萬日記 ガラクタ部屋とも云う -12ページ目

ベーオウルフ 1 イラスト描くための忘備録

自分が絵を弄るための忘備録として転載しますね。

ひらがなが必要以上に多かったです・・・

のでかなり文字を漢字入れてます。



1海を往く者


イェーアトの王ヒイェラークの大広間では、食事が済み、蜜酒(ミード)の角杯が手から手へ回されていた。最早暮れ方で、火明りの向こうには闇が集い始めており、常ならば、戦士達が、王の竪琴弾きアンイェールムに声を掛け、宴を華やかにする歌を求める頃であった。

だが今夜は、既に耳慣れた古(いにしえ)の勇者の事績を、呟き語りに聴くよりも、他に耳を傾けるべきものが在った。

今宵は座の中に髪に未だ汐を留めた海の男達が居た。氷が融け、野生の雁が北に帰って以来初めて現れた交易船の乗組員である。船長は、王の高い御座に向かい合うように広間の中程に座し、沿岸や島々、北方の海の物語を語って聞かせた。

 この小柄な男は、彫物のある大椅子から身を乗り出すようにして、両手を膝の上に置き、海の男らしく良く利く目を、煙った広間の彼方此方にさ迷わせながら、彼是の些事と共に、デネの民の偉大なフロースガールが、家中の戦士と共に座して酒を酌み交わし、誰であれ立ち寄るものを歓待する壮大な館の建立した次第に付いても語ったのである。

 「天晴れ見事な大広間で御座りました!」船長がそう言うと、席に居流れる乗組員達も頷いて、同意の囁きを交わした。「今宵、ヒイェラークの殿がいか程に豪気に御持て成し下されたこの館、これより更に奥行きが深く、天井は高いので御座ります。そうしてフロースガール殿はその破風の端高くに、金鍍金の牡鹿の角を飾り、その故を以って館を〈鹿のヘオロット〉と称して居られたが、羊飼いの掘っ立て小屋にでも住もうて居られた方が未だ益しで在ったかも知れませぬ。その館でのデネの王の日々は楽しみ薄いもので御座ります故」そこで彼は手渡された角杯からぐっと飲み、頭(かぶり)を振って、皆が先を促すのを待った。

 ヒイェラークは膝に凭れた幼い息子ヘアルドレードの耳を猟犬のそれか何かのように弄びながら、微かに笑った。「何故、デネの王はその様な館に在って、心楽しまなかったじゃ」

 「それは、王が心を喜ばせようとしても、その笑い声に外の暗闇で聞き耳を立てて居る者が誰であるか、よう判っておったからで御座ります」こう熱っぽく語りながら、彼もちらと視線を外し、正面入り口の向こうに集って来る蒼い闇に目を向けた。

 「それは誰じゃ」ヒイェラークは笑いを収めて尋ねた。沈黙の中で、彼方の海の潮騒が大きく響いた。

 船長はもっと輪を縮めようと促すかのように、聞き手達を見回した。この男が、舵の代わりに竪琴をてにしておれば、アインイェールムにもおさおさ劣らぬ吟遊詩人になれたであろう。

 「<夜の徘徊者>グレンデルでござります。」やっとそう言った。「人狼グレンデル、<死の影>グレンデル、海辺の洞窟や沿岸の潟に住い成す化け物でありました。それが、王の館から洩れる笑い声また竪琴の歌を耳に致し、ほの暗い夢を掻き乱され、起き出して荒野の果てからふらりと現れ、入り口の周りを嗅ぎ回りました。扉は何時もの様に開いておりました―――よしんば敵を防ごうと閉めてあっても、そ奴には役に立たなかったで在りましょう」聞き手は一様に頷いて、火の方に身をいざらせ、其処此処で、背後の闇に不安の目を走らせるのだった。人の子が鍛えた刃は、トロールのうからの鱗有る皮膚には立つ事が無く、如何なる閂も錠前も、彼らを締め出すことが出来ぬのを、知らぬ者は居なかったからである。

 「グレンデルは、あらゆる人とあらゆる喜びを憎み、這い込んできて、人の生命を求めました。さりながら、夜が明けてみると、フロースガール王の精鋭のうち三十が姿を消し、怪物の血に滲んだ足跡は、、彼らの運命をありありと語っていました」

 底篭る様な呟きが、みっしりと人だかりのする広間に隅から隅までを走り抜け、ヒイェラークはこう口を開いた。「それは真に不吉な物語じゃ」

 「いかさま左様。しかも其れだけでは御座いません。一旦目を覚ましますと、かの化け物は決して眠らず、繰り返し、戻って来ますのじゃ。今日に至るまで、夜になると、ヘオロットはひとの居らぬ、呪われた館となっているので御座います」

 「しかし、フロースガール殿には、デネ全土を捜してもかの怪物を倒す勇者は見つからなかったのか」

 船長は首を振った。「初めは、フロースガールの館で夜を明かそうという大胆不敵な者もございりました―――取り分け酒が廻っておる時には。しかし朝になって見ると、かれらは影も形も無く、床には血飛沫(しぶき)があるばかり。そのうちに、進んで名乗り出でる者は無くなりました」

