そして、そのまま二人で車に乗り込みました。


彼は「さぁ、いくぞ。」と、エンジンをかけ、ハンドルを握っています。
私は「どこ行くの?」と、聞きました。

彼「ん!?次のホテル!」私「ホテルぅ?」
彼「そうよ!」
私「私、車でいいよ。車で寝よう~」
彼「車がいいなら、一人で車で寝れば~。俺はイヤ!」

…っと話しているうちに、次のホテルへ着きました。

時間は朝方4時前くらいだったと思います。。。


彼「ほら、いくぞ!」
私「う…うん!」

私たちは、いつの間にか仲直りをして、二人で泊まれる次のホテルへと、向かっていました。



部屋に入り、荷物を置き、すぐにシャワーを浴びた私達。
さっきモメタのが嘘みたい。。。


そんな事を心で思いながら、彼と一つに…。

この時は、彼がずっと上になって、腰を動かしてくれていました。


「ここは?」って言いながら、気持ち良いポイントを探してくれていた彼。

休みながらだけど、ずっと動いていた彼。


時計を見ると、朝の6時過ぎ。

結局…「二時間くらい、二人で気持ち良いトコを探してたねー。」って笑い合って、私達のお泊まりは終わりました。。。

そうしていると、いきなり部屋のドアが『ガチャ』っと開きました。



私は「誰?何?」と、動揺しながらドアの方に近寄ると…。
「ドア開けて!」
間違いなく彼の声でした。

私はすぐにドアノブを掴み、開けようとしましたが、やはり解除をしてもらわないと開かない。。。

私「ちょっと待って!今からフロントに電話してみる!」
彼「うん。」

そして、私はフロントに電話を入れました。

すると、フロントの人は…「一回出られた方は中には入れません。うちはそのようなきまりになっております。」と、冷たく返されました。
私は「そこをどうにか、お願いします。ちょっと忘れ物を取りに行っただけなんです。」
フロント「申し訳ありませんが、無理です。」

私はしょうがなく電話を切りました。

彼に「ごめん。ダメだった。一回出たら、中には入れないきまりになってるんだってさ。」
彼「いいよ。今日はここで寝るよ。」…と、そこは部屋の入り口から一つ入った所。

私「ねぇ、私も部屋出るよ。そのつもりで今、用意してた。」
彼「いい。出るな。オマエはそこで寝れ。明日の朝、一緒にここを出よう。」


そう言われて、「うん。わかった。」なんて言える訳がありません。



私はもう一度、フロントに電話を入れ「すみません、やっぱり出ます。」と、伝えました。

何秒後かに『ガチャ』と、ロックが解除。

私は荷物を持ち、ドアを開けました。

彼は「オマエ何してるんだよ。」と、言いつつも私の手を握って、ひっぱってくれました。
そして、二人で走って車に戻ったのです。

電話を取ると、「オマエどうするつもり?」…と、彼・・・。
私は「・・・・・。」


何て言っていいかわかりませんでした。


すると、彼が「本気で帰ろうと思ったけど、オマエ一人を置いて帰るわけにはいかない。」と…。

私は、そう言われてもう一度、自分の思いを口にしました。
「私も一緒に帰る!」


ドラマみたいですが、ここで「ピーピー」っと音が鳴って充電切れ。

『どうしよう!!!!!』

この時の私の心の中は不安でいっぱいでした。

その時は充電器も持ってきてなかったし、時間も朝方近く。


部屋から外線を使う?
それとも、外に出て公衆電話を探す?


ベットから飛び下りた私は、荷物をまとめながら「とりあえず出よう」と思いました。


静かな部屋で、一人。
さすがの私も、 この状況にには耐えられませんでした。。。

置き去りの私。


後を追って、ホテルを出ようか考えました。

追ったところで、彼はいない。


迷いながら、ソファーにぼ~っと座っている私。。。


「謝るなら今?」

「携帯に電話してみようか?」

「いや、謝る必要はない。」


など、色々な事が頭の中を駆け巡りました。

が、やっぱり自分からは連絡できない・・・。

また、意地が勝っていました。


そして私は・・・・・部屋の電気を少し落とし、ベットの上に座り、このまま朝を迎えようと決めました。


当たり前、全然眠くなんてありません。


時間は夜中3時過ぎ・・・・・・。


「何時にここを出ようか・・・・」なんて考えていた時、私の携帯が鳴りました。


彼でした。


が、充電が無く、電池マークは赤色。。。。。

私は、急いで電話を取りました。

彼は、ギリギリの所まで私を追い込みます。
そこで私も「ごめんなさい。」って言えたらよかったのだろう。

けど…言えない。。。


私は、彼にお金を渡し、フロントに電話を入れようと受話器を取りました。
すると、横から彼がガチャッと切ってしまい、「俺が出て行くんだから、俺が電話する。」と、言って私から電話を取り上げました。

