呼吸困難の話 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

鳥は高度に発達した呼吸システムを有しています。

詳しくは過去記事に書いていますので気になる方はこちらから

 

話を進めますと、高度で発達している故、呼吸に関係する病気も多い。

インコやフィンチでよく聞くのは、呼吸時のプチプチ音やキューキュー音。

一過性の可能性もありますが、注意深く見る必要があります。

 

頻度や時間が増えていく場合、開口呼吸、テールポンピング、チアノーゼetcと早期に症状が悪化していきます。

 

上記のような悪化が見られたら、放っておいて治る可能性はありません。

出来る限り早く鳥専門病院もしくは鳥をしっかり診ることができる動物病院へ連れて行く必要があります。

自宅で酸素室を構築できるのであれば早急に用意します。

 

話は少し変わって、そもそも呼吸困難の原因は何なのか?

私見ですが、原因の多くは呼吸器疾患(肺炎、気嚢炎等々)と甲状腺腫。

 

細菌、真菌、寄生虫等々で肺炎になった場合、抗菌剤(抗生物質)と抗真菌剤、消炎剤等々がブレンドされた薬を飲むことになります。

甲状腺腫の場合、ヨウ素や甲状腺ホルモンが投与されます。

 

肺炎と甲状腺腫で治療方法(投薬)は全く違うのに症状は同じです。

(開口呼吸、テールポンピング、チアノーゼetc)

ここは飼い主として気を付けなければなりません。

 

なぜなら、犬猫専門の獣医師に見せた場合、殆どは肺炎と診断されるのです。

犬の場合、甲状腺が腫れるということは珍しいですし、万一、腫瘍が見つかると癌の可能性が高いのです。

鳥の場合、特に中高年以降の文鳥やセキセイインコではよくあると言って差し支えないと思います。

 

以前からお話ししているように、犬猫専門の獣医師は鳥を診ることも出来ないのに診察を請け負うことも多いのです。

例えば、強制給餌が出来ない。

強制給餌が出来ないということはそのう検査も出来ない。

まともな保定が出来ないのでレントゲンが撮影できない。

鳥に興味が無いから甲状腺腫が多いのも知らないばかりか、鳥の構造を知らないというか興味ない。

重度の呼吸困難の場合、入院(酸素室)が必要ですが受け入れる知識も設備もない。

そもそも、強制給餌が出来ないので入院不可能です。

犬猫専門の獣医師の知識はないない尽くしでベテランの鳥飼さん以下です。

「おいおいマジか!」という話ですが、マジです。

 

だから、鳥専門病院が近辺にない地域に暮らす場合、鳥をしっかり見ることのできる動物病院を事前に把握する必要があります。

(普通の動物病院であっても、鳥を本当に診れ、腕の良い獣医師はいます)

 

書きたい話と乖離してきたので戻すと、

呼吸困難の原因が甲状腺腫なのに肺炎の診断をされて抗菌剤(抗生物質)と抗真菌剤等々を処方された場合、致命的な結果になる可能性があります。

これも以前から度々記事にしていますが、抗菌剤は毒です。

薬=正義の味方のようなイメージですが、それは薬によって大きく違います。

小鳥に対しての抗菌剤は私的には抗がん剤レベルだと思っています。

だって体内の常在菌や善玉菌を皆殺しにするのですから。

人間に対しての抗菌薬と基本的には同じですが、鳥の消化器官は全く違います。

それでも大きなリスクを負って退治する悪い細菌がいればこその投与なのです。

 

なのに誤診で投与されると・・・

 

ただただ鳥は弱っていきます。

だって癌ではないのに抗がん剤を投与されているのですから。

もちろん、甲状腺腫は治りませんので、呼吸困難は続きます。

特に文鳥の甲状腺腫は進行が早いので、数日で落鳥する場合もあります。

 

飼い主から見ると、頑張ったね、苦しかったね、虹の橋の向こうで楽しくね・・・となるかも知れません。

でもね、本当は簡単に助かったとしたら・・・

 

恐ろしいことを書いてすみません。

 

でも、あるのです。

 

甲状腺腫の場合、初期だとヨウ素(ヨード)の投与で急速に改善します。

昨年11月、甲状腺腫の初期症状が出た文鳥のシルバでしたが、ヨウ素の投与で急速に回復、

現時点でも問題はありません→過去記事はこちらです。

呼吸困難がある程度進行しても、甲状腺ホルモンの投与で回復する可能性があります。

 

要は的確に診察、確定が出来るか。

 

肺炎との違いとして、甲状腺腫の場合、代謝が落ちるので体重が増加します。

夕方や夜間に呼吸困難の症状が顕著になります。

触診でも甲状腺の腫れが確認できますが・・・その時点では重症です。

レントゲンを撮ると炎症や肥大の部分が分かるので、差異を確認できます。

 

だから、呼吸困難の兆候を愛鳥でみたら、しっかり観察し、必要に応じて信頼できる病院へ行ってください。

甲状腺腫の可能性があるのなら、ヨウ素を投与してみてください。

ヨウ素の投与は鳥飼さん自身で出来ます。

 

難しい話になりましたが、中高年の文鳥やセキセイインコと暮らしている鳥飼さんは特に遭遇する可能性がある話です。

 

次回はヨウ素の話をしてみようと思います。

 

当家の鳥たち?

絶好調で皆さん元気です。