「で、その化け物は館が空になった今も、毎晩やって来るのか」

「<鹿のヘオロット>の館に、ひょっとすると又寝泊りする者があるかも知れぬと思うので御座りましょうな。グレンデルは今でも参り、朝になると、彼奴(きゃつ)めが夜の闇の中、腰掛の間を彷徨(さまよ)い歩いた場所に、泥足の跡が在り、干潟の潮臭い匂いが残っております。フロースガール王は悲しみのうちに、そして又いつの日かきっと、人の運命を織り成す女神ウィルドが、化け物を倒して民を夜な夜なの恐ろしい<死の影>から解き放つ勇者をお送り下されるという希望のうちに老いていかれました―――が、今は最早希望も失せられました」

 長い腰掛に居並ぶ勇者の内から、独りが、両腕に膝に掛け、船長の顔に眼をひたと宛て、この暗鬱な物語が一入(ひとしお)身に沁みたかのように、躰を乗り出した。金髪の若者で、瞳は皆と同じく灰色、身の丈は半分高く、その首から肩に懸けてのなだらかな筋肉には、北方の大熊と組打ち出来様(できよう)力が見て取れた。彼は高からず低からずといった席に座していた。真に、誰かに地位を脅かされぬ限り、何れの席に在っても泰然自若として居れるような男であった。だが、何も知らぬ者の目にさえも、その貌、その挙措には、只者成らぬ様が見て取れた。何を隠そう、是こそベーオウルフ、王の妹の子にして、並み居る戦士の中で最も力優れた者であった。

 その夜、ヒイェラークの館に列なっていた男らにとって、船長の物語は、項(うなじ)の毛をちり立たせ、物陰に目を配らせる恐ろしい物ではあったが、所詮(しょせん)遠国の風説に過ぎなかった。だが、一人ベーオウルフにとっては、それは危機に瀕した友の消息であり、昔の借りを今こそ返す機会だと思われた。

 ベーオウルフの生まれる遥か以前、父エッジセーオウはウュルヴィング族の王だった勇者の一人を殺した。血を以って贖うべき復讐劇に巻き込まれ男が往々にしてそうする様に、彼もまた、若い妻を伴って海賊の荒々しい生活に身を投じた。嵐が彼らを、フロースガールの宮廷に吹き寄せ、続く長い歳月の間に、若い海賊はデネの王から並々ならぬ恩義を蒙った。エッジセーオウが世を去った後も、デネの宮廷で生まれた息子は其れを忘れはしなかった。しかも彼は自らも海賊の生活を知り尽くしており、毎年雪が融け、ブナが芽ぐみ始めると共に疼いてくる冒険への夢が、今年も早(はや)幾週間の間、血の中に燃え滾っていた。昨年の嵐の後修理を為直(しなお)し、塗り直した舳先の長い戦船(いくさふね)が、恰も牝馬が乗り手を待ち焦がれるように、船着場で彼を待っているのを思った。彼は船長の顔から眼を逸らして、仲間の顔、幾夏も共に海へ乗り出した腹心の家来達の顔をぐるりと見渡した。

 すると、影の中から、また火明りの中から、そして松明の揺らめきの中から、彼の血族であるウェーイムンド、そして若きホンドシオーホとシェーフ、又その他の面々が、眼を輝かせて彼を見返した。それらの眼は、今一度心を一つにして戦船に乗り込もうと、語っていた。

 そこでベーオウルフは立ち上がり、広間を横切って行き、ヒイェラークが幼い王子を膝にして座っている王座の傍らに行った。「我君ヒイェラーク、海へ乗り出すお許しを頂きたく存じます」

 ヒイェラークは、若い甥に鋭い眼を向けた。「海に乗り出す許しは、今年も又与えるつもりじゃ。だが、そちの心に有る事は何か」

「父が真の友を求めて居た時、デネのフロースガール王こそはその友に成って下さいました。二親に住む所与え、母はそこで私を生む事が出来ました。私の最初の記憶とは、王の暖炉の前で、狼の毛皮の上で寝ていた事です。王が、父の殺した男の身代金を払い、ウェルヴィング族との間に和を結んで下さったので、私が六っになった夏、父は故郷へ戻る事が出来ました。どうやら今度はフロースガール殿が真の窮地に立たされている御様子、御恩に報いる時が来たようです」

 ヒイェラークは頭を垂れ、その面上には影の如く悩みが立ち込めた。

 「そうであろうと思った。そうであろうと・・・・妹の子ベーオウルフよ、そちは我家中一の戦士、そしてこの子を除けば、儂に残された唯一の身内じゃ。そちがそのような危ない企てに乗り出すのを見送るは辛い。

 だが、男は借りを返さねば成らぬ。行け。だが、忘れるな。この地の岸壁には常に、そちが戻ってくるのを待ち受けている眼が在る事を」




女傑なのか悪女なのか 王妃フレデゴンド(3)

今北産業▼

捕らえられた王妃ブリュヌオーは夫の仇とその息子にその美しさゆえ二人から惚れられてしまう。それが幸運となってフレデゴンドの毒牙から逃れられるが、息子メロヴェは親父を騙し、ブリュヌオーと駆け落ちし、ブリュヌオーは辿り着き、息子はそれに失敗する・・・


これで合ってます?

