こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。


今回は、「名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校」について、少しお話ししたいと思います。

この学校は、棋士藤井聡太八段の出身(というか中退しちゃったけど)学校としても有名ですよね。 
以前の記事「愛知県の中学受験」では、学校の性格も入学試験の方法も大きく異なるため、敢えて触れなかった学校です。

以前の記事↓

『愛知県の中学受験』こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。今回は、愛知県の中学受験について、少しお話したいと思います。(以前投稿した記事を加筆修正しています。)愛知県は、公立高…リンクameblo.jp


「名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校」は、その学校名が表すとおり、「名古屋大学教育学部」の附属学校となります。

あくまでも「学部」附属の学校という点が、首都圏や関西圏にある国立大学附属学校(例.筑波大学附属の各学校、東京学芸大学附属の各学校、大阪教育大学付属の各学校)と異なります。 
その理由は、名古屋大学教育学部の設立過程と密接に関係があります。


名古屋大学教育学部は、現在、他の多くの国公立大学の教育学部と大きく異なり、小・中学校の教員養成を主目的とせず、「教育」に関する様々な学術的な研究を目的としています。ちなみに旧帝国大学の教育学部はその傾向が特に強いと思います。
 
もともと、名古屋大学教育学部は、その前身が「岡崎高等師範学校」で、1 9 4 9年(昭和2 4 年)に名古屋大学に教育学部が設立された際に包括されました。 
ちなみに「教員養成」の機能は、「愛知第一師範学校+愛知第ニ師範学校+愛知青年師範学校」を起源とする「愛知教育大学(当時は、愛知学芸大学)」が請け負っています。
また、附属中学校・高等学校は岡崎高等師範学校時代にも存在しましたが、1 9 5 2年(昭和3 2年) に新たに設立されました。


こういった経緯で設立された学校であるため、学校説明会では、校長先生から「大学受験を主目的とした学校ではなく、教育の研究と実践を主目的とする学校です。」とはっきりと説明されます。

難関大学への進学を強く望むならば、入学しなくてもいいよと、あらかじめ宣言しているわけです。
また、中学校と高校は「併設」であるため、名大附中の生徒は名大附高に進学できますが、高校から改めに生徒を募集し、「同じクラス」で履修します。

そのため、基本的に「先取り授業」はなく、教科書も基本的に検定教科書を使用します。
高校からの生徒を一部入学させる東海高校や滝高校では、高校から入学した生徒は少なくとも高校1年生は「別クラス」とし、内進生との学力的な差をできるだけ縮めるですが、名大附は先取り授業をしないので、そんな配慮はありません。 

 

加えて、他の私立中学校と決定的に異なる点は、入学試験が「四教科(国、算、社、理)」の教科別試験ではなく、「適性検査」という名の「総合試験」だということです。

この「適性検査」は、小学校での履修科目全てが対象となりますので、芸術・技能科目である「音楽、図工、体育、家庭科」も出題範囲となります。
また、適性検査には「I」と「Ⅱ」があり、「I」は前述したとおりですが、「Ⅱ」は「作文(小論文)」となります。愛知県の私立中学の入試でこれだけ字数の多い記述試験はありません。 


さらに加えて、「面接試験」もあります。
ということで、入学試験は「ニ日間」に亘ります。実施時期は、毎年1月第3週の土日です。


このように入学試験が「特殊」であるため、名大附が第一志望である場合は、専門コースがある学習塾 「マイシフト」に通われるとよいと思います。 
実際、名大附の合格者の半数以上が、マイシフト出身者ですから入試対策も万全かと思います。


ちなみに、「日能研(東海)」でも合格者は数名いますが、私たちの子供が通った教室には一人もいなかったため、どんな入試対策をしたのか、全くわかりません。
 

これまで私立学校との違いを中心に話を進めてきましたが、この学校の長所は数多くあります。
まず、一点目として、「国立大学附属学校」であるため、基本的に「公立学校」と同じ程度にしか 授業料等(費用)が掛かりません。私立学校と比べると破格に安いと思います。

 

次にニ点目として、「名古屋大学」の一教育機関であるため、名古屋大学との「高大連携」に積極的です。特に国際教育と理数教育は大学との連携が愛知県の他の学校以上に濃いと思います。
 名古屋大学の研究施設も一部利用できるなど、その立場を最大限に活かした教育を実施している と思います。特に名古屋大学の図書館が使えることが大きき利点でしよう。


最後は、先進的な教育手法が「実践」されることが多い点です。これは魅力的ですね。
先に校長先生の言葉にもありましたが、学校の目的が「教育の研究と実践」にあるので、実験的な要素もありますが、絶えず工夫された授業が実施される可能性が高い学校だということです。

ですから、「スーパーサイエンススクール」とか「スーパーグローバルスクール」といった文部科学省の補助金を受けられる試みにも果敢に挑戦しています。
その挑戦した取り組み内容、及び結果は、毎年の学園祭で披露され、展示もされますが、関心のある方は是非お確かめいただくことがよいかと思います。