※前回の記事『白番不敗 Barcza System』
誓ってもいいが、マーシャ、あるいは父親の呼び方によればマシャーは、
まぎれもない美女だったが、わたしはそれを証拠立てることはできない。
どうかすると、地平線の上に雲があちこち群がって、太陽がその陰になりながら、
雲や空をありとあらゆる色合い――真紅、橙色、金色、紫色、茜色に染め、
ある雲は修道僧に、ある雲は魚に、また別の雲は頭巾をかぶったトルコ人にそっくり、
というようなことがあるものだ。空の三分の一が夕焼けになって、教会の十字架や
旦那の家のガラス窓に照り映え、川面や水溜りに映じ、木々の上にわなないている。
遠く遠く夕映えを背にして野鴨の群れが塒を求めてどこかへ飛んで行く……。
牛追いも、四輪馬車で土手をよぎる測量技師も、そぞろ歩きの旦那がたも、
誰もが夕焼けを眺め、その限りない美しさに気づかぬ者はいないが、誰ひとり、
どこがいったいそんなに美しいのか、知る者もなく口にする者もない。
А.П.Чехов 美女
ぐりゅは最強の初手d4(/c4/Nf3)対策だ。まず白に中央をあげちゃって、
次にPawn突きでそれを壊し、角行Bishopの暴力的な利きを通して勝つ。
白番の Asage Barcza System と、ほとんどの戦型で同じように組める。
e4も甘受する KID よりはやや直線的で、捌きあいから即終盤になりがち。
初手e4に対して超加速龍の予定なら、この二つだけで黒番を網羅できる。
駒がぶつかるまでの対応表は下記の通り。(損せず取れるPawnは基本取る)
d4には Nf6, c4/Nf3には g6~Bg7
(d4の後の)Nc3には d5
e4/(d4前の)Nc3には c5~Nc6
~~~~~~~~~~~~
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nf3 Bg7 4. Nc3 d5
d4, c4, Nc3が揃った瞬間、次のe4が来る寸前d5を突くのがこの戦法の要。
(1. d4 d5 2. c4 Nf6...だと cxd5 Nxd5 e4にNxc3と取れず、後手を引く)
まずはNf3を決める形を概観し、これを省く重要変化は後で簡単に見る。

【e3: Closed Variation】
5. e3 0-0 6. Be2 c5 ...
e3型に0-0とd5とc5が揃えば手損 Catalan で、互角以上と思って指す。
Pawnが二組ぶつかったが、一旦白から取って来るのを待つ方が味良い。
Be2と途中下車させたのでdxc4はあるが、Qa4やQxd8の余地が生じる。
黒c5は筋。白dxc5と取っても守り難い位置で、後々味良く取り返せる。
5. e3 0-0 6. Be2 c5
7. dxc5 Qa5 8. 0-0 dxc4
9. Qd4 Be6 10. Ng5 Nc6
11. Qh4 Bd7 12. Qxc4 Ne5 =
白dxc5の外向き取りにはQa5が形。cxd5なら Nxd5 Qxd5 Bxc3†だ。
本譜はNc6〜Ne5とQueenを逐って千日手模様。Qd1ならRad8で充分。
5. e3 0-0 6. Be2 c5
7. cxd5 Nxd5 8. Qb3 Nxc3
9. bxc3 Nc6 10. 0-0 Na5 =
白cxd5の内向き取りには即同kNightが基本。そこから逐われて逃げる時、
Nxc3かNb6か悩むが、迷えばNxc3で構わない。(手順前後が影響しにくい)
以下Qb1はBf5, 他はb6〜Qc7だ。白dxc5やd5突きはc3を弱めて疑問。
取りを決めずに0-0も、cxd4〜Nc6〜ほぼdxc4〜Na5〜Be6で指せる。
5. e3 0-0 6. cxd5 Nxd5
7. Bc4 Nxc3 8. bxc3 c5
9. 0-0 Qc7 10. Qe2 Nc6 =
Qc7やQe7型は基本的に好形。先手で入る時には大体決めてしまって良い。
一旦Nc6でe4を牽制したら、後は概ねb6〜Bb7と組んで何の不満もない。