第二話はこちら


続きなんだわ・・・

その後、不審な死が相次いで王国を襲った。邪魔者を次々と消し去ろうとしたフレデゴンドの仕業と言われる。先ずヒルペリック王と元王妃の間の王子クロヴィス(メロヴェの弟)が暗殺され、ヒルペリックの元王妃オードヴェールも隠遁先の修道院で刺客から嬲り殺しにされてしまう。故クロヴィスの妻も捕らえられ、生きながらに火炙りにされた。
次の犠牲者は、ルーアンの司教プレテクスタであった。彼はメロヴェとブリュヌオーの結婚式に立会ったので、フレデゴンドの怨みを買っていたのである。司教は教会のなかで殴り殺された。

 フレデゴンドは自分の意に逆らう者や虫の好かない者にどんな趣向の罰を与えようかと、色々考えるのを、いつも楽しみしていたという。

 そんな或る日、彼女は気に食わない宮廷役人を、車輪に縛り付けて、死ぬまで棒で叩くように命じた。そして数時間してから、どんな状態になっているかと、拷問の現場に見に行ってみた。

 すると「よし、この位で休もう!」と叫ぶ拷問執行人の声が聞こえた。犠牲者を殴り続けるのに疲れて、一休みしようとしていたのである。

 犠牲者の苦悶の様を見ようと、楽しみにしていたフレデゴンドは怒り狂った。そして直ちに拷問執行人の手足を切り落とすように命じ、更に哀れな犠牲者に、今度は指と爪の間に刺を打ち込むという新たな拷問を与えるように命じたのである。



577年、天然痘がフランス中を荒れ狂って何百人という死者を出し、フレデゴンドが生んだ子供達も残らず世を去ってしまった。

 流石の彼女もショックを受けたが、元々割り切った性格の女である。何時までも哀しんでばかりはいない。直ぐに夫に、急いで次の子供を拵え様と提案し、夫も進んでそれに協力した。

 フレデゴンドは用心のため、夫以外にも数人の家臣とも関係を結んだ為、願い適ってめでたく男の子が生まれた。

 このときの経験が忘れられなくなったらしく、今度は彼女は誰彼構わず宮廷の男と関係を結ぶようになった。

 

 ところが或る日、大変な事が起こったのである。

 その朝、寝室に入ってきたヒルペリック王、鏡に向かって化粧をするフレデゴンドを見て、手にした杖でふざけてその肩を突付いた。

 するとなんとフレデゴンドは、「あら、痛いじゃないの、ランドリー」と、振り向きもせずに答えてしまったのだ。情夫の一人と間違えたらしい。はっと気がついた時は既に遅く、夫が怒り狂って部屋を出て行くところだった。

最後の犠牲者は、夫のヒルベリックだった。

 困った事になった。夫は彼女の男性関係を徹底的に追及し、さっさと彼女を追い出してしまうかもしれない。恐れ戦(おのお)いたフレデゴンドは、そうならない内にと是を機に暗殺を決意する。
夫のために何度も苦杯をなめさせられていた彼女は、以前から彼を深く憎んでいて、いずれは殺してやろうと思い募っていた経緯があった。
その夜五八四年九月、猪狩から帰ってきた王は、喉の渇きをおぼえたので、一杯の葡萄酒をもらって飲んだ。そしてその晩、ぽっくり死んだのである。

 その後のフレデゴンドの淫乱ぶりは凄まじいもので、一晩の内に10人や15人の男を相手にする事もざらだった。その代わり、彼女に充分な快感を与えられなった男は、男性器をチョン切られるという残酷な罰を与えられた。

 夫の死後、フレデゴンドは終に待望の絶対権力を手に入れたにも関わらず、二王妃の執念深い争いは、更に十数年の間続く。


596年、ブリュヌオーの子シルデベルトが死ぬと、孫を擁立して、彼女は摂政位についた。この機に乗じてフレデゴンドはパリを徹底的に攻撃して陥落させたので、息子の死を哀しむ間もなくブリュヌオーは戦場に駆けつけた。

ブリュヌオーの傍らには、影の形に添うように、いつも忠実な恋人リュピュス伯が、馬に乗って従っていた。これに反して、フレデゴンドはつねに孤独だった。彼女の荒廃した心には、ただ憎悪と残忍さのみが棲んでいるかのようだった。

 双方の軍隊はソワソネ地方とアウストラジアの国境で衝突した。

 今こそ勝敗を決しようと、二人の王女は夫々(それぞれ)甲冑と鎧に老いた身を固めて雄々しく対決した。フレデゴンドの後ろには息子クロタールが、ブリュヌオーの後ろには二人の孫が其々(それぞれ)従っていた。

 血で血を洗う戦いの後、結果はネウストリア軍の優勢に傾いた。忠臣リュピス伯は戦死し、ブリュヌオー自身も全速力で馬を走らせて必死に逃げ延びた。

 白髪を風に靡かせて逃げ去るブリュヌオーを、フレデゴンドは丘の上から見つけた。

「早く追い駆けてお捕らえ!生け捕りにするんだよ!」

そう言いかけて、彼女は突然咳き込んだ。苦しげに馬上で身を屈めた時、唇の端から血がスーッと流れた。かなり前から重い肺病に罹っていたのである。

 勝利を味わう暇も無く、フレデゴンドは重病の床に着き、一年後に世を去った。

 只管悔まれるのは、その手でブリュヌオーの首を掻っ切る事が出来なかった事であった。

 

 しかしフレデゴンドの死語も、二国間の対立は終わらなかった。彼女の息子クロタール二世が今度はブリュヌオーの新たな敵となり、争いは更に17年の間、613年迄続いた。

 

 年老いてからのブリュヌオーは人間が変わってしまい、フレデゴンド顔負けの残酷さを見せる様になり、自分の意にそぐわぬ孫や曾孫を次々と何人も殺していった。彼女の暴政に怒った貴族達が謀反を起こして王妃を捕らえ、敵のクロタール二世に引き渡した。この時ブリュヌオーは80歳の老体になっていた。

 クロタール二世は母に劣らず残虐な男で、母の長年のライバルを三日三晩散々拷問で責め抜いた挙句、馬の尻尾に全裸にした彼女を髪の毛で結び付け、馬を全力疾走で走らせたのである。

 四肢をバラバラに引き裂かれ、血塗れの襤褸切れ同然になりながらブリュヌオーは苦しみ悶えながら壮絶な死を遂げた。

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女傑なのか悪女なのか 王妃フレデゴンド(2)

今北産業
(いま来た。三行で説明しる!)

