小さな薬局の学習帳

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小さな薬局で細々と働いている薬剤師による、薬学を中心とした日々の疑問等を割と無味乾燥に綴るブログ。東洋医学ネタもちょいちょい盛り込みます。
【注意】
・ 個人的な学習帳なので、すべてが正しいわけではありません。必ずご自身で真偽を確かめてください。

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こんにちは。


なんかここ最近ばたばたしておりましたm(__)m。


今日は本草学の続き。補血薬についてまとめてみたいと思います。


★ 補血薬

 血を補う薬。


・ 熟地黄

【性味】甘/温

【帰経】肝・腎

【薬効】

  1 補肝腎

  2 滋陰養血

※ どこかで乾地黄というのをやったような・・・・補足参照のこと。


・ 何首烏

【性味】苦・甘/微温

【帰経】肝・腎

【薬効】

  1 補肝腎

  2 解毒

  3 潤腸通便

※ いかにも生薬って感じの字面だなと思うのは僕だけでしょうか・・・ちょっと気に行っていますww。


・ 当帰

【性味】甘・辛/温

【帰経】心・肝・脾

【薬効】

  1 補血活血

  2 降気止痛

  3 潤腸通便


・ 芍薬

【性味】苦・酸/微寒

【帰経】肝・脾

【薬効】

  1 補血調経

  2 養陰柔肝

※ 白芍薬と赤芍薬の2種類があるそうです。ここでは白芍薬のこと。


・ 阿膠

【性味】甘/平

【帰経】肝・腎・肺

【薬効】

  1 補血

  2 滋陰

  3 止血

  4 潤肺


・ 竜眼肉

【性味】甘/平

【帰経】心・脾

【薬効】

  1 補心脾

  2 益気血(気血双補)


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【ポイント】

補血剤は、血を補う薬なので当然「血虚」に対して使用する。


1) 性味や性状の特徴として・・・

 ・ 粘膩性で甘性のものが多いので、胃が持たれやすくなる可能性が高いものが多い。

 特に地黄はもたれやすいので注意が必要。


2) 帰経として「肝」と「腎」が重要。

  血が不足する状態はどんな状態かを考えてみると・・・

  ・ 肝血虚

  ・ 腎虚(陰)

  ・ 心脾両虚 : 脾気虚+心血虚

  主なものは上の3つになると思われる(ここらへんこじつけですwww)。よって肝、腎、心、脾の4つ、特に肝と腎は帰経で重要となる。こんな風に考えなくても、肝は蔵血の臓器だし、腎は肝を養い「肝腎同源」なわけだから想像がつくでしょう。でもまあこじつけるとこんな感じ。


それでいつものように肝腎とそれ以外の帰経をもつものに分類すると・・・


【肝・腎】 : 

   (1) 熟地黄 → 滋陰養血

   (2) 何首烏 

   (3) 芍薬  → 養陰柔肝

   (4) 阿膠  → 滋陰


【肝・心・脾】 :

   (1) 当帰  → 補血活血、降気止痛、潤腸通便


【心脾】 :

   (1) 龍眼肉 


 心脾両虚には竜眼肉!!ってのが浮き彫りになりましたね。気血双補の加味帰脾湯などにはしっかり入ってますから、なるほどその通りですね。

 個人的な感覚ですが、当帰が重要でありながらあまり目立ってない感じをうけます。それ自身が活血作用があるというのに・・・。


 それからもう一つ注目すべきは、肝腎に帰経をもつ熟地黄、芍薬、阿膠の薬効をよ~くみると、「滋陰」とか「養陰」のような「補陰」作用みたいなものが垣間見えます。

 したがって、

これらは陰虚による血虚も対応できるのだろうというのが字面からは想定されます。実際どうなのか誰か教えてくださいm(__)m。


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【補足】

 (1) 熟地黄と乾地黄

 今回登場した熟地黄は乾地黄を蒸し焼きにしてできたものをいいます。薬効がことなるので注意が必要です。

 熟地黄 : 補血薬

 乾地黄 : 清熱涼血薬


 (2) 白芍薬と赤芍薬

 一般的には白いほうを指すようです。薬効も若干異なるみたいです。

 白 : 補血

 赤 : 涼血


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この本草学まとめももう8章まできました。

スクールにいってもうそんなに経つのかと時の流れを感じるのでありました。


以上、補血薬のまとめでしたm(__)m。

.こんばんは。


本日の食後のデザートは・・・


「ピノ マロン味」


実は結構前に買ったんだけど存在をすっかり忘れていた!!ww


味は抹茶同様「栗!!」って感じですw


期間限定とのことなので、食べるなら今です!






こんにちは。


今日は五臓の働きの続き。今回のテーマは「心」です。


(2)心

 心は中医学では、「五臓六腑の大主」といわれて、非常重要な臓器ということになっています。

 

【1】 働きは大きく2つ

 ・ 神明を主る : 精神活動のコントロール

 ・ 血脈を主る : 血をめぐらせる働き


 血脈については現在の西洋医学でも同じような考え方をしますね。神明が主る「精神活動」というのは以前にもかきましたが、情緒、思考、記憶、睡眠などを指します。「血」自体が精神活動の基本物質でしたから、血脈を主る心がちゃんと働いてくれないと、精神活動の低下につながるのはなんとなくイメージできますよね。「神」ってなんだ?とかやりだすとハマるのでここはそういう理解にとどめておくべきと自分に今は言い聞かせていますww。


【2】 心の状態が現れる場所

 肝のときと同じような調子で五行色体表を観察すると・・・

① 顔面(華)

② 舌(開竅)

