そうしていると、いきなり部屋のドアが『ガチャ』っと開きました。



私は「誰?何?」と、動揺しながらドアの方に近寄ると…。
「ドア開けて!」
間違いなく彼の声でした。

私はすぐにドアノブを掴み、開けようとしましたが、やはり解除をしてもらわないと開かない。。。

私「ちょっと待って!今からフロントに電話してみる!」
彼「うん。」

そして、私はフロントに電話を入れました。

すると、フロントの人は…「一回出られた方は中には入れません。うちはそのようなきまりになっております。」と、冷たく返されました。
私は「そこをどうにか、お願いします。ちょっと忘れ物を取りに行っただけなんです。」
フロント「申し訳ありませんが、無理です。」

私はしょうがなく電話を切りました。

彼に「ごめん。ダメだった。一回出たら、中には入れないきまりになってるんだってさ。」
彼「いいよ。今日はここで寝るよ。」…と、そこは部屋の入り口から一つ入った所。

私「ねぇ、私も部屋出るよ。そのつもりで今、用意してた。」
彼「いい。出るな。オマエはそこで寝れ。明日の朝、一緒にここを出よう。」


そう言われて、「うん。わかった。」なんて言える訳がありません。



私はもう一度、フロントに電話を入れ「すみません、やっぱり出ます。」と、伝えました。

何秒後かに『ガチャ』と、ロックが解除。

私は荷物を持ち、ドアを開けました。

彼は「オマエ何してるんだよ。」と、言いつつも私の手を握って、ひっぱってくれました。
そして、二人で走って車に戻ったのです。