耐震診断 無意味な補強工事をすすめる業者がいます | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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 この動画の要約を書きに述べますが、詳しくは動画をご覧になってください。
 

地震への関心の高まりを背景に、耐震ビジネスに不慣れな業者が参入している現状があります。
耐震補強工事の基本は耐震診断を行うことです。

耐震診断では、建物の床面積に対して必要な壁の量を計算し、個々の壁の強度を壁の材質や筋交いの有無などの要素に基づいて評価し、点数をつけ、建物全体の壁の点数の合計が、耐震性の指標となります.

壁の強度を増す=点数を上げることで耐震性を担保するのが耐震補強工事ですが、単に数字の足し算だけの補強で軸組の状況を考えないと意味のない耐震補強工事になってしまうこともあります。

 例えば、2階の重みを直接支えるていない1階の壁をいくら強化しても十分な耐震効果は期待できません。また、増築部分の基礎が不十分な場合など、いくら壁を補強しても意味がありません。
  重要なのは、平面図だけで判断するのではなく、床下や屋根裏に入って実際に建物の構造を確認することです。
 梁の配置などを確認するために、天井裏を開けて調査する必要しなければ正しい補強工事が出来ないこともあります。 

 単に壁の点数を足し算するような補強計画ではなく、建物の全体の構造を理解した上で、効果的な補強を行うことが重要です。

 安易な診断や、建物の構造を十分に理解しないまま行われる高額な補強工事には注意が必要でで、耐震診断の結果や見積もりに疑問を感じた場合は、セカンドオピニオンを求めることも重要です。