YouTubeの視聴者さんからの依頼で、月に2〜3件の耐震診断をおこなっています。
毎回思うことは、見えない壁の中を想像しながら調査することの難しさです
と言うのは
耐震強度の計算には、クロスの下地材(石膏ボードなど)を打ち付けているのが釘なのかビスなのか? あるいは釘の間隔は何センチか? といったことまで調べる必要があります。
釘やビスの太さもですね
ところが、クロスを貼ってありますから見えませんよ
床下とか屋根裏とかで、なんとか壁の下地の状況を確認しようとしますが、なかなか難しい
仮に、一部の壁面の裏側がわかったとしても、それを家全体に当てはめてしまっていいのかも疑問です
結局のところ、『推測』で耐震計算を行わなければならないのです
どこが推測で、どこが目視で確認できたのかは診断書には明記されていません
そこをしっかりと説明するかどうかは、診断員次第なのです
私は、きちんと説明して診断結果の信憑性がどの程度かをお話ししていますが
どうやら、ここまで行う診断員は稀のようです
耐震診断は、とても奥が深い仕事です
診断マニュアルはありますが、想定外の家も珍しくありません
そんな時どう判断するのか
経験や知識以上に、耐震に関わるものとしての良心と、そして建築家としての志が問われているのかもしれません