6. b4 Be6 7. c5 Nbd7...も、以下c6〜b6やa5ブツケで位を逆用できる。
【Bf4】
5. Bf4 0-0 6. e3 c5
7. dxc5 Ne4 8. Rc1 Nd7
9. cxd5 Qa5 10. Qc2 Nxc3
11. bxc3 Nxc5 12. Nd4 e5 =
e3の前にBishopを排出する方が白味良く見えるが、同じくd5~c5で良い。
dxc5にすぐQa5もあるが、先にNe4〜Nd7が優る。一歩損は取り返せる。
5. Bf4 0-0 6. Rc1 Be6
7. e3 dxc4 8. Ng5 Bd5
9. e4 h6 10. exd5 hxg5
11. Bxg5 Nxd5 12. Bxc4 Nb6 =
Rc1型はc5〜Ne4の先受けでもあり、Be6でdxc4(~c6~b5)を見せる。
Be6に即Ng5なら、その瞬間c5突きでRc1によるe3省略を咎めている。
【Bg5】
5. Bg5 Ne4 6. cxd5 Nxg5
7. Nxg5 e6 8. Qd2 h6
9. Nf3 exd5 10. e3 0-0 =
Nf3とBg7の交換が入っていれば、Ne4と躱す一択。(ない場合は後述)
Ne4にBf4ならNxc3〜c5突き、Bh4ならNxc3〜dxc4が良いだろう。
e6がkNight当たりになるのでd-Pawnは取り返せて、以下は互角の戦い。
黒は二枚角を残しており、c6~Re8(~Bf8~Bd6)と組み換えて不満なし。
5. Bg5 Ne4 6. Bf4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. e3 0-0
9. cxd5 cxd4 10. cxd4 Qxd5 =
bxc3にdxc4は e3 b5 a4 c6 Qb1 a6 axb5 cxb5 Qe4...でRa7がない。
途中他の受け方もあるが本譜からのNc6やQa5†が無難で、以下互角。
9. Be2にはdxc4〜Nd7〜Nb6〜c4〜Nd5の要領で桂馬がよく捌ける。
5. Bg5 Ne4 6. Bh4 Nxc3
7. bxc3 dxc4 8. Qa4† Qd7
9. Qxc4 b6 10. e3 Ba6 =
Bf4型だとb筋のkNightに利いているのでb5〜c6では支えきれないが、
Bh4型なら堂々dxc4から、Qで先手を取り絶対0-0させないマンになる。
【Qb3: Russian System】
5. Qb3 dxc4 6. Qxc4 Be6
7. Qb5† Bd7 8. Qxb7 Nc6
9. Qb3 Rb8 10. Qd1 Bf5 ...
白はQueenの力で黒のd-Pawnを消し、ゆっくりe4を突こうとしている。
Be6のところ0-0~Nc6が本手とされるが、変化の余地が少ないのは本譜。
5. Qa4†もBd7の千日手含みで、7. Qb4もNc6~Bd7で本譜に合流する。
ただしBd7にQb3ならc5突き捨て〜Bc6が形。(c5にd5と躱せばb5)
11. a3 0-0 12. e3 e5
13. Nxe5 Nxe5 14. dxe5 Ne4
15. Qxd8 Rfxd8 16. Nxe4 Bxe4
17. f4 f6 18. Bc4† Kh8 =
ここまで進めば引き分け模様。途中Bf5でNb4~Nc2†を見せるのが肝要。
以下exf6ならb-Pawnがほぼ落ちるし、e6と躱しても結局守りきれない。
11. Qa4 Qd7 12. a3 Be6
13. e3 Bb3 14. Qa6 0-0
15. Be2 Rfd8 16. 0-0 Rb6
17. Qd3 e5 18. Re1 Qe8 =
Bf5の瞬間Qa4を利かされる本譜も手強いが、Bb3〜Rb6〜e5で戦える。
Rb6は急ぐとQd3~e4の変化を生じるので、e5突き寸前まで保留すべき。
【cxd5~e4:(Modern)Exchange】
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 ...
