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還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適解を求めるために、自分で意思決定して自分の人生を歩むため家つくりについてのヒントをお届けします
 

リフォームという言葉の前には修繕とか営繕と言っていました

最近ではあまり使われなくなりましたね

営繕は建物を新しく建てたり、増築したりすること

修繕は傷んでいるところを直すこと

営繕の中に修繕も含まれますね

 

リフォームって言うと、どんなイメージでしょう

きれいにとか、快適に、そういった意味があるのではないでしょうか

 

では、リフォームの目的は

幸せになるためですか、満足を得るためですか?

似ているようで全然違うと思うんです

 

満足では満たされてしまうと、次の欲求が生まれてきます

幸せな気持ちになるには何が必要かと言うと感謝です

感謝の反対語は当たり前ですよね

この家があるのが当たり前、便利な暮らしが当たり前

そのように考えてしまうと、次々に欲求が生まれて満足を追い求める、リフォームは際限がなくなると思いませんか

 

業界、メーカー,業者は、次々に満足を満たすような提案や暮らし方を発信しています

それにまんまとはまってしまうと、本当の幸せが見つけられない気がします

 

幸せになるためのリフォーム、それを目的にして、何をどのようにしたいのか考えてみることも大切だと思います。

 

 

 

耐震診断は壁の強さを調べると言う話をしています。

昨日は部屋の中の壁についてお話ししました。今日は外壁についてお話しします。

 

基本的には部屋の内側の壁と考え方は一緒です。

どのような素材の外壁材なのか、そしてその外壁材がどのように柱に留め付けられているのか、

それによって外壁材の強さが変わります。

 

外壁の場合、一般にサイディングと呼ばれる窯業系、モルタル塗り、そして金属系に分かれるかと思います。

窯業系と金属系は胴縁呼ぶ介して建物に貼り付けているかどうか

それによって強度が違います。

また金属系と言っても、トタン板のように薄い板1枚の家もあります

これは強度がほとんど期待できませんね。

そしてどのような釘で固定されているのかも耐震性を調べる上で重要になります。

 

モルタルの場合どうでしょうか?

通常は木づりと呼ばれる材木に防水のルーフィングを貼り、その後ラス網と呼ばれる金網を大きなホチキスのようなもので留めて、そこにモルタルを塗り付けていきます

ただときには、ラスカットと呼ぶ地震に注意板を貼って、そこにモルタル塗り付けている場合があります。

あるいはモルタルの厚みも耐震を考える上ではチェックポイントになります。

 

モルタルの裏側がどうやってわかるの?

サイディングの裏側がどうやってわかるの

これは屋根裏に入ったり、基礎の通風口から外壁の下側を覗き込んだり

いろいろ工夫して調べていくわけです。

 

見た目のサイディングなのかモルタルなのか、それだけではなく、たくさんの要素を調べた上で、その家の地震に対する強さと言うものを計算していくわけです。

 

 

 

常々 思っていることがあるんです。

 

悪徳業者ってどんな業者だろうなぁって

 

詐欺と悪徳違いますよね

詐欺は明らかに騙そうとしているわけです

 

では悪徳はと考えると

騙そうとはしていない

けど、人としてどうなんでしょうね

道徳的ではない、だから悪徳

 

だとすると、自分の利益儲けばかり考えて

リフォーム工事を提案する業者は悪徳と言っていいんじゃないでしょうか

 

とすると

やばい。やばい。やばい

歩合中ゆえに、必要のない工事をすすめる

これも悪徳業者に私が入れてしまいたいんですよね

 

大手さんだって悪徳業者いっぱいいます

怖い現実があります

耐震診断について

前に耐震診断とは、壁の強さがどれくらいあるかを調べることだとお話をしました。

一般には筋会が多く入っている家が強いと言われています。

これは間違いではありませんが、既存住宅の耐震性を見るときには筋だけではありません。

外壁や部屋の中の壁、これも地震に対して抵抗してくれる要素と考えます。

 

例えば部屋の仕上げがクロスの場合、下地には耐火ボードというものが貼られています。あるいは和室ですとラスボードを下地にして仕上げを行っています。

プリント合板と言って木目が印刷されたベニヤ板を貼っていることもあります。

 

耐火ボードも厚みが12ミリか9ミリかによって強度が違います。

また、耐火ボードの貼り方、例えば柱に直接打ち付けているのか、胴縁と言う横桟を入れて貼り付けているのか、これによっても強度が違います。

耐火ボードを釘で止めているのかビスで止めているのか、釘の太さはどれくらいなのか、そして釘やビスが何センチ間隔で打ち付けてあるのか、これらによっても強度が違います。

 

クロス仕上げ以外の壁、和室のラスボードでも、あるいはプリント合板であっても同じことが言えます。

 

このようにいろいろな要素が加味されて、壁の強さと言うものを決めていきます。

家中の壁を全て調べて、家全体の壁の強さがどれくらいあるか?

それを調べるのが耐震診断であります。

筋交いがたくさん入っている家は地震に強い

これはみなさんご存知です

 

今回は筋交いに使われる材木の太さについてお話しします

今の新築では45ミリ×90ミリの材木を使いますが

30×90や21×90、15×90などの材木も使われていました

 

筋交いは、斜めのつっかえ棒のような役目ですから、

細い筋交いは折れてしまいます

 

また 逆方向に揺れた場合は図のように筋交が外れてしまいます

 

筋交が、きちんと働いてもらうには

太い方が良く、金具で固定されているのが良いのです

 

前回のブログで壁に点数をつける話を書きましたが

点数つけの時に、筋交いの太さや金具の有無が反映されます

 

ですから、耐震診断では床下や屋根裏から筋交いの状況を確認することが大切です

1、寸法(太さ)

2、きちんとした角材かどうか(角が丸くなっている材木もあります)

3、節があって折れやすい材木ではないか

4、金具がついているか、ビスや釘の打ち方は適正か

などを調べて、診断の計算に反映させることが大切です