フレデゴンドという美貌の出生の貧しい女が自分の体を武器に、ネウストリア宮廷に入り込み終には王妃までに上り詰めるが政治的婚姻で着ざるおえなかった西ゴート族のガルスウィントがそのフレデゴンドに殺されてしまい、アウストラジアに嫁いでいたガルスウィントの妹美しきブリュヌオーが姉の復讐を誓う。

↑こんなもんで勘弁してください。

第一話

で、続きね。

574年、シジュペール王は弟のヒルペリック王に宣戦布告し、兄弟である二人の王のあいだに戦争がはじまった。シジュベールノ率いるゲルマン軍の精鋭は、女ながらに鎧兜に身を固めたブリュヌオーを先頭に、嵐のようにネウストリアを席捲した。

ネウストリア軍は壊滅寸前となり、ヒルペリックの長男テオドベールは、シャラントの合戦であえなく戦死した。ネウストリア軍の総崩れであった。フレデゴンドは王とともにベルギー地方のトゥールネに逃れたが、この町も、やがて敵軍の包囲攻撃にさらされるところになった。

苦境に立ったフレデゴンドは、一計を案じた。いつも土壇場に追いこまれると、ふしぎに頭がはたらいて悪智恵をめぐらすのである。夫のシルペリクは、近ごろめっきり気が弱くなって、坊主どもと一緒に礼拝堂でお祈りなどしている。彼女は、だらしのない夫が腹に据えかねた。「あのひとが何も手を打たないなら、あたしがやってやろう」と思ったのだ。

 シジュペール王は意気揚揚をパリに乗り込み、今やネウストリアまでを配下に置こうとする期待に胸を躍らせていた。
 当時のフランク族の習慣では、ネウストリアの王になるためには、アラスに近い王都ヴィトリに赴き、新王の誕生を祝う儀式に参加しなければならない。そこでシジュペールは、直ちに行列を率いてビィトリに向かった。
 報せを受けたフレデゴンドは一計を案じた。

計略というのは、こうであった。すなわち、前から王妃に気のある様子を見せていた二人の若者に、興奮剤入りの酒をたっぷり飲ませ、いい加減その頭が錯乱してきた折に、毒を塗った短剣を渡し、
「この短剣をもって、一刻も早くヴィトリの町へ行き、敵の王シジュベール を刺しておやり。
 敵王シジュペールを見事殺し王の血のついた短剣をもって、早くあたしの前に帰ってきた者が勝ちだよ。
そうしたら、望みのものを与えよう。もしかしたらネウストリア王の地位が手に入るかもしれないよ」といったのである。血気の若者を色仕掛けで誘って、危険な仕事に駆り立てたのである。

二人の刺客は先を争って、ネウストリア 国境近辺の町ヴィトリに達すると、戦勝気分で浮かれていた王の陣屋に難なく潜入し、しのび足で王のそばに近づいて、左右から退くの短剣を王の脇腹ふかく突き刺した。シジュペール王は怖ろしい叫び声をあげた。王は溢れる血の中にどうと斃れ、叫び声を聞きつけて、傍に居た近習の者達、兵士達が一斉に二人の兵士を取り囲み、その場で切り殺してしまった。

シジュベール が暗殺されると、戦局はがらりと一変した。フレデゴンドの計画は図に当ったわけである。王を失ったアウストラシア 軍は大混乱を呈し、占領した町々を放棄して、ふたたびライン沿岸の根拠地にまでずるずると引きさがった。

パリ に留まっていたブリュヌオー が、今度は逆に、圧倒的な敵の大群に包囲される羽目に陥った。しかし誇り高い彼女は、夫を失っても、いたずらに策を弄したりはしなかった。が、気丈な彼女は柳で編んだ籠に入れて、城壁から吊り降ろすという方法で、危機一髪で生まれたばかりの幼い王子シルデベルトを逃す事が出来た。そこからは忠臣リュピスが王子に従って、ラインの陣地まで逃げ延びた。ブリュヌオー自身は城内にただ一人残り、玉座に坐って従容として敵の到来を待った。

甲冑の音を響かせて、彼女の目の前にまず現われたのは、彼女の死んだ夫の弟ヒルペリックと、その息子の若いメロヴェであった。(メロヴェはシルペリク の最初の妻オードヴェール の子である。)
「お前がブリュヌオーか?」とヒルベリックが横柄に言葉をかけた。「戦に負けたくせに、偉そうに椅子にふんぞり返っているとは、いい度胸だ。しかし、お前の王国は既に亡びたのだよ。お前はもう女王様ではないのだ」

 「わらわの愛する夫を殺した弑逆者、兄弟殺しのヒルベリック王よ」とブリュヌオーは平然と答えた。
「なるほど、わらわは戦いには負けました。でも、わらわは依然としてアウストラシアの女王でおるわ。なぜなら、王国はまだ亡びて居らぬ故…」