先手で中央に位を張られるが、直後のc5が筋でd4/c3地点を狙って厳しい。
Nc6や0-0~Rd8の足し算、Bg4やQa5の引き算で対角線上に圧をかける。
6. Na4には0-0〜逐われたらNb6, 6. Bd2もc5〜Nxc3で特段問題ない。
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. Be2 Nc6
9. Be3 Bg4 10. e5 cxd4
11. cxd4 Qa5† 12. Qd2 Qxd2†
13. Nxd2 Be6 14. Bf3 Rd8 =
単にBe2はぬるく、黒は0-0も省いてNc6~Bg4と中央を狙うのが機敏。
d5突きにBxc3†が王手飛車取りになるので、このkNightは逐えない。
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. Rb1 0-0
9. Be2 Nc6 10. d5 Ne5
11. Nxe5 Bxe5 12. Qd2 e6
13. f4 Bc7 14. 0-0 exd5
15. exd5 Ba5 16. d6 Rb8 =
先にRb1と0-0を換えて飛車を躱しておき、Nc6にd5を突くのが正しい。
これが Grünfeld Defense 全体の本線らしいが、冷静にみて互角か。
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. Bb5† Nc6
9. d5 Qa5 10. Rb1 Bxc3†
11. Bd2 a6 12. Bxc6† bxc6
13. dxc6 Be6 14. Rc1 Bxd2†
15. Qxd2 Qb4 16. Qxb4 cxb4 =
Bb5†の王手は鋭い。Nc6の肉壁にd5なら、変化の余地がない決戦だ。
Qa5~Bxc3†まで決めてのa6催促と、Kxd2を避ける途中下Qが肝要。
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. Bb5† Nc6
9. 0-0 0-0 10. Be3 Bg4
11. Bxc6 bxc6 12. Rc1 Qa5
13. Qc2 f5 14. exf5 Bxf3 =
0-0で収めてくればBe2型と似た展開になる。本譜もf5を突けて互角。
途中黒がcxd4を決めれば d5 Ne5 Be2...などの順は消せるが、味消し。
5. cxd5 Nxd5 6. e4 Nxc3
7. bxc3 c5 8. Be3 Qa5
9. Qd2 0-0 10. Rc1 Rd8
11. d5 e6 12. Bg5 Rd6
13. Bf4 Rd8 14. d6 Nd7 =
形を決めず単にBe3ならQa5が良い。以下Qd2~Rc1は堅い受けだが、
黒はとりあえずQueen交換すれば元Queen側の厚みを主張点にできる。
Nc6はd5が厭なのでRd8を優先し、Nf3省略にはRd8省略で対応する。
11. Be2ならQ交換。12/13. Be2ならexd5~b5~Bb7とc4妨害を挟む。
~~~~~~~~~~~~
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5
後半はNf3を決めない場合しか現れず、かつ重要な変化群を見ていく。

【Bc4: Classical Exchange】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5 4. cxd5 Nxd5
5. e4 Nxc3 6. bxc3 Bg7
7. Bc4 c5 8. Ne2 0-0
9. Be3 Nc6 10. 0-0 b6 ...
Bc4と早めに排出するのが昔の本線。こう指せばNge2と活用でき、
Bg4にf3と逐える。それでもBg4(f3 Na5)はあるが、b6が無難。
11. dxc5 Qc7 12. Nd4 Ne5
13. Nb5 Qb8 14. Bd5 Ng4
15. g3 Nxe3 16. fxe3 Bh3
17. Rf2 a6 18. Bxa8 axb5 =
b6〜Bb7〜Rc8(〜e6〜Qe7)が基本でd5ならNe5〜f5(d6 Kh8)。
dxc5には歩損を気にせずQc7が良く、どこかのPawnは取り返せる。
本譜はNg4の詰めろから白陣をバラして、二枚角が飛車並に強い。
以下Bd5はe6, Bc6にBh6で互角。Qb8にBe2もbxc5以下互角。
11. Rc1 Bb7 12. Qd2 Rc8
13. Rfd1 e6 14. f3 Na5
15. Bd3 cxd4 16. cxd4 Qd7
17. h4 Rxc1 18. Rxc1 Rc8 =
d5やdxc5はNe5, Bg5ならBf6, Bh6も交換上等。組んだら動く。
以下h5はRc1†〜Nc6, Rc8†〜Bh6も同角同QにBa6で引き分け風。
【Bf4】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5 4. Bf4 Bg7