「いいって!!私が!!!」

「いい!!!俺が!!!」


の繰り返しで、お互いが部屋を出ようとしてました。


あの時は、ホントに一緒に居たくなくて、早く別々の空間に行きたくて・・・・。

夜中だったので、自分の車まで戻るにしても、タクシーしかなかった。。。しかも、そこは車は通るけど、人が通らないバイパス沿い・・・。

それに、お金は1円もない。。。。。。。

「仕方ない・・・歩くか・・・・。」と、心で思いながら、私は荷物を持ち、靴を履き準備。。。。。



そうしていると、彼がいきなり「こんなのいらない!!!」と言って、渡した持ち金全部をベットに置き、「その代わり、この金使って、オマエここに一人で泊まって、明日一人でタクシー呼んで帰れ!」「もう、一緒に居たくない!!!」と、捨て台詞の様に言いました。


言い終わると、彼はさっとフロントに電話を入れて、ロック解除になった瞬間・・・・出て行きました。



ホテルの部屋には私一人。


窓から外を見ていると、彼の車が大通り方面へ・・・・・



私は置き去り状態でした。

そして、何日か経ったある日。


「今度の土曜日、俺、家出れそうなんだけど・・・。一緒に泊まれる?」

と、誘いを受けました。

私は「うん。大丈夫だよ~!」って返事。


彼と初めてのお泊り。


その事を考えると、ドキドキ・・・・でした。


そしてその日はあっという間にやってきました。

私の車をいつもの駐車場に置き、彼の車に乗り込む。


会った時間が夜の9時ごろだったので、そのままホテルへ・・・・。


土曜日の夜だったので、残り部屋は2つ。

そのうちの1つに入りました。



部屋に入って、テレビをつけ、浴槽にお湯を入れ、少し話をした後、彼は部屋に備え付けのスロットを始め、私はソファーに座り、ずっとテレビを見ながらコーヒーゼリーを食べていました。


お湯が入り、結構時間が経った時、彼がスロットを止めて私の所に戻って来たのですが、その時私は大好きな”中島美嘉”がテレビに出ていたので、テレビに釘づけ。。。。。。。


彼が色々話しかけてくれていましたが、心は中島美嘉。。。。。


彼が「何で、俺の方見てくれんの?」って言ってましたが、無視。

目線も合わさず、私はテレビを見ていました。


すると彼は、「相手してくれなかったら、俺帰るよ。」と、一言。

私は、冗談だろうと思い「いいよ~帰れば~!」と、言ってしまいました。

それも、目線を合わさず言い放った感じで・・・・・。


すると・・・。

彼がキレました。


「オマエ、いい加減にしろ!!!それを言われた方の気持ちを考えた事あるのか?よく、簡単にそんな事が言えるよな。信じられんわ。」

「いいわ。俺、マジで帰る。」


彼は部屋を出ようとしました。

その時やっと、「マズイ!!!」と思った私。


「待ってよ~。そんな事言わないでよ。」と、ひき止めましたが、もう無理な状態。。。


私はなぜかそこで冷静になり、『ここのお金を払っているのは彼。』

「私が出なきゃ。。。」そう思い、荷物をまとめ始めました。


しかし、荷物をまとめている私を、彼は後ろから突き飛ばしました。

彼「オマエは出らんでいいんじゃ。俺が出る。」

私「じゃ、一緒に出る。」

彼「オマエと同じ車なんかに乗れるか!!!」

私「・・・・・・・・・。」


些細な事で、また大モメ。。。。。


私「じゃ、ここに私泊まるから泊まり料金全部払うわ!!!」

彼「オマエ、何言いよるん!泊まり料金だけで許さんわ!!!有り金全部出せ!!!」

私「わかったわ!!!全部やるけ、さっさ出て行ってよ!!!」

彼「はよ、出せや!!!」


私は持っていたお金を全部出しました。

生活費も全部・・・・・。

「初めてだね。一週間も連絡取らなかったなんて事。」
何ともないような態度と言葉で彼に言った。

彼は「怒りがあったら、簡単にいつまでも、無視ってできるよね」って言っていた。


この時、私は「どうしたら、こんな行き違いを防げるのだろう…。。。」と、マジメに考えました。
今回の事も、結局うやむやにしながら、彼のきっかけで自然に仲良くなっていく二人。