「何を馬鹿な事を、冗談は休み休み言え。お前も、お前の息子も、我々の捕虜ではないか。王国はもう亡びたも同然だ」

すると、ブリュヌオー の唇にふっと皮肉な笑いが泛かんだ。

「ヒルベリック、御主は御存じ無い。わらわの息子は、もうこの城中には居らぬ。御主方の軍隊がやってくる前に、パリ を脱出して、今ごろは、モーゼル河畔のメッツの居城に無事に帰っているはずじゃ。わらわはその留守を守る、れっきとしたアウストラジアの摂政王女なり!」

ヒルベリックは唇を噛んで黙ってしまった。

実際、フランクの王族と血の繋がりのないブリュヌオーを殺しても、大して意味がないのだった。どうしても殺さなければならない相手は、王位の継承者たる彼女の息子だったが、これはすでに手のとどかないところに逃げてしまっていた。考えれば考えるほど、シルペリク は腹が立った。二つの国の王冠を手に入れるという野望は潰えてしまった。

勿論フレデゴンドは捕虜となったブリュヌオーの処刑を、強硬に要求した。ブリュヌオーの自分に対する憎しみは解り過ぎる程解っていたので、此の侭生かして置いては、何時の日か又自分の命を狙うに違いないと考えたのだ。女同士のライヴァル意識はすさまじく、憎しみは双方で煮えたぎっていた。どうしても一方が他方を殺さなければ収まりそうにもなかった。

が、

ここに思いがけない事態が生じ、ヒルベリックと息子のメロヴェとが、期せずしてブリュヌオーを庇う立場に立ってしまったのである。


ヒルペリックと、彼の先妻の間に生まれた息子メロヴェとが、同時にブリュヌオーの魅力の虜になってしまったのである。
 このように出会う男を悉く魅了してしまった事実からも、ブリュヌオーが如何に魅力的な女だったかという事が分かる。美しい女というものは、いかなる場合にも、有利なものである。今まで悪辣な妻フレデゴンドに悩まされつづけてきたヒルベリックは、あわよくば、美しい高貴なブリュヌオーと改めて結婚して、二つの国を一つに結合し、統一王国をつくってみたいという遠大な夢に憑かれはじめた。
 一方、息子のメロヴェは、一目見たときから、叔母にあたる敵の女王にぞっこん惚れこんでしまって、彼女のためなら生命を捨てても惜しくないと思うまでになってしまっていた。

こうして、若いメロヴェとブリュヌオーとの悲劇的なロマンスがはじまるのである。

まずメロヴェは父親に勧めて、ブリュヌオーをルーアンのある修道院にひそかに送りとどけされる。パリの城に留めておけば、いつフレデゴンドの毒牙にかかって殺されるか知れないからである。父親も、なるほどと思って、息子の案に賛成する。腹の虫がおさまらないのは、裏をかかれたフレデゴンドである。しかし、いくら地団駄をふんで悔しがっても後の祭りであった。
だが、ブリュヌオーが出発した直後に、彼女を追ってメロヴェもまた出奔してしまったので、はじめて息子に騙されたと知った父親は、かんかんになって怒った。それ見たことかと、フレデゴンドは夫を嘲った。

ルーアンで落ち合ったメロヴェとブリュヌオーは、親切な司教プレテクスタの立会のもとに、そこでささやかな結婚式を挙げた。それから有名な聖者グレゴリウスの棲んでいるトゥールの修道院へ行って、ここにしばらく身を寄せることにした。神聖な修道院のなかにいれば、だれからも危害を加えられる心配がないのである。しかし一緒になった二人の幸福も、ほんの束のまだった。

父ヒルベリックが奸策をめぐらして、息子をトゥールの修道院からおびき出し、サン・カレーの僧院に監禁してしまったのである。
ブリュヌオーはルーアンに移されたが、忠臣リュピュスに助けられて脱走し、ようやくモーゼル河畔のメッツの居城に逃げのびることができた。ふたたび子供の顔を見ることができた彼女は、もう若い愛人のことなんか忘れてしまって、彼女を一途に崇拝している忠臣リュピュス伯爵とともに、あらためて宿敵フレデゴンド打倒の計画をめぐらすのだった。

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■此処から二つのメロヴェの二つの結末があります。

A
捕らえられたメロヴェにフレデゴンドは、髪の毛を切り落し剃髪(剃髪は廃位のしるしであった)とさせるだけで、命だけは助けようと言った。
 だが、廃位させられて僧俗させられるはメロヴェにとってこの上も無い屈辱的な事だった。メロヴェはそんな目に逢う位ならと自殺の道を選んだ。

B
メロヴェの末路はまことに憐れである。生き別れに愛人のあとを追って、彼は必死の思いで僧院を脱走し、はるばるメッツの城の下まで来たのであるが、すでにブリュヌオーは伯爵リュピュスと懇ろの仲になっていて、会うことができない。絶望して、ふたたびトゥールに戻ってきたところを、父の部下に発見されて捕らえられ、牢に入れられる。牢のなかで、彼は一緒にいた家来に頼んで、喉をついてもらって自殺したのである。


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Bの結末の方が事実なんだろうけれど(後年の残虐ぶりをみると冷酷な性格が垣間見えて)、映画とかブリュヌオーをヒロインにした場合Aの方が良いかもね・・・・
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女傑なのか悪女なのか 王妃フレデゴンド(1)

