終了報告 &
2017 0322 ヨコハマ 雨
今日は冷たい雨が降っていました。
本日は昨日と同じ内容の作業で対象個体も同じくギブソンのレスポール。
CFフレット加工では、まずフレットの上面を擦り合わせて一旦フレットを台形の形にしてから、算出した円弧値を基に以前紹介した特殊な治具を使ってフレット上面に各円弧値の罫書き線を引きます。(これだけでもかなり面倒な作業)
その次に断面のブリッジ側にあたる側を罫書いたラインに沿って傾斜にヤスリ加工をします。
そして、フレットの上面の平坦になって残っている平面部分に赤マジックなどで着色します。
その後、今度はフレットのヘッド側の面を面取りして、最終的にフレットのトップに0.5ミリ幅程の平面だけ残るようにラウンド状に1本1本面取り処理をしていきます。
この0.5ミリ幅がCFの算出で得た円弧ラインです。
これを全て数種類の鉄鋼ヤスリを使って手加工で行います。
通常のフレット整形の3〜4倍の手間が掛かっています。
その後、研磨して湾曲した美しい形状に仕上げていきます。最終的に飛行機の翼の断面形状みたいな形になります。写真で分かるかな?
そうして仕上がったのが写真のレスポールです。この1ヶ月で15本程この作業を行いましたね。これが理想的なフレット形状なのであります。
同業者さん、どんどん真似てくださって構いませんよ。(^_^)
終了報告 ギタリストTさん
2017 0318 ヨコハマ 晴れ
昨日今日と録音に間に合うようにとのTさんの依頼で以前にチューンしたレスポールの追加チューンとフォルヒ製のアコギのチューンを済ませました。
フォルヒのアコギは今回が初ですが、とても良い作りをしていますね。但し、その構造設定から、硬質なサウンドなので、音が硬く粗めで色艶が不足していますのでフォルヒ製のアコギの所有者さん達には水牛の角への変更をお勧めします。CF加工と併せて、より豊かな楽器に変貌します。
ちなみにフォルヒに対するCF加工の数値は内角が89.2358度、
0フレットのRが1424.437、12フレットでのRが1749.437の算出値を元に加工を致しております。
共にSFフレット加工、WBHナット交換などです。
CFフレット加工は已にt.m.p ではレギュラーチューン扱いですが、相変わらずその手間暇は変わりなく、1日1本がやっとです。連日これを行うと目がしょぼしょぼになりますね。
でもこれで単にピッチが良くなるだけでなく、全体が統一スケールでの響きになるためにサウンド自体に一体感が備わり、結果的に一段と鳴る楽器に変化します。
依頼者の皆さんは共通見解として、そう感じてられる様ですね。
とにかく、これで約束通り録音に間に合わせることが出来て良かったです。
Tさん、良いプレイを!
経験に感謝
2017 0315 ヨコハマ 曇り
まるで冬真っ只中みたいな1日でした。
連日平行して数本の作業を進行していますが、写真の CCR-312のホロウモデルの作業はこれまでの数々の経験が無くては仕上げられなかった難しい作業でした。
内部が空洞の部分にテールピーススタッドをどうセットして問題が起きなくするか、と言う課題でした。
大丈夫だと確信はしていましたが、本日 弦を張って強度耐久性に全く問題がないことが確認出来てホッとしました。
しっかり狙い通りのセミアコのサウンドで鳴ってくれてます。
昨日は写真の手工ガットのCFフレット加工、WBHナット&オクターブサドル加工も済ませております。
明日は終了した楽器の出荷とヤマハのアコギのチューン作業を予定しております。
まだまだ作業品が控えています。頑張らなくちゃ。
経過報告 NさんのCCR-312
2017 0313 ヨコハマ 曇り
今日は寒い1日でした。作業は進めてはいるものの、形だけ終えればいいって話ではないので、時として手を焼くこともしばしば。
この CCR-312も然り。元が特殊なオーダー品であったために元の設計のテールピース仕様に戻したいのですが、問題はテールピースを取り付ける位置の内部が空洞になっている点です。元がセミアコ的なホロウ構造にしてあったからです。
しかもホロウ構造部は周囲が木部で密閉されているために中にブロック材を仕込むことが出来ないのです。
通常ですと、これではお手上げ状態ですが、そこはマツシタ、海千山千のツワモノでございますので。(^_^)v
じゃあ、どうするか、そこからがスタート。
結果的に内部の空洞に木のポストを立てて、テールピースのスタッドをその上にマウントする方法を取りました。
念のために弦を010~046ゲージ指定であれば耐久的にも問題ないでしょう。
そんな特殊作業のために内部のウッドポストの接着硬化が終わるまでは作業は一旦お預け。なかなか思うようには進められないもんです。まだまだ作業品は山積みです。
経過報告 さいたま市のNさん
2017 0308 ヨコハマ 晴れ
写真の CCR-312はNさんからのご依頼品で、オーダー品だったものを入手されて今回本来の312本来の設定に戻して欲しいとの要望で作業しているものです。
元がオーダー品で特殊な設定でしたので、今回本来の設計通りに戻せるのはワタシも嬉しく思います。
早速ブランコテールピース仕様を取りやめ、本来のチューン0+TP 仕様に変更します。
テールピース取り付けは明日の予定で、本日は元のブリッジのスクリュー穴を埋め木し、元のブランコ・テールピースの取付穴やアース穴を埋めて塗装の部分修正を行っています。
また、それに伴うネックの端末厚をノーマル仕様厚に戻しています。ネックにも塗装が必要なので少し時間を食いますね。
塗装処理が終了したらTPを取り付け、フレットも再整形して本来の CCR-312仕様設定に戻してあげたいと思っています。