関しては、種名の後に亜種とつけ、最後に亜種名を表記する場合があります。

 

 

 

  学名

 

<サーバル>の学名は<Leptailurus seval(レプタイルルス・サーバル)>。

元々サーバルは以前の分類は<レプタイルルス属>となっていたが、現在は<サーバル属>となっている。

 

 

動物園、水族館、<けものフレンズ>などの動物の名前の欄には、種名、分類の他に<学名>と呼ばれるものが表記されており、世界共通として、生物群(タクソン)につけられ、主に学者の間で用いられる<ラテン語>が用いられています。

 

<生物名(種名)>の多くは基本的にこの<学名>を元に様々な形で変換したものが多く命名されています。

 <生物名>は国や地域によって呼び名が異なっており、例えば、和名では<キリン>、<ゾウ>を英語では<ジラフ>、<エレファント>言語による違いや、<シロイルカ>を<ベルーガ><トナカイ>を<カリブー>などという様に地域により、同じ種でも全く呼び名が違うものが存在します。

 しかし、ラテン語はどの分野でも現在は用いられることはなく、永遠に意味や文字が変わることない世界共通の言語となっており、別名<死語>ともいわれるものです。

 

 現在の学名の命名法は、前述の分類体系<リンネ式分類体系群>の生みの親、<カール・フォン・リンネ>によって考案された<二文法(二語名法)>を採用しており、<国際動物命名規約>に沿って付けられています。

 その為、<属名>+<種名>をひとまとめにしたものを種名と定義しています。

 

 

 

 

 

  ワシントン条約 <CITES>

 

1973年にアメリカのワシントンD.Cで採択された<絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約>で、文章の通り、絶滅の恐れのある希少種の各国間の取引に様々なルールや制約を設け、動植物種を保護することを目的とした条約です。

 現在の条約の締約は2023年現在、日本を含めた184の国と地域が締約国となっています。

 

種の絶滅の大きな一要因として乱獲、密猟、取引が深刻です。

 パターンにはいくつかありますが、その種を直接取引するもの、カバンや財布に使うその種由来の素材採取、食用、薬用などの目的で多くの種が大量に捕獲、乱獲され、各国に輸出、輸入されています。

 

しかし、各国の動物園・水族館、大学、研究機関などで、保護に役立てるための調査、研究、保護を行う都合上、完全に輸出輸入を禁止するものは苦難ですので、種ごとに規制の強さ段階に付属書Ⅰ~Ⅲに大きく分け、約3万種がリストアップされています。

 

この付属書にリストアップされている種は、当然ですが個人の一般的な取引は全面的に禁止され、各国間で取引する際は、原産国の政府機関が発行する輸出入許可証明書が必須となります。

 対象となるのは、その種本体はもちろん、死体、はく製、毛皮・骨・角・葉・根その一部、それらを使った製品、加工品も全て対象となります。

 

 

 

 

 

  保護状況・IUCN評価・レッドリスト

 

EX:絶滅 <地球上ではすでに絶滅したとされている種>   

(ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、フクロオオカミ、ドルトン、バシロサウルス・イシス、ディアトリマ、メガテリウムなど)

EW:野生絶滅 <自然環境では生息せず、飼育下・栽培下のみで存続している種>

 

CR:絶滅危惧IA類(絶滅寸前) <近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い>

(イリオモテヤマネコ、シロサイ、スマトラサイ、オランウータン、ソデグロヅル、コウノトリ、トキ、ヤンバルクイナ、インドガビアル、ケープペンギンなど)

EN:絶滅危惧IB類(絶滅危惧) <IA類ほどではないが、野生での絶滅の危険性が高い>

(ドール、ジャイアントパンダ、ワオキツネザル、レッサーパンダ、マレーバク、トラ、ヘビクイワシ、ハゲワシ、シマフクロウ、コモドドラゴンなど)

VU:絶滅危惧Ⅱ類(危急) <個体数の減少が急速に拡大している>

(ライオン、スペインオオヤマネコ、ホッキョクグマ、オオアリクイ、コツメカワウソ、オオアルマジロ、カバ、アラビアオリックス、ハシビロコウ、オオワシ、アカウミガメなど) 

NT:準絶滅危惧 <絶滅の可能性は低いが、環境変化により絶滅種になる懸念がある>

 

LC:低危惧種(低危惧種) <生態系を維持するのに十分な個体数>

 

 

種の展示版や<けものフレンズ>の動物紹介などの多くには、現在、地球上にはどのくらいの個体数がいるのかを示す、

保護の評価基準が付けられています。

 地球上なので、野生由来はもちろん、関連施設などで飼育されている個体もすべて含まれており、多くの知見や科学的根拠に基づき、各国の環境省庁IUCN<国際自然保護連合>が種ごとに総合的な評価を行っています。

 

 評価の段階として、個体数が少ない順から、<EX:絶滅><EW:野生絶滅><CR:絶滅危惧IA類(絶滅寸前)><EN:絶滅危惧IB類(絶滅危惧)><VU:絶滅危惧Ⅱ類(危急)><NT:準絶滅危惧><LC:低危惧種(軽度懸念)>の7段階評価が付けられており、<レッドリスト>に登録がされています。

 その段階の内<絶滅危惧種>と定義されているのは、<VU~CR>の範囲で、早急な保護が求められています。

 

 地球にはまだまだ発見されていない種が存在し、調査段階で生態、習性、生理などの情報が不足している場合は<DD:データ不足>と表記される場合があります。

 

環境省のレッドリストは独自に、<LP:絶滅の恐れのある地域個体群>などの項目が追加で設けられ、地域的に孤立し、その個体群が絶滅の恐れが高いものとして評価を行っています。

 

ツシマヤマネコ

イリオモテヤマネコ

ヤンバルクイナ

 

 また、特に国内の在来種が危惧されている種を<国内希少野生動植物種>、<国の特別天然記念物>などに指定されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上が施設で見られる<ワード>についての内容でした。

 

正直な話、これら堅苦しいワードを理解覚えずとも、動物園・水族館を楽しむことができますが、頭の片隅にでも入れておくと、

その種はいかに保護が重要視されているのか、種への価値観が少し変わってくるのかと思います。

また、案内板などに書かれている紹介文なども理解できるようになり、更に楽しくなります。

 

 

 また、時折、ワードの関連記事を書きたいと思います。

是非、楽しい動物園・水族館ライフをお過ごしください。

 

 

 

 

 

  リンク

〇前回の記事一覧

 

 


〇前回のショートコラム一覧

 

 



○<X>アラフェネさん