リフォーム百科事典/田口寛英

リフォーム百科事典/田口寛英

YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適化についてから、自分で意思決定して自分の人生を歩むためのヒントをお届けします
 

 YouTubeの視聴者さんからの依頼で、月に2〜3件の耐震診断をおこなっています。

毎回思うことは、見えない壁の中を想像しながら調査することの難しさです

 

と言うのは

耐震強度の計算には、クロスの下地材(石膏ボードなど)を打ち付けているのが釘なのかビスなのか?  あるいは釘の間隔は何センチか? といったことまで調べる必要があります。

釘やビスの太さもですね

 

ところが、クロスを貼ってありますから見えませんよ

 

床下とか屋根裏とかで、なんとか壁の下地の状況を確認しようとしますが、なかなか難しい

仮に、一部の壁面の裏側がわかったとしても、それを家全体に当てはめてしまっていいのかも疑問です

 

結局のところ、『推測』で耐震計算を行わなければならないのです

 

どこが推測で、どこが目視で確認できたのかは診断書には明記されていません

そこをしっかりと説明するかどうかは、診断員次第なのです

 

私は、きちんと説明して診断結果の信憑性がどの程度かをお話ししていますが

どうやら、ここまで行う診断員は稀のようです

 

耐震診断は、とても奥が深い仕事です

診断マニュアルはありますが、想定外の家も珍しくありません

 

そんな時どう判断するのか

経験や知識以上に、耐震に関わるものとしての良心と、そして建築家としての志が問われているのかもしれません

 

歩くと床がギシギシいうのが心配

そうお考えの方も多いようです

 

本日にご訪問したお客様も同じでした

床を支える材木が劣化しているのではないだろうか…

 

床鳴りの原因はいくつかありますが、多いのはふたつ。

その一つは、木と木が擦れあってギシギシ言うためです

 

大工さんによっては、仕上げフローリングを壁ぎわにピッタリとくっつけないで微妙に隙間を意図的に空けたりします。

隙間があることで擦れないから音がしないわけです

 

ギシギシ キュッキュの音は気になりますが、床の構造的な問題でない場合がほとんどですから、あまり心配なさらずに

 

床鳴りのもう一つの原因は、明日書きます

 先月末のことです。車から降りようとしたら背中から腰にかけて電気が走り、翌日も無理しながら動いていたら、ついに身動きできなくなりました。

 経験した方ならお分かりになるでしょうが、1ミリでも体を動かすと激痛です。

 

3年前に腰椎の3番を圧迫骨折しているので、そちらとの関係が心配で受診してCTの検査を受けましたが、結果は骨折との関係はないもののお腹の血管や内臓に石灰化が見られるので早々に治療しなさいとの診断

 

お医者様が『腰痛にならなければわからなかったのだから、よかったと考えましょう』とおっしゃいました。

 

人生、いろいろなことが起きますが、それをどう解釈するのかで幸せかそうでないかが決まりますね。

 

お医者様の次の言葉は『まだまだ世のために仕事してくれないと困るのだから、体を大切に』でした

 

ここは、素直に従いうしかないようです

 

昨日のブログで書きましたが、昨今のリフォーム業はIT化が進んでいます

現地調査が簡略化できるアプリ。

その場で見積もりが作成できるアプリ。

工程表が自動的に作成できるアプリ。

などなど

 

便利そうですよね

専門家でなくてもリフォーム業を開業できそうです

 

考えてみてください

工事工程表は、工事内容を把握しているから作成できるわけです

見積書も工事内容を把握しているから作成できるわけです

 

それらをアプリに頼ってしまうと、業界に携わるものとしての経験値が上がらないと思いませんか

いえいえ、間違いなく、経験が積み重ねられません

 

将来が、心配だな〜とつくづく思います

リフォーム産業新聞社主催の、展示会に行きました

 

以前はメーカーさんのブースが多かったのですが、最近の傾向は集客の方法を提案する会社や、営業ツールを販売する会社さんが多く出展していました

 

IT化、AI技術を使って、誰でもが現地調査から見積もり作成できるようなツールが多数ありました

 

技術の進歩は素晴らしいなと関心すると共に、機械に頼ることでの弊害も心配されます

自らの体験から得た知識と、機械に導かれた知識とも言うべきか

家というのは一件一件違いますから、その違いを感覚的に感じるのは人間しかできないのではなないかと思います

 

機械に頼った仕事をしていては、経験値を重ねることができないのではないか

そんな心配があります