・・・・・私たちの悪い所。
モメタ後、モメタ事について話さない。
これってその時は大丈夫でも、後になって引きずる事が多いんですよね。

一つ一つきちんと片付けていけば良かった。。。



喧嘩が増えてきた私達でしたが、お互いを想う気持ちはどこかに必ずあり、その一握りの気持ちだけを信じて、日々過ごしていました。




そんな時、彼から「この前お泊まりできなかったやろ。今度、都合つけるから、朝まで一緒にいよう。」と、言われました。



家庭が自由で、旦那に何も言われない私はどうにでもなる。明日、お泊まりってなっても大丈夫なくらい…。

問題は彼の方でした。

「一緒にいたい」そう思ってくれるのはうれしい。
けど、自営業で空白の時間を作りにくい彼はどうやって私との時間を作るんだろう…。
私はそんな事を考えながら、少しだけ…少しだけ…彼と一緒に朝を迎えられる事に期待してました。

いつもなら絶対通らない所で、彼とすれ違いました。


どんな顔をしていいのかわからない・・・。

なんてメールしたらいいのかわからない・・・。


親友に・・・「反対側のあの車・・・彼だ・・・。」と言うのが精一杯でした。


親友は彼と会った事もあるし、車も知っているので、見つけた瞬間、「あ!!!!!ホントだ!!!」って驚いています。。。


すれ違う時に目が合いながらも・・・・・・笑うことなく・・・・・。


そして彼からメール。

「今、すれ違ったね。」


私は「そうだね。」とだけ送りました。


この時は、この偶然にしがみつく事もなく、彼を追いかける事もなく、そのまま・・・・。


やっぱり意地が勝ってしまう私。


彼からのメールも途切れました。


ここで、素直に「ごめんね。」が言えれば良かったのかしれません。

が、性格上出来ませんでした。


そして、私からメールする事はありません。


・・・・・と、なると、やっぱり彼が夜になってメールをくれるのです。

「ごめんね。」って。


私たちは、いつもこのパターンでした。


今考えると、私の傲慢さが目に付きます。けど、1年半前は「これでいい・・・・・私は悪くないから謝らない」と、思っていました。・・・・・反省・・・・・。


そして一週間後・・・。


私はいつものように仕事に行きました。地元の・・・彼の家の近くへ・・・・。


そしてその日は、仕事が終わったら、親友と一緒に買い物に行く約束をしていましたので、二人で車に乗りお店まで・・・。


その間、全部知っている親友と、「どのくらい連絡ないの?」・・・「1週間。。。」とか「連絡してみたら?」・・・「え~!?なんで?私悪くないのに。。。」とか話していました。


すると、その時・・・。


彼専用の着うたが流れました!!!


友達もその音をしっていたので、二人で「!!!!!!!!!」って感じ。


携帯を見ると彼の名前。。。

ドキドキしながらも、メールを開いてみました。

「元気してる?」・・・と、ただ一言。


私は正直、このまま自然消滅になるかも。。。って思っていたので、メールがきたことでとっても安心しました。


それからすぐに返事を返し、何回かメールのやり取り・・・。

けど、その時は冷ややかなメールのやり取りでした。


その時です!!!!!


反対から彼の車に似た車がやって来ました。

私はすぐにナンバーを確認!


彼でした。

彼の怒り方は半端じゃなく、メール上ではありましたが、それがモロに伝わってきました。


しかし、私も譲れない・・・。

「誰があんたの家庭の事情を把握するの?あんたの嫁が、いつ、誰の結婚式に行くなんて知らないよ!!!」

「自分は言った気になっているけど、私があんたの言う事忘れるわけないでしょ!」

私にも言い分がありました。


そう言いながら、「この人、子供を置いてでも、私を優先して欲しいって考えてるって思っているの?私をそんな風に見てるの?」・・・・・・と、悲しくなりました。


彼は「お前、最低。子供よりも自分なんだな。」


その言葉を最後に、メールがこなくなりましたが、私も彼を追いかけず、メールをしませんでした。


何日と連絡を取らない日はなかったので、日が経つにつれて段々と不安になる私。


しかし、間違っていない事で、私が謝る必要はない。と思っていたので、不安になりながらもそのまま無視を続けていました。


こんなに時間をあけた事はなかったので、「このままダメになるのかな・・・・・」と、不倫ならではの「所詮、不倫だから・・・」という気持ちでいっぱいになりました。


彼の着信音が鳴らない携帯。

光らない携帯。


たかが1週間。

私の心は、まだ『意地』が勝っていました。