澁澤龍彦氏が扱ってるねたですが

メロヴィング朝との記憶の掘り起こしみたいなもので、転載と再構築みたいなものです。
(実はネタを仕入れるの只管字を打ち込んでいたので豪く時間が・・・)

王妃フレデゴンド


長いから三話に別けますね、アメブロだと一気入るみたいですが読むのが大変なので

フランスとドイツの元となりガリア戦記後の歴史の中心であり、キリストの血を受け継いだと噂されるメロヴィング朝であり、ヨーロッパ奥地へと入り込んできたイスラム軍を敗北せしめたフランク王国の二人の姫を弄ります。

トゥール の司教グレゴリウス によって六世紀の末に書かれた史書『フランク人の歴史 』には、そのころヨーロッパ に覇権を争っていたメロヴィング朝王室の、骨肉相食む血腥(ちなまぐさ)い戦いの模様が克明に描かれていて、凄惨が一際際立ってます。

そして、この激しい争いの主役は、アウストラシア王シジュベールの妃ブリュヌオーとネウストリア王ヒルペリックの妃フレデゴンドという二人の女性であった。

出典によるとニーベルンゲン・リートのブリュンヒルデの元のお話になるとされます。

一応文字的グロネタですので耐性の無い方は否推薦で(笑

六世紀後半のヨーロッパは、中世といっても、まだキリスト教がようやく根を下ろしはじめたころで、各地に修道院がぼつぼつ立ってはいたが、メロヴィング王家を中心とするゲルマンの社会は、野蛮で、混乱をきわめていた。
561年、フランク王クロタール一世が死んだ。そして、王国は三分割され、長男のシジュペール一世はアウストラジア(ライン中流の東北岸地方)、次男のヒルペリック一世はネウストリア(現フランス北部地方)、そして三男のゴントランはオータン(ブルグンド)の王となった。
死んだ王の息子たちのあいだで王国を分割するという習慣は、兄弟同士の果てしれぬ殺し合や、王妃や嬖妾《へいしょう》の陰謀などという醜い争いをたえずひき起した。王たちは好色で、宮廷はさながら淫売窟のような乱脈ぶりだった。
 三人の王たちは、心の奥に、相手に対する激しい嫉妬を隠していた。あわよくば相手の領土を武力で手に入れ、フランク王国を一手に治めたいと、密かに願っていたからである。

 中でも次男のネウストリア(現在のフランス北部)の王ヒルペリックは、絵に描いたような典型的なフランク族の武人で、王の権力の象徴である金色の長髪を風になびかせては、いつも馬を飛ばして戦場を駆けまわっていた。狩や戦争が好きで、女にも目が無い単細胞の武人タイプだった。
王妃に使える大勢の侍女たちのなかに、大きな青い目と、赤みがかった燃えるような金髪と、完全に成熟した女の肉体をした娘のフレデゴンドという挑発的な美女がいて、早くから王はフレデゴンドという豊満な王妃付き侍女に心惹かれ彼女に目をつけていた。
フレデゴンドの方もそれを知っており、、身分の低い婢女ではあったが、これを利用して、一気に王の愛人の座にのし上ってやろうと心密かに企む様になった。

 計画の手始めに、フレデゴンドはまず、前々から自分に気の在る素振りを見せている、王の身辺警護の兵士を計画に引きずり込もうとした。或る日前もって打ち合わせて置いた通り兵士がフレデゴンドを呼びにきた。

 「国王陛下がフレデゴンド様を御召です」
わざと隣室の王妃に聞こえる様にこう言うと、次に兵士はフレデゴンドを王の寝室に案内して、今度は「王妃様の命令でフレデゴンドさまをお連れしました」と言った。
 「王妃の命令だと?」と王が不思議がると、フレデゴンドも首を傾げて、「私は陛下の御召と聞いて参っただけで。そうだわ、きっと・・・」と媚びる様に笑い、
 「王妃様が、陛下をお試しなのですわ」
 「それで、そなたは如何なのだ、試されたいのか?」
 「恐れ多う御座います。私は只、陛下の御心のままに・・・」
そしてフレデゴンドは、その豊満な肉体で、忽ち王を虜にしてしまったのである。
 
毎晩、王に抱かれながら、フレデゴンドの心の中でいつか王妃の地位を得たいという野望が沸々と燃え、王妃をその位置から蹴落として、自分自身が後釜に座るというどす黒い計画が次第にはっきりした輪郭を結んでいった。

565年六月、たまたま王がザクセン人と戦うため出陣している留守のあいだに、王妃オードヴェール が娘を産み落とした。
王の妹が代母になってくれる予定だったが急病になった。代わりの代母を見つけねばならなくなり、がしかし、事態は急だったので身分にみ合う代母はおいそれと見つからず、王妃は困っていた。フレデゴンドにとっては、恰好のチャンスだった。王妃が困って様子を見て、フレデゴンドはここぞとばかりに進み出てこう言上したのである。
 「王妃さま」といった、「この国には、王妃陛下以上に身分の高い女性は居りません。いっそ王妃陛下ご自身が代母になって差し上げられては如何でしょうか?」
 いささか頭の弱い王妃は何の疑いも抱かず、直ぐに赤ん坊を抱いて教会に行ったが、実はフレデゴンドの忠告には危険な罠が在った。当時の法では、子供の代母になった者はその姉妹同然という事になり、男親は代母と性関係を結ぶ事を禁じられていたのである。
 莫迦な王妃をまんまと罠に嵌めて、フレデゴンドはほくそ笑んだ。

