ジャッキアップ治具
2016 1114 ヨコハマ 曇り
本日は「アコースティックギターなどのフレット打ちの際に指板の端末部分への打ち込みが上手くいかないのですが」と言う質問に対するアドバイスになります。
この点は苦労されてるリペアーマンの方も多いでしょうね、たぶん。
この点は、やり方次第ではフレットもしっかり入らないわ、楽器にダメージ与えるは、ろくな結果になりません。木部がハンマー打ちに反発して来るからです。
そこで、ワタシの場合は写真のお手製の専用のジャッキアップ治具を使用しています。
写真の上部に乗っているのは真鍮(ブラス)のブロックでして、これをジャッキで上下させ、サウンドホールから内部の指板の下にしっかりと当てがって指板の端末部分へのハンマーダメージをこのブラス材のブロックに受け止めさせる構造です。
下の受け板は個体内部の空間や構造の違いに対応する為に数タイプのサイズを用意して対応しています。アーチバックの楽器の場合はこの受け板を個体ごとに作って対応します。
これまでにもいろいろ試しましたが、このお手製のジャッキアップ・システムが一番しっかりとフレット打ちが行える上に楽器本体へのダメージも少ないです。
実際にこの治具があるとないとでは大違いの結果になります。全国のリペアーマンの方もご自分で製作していろいろ試されると良いでしょう。
皆さんの参考になれば幸いです。
終了報告 奈良のKさん
2016 1112 ヨコハマ 晴れ
本日のメニューは関西方面で活躍されているギタリストKさんからのご依頼のギブソンJ-35 のチューンナップ作業です。朝からこの1本に集中しておりました。
作業内容はニアCF加工、WBHナット&オクターブサドルでしたが、ブリッジ台座が1弦側と6弦側で厚さが2ミリ以上異なっておりましたので台座の厚さ変更、またサドルの溝のボトムが平面で無いために中に仕込まれたワイヤータイプのピエゾのアウトプットバランスが完全に狂ってましたので、平面精度出しも追加作業で行いました。写真上が元の台座、下が修正後です。
結果、ピッチ精度が格段に高まり、バランスの悪かった鳴りにバランスとレスポンス、そして音抜けが明らかに向上しています。今回はリフレット作業を前提ではなかった為に細くて低いフレットの加工はかなり難しい作業でしたが完成してしまえば、やって良かった、と言う結果が付いてきます。
ちなみに、今回のCF設定は弦の内角が89.2042度、1、6弦の交点から0フレットまでが、R=1349.87、12フレットでR=1662.62の設定です。
さあ、Kさんもう納得感の少なかった元のあいまいな鳴りは消え去り、グレードも2ランクは軽く向上してますので思う存分ご活躍くださいね。
YAMAHA 60'S FG-75 000-18風
2016 1111 ヨコハマ 雨
冷えますね〜 チューン依頼の楽器が届くまでの間を使って古いYAMAHAのFG-75を仕上げました。
前回はギブソンの B-25やLGシリーズ風にまとめましたが、今回はマーティンD−18風に仕上げています。まさに60'Sの000-18ばりの枯れた響きが魅力的な1本に仕上がっています。勿論ピッチは通常では考えられないほど出ています。
これならレコーディングでのピッチズレなんて全く気にせずに存分に弾いて頂けるはずです。
ウソだと思う方々、是非確かめにいらしてくださいまし。
こうしたYAMAHAの古い個体でのチューンは単板仕様のモデルであれば、単板ならではのリッチなトーンを更に引き出したチューンが可能と言うこともアピールする意味合いがあります。オススメなのはFG-500ですとかL−6以上のグレードのモデル、勿論それ以上のLLシリーズやカスタムモデルに施せば楽器のグレードは2ランクアップは確実に可能です。
ニアCF加工+WBHナット&オクターブサドル作業だけであれば¥35.000ほどで可能ですからね。完璧に追い込む場合なら、指板修正&リフレット、ペグロケーション変更、ブリッジ台座仕様などまで手を入れれば、別次元の鳴りに変更可能です。
