カエルの鳴き袋と出血斑 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

まずは先日お話ししたハルの出血斑ですが・・・

 

下記の写真をご覧ください↓

 

 

僅かに下方向へ移動しています。

これが意味することは、外傷性の出血斑もしくはイマイチ原因不明だけど問題ない出血斑だということです。

前記事にも書きましたが、怖いのは出血斑が複数発生したり出血斑自体が成長拡大してしまうことです。

ご覧の通りハルの出血斑の形状に変化はなくクチバシの伸長とともに先端へ移動中。

かわらず元気だし大丈夫だね。

ちなみに、背景や光源等々で写真の色味が変わることがあります。1月8日撮影の画像はクチバシの色が悪く?写っていますが、いわゆるホワイトバランスの関係なので、実際はもっと健康的な色をしています。

向かって左側の緑や小さな点は豆苗の食べかすとただのゴミです。

 

一難去ってまた一難と言う訳ではないのですが、ハルの鳴き袋のお話をします。

で、鳥に鳴き袋なんてありませんよ。

見た目から勝手に私が言っているだけです。

 

安静時に限るのですがハルは呼吸をする際、そのう部分が大きく膨れたり戻ったりすることがあるのです。

そう、それはカエルが鳴き袋を使って音を出すように(もちろん音は出ません)

初めて確認したのは数か月前です。

24時間診ている訳ではないので、どのくらいの頻度かは分かりませんが頻繁ではない。

見た目で言えば、そのシーンは衝撃的で心配でしかありませんし同じアキクサインコのチャチャや文鳥のシルバで見たこともありません。

 

これを理解するためには鳥の呼吸器官を知る必要があります。

まず最初にそのう部分というお話をしましたが、鳥のそのうは消化管の一部で、食べ物を一時的に貯めることが出来ますが、大きな膨張収縮機能はありません。だから呼吸によって大きく膨れるはずはないのです。

つまり、呼吸に合わせて膨張収縮を繰り返しているのはそのうではないのです。

 

突然ですが、人間は横隔膜の上下で肺の膨張、収縮を行い呼吸をしています。

肺自体は袋状なので風船みたいなものです。

正確にはもっと複雑ですが・・・

ところが、鳥には横隔膜がない!!!!

そして肺自体は膨張、収縮を行わないばかりか、肺は袋状ではなく貫通した呼吸器官です。

補助器官として気嚢(きのう)という袋状の呼吸器が肺の周辺に7~9個も存在しています。

気嚢は空気を吸い込み、貫通した肺にその空気を送り込みます。

鳥は肺をガス交換のみに特化(高度に進化)している為、膨張収縮を行わない。

 

難しい?

 

ぶっちゃけ、気嚢(きのう)と呼ばれているシュポシュポの袋が鳥には7~9個もあって、肺にバンバン空気を送り込む。

肺はバンバン酸素を送り出すことで、激しい運動が出来たり、高高度を飛んだりできる。

仮に人間が気嚢方式の呼吸ができたら・・・フルマラソンの記録は1時間30分ほどになるかも・・・

メチャクチャ効率のよい呼吸方法なのです。

 

鳥の呼吸システムは生物の中で、最強という学者もいます。

 

ある実験がありました。

高度6000メートル相当の気圧下にマウスとスズメを入れたのです。

マウスは失神、スズメは普通に飛んだそうです。

これは高度なガス交換機能(高濃度酸素を取り入れ二酸化炭素を排出)によって低気圧下でも普通に活動できる鳥ならではなのです(高度1万メートルを飛ぶことができる鳥もいます)

人間が高度1万メートルに放り出されたら体を動かすどころか酸欠で失神します。

なんと鳥は空気を吸う時ばかりではなく、吐くときでも酸素を取り入れ続けられます。

 

気嚢は前部気嚢群と後部気嚢群があります。

ここで書いたことより実際は複雑で高度な呼吸をしているのです。

もしよろしければ、ネットで調べて見てください。

鳥って凄いのです。

 

あっ!そうそう

ハルが呼吸に合わせてそのう部分が膨張、収縮を繰り返すのは、気嚢の反応です。

万一、膨張したままだと気嚢破裂という病気ですが、収縮を行うということは破裂していません。

気嚢はただの袋なので自体が病気になることはない。

でも、目に見えて大きく膨らむって、どういうこと?

例えば、肺との接続に問題がある?

膨張収縮ができるので問題は無さげかな。

ハルって変わっているから、もしかしたら、安静時に暇だから?大きな呼吸(深呼吸)をすることで気嚢が目に見えて膨張するのかな?

大きく気嚢を膨らませることで心地良い気持ちになる?

彼女ならやりかねない。。

つまり・・・まあ、今のところ問題ないかな。

とりあえずは、観察継続という私の判断です。

 

 

 

気嚢破裂・・・人間で言う自然気胸という病気と同じようなものです。

破裂というと壊滅的な印象ですが、脱気を行い自然修復を待ちます。

予後は様々ですが致死的なものではありません。