5. e3 0-0 6. Rc1 Be6
7. c5 c6 8. Bd3 b6
9. Na4 Bg4 10. Ne2 Nfd7
11. Bg5 h6 12. Bh4 Bxe2 =
Ng5が来ない上Rc1の寄り道が入ったので安心してBe6と指せる。
cxd5の総交換には大抵N〜Qで応じ、c-Pawnは見捨てるつもり。
c5と閉じれば黒はb6を囮にe5突きを準備する。(途中b4にはa5)
以下は同Bならg5〜e5, 同Qならc筋交換〜Qb6〜e5で捌け形。
【Bg5】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5 4. Bg5 Bg7
5. Bxf6 Bxf6 6. cxd5 c6
7. Rc1 0-0 8. dxc6 Qxd4
9. Qxd4 Bxd4 10. cxb7 Bxb7
11. Nf3 Bf6 12. e3 Rd8
13. Bb5 Na6 14. 0-0 Nb4 =
途中Nxd5なら Bg7 e3 c5 Nf3 cxd4 Nxd4 Nc6 Nb5 0-0...で黒良し。
e3とc5はワンセット。exd4でも黒からBg4やe6があり支えきれない。
本譜も一歩損で平然と組むが、二枚角の通り具合が素晴らしく互角。
c6に e4 0-0 e5 Bg7(h4 h5)Bc4 b5 Bb3 a5 a3 Ra6...の順も互角。
【Qb3: Accelerated Russian】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5 4. Qb3 dxc4
5. Qxc4 Be6 6. Qb5† Bd7
7. Qb3 c5 8. d5 b5
9. e4 c4 10. Bxc4 bxc4
11. Qb7 Qb6 12. Qxa8 Ng4 =
Nf3とBg7を省いた形は黒にとってやや得だが、本譜の順には要注意。
Ng4で詰めろを掛けながらBe3を消せば、Bg7~0-0~Na6が間に合う。
~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~
(p.s.)
【h4: Harry Attack】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. h4 Bg7 4. Nc3 d5
5. h5 Nxh5 6. cxd5 e6
7. g4 Nf6 8. dxe6 Bxe6
9. e4 Bxg4 10. f3 Be6
11. Bg5 h6 12. Be3 c6 ∞
h筋速攻は本戦法の天敵。(Nc3後のh4やcxd5後のh5にはc5が強い)
Nc3に 0-0 e4 d6 Be2 h5 Nf3 Bg4 Be3 Nbd7...と避けるべきかも。
7. dxe6 Bxe6 8. Nf3 Nc6 9. e3 Qe7 10. Be2 0-0...もあるが、
2019年のネポ先生は黒を持って両方うまく指していたし充分やれる。
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. Nc3 d5 4. Nf3 Bg7
5. h4 dxc4 6. e4 0-0
7. Bxc4 c5 8. d5 b5
9. Bxb5 Nxe4 10. Nxe4 Qa5†
11. Nc3 Bxc3 12. bxc3 Qxb5
13. h5 Qc4 14. hxg6 fxg6 =
Nf3後のh4はc5即突きに備えた順。黒はc4取りから突き突きが形。
Benoni手筋で駒を取り返す本譜も、黒0-0の前にc5〜b5でも互角。
【f3: KID Sämisch Variation】
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. f3 c5 4. d5 d6
5. e4 Bg7 6. Ne2 e6 ...
Nc3に代えてf3でe4を見せれば d5 cxd5 Nxd5 e4 Nxc3...がない。
f3には黒c5で Modern Benoni に組み、f3型を凝り過ぎにしたい。
白がcxd4を許すのは、通常の Maróczy Bind より手得で黒充分。
dxc5ならg6型でも平然とe6~Bxc5で取り返してしまうつもり。

7. Nbc3 exd4 8. cxd5 Nbd7
9. Ng3 h5 10. Be2 Nh7
11. a4 0-0 12. Ra3 a6
13. Nf1 Qh4† 14. g3 Qe7
15. Ne3 Ne5 16. 0-0 Bh3 =
e6〜c5〜d6の手順もあるが、本譜ならNh3に必ず即同角と取れる。
Ng3に対するh5〜Nh7はNf1(〜Ne3)なら王手、Be3にはh4の意。
すぐ 11. Nf1は Qh4† g3 Qe7 Ne3 0-0 a4 f5 exf5 Bd4 Qd2 Ne5...