一ヵ月後ヒルペリックが戦いから帰ってくると、フレデゴンドはいそいそと王の前に進み出て、「今晩はどなたと御寝あそばしますか?」と尋ねた。
「何故そんな妙な事を尋ねるのか?」
王がそういぶかしむと、彼女はこみ上げる笑いを堪えながら、
「実は王妃様は貴方様のお子の代母の役をなされたので御座います」
一部始終を聞いた王は、目を輝かせて、
「そうか、王妃を寝られないなら話しは簡単だ。それなら今夜からは、そなたとだけ寝る事にする!」
 そろそろ王妃に飽きのきていたヒルペリックにとって、寧ろ好都合だったのである。
やがて彼はさっさと王妃を叩き出してしまい、オードヴェールは泣く泣くソワソンの宮廷を去り、生まれたばかりの娘とともに、マンスの修道院に押しこめ幽閉さられる身となった。
かくて計画は成功し王妃の温もりのまだ残っている寝室で、破廉恥にもフレデゴンドは勝利の快感を味わった。そのまま、彼女は王ヒルペリックの愛妾になってしまったのである。
フレデゴンドは王の腕に抱かれながら、夢にまで見た王妃の座ももう目の前だと考えたのである。


ところが、フレデゴンドの喜びも長くは続かなかった。566年の春、早くも新しいライバルが現れたのである。

ヒルペリックの兄シジュベールは、アウストラシア(ライン中流東北岸地方)の王であったが、最近、スペインに強大な勢力を誇っていた西ゴート王国のアタナジルドの娘、若いブリュヌオーを嫁に迎えて、得意満面であった。ブリュヌオーは美しく、しかも莫大な持参金のついた高貴な王女である。
その評判は弟のヒルペリックの元にも届いた。兄に嫉妬したヒルペリックは、今更ながら、卑しい侍女風情に夢中になっていた自分の莫迦さ加減に気がついた。
 彼はさっさとフレデゴンドを追い出して、自分もブリュヌオーのような身分高い王女を妻に迎えたい切に願うようになり、密かに特使を西ゴート王国の都トレードへ送って、アタナジルド王に、他にもう一人王女が居ないか問い合わせた。
 アタナジルド王は、姉のガルスウィントの方がまだ残っているが、貴方が他の女達と手を切らぬ限り、嫁にやる訳には行かないと答えた。ヒルペリックの良からぬ評判は、彼のもとにも届いていたのである。

 この返事を聞いたヒルペリックは、これまで関係した女達、フレデゴンドを含め、総てをさっさとベッドから叩き出してしまった。

ヒルペリックの態度が急に冷たくなったことに、フレデゴンドはすぐ気がついた。今までは彼女の肉体の魅力の虜になっていた王が、にわかに彼女に対して冷淡になり、乱暴になり、打ったり叩いたり、口ぎたなく罵ったりするようになり、もう、臥床を共にしなくなり、フレデゴンドを避ける様になった。

ヒルベリックの評判はかなり悪かった為、それでも未だアタナジルドは、娘をヒルペリックの元に嫁がせるのは気が進まなかった。娘をソワソンの宮廷に輿入れさせるのを、永いこと躊躇していた。が、ヒルペリックの弟ゴントランが死んで、その領土の一部がヒルペリックの手に帰するようになると、今まで小さかったネウストリア王国は、俄然強大になり、隣国にまで脅威をおよぼすようになった。アタナジルドはしぶしぶ結婚を承知せざるをえなかった。
567年ガルスウィントは泣く泣く母親の腕から引き離され、ソワソンの宮廷に連れてこられた。

いよいよ西ゴートの王女ガルスウィントが宮廷に到着し、華やかな婚儀が何日間にも渡って繰り広げられた。 
妹のブリュヌオーに比べてこの姉のガルスウィントは、かなり見劣りがした。目と髪の毛が黒く、肌が琥珀色をしていた彼女は、少なくともフランク族の美人の基準からは外れていたのである。しかし性質がやさしく、信心ぶかかったので、宮廷の者みんなから愛された。ただフレデゴンドのみは、蛇のように陰険な目を光らせつつ、何とかして王妃を王のそばから除いてやろうと機会をねらっていた。
 初々しい花嫁に夢中になったヒルペリックは、彼女のベッドに入り浸って、フレデゴンドの事には見向きもしなくなった。フレデゴンドは悔しさに地団太踏んだが、別に野心を捨てた訳ではない。
 「珍しがっているのは最初のうちだけだ。あんな色気の無い女なんか、王は直ぐに飽きてしまうに決まってる」
 自分の性的魅力と手練手管に並々ならぬ自信の有ったフレデゴンドは、密かにそう考えてせせら笑っていたのである。

予想通りヒルペリックは初々しいだけの王妃に直ぐに飽きて、またフレデゴンドを求めるようになった。結婚早々に孤閨を託つ事を強いられ、気位の高い王妃にとって、侍女ふぜいの女に馬鹿にされて毎日を過ごすのは、堪えがたい苦しみだった。王妃は国に帰してくれと泣いて訴えたが、西ゴート王の復讐を恐れるヒルペリックが、そんな事を承知する筈も無い。
 フレデゴンドの復讐はここでは終わらなかった。
ある晩、王妃は哀れにも、フレデゴンドの密かに差し向けた男が、眠っている王妃の首に紐を巻きつけ、きつく絞めて絞め殺したのである。
 酷く抵抗したらしく、美しい黒髪は束になって引き抜かれて床に散らばり、両手は空を掴んで、顔は恐ろしい苦悶の表情に歪んでいた。こうしてフレデゴンドは、終に望み通りに、ネウストリアの王妃に収まる事が出来たのである。

