ジャッキアップ治具
2016 1114 ヨコハマ 曇り
本日は「アコースティックギターなどのフレット打ちの際に指板の端末部分への打ち込みが上手くいかないのですが」と言う質問に対するアドバイスになります。
この点は苦労されてるリペアーマンの方も多いでしょうね、たぶん。
この点は、やり方次第ではフレットもしっかり入らないわ、楽器にダメージ与えるは、ろくな結果になりません。木部がハンマー打ちに反発して来るからです。
そこで、ワタシの場合は写真のお手製の専用のジャッキアップ治具を使用しています。
写真の上部に乗っているのは真鍮(ブラス)のブロックでして、これをジャッキで上下させ、サウンドホールから内部の指板の下にしっかりと当てがって指板の端末部分へのハンマーダメージをこのブラス材のブロックに受け止めさせる構造です。
下の受け板は個体内部の空間や構造の違いに対応する為に数タイプのサイズを用意して対応しています。アーチバックの楽器の場合はこの受け板を個体ごとに作って対応します。
これまでにもいろいろ試しましたが、このお手製のジャッキアップ・システムが一番しっかりとフレット打ちが行える上に楽器本体へのダメージも少ないです。
実際にこの治具があるとないとでは大違いの結果になります。全国のリペアーマンの方もご自分で製作していろいろ試されると良いでしょう。
皆さんの参考になれば幸いです。