の仕掛けがあり本譜の待ち方は妥当だが、Ne5が強力で黒もやれる。
7. Nec3 Nh5 8. Qe2 0-0
9. g4 Nf6 10. Qg2 Re8
11. Be2 Na6 12. a3 Nc7
13. a4 a6 14. 0-0 Rb8 ∞
右桂を持ってくる順は白陣右辺が薄く、Nh5〜f5やQh4†を狙える。
8. Be3だと f5 Qd2 f4 Bxf4 Nxf4 Qxf4 Be5 Qd2 0-0...で黒指せる。
Qe2〜g4は手強いが、本譜以下黒はb筋で捌く方針でわかりやすい。
1. d4 Nf6 2. c4 g6
3. f3 c5 4. d5 d6
5. e4 Bg7 6. Bd3 e6
7. Ne2 Nbd7 8. Nec3 0-0
9. 0-0 Nh5 10. g4 Bd4†
11. Kh1 Ng7 12. Nb5 Ne5
13. Be2 f5 14. Nxd4 cxd4
15. Qxd4 fxg4 16. f4 Nf3 ∞
丁立人先生のBd3~Ne2にはNbd7で歩調を合わせ、右桂の動きを見る。
Nec3なら本譜の速攻、Ng3には(exd5~)端攻め、不動でもNe5がある。
Nh5にパスなら f5 dxe6 Bd4† Kh1 Ng3†! hxg3 f4...が一例で必至級。
f4にも Bd4† Kh1 exd5 cxd5 f5 exf5 Qh4 Ne2 Ndf6...でf5は突ける。
~~~~~~~~~~~~
【Bf4: London/Barry】
1. d4 Nf6 2. Nf3 g6
3. Bf4 Bg7 4. e3 d6
5. h3 c5 6. c3 Qb6
7. Qb3 Be6 8. Qxb6 axb6
9. a3 Bd7 10. Nbd2 Bc6 =
c4を突かない力戦型は迫力がないので、黒もある程度自由に指せる。
例えばc3型 London System には、0-0を省いて白番同様に組む。
d6にh3以外ならNh5~h6と角を逐い、0-0~Qe8~f5~e5の玉頭戦。
c5に(同歩はNe4)Nbd2 0-0 c3 cxd4 exd4 Nc6 Be2 e5...も黒充分。
1. d4 Nf6 2. Bf4 g6
3. Qd2 Bg7 4. Nc3 d5
5. Bh6 0-0 6. Bxg7 Kxg7
7. 0-0-0 c5 8. dxc5 Qa5 =
白は角交換狙いなら普通Nc3型で黒Ne4に備え0-0-0を用意するが、
常に型通りのd5〜0-0〜c5(〜Qa5)で少なくとも互角には戦える。
1. d4 Nf6 2. Nc3 d5
3. Bf4 g6 4. e3 Bg7 ...
5. Nf3 0-0 6. Be2 c5
7. dxc5 Nbd7 8. Nxd5 Nxd5
9. Qxd5 Bxb2 10. 0-0 Bxa1
11. Rxa1 Qa5 12. Bh6 Qxc5 =
先にNc3とd5の交換が入れば Barry だが、自然に指して無問題。
Nc3型にはd5〜0-0〜c5がほぼ常に通り、dxc5には本譜で互角だ。
c5を取らずにNb5やh3ならNe4, Ne5には Bf5〜Nc6が形。
c5に0-0もcxd4〜Bg4〜(Bxf3〜)Nc6などで黒悪くない。
5. Nb5 Na6 6. h3 0-0
7. Nf3 Ne4 8. Nd2 c6
9. Nxe4 dxe5 10. Nc3 c5
11. Nxe4 cxd4 12. exd4 Qd5
13. Nc3 Qf4 14. Be3 Nb4 =
Nb5には普通Na6(〜Ne4)が、時々a6〜Ra7が正解になる。
0-0にBd3なら c5 c3 Bd7...だし、c3にはc6(〜f6〜e5)が強い。
8. Bd3 c6 9. Nc3 Nxc3 10. bxc3 Qa5 11. Qd2 Nc5...
も、本譜以下 Rc1 Rd8(〜Bxd4〜e5)も黒が捌けている。
【Bg5: Trompowsky/Veresov/Torre】
1. d4 Nf6 2. Bg5 d5
3. Nc3 Nbd7 4. Nf3 g6
5. e3 Bg7 6. Be2 0-0
7. 0-0 b6 8. Ne5 Bb7 =
Bg5~Nc3には、Nb5がないのでd5~Nbd7と紐をつけてc5狙い。
3. e3 c5 4. Bxf6 exf6...もフィアンケットはし難いが黒に不満なし。
【1. c4: English Opening】
1. c4 g6 2. Nf3 Bg7
3. Nc3 c5 4. d4 cxd4
5. Nxd4 Nc6 6. Nc2 Bxc3†