華や開竅という言葉の意味については前回の肝のまとめのところで触れました。

顔面や舌には沢山血管が分布しているので、状態がよく表れるというのは納得ですね。

特に心に熱をもった、心熱の状態は、舌先に赤い点々(点刺といいます)がでることで有名です。


重要な臓器なんですけど、それほど書くことがないという不思議な感覚・・・・。


というわけで、心の働きのまとめでしたm(__)m




こんにちは。


ここ数日忙しくて何もできていない(-_-;)。


さて、今日は補気薬の続き。前回は脾胃のみに帰経をもつものをまとめてみましたが、今回は肺にも帰経を持つものをまとめてみました。

すごく重要なものばかりだなあと個人的には思っています。


・ 人参

【性味】甘・苦/微温

【帰経】肺・脾

【薬効】

  1 補気固脱

  2 補脾益気

  3 補肺気

  4 生津止渇

※ ウコギ科のオタネニンジンを起源植物として、紅参、高麗人参などの呼び名がある。一方で日本原産の同じウコギ科でトチバニンジンというのもある。これは「チクセツニンジン」という名前がついている。


・ 黄耆

【性味】甘/温

【帰経】肺・脾

【薬効】

  1 補気昇陽

  2 補気統血

  3 固表止汗

  4 利水消腫

※ 汗を止めるには黄耆と僕は習いました。


・ 山薬

【性味】脾・肺・腎

  1 補脾止瀉

  2 補肺止咳

  3 補腎固精

※ これヤマイモです。ヤマイモごはんって脾にはいいのかも。


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【ポイント】

前半に引き続いての補気薬ですが、今回は肺にも効くものをまとめてみました。

益気健脾の作用はベースにあるのだというのは忘れてはいけません。


全体として脾または肺のどの証に対してどのようにアプローチするのか?という観点で分類してみると・・・


【脾気虚】

 1) 脾不健運

     ←  ① 化湿・燥湿 : 白朮、白扁豆  ② 止瀉 : 山薬

 2) 脾不統血

 3) 中気下陥

     ←  補気昇陽、補気統血 : 黄耆


【肺気虚】

 1) 肺陰虚

     ←  ① 生津 : 人参    ② 潤肺 : 膠飴、甘草(今回載せてません)

 2) 自汗

     ←  止汗 : 黄耆



とまあ、こんな感じですかね。膠飴、甘草、粳米に関しては今回あまり重要でないと判断してノートに組み込ませんでした。


なんといっても黄耆のスペクトルが広い!!ここのキーとなる生薬かもしれませんね。

そういえば、補気昇陽については、辛涼解表薬 のところで、「昇挙陽気」という作用を柴胡と升麻が持ってたなあなんてことを思い出します。


柴胡、升麻、黄耆、人参、白朮・・・・


補中益気湯の中に全部入ってるじゃん( ゚Д゚)!!!



何て補中益気なレシピ!!


まさに神レシピ!!



そして「培土生金」という単語が頭に浮かぶ僕なのでした・・・


以上、補気薬のまとめになります。ありがとうございましたm(__)m。

こんにちは。


今日は本草の続き。 本日から補気薬についてまとめます。


★ 補気薬

 気を補う作用を持つ薬。

 

・ 白朮

【性味】甘・苦/温

【帰経】脾・胃

【薬効】

  1) 健脾益気

  2) 燥湿利水


・ 大棗

【性味】甘/温

【帰経】脾・胃

【薬効】

  1) 補中益気

  2) 養血安神

  3) 緩和


・ 白扁豆

【性味】甘/微温

【帰経】脾・胃

【薬効】

  1) 健脾化湿


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【ポイント】

補気薬はその名の通り「気を補う」薬。ただし、温煦作用の低下による「陽虚」に対して「陽」を補うのは「補陽薬」という別のカテゴリーがあることに注意。


五臓において気虚になりやすいのは、脾と肺です。「気血生化の源」の異名を持つ脾は特に気虚の影響を受けやすい臓器といえます。


したがって、補気剤の帰経の中心は「脾(胃)」ということになります。そこから枝葉を伸ばしていく形で考えていきます。


前半は脾胃のみの帰経を持つものを見ていきます。


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まず全部に共通していえることは、脾気を増す作用があるということです。これを「益気健脾」といいます。

今回紹介する3種類はもちろん、次回まとめる後半のものも全てこの作用はベースにあるわけです。


それ以外にどんな作用があるか?でいつものように分類してみると・・・


(1) 燥湿・化湿 : 白扁豆・白朮

(2) 養血安神 : 大棗


(1)は脾の働きのなかでも運化の低下、つまり脾不健運に対するアプローチがあることが分かります。(2)は字の上では補血作用もあるようですね。


脾にはまだ他の作用があるじゃないか!と指摘されそうですが、それは次回のお楽しみww。


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【参考】

蒼朮という生薬があります。白朮とよく似ていますが作用が結構違います。


白朮 : 益気健脾、燥湿

蒼朮 : 燥湿利水


補中益気湯や六君子湯は補気剤の代表方剤である四君子湯をベースとした補気剤なわけですが、医療用のエキス製剤の成分をよ~くみてみると、ビャクジュツがソウジュツになってる!!なんてことがあります。

臨床的な効果の差というのは、自分はわかりませんが方剤の意図を考えるとソウジュツにしたらだいぶ意味が違ってくるような気がしませんか?

ちなみにちゃんとビャクジュツが入ってるメーカーもあります。

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以上、補気薬の前半のまとめでした。

書いてていつも思うんだけど、こんな自己流の思考回路をあたかも正しいみたいな感じでアップしていていいのかなあ(-_-;)。

僕のノートなので本当に参考までですので!!。