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還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適解を求めるために、自分で意思決定して自分の人生を歩むため家つくりについてのヒントをお届けします
 

30年位リフォームのお仕事をしているといろんなお客様がいます。

正直言って、こちらからお断りしたい、そんな方もいます。

 

お客様に日時指定をされてご訪問しました。

すると同業者10社位いるんですよ。

お客様から工事希望のコピーを渡されて、「このメニューで見積もりしてください。現状の確認はご自由にどうぞ。価格優先で業者さんを選びたいと思いますので、ベストプライスを出してください。」このように言われました。

 

 

相見積もりを取るのに、業者1件1件対応していたら面倒だからいっぺんに済ましてしまおう。

そんなことなんでしょうね。

 

内心かなりムッとしました。

合い見積もりをするなとは言いませんが、こんなやり方は私は業者に対して失礼だと思います。

 

競合の会社がうじょうじょ居る中で現地調査して、お客様に質問して

やりづらいですよね。いい仕事なんかできるわけないです。

 

少なくとも私は、お客様のご希望をきちんとヒアリングして最善のご提案をするつもりで来ていますから、他に業者さんがたくさんいる騒々しい中でお客様とヒアリングするなんて出来ません。

 

また、値段でしか評価しない方だとわかっていたら、最初からご訪問はしませんでした。

 

もちろん、10社の中には一生懸命現地の状況確認して見積もりを作ろうと言う会社さんもありました。

でも、私はこのお客様とは一緒に仕事したくないなって思って、さっさと帰りました。

 

いろんなお客様がいていろんな業者がいます。

やり方は人それぞれですから、この方法が悪いとは言いきれませんが、私は賢い方法だとは思いません。

耐震診断における屋根の重さについて前回お話をしました。①を読んでください。

 

今回はもう少し詳しくお話しします。

 

耐震診断では、屋根や建物の重さについては3段階に分けるというお話を①ではしました。

しかし現実にはこの3つに当てはまらない家もあります。

 

例えば、重たい河原の屋根は1平方メートルあたり50キロと言われてます。ところが軽いからだと35キロ、コロニアルだと20キロ、金属の屋根だと5キロ

このように屋根の素材によって、重さが何種類にもわかります。

 

それを、軽い、重い、非常に重い のどれかに当てはめなければいけません

 

①でもお話ししましたが、非常に重いと言うのは、土で瓦を成功する方法ですから、多くの場合、軽いか思いの2択になります

 

この2つの中に先程のように多くの種類の屋根をどちらかに当てはめなければいけない。

これが耐震診断の実態です

 

そして、軽い重いでは必要な耐力が30%も違うわけです

 

私は耐震診断は大雑把です。曖昧ですとよくお話ししてます

 

屋根の重さ1つとっても大雑把ですよね

その大雑把の中で、導き出した耐震性の評価と言うのも、やはり大雑把とも言えます。

 

 

買ってはいけない。中古住宅

 

YouTubeの視聴者さんから、購入したい。中古住宅を事前に調べてくれませんかと言う依頼が多くあります。

 

調べに行くと、一見きれいで何も問題がないような家に見えます。しかし、このような事例があります。今日はその1つをご紹介しましょう。

 

デザイナーさんが設計した見た目はとても素敵な家でした。

依頼主はこの家をとても気に入り購入したいと思っていたのですが、1つだけ気になることがありました。

 

それはシロアリ

 

床下を全面的に調べると

すると驚くことにシロアリの巣、蟻道が無数にあり、その時もシロアリが活発に活動していました。

 

床下が常に湿っている状態だったのです。

なぜそのようなことが起きてしまったのか、

湿気の多い土地だったわけではありません。原因は建物の構造です。

 

雨が降ると雨水が構造の中に侵入して床下まで達し、そのため、床下の土台などが常に湿っている状態でした。

 

通常の木造住宅では、サイディグの内側に水が入っても外に排出する水の道を作ることが常識です。

しかし、この家を設計したデザイナーさんは、見た目を優先するあまり水の道を作ることを考えていませんでした。

そもそも水が入りやすい窓の構造になってます。サイディングの裏側に入った水は逃げ道を失い、床下の土台へと流れていきました。

 

その欠点を直さない限り、この家は住んではいけません。しかし、新築の時の構造的な欠陥ですから、修理するには1000万、いやもっと高いお金が必要です。

 

お金をかけても、この家に住みたいと言うふうに考える方もいらっしゃるでしょう。

でも、それだけのお金がかかるよと言うことを事前にわかった上で契約するのか、契約した後に発覚するのか、これは大きな違いがありますね。

 

中古住宅を買うときは必ず事前調査を行ってください。

中古住宅購入を考えている方にお伝えしたいことがあります

 

契約前に劣化などを調べないと、購入後に後悔することになります

 

YouTubeの視聴者から、購入物件の調査を数多く頼まれますが

中には購入してはいけない物件もあります

 

不動産屋は家の劣化などを見ませんし

売主の住人も気が付いていないことが多くあります

 

耐震性が著しく低い
見えないところで雨漏りが起きていて、構造材が腐朽している

床下が沼地のように水分が多く、床下環境が非常に悪い

数年以内に大規模な営繕工事が必要

などなど、一般の人ではなかなか分からないことが多くあります

出来ることなら、契約前にきちんと調べることが大切です

 

 

 

屋根が重いと言えば、地震に弱いと言われています

耐震診断において、屋根や建物の重さはどの程度影響するのかをお話しします

 

耐震診断は、今ある壁の強さと、法律で決まった必要な壁の強さ、この割合によって点数が決まります

 

例えば必要な壁の強さが20だとします。今ある壁の強さが10しかない場合0.5と言う点数になります

これが同じだと1.0

つまり一応安全と言うことになります

 

ここからが本題になりますが

屋根や建物の重さによって、必要な壁の量が変わってきます

瓦屋根のように重たい建物か、コロニアルのように軽い建物かによって、耐震診断では建物の重さを3段階に分けて考えます

軽い  重い  非常に重い

非常に重い屋根の場合、瓦を土で施工している場合ですので、あまり一般的ではありません。

ですので、軽いか重いのどちらかになります

では、軽いと重いではどれくらい必要な壁量が違うかと言うと、3割です

軽い建物の場合の必要壁量が10だとすると、重い建物の場合の必要壁量は13になります

 

ですから、軽い屋根は地震に強いと言うのは間違いがありませんね