7. bxc3 Nf6 8. f3 Qa5 =/+
d4保留型に対して黒は Symmetrical English 含みで応じるが、
c5はNc3を見てから、Nf6はd5を突ける形にしてから決めたい。
Nc2と引く Maróczy Bind には、角切りで陣形を崩しつつ捌く。
Bg7〜Nc6を先着してe4〜Be3を間に合わさせなければ怖くない。
1. c4 g6 2. Nc3 c5
3. d4 cxd4 4. Qxd4 Nf6
5. e4 Nc6 6. Qd2 Bg7
7. Nf3 d6 8. Rb1 a5 =
Nf3を省いてe4突きなら、Nc6でQueenを逐ってQB逆形が残る。
通常より白の条件が悪く、以下はほぼNd7〜Nc5と据えて充分。
1. c4 g6 2. Nf3 Bg7
3. e4 e5 4. d4 exd4
5. Nxd4 Nf6 6. Nc3 0-0
7. Be2 Re8 8. f3 c6 =
Nc3を省いてe4突きなら、c5ではなくe5と応じてみても面白い。
手順に飛車先が通り、c6~d5を手損なく突けて気分は黒大優勢。
※e4に c5 d4 Qa4† Nc3 d6...の Pterodactyl Defense もあり。
1. c4 g6 2. e4 e5
3. d4 Nf6 4. Nf3 exd4
5. e5 Bb4† 6. Bd2 Qe7
7. Bxb4 Qxb4† 8. Qd2 Qxd2† =
両方省いてc4〜e4なら、c5もあるが本譜のe5と突っ張りたい。
Qe7がexf6を防ぎつつBb4に紐をつける絶好の受けで、収まる。
【1. Nf3: Réti Opening】
1. Nf3 g6 2. c4 Bg7
3. Nc3 c5 4. g3 Nf6 ...
1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4...のマロツィは手が狭い。
e4にe5捨て(〜0-0〜Re8)や、Nc3にd5もあるが若干無理気味。
1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 Nc6 4. g3 d5 5. d4...も形が何か厭。
d5単突きやe6〜d5は大体 Tarrasch/Catalan に合流してしまう。
1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 g6 4. d4...ぐりゅを回避されている。
1. Nf3 c5 2. c4 Nc6 3. Nc3 g6 4. e3...も黒Nc6優先を咎められ、
以下 Nf6 d4 cxd4 exd4 d5 cxd5 Nxd5 Qb3 Nxc3 Bc4...で悪い。
本譜は上記全てを防ぎ、以下 Bg2 d5にd4もcxd5もQa4†も互角。
5. d4 cxd4 6. Nxd4 d5
7. Bg2 e5 8. Qa4† Bd7
9. Ndb5 0-0 10. Bg5 d4
11. Nd5 Bc6 12. Qa3 Bxd5
13. cxd5 Na6 14. 0-0 h6 ∞
Nc6保留は、白d4〜Nxd4を避け黒d5先行型に限定させる狙い。
(5. Bg2 d5 6. cxd5 Nxd5 7. 0-0 Nc6...互角。d5にd4なら0-0)
お互い極限まで突っ張ると本譜が考えられるが、多分ならない。
1. Nf3 g6 2. e4 c5
3. c4 Nc6 4. d4 cxd4
5. Nxd4 Nf6 6. Nc3 d6 ∞
本譜もe4で超加速龍に戻るが、Nf6やBg7を決めずに済む分、
Qb6型や Gurgenidze System など強い対策を選ぶ余地がある。
……他にも変化は無数にあるが、ひとまずこのくらいにしておこう。
~~~~~~~~~~~~
皆様ご無沙汰しております。あさげです。
毎日好物の血球に囲まれて生きています。
COVID-19もそれなりに診療しています。
結婚して、先月無事長男が産まれました。
最近は将棋棋士の牧野先生らとつるんで、
アブストラクトを全体的に遊んでいます。
(チェス>将棋>ギャモン>連珠>碁>オセロ)
医学論文を書く能力を犠牲にしています。
全国級で活躍できる種目はありませんが、
広く浅く楽しむ現状に不満はありません。
全競技で序盤だけは最善を尽くせており、
このブログの著者らしく生きております。
いつまでも序盤のような新鮮な気持ちで。
皆様の盤上、
そして盤外にいつも幸運がありますよう。
あさげ 拝