 アウストラジア国の都メッツの宮廷にも、ガルスウィントの死の報せは届いた。
無惨な姉の死の模様を伝え聞いたブリュヌオーが、美しい顔を紅潮させて怒り狂っていた。ゴート人の勇壮な気質を享けて生まれた彼女は、男のように凛々しく、戦闘的であった。気の弱い夫シジュベールに向って、彼女は声をふるわせつつ掻き口説いた。

「ゴート人の間では、古くから、血が血を呼ぶといわれております。家族の恥を雪ぐことができるのは、血だけですわ。ソワソンの宮廷では、あなたの弟のヒルベリックが、あたしの姉の血に染んだ寝台で、卑しい婢女を相手に戯れているのです。西ゴートの王女の名誉は汚されました。この事態を、どうして黙って見ていられましょうか…」

シジュベールは弟と違って、粗野なところがなく、ラテン語も自由に読みこなせるほどの、当時としては珍らしい文化人であった。それだけに優柔不断な面もあったが、深く愛していた美しい妻ブリュヌオーに、こうして涙ながらに掻き口説かれてみると、決心を固めないわけにはいかなかった。

史上に名高いブリュヌオーの「血の復讐」が、こうして宣言され、二人の王妃はこの時から以後、永遠の仇敵として相対することになったのである。



エクスカリバーの名前の語源・・・・

とりあえず忘備録的ものです。

ある意味あまり面白くありませんです。


★Excalibur・エクスカリバーという名前からのルーツ


日本語仮名表記のエクスカリバーまたはエクスキャリバーという呼び名で始まったのは、もともとフランス語で描かれていた頃の「Escalibor(エスカリバー、またはエスカリボー)」が発端です。

これは、もともと12世紀のブリテン列王伝で登場するウェールズの古い伝承から由来し、そこでは「Caliburnus(カリブルヌス)」と呼ばれていました。
この呼び名を剣が折れたために改めて鍛え直したという意味で(伝説では湖の精から授かるが、これは一度折れて、鍛え直したカリブルヌスという意味合いでex Caliburnus)「ex Caliburn(カリバーン)」と呼ばれました。これは、フランス語風にアレンジしたものであるとされ、その語源は、マビノギオンに登場する、ウェールズ名の「CaledvwlchまたはCaledfwich(カレドヴール、カレドヴールフ),Caledwich(カレドウィフ、カレドウィッヒ、カレドウィヒ)」とされています。この名前は更に遡る「ブリテン列王伝」に登場するカリバーンCaliburnでした。
「エクスカリバー」の伝説は本国イギリスとフランスを訳し訳されつつ往来し、アーサー王物語としての物語をどんどん増やしながら言葉を洗練させていったのです。

円卓の騎士(Kights of Round Table)で有名なアーサー王(King Arthur)の持つ伝説の剣。

 「硬い稲妻」という意味を持つカラドボルグ(Caladbolg)と同意。アーサー王は、。イングランド王ウーサー(Uther)・ペンドラゴンとティンタジェル公夫人イグレーヌ(Igraine)との間に生まれた。いわば不義の子である。生まれてすぐ魔法使いのマーリン(Merlin)にあずけられ、さらにウーサーの臣下エクター卿に託される。ウーサーの死後後継者争いが勃発。マーリンは一本の剣を石に突き刺し、これを抜くことのできた者が王になると予言した。が、誰一人抜くことができなかった。一方、自分が王の息子であると知らずに育ったアーサーだったが、かの剣をふとしたことで引き抜いてしまい、王として認められることになった。時にアーサー18歳(一説によると15歳)。


 その剣は、湖の騎士ランスロットを臣下に従えるときの戦いで折ってしまうが、その後、湖の精(Lady of The Lake)より託された剣が、このエクスカリバーである。この剣には、鋼鉄をも断ち切る力があり、鞘には傷を癒す力と持つ者を不死にする力があると伝えられている。この剣はアーサーが死を前にして臣下に湖に返させたことになっている。(ちなみに、画像の剣は、映画「エクスカリバー」に使われたもののレプリカである。)

 アーサー王のモデルとして最も有力なのが、5世紀に活躍したブリテン人(ウェールズ人の祖先)の英雄、「戦いの王」アルトリウスである。彼はブリテン島に侵入してくるサクソン人やピクト人などの敵に勝利し、ブリテン人を救った。その際に名乗った称号「戦いの王」がブリトン語で「アーサー」となるため、その後、「アーサー王伝説」として語り伝えられたのである。

更に遡ります。
Caledvwlchの語源説は幾つかあり、ウェールズ語の「caled」と「bwlch」からの造語とされ、「堅い先っぽ」を意味しています。
また、アイルランドの伝説(アルスター伝説)に登場するファーガス・マクロイ(戦いの神メイヴの恋人)が持つ剣Caladbulg、Caladbolg(カレドボルグ、カラドボルグ、カラドブルグ)を起源としているとされ、この名前は「煌めく剣」を意味します。同様に、ク・ホリンが登場するアルスター伝説の「トィン」もあり、ク・ホリンが持つ魔の槍は、Gaybolg(ゲイ・ボルグ)と呼ばれます。


セルフトラックバック

ようこそここはぶきやだ