「官僚たちの夏」第3話を観て
昭和34年、今回は繊維業界の問題だ。日本が順調に経済を成長させてきたが、そうなると当然アメリカとの経済摩擦が起こってくる。国内においても対米外交での綱引きが始った。
国際協調か国内産業の保護育成か、難しい問題だ。この段階では、国内の繊維業界の力はアメリカに遠く及ばない。貿易の自由化を進めれば、日本の繊維業界は一たまりも無い。
池内の戦略はアメリカとの協調路線だ。綿製品の自主規制を推し進めようとしている。風越との真っ向対立だ。池内路線を強行すれば、多数の繊維会社が潰れてしまう。だがその為に玉木と片山が配置されている。
ここでも天下り受け入れによる、人事介入が行われている。政治の舵取りにより、損をするもの・徳をするものがでてくる。業界が政治と癒着して、官僚を巻き込んだ私物化が行われる。古くて新しい問題だ。今も昔も全く変わっていない。
アメリカのやり方は常に高圧的だ。交渉ではなく指示・命令だ。従わなければより強行な手段で、日本を締め付けてくる。政治的判断としては、多少の犠牲には目をつぶる決断をしなければならない。
アメリカの言いなりになるのなら、政治も外交もいらない。アメリカに媚へつらい、占領国としてプライドを捨てて生きる事と同じだ。<国を守る為には多少の犠牲はやむを得ない>、だがそれは犠牲者ではない人の言葉だ。
日本経済はこのような多くの犠牲者の屍の先に、高度経済成長を勝ち取った。戦時中と同じように、鉄砲に竹やりで立ち向かっていったのだ。
「華麗なるスパイ」第1話を観て
13の罪状を持つ、詐欺師鎧井京介。ハードボイルドタッチかと思いきや、ほとんど全てがコメディだ。これなら十分楽しませてくれそうだ。過去のドラマの色々な要素が沢山含まれていそうだ。随所に様々な仕込があるので目が離せない。
靴の電話とマイチャリ、掴みはOKだ。ロッカーの入り口まで用意するとは、ナポレオン・ソロの時代を思い出す。古いのか新しいのか、これだけ遊んでくれるとこれからの展開を期待しすぎてしまう。
007とルパン三世を足して2で割って、探偵物語で味付けした様なドラマだ。スパイ大作戦も勿論入っている。スパイのお決まりの小道具は、これからも毎回ユニークな物が登場するのだろうか。それも楽しみの一つだ。
内容は滅茶苦茶で、感想を書くようなドラマではないようだ。だが中身は面白いので、娯楽番組として気楽に観るだけなら最高だ。これからも毎週観続けたいとは思う。
「ふたつのスピカ」第5話を観て
アスミと鈴木がNASAへの留学の最終候補に選ばれたが、アスミにとっては必ずしも手放しでは喜べない。アスミにはまだまだ精神的な弱さがある。仲間全員を蹴落としてでも、NASAへ行きたいという強い意志がない。
選考から外れた仲間達にとっては、心穏やかではない。アスミも最終的に鈴木に遅れをとったが、皆これが最後ではない。宇宙への挑戦はまだ始ったばかりだ。若い彼らにとって、今の挫折が新しい明日への活力でもある。負けて学ぶ事も沢山ある。大切な事は結果だけではない。積み重ね続ける<不断の努力>だ。
万里香の「浜辺を走ろう」という言葉は、アスミだけでなく訓練生全員のわだかまりを少なからず解消した。入学当初は嫌味たっぷりで嫌なヤツだったが、仲間との触れ合いで大きく成長した。
皆の目的はNASAに行く事でも、最初に宇宙に行く事でもない。いつか必ず宇宙に行くという事だ。10年後でも20年後でも、夢を諦めずに挑戦し続けるという事が大切だ。
ライバルでありながら、皆で夜空に向かって叫びあう姿は感動的でもあった。こんな素晴らしい仲間達がいれば、世の中にイジメなど存在しないのだが。
アスミの父親と佐野も過去の亡霊から解放されようとしている。過去に縛られても良いことは何もない。幾つになっても前向きに挑戦し続けることだ。