そう、メーカー仕様のまま弾くなんて、実はかなり勿体ないのですよ。
ご依頼、お待ちしてます。
ご依頼の際にはご要望をご自分の言葉でお伝えくださいね。ご希望に沿う形で仕上げます。発送の際は使用弦を同梱下さいね。
ギターの作業に戻りました
2016 1109 ヨコハマ 曇り
日が落ちると冷え込みますね〜
スピーカーを仕上げ出荷も済みましたので、またギターのチューンナップに戻っております。
写真は前回と同じ60'sのYAMAHA FG−75です。前回は指板修正も300Rとギブソン系の設定で鳴り方もギブソン系に振りましたので、(売約済み)
今回は指板修正&リフレットも400R仕様で仕上げ、バランス感をマーティン系に振って仕上げています。既に指板修正&リフレットも済ませ、ブリッジ台座の段差加工〜ボールエンド位置修正&グランドアース処理(写真)中です。
またネックグリップに傷がいくつかありましたのでグリップ修正も行っております。
例によってYAMAHAのサドル位置は昔のYAMAHAオリジナル弦に合わせた位置設定なので、一旦ローズウッドでサドル溝を埋め木し、新たにサゾル溝位置を再設定し直してあります。これでギブソン、アーニーボール、エリクサー、マーティン弦で完璧なオクターブ処理できます。勿論、フレットはニアCF加工でピッチ精度を高めます。
最後はWBH製でナット&オクターブ対応サドルでまとめていきます。
この全てのチューンナップ工賃+本体入手価格の合計で¥140.000+TAX程で販売できる予定ですが、まだ販売するかどうか決めていません。
入手希望の方はメールをくださいませ。考えまーす。(・ω・)b
今日はここまで
2016 1031 ヨコハマ晴れ
10月も終わりですね〜早いわー ハロウィンなんですね、今日は。
収穫祭ねえ、、関係ないなあ〜 日本のハロウィンは仮装を楽しむ日って感じだしね。
そんなハロウィンな日にワタシはいつもの格好で作業してました。
明日からスピーカーのセットアップが控えているために一旦ギターの作業は中断します。
今日はその前日ですので、ヤマハのFG-75 のチューンを進められるところまで進めておこう、って作戦。指板修正は済ませてありましたのでリフレットを行い、そのままニアCF加工に入りました。だいぶ作業慣れはしましたがまだ時間が掛かります。
ブリッジ台座にはサドル位置の変更の為の設定と溝加工、オクターブ対応のサドルも作成、そして内部にはボールエンド位置変更とグランドアースを兼ねた特製のプレートを接合し、次には台座の段差加工仕上げ。
もう後は水牛の角材からナットの作成を行えばセットアップの準備が整ったことになりますが、それはスピーカー4セットのセットアップを控えてますので、それが済んだ後で作業再開です。
経過報告 &
2016 1029 ヨコハマ曇り
本日はギタリストSさんの175のニアCF加工でした。時間は掛かりましたが無事に終了。明日からナットへの弦溝加工から最終セットアップまで行います。
最近はこの場所での塗装が行え無いので塗装だけ塗装専門業者さんへ外注出ししているのですが、塗装専門業者さんでも t.m.p Speakerの曲面だらけの製品に均一塗装するのは難しいらしく、既に数回やり直して頂いていますが未だに完了来ません。
既に大手音楽事務所さんへの納期が延び延びになってしまっています。困った〜
何度もクレーム付けるのも心苦しいので自分でやってしまおうかな、とも思うのですが、いざ企業さんの製品化となった場合、ワタシがいちいち吹き付ける訳にはいきませんので外注業者さんにお任せする必要がありますから、この塗装の問題はなかなか頭が痛いです。
まあ、塗装に限らずですが、やった人間にしか分からない難しさってやつですね。
克服して行くしかないのです。