還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適解を求めるために、自分で意思決定して自分の人生を歩むため家つくりについてのヒントをお届けします
 

 

 この動画の要約を書きに述べますが、詳しくは動画をご覧になってください。
 

地震への関心の高まりを背景に、耐震ビジネスに不慣れな業者が参入している現状があります。
耐震補強工事の基本は耐震診断を行うことです。

耐震診断では、建物の床面積に対して必要な壁の量を計算し、個々の壁の強度を壁の材質や筋交いの有無などの要素に基づいて評価し、点数をつけ、建物全体の壁の点数の合計が、耐震性の指標となります.

壁の強度を増す=点数を上げることで耐震性を担保するのが耐震補強工事ですが、単に数字の足し算だけの補強で軸組の状況を考えないと意味のない耐震補強工事になってしまうこともあります。

 例えば、2階の重みを直接支えるていない1階の壁をいくら強化しても十分な耐震効果は期待できません。また、増築部分の基礎が不十分な場合など、いくら壁を補強しても意味がありません。
  重要なのは、平面図だけで判断するのではなく、床下や屋根裏に入って実際に建物の構造を確認することです。
 梁の配置などを確認するために、天井裏を開けて調査する必要しなければ正しい補強工事が出来ないこともあります。 

 単に壁の点数を足し算するような補強計画ではなく、建物の全体の構造を理解した上で、効果的な補強を行うことが重要です。

 安易な診断や、建物の構造を十分に理解しないまま行われる高額な補強工事には注意が必要でで、耐震診断の結果や見積もりに疑問を感じた場合は、セカンドオピニオンを求めることも重要です。

さいたま市の耐震診断士名簿に載っている1級建築士事務所が調査した耐震診断所のセカンドオピニオンを依頼されました。

 

評点は0.17

そんなに低いとは思えないなと思いながら診断書を見てみると重大な欠陥がありました

 

2階建ての建物の隣に平屋を増築していますが、ここは構造上別々の建物として建てられているにも関わらず、1体として計算しています。

 

繰り返しますが、見た目は一つですが、構造的に接合されていないので別々の建物です。 

 

1級建築士さんは、この程度の木造の知識を知らないのでしょうか

素人でもわかることです

 

その結果診断書がどうなったかというと、耐力壁のバランスが平屋側に大きく振られてしまい、点数が悪くなっていました。

 

このお客様は助成金を活用しての工事をお考えです。

その場合、元々の評点が低ければ補強箇所を増やさなければならず、助成金をもらう以上に高額工事となってしまう可能性もあります

 

診断士に悪意があったわけではないと思いますが、プロフェッショナルとしてどうなのでしょう

耐震の仕事を長くやってきて、悲しい気分になります

2025年ども省エネ関係の補助金制度が始まっています

 

国土交通省・経済産業省・環境省の3省合同による3年間計画での事業で、2025年度が最終になります

 

この事業の予算総額は4480億円にもなります

とんでもない予算規模です

小中学校の給食を無償化するための金額とほぼ同じです

 

こう言っては異論が出るかと思いますが

この事業を行っても省エネや地球環境保護に役立つとは思えません

サッシ・ガラスメーカー、住宅機器メーカーの売上に貢献し、リフォーム業者は商機到来と躍起になるだけです

また、補助金はリフォーム工事を行える経済的に余裕のある世帯の収入となるだけです

 

夏の暑さ対策でしたら、ガラスに赤外線遮断フィルムを貼っても同じです。

昔からある、ヨシズやスダレも有効です

寒さ対策でしたら、DIYでプラダンを使って2重サッシにすればいい。

知恵を絞れば、省エネに貢献する策はたくさんあるはずです

 

納税者の立場からみると、愚策としか言いようがない制度

しかも、現場の人間は補助金申請という煩雑な作業をやらなければなりません

 

2025年度で最後にして

税の使い方を考えて欲しいと願います

 

 

能登の震災以降、住宅の耐震について関心が高くなっています。

 

ここではできるだけお金をかけずに補強工事をする方法についてお話しします。

 

耐震補強はまず耐震診断から始まります。次に補強計画を作り、補強工事の実施となります。

皆さん補強工事の部分での相見積もりを取ったりはします。

しかし1番大切なのは正確な耐震診断です。

 

現状の建物の強さを正確に把握できてない状態で補強計画が作れるわけありません。

不適切な補強計画による補強工事は無駄がたくさん生まれてしまいます。

 

無料の耐震診断、あるいは50,000円程度の割安感のある金額では、正確な耐震診断はできません。

ボランティアでやってる方は別ですよ。個人で診断をしている方でも50,000円では赤字です。

これは私自身年間に40件50件、耐震診断を行っている経験からお話をしています。

つまり無料で耐震診断をして、補強工事で利益を上げると言うビジネスモデルが成り立っているわけです。

 

当然、診断の点数を低めに設定し、無駄な工事まで提案をして工事代金を高くしようとしている業者もいます。

そこまで悪質でないにしても、無料で耐震診断をしていては、時間をかけた丁寧で正確な診断をすることはできないのです。

 

丁寧な診断をしない場合、ひとまず危険ですと言う方向に点数を振り向けていくのは自然な流れです。

なぜなら、簡単に安全ですとは言えないからですね。

 

ですから、耐震補強工事を安くするためにはきちんとした耐震診断が必要で、それに基づいた補強計画を作ること、これが1番の方法になります。

 

たいていの方が耐震診断に15万 20万のお金を払うのはもったいないとお考えです。

なぜなら、無料でやってくれる業者もいるからですね。

 

でもよく考えてください。

無料で診断をして300万円の見積書が出るのと

200,000円で診断をして100万円の補強工事の見積もりが出るのではどちらが安いでしょうか?

答えはもう出てますね。よく考えてみてください。

 

耐震補強工事を安くする方法

https://youtu.be/4Ut784Ni1mw

リフォーム業者紹介サイト

大手さんだとホームプロさんとか、たくさんの業者紹介サイトがあります。

 

どのサイトも、自信を持ってオススメできる優良リフォーム店を紹介すると言っていますが、信用できるのでしょうか?

 

答えはNO

真っ当な業者もいますが、そうでない業者もいます

 

なぜそんなことを言えるのかというと

私のYouTube視聴者から、地元でいい業者を紹介して欲しいと頼まれて、業界団体やメーカーにお願いして良さそうな業者を紹介してもらっていました。

しかし、ことごとく失敗

 

なぜなら、いい業者の定義がみんな違うからです

 

皆さんにとっての良い業者とは何ですか?

安い業者選びなら紹介サイトは有効だと思いますよ

でもプランニングと施工に自信があり実績がある業者は、そもそも紹介サイトに手数料を払ってまで集客することはないですね

 

紹介サイトにある業者は、皆さんにとって良い業者とは限らないことを覚えておいてください