虎子友人帳 ~雪女~ その3 | 八屋虎子。のブログ #女装男子

※本作品はフィクションであり、

作中に登場する人物、団体名等は全て架空のものです。

そういうことにしておいてください。

 

※更新は気まぐれです。

 

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----前回からの続き-------

 

『んー。

それだけの情報だと
まだ”雪女”の仕業だと

断定するのは難しいなぁ。』


コスプレ3人集の状態で

神木くんの事務所を訪ねたのだが

 

それについて

神木くんからは

大したリアクションも貰えず、

事務的にお茶を出される屈辱(?)を味わった(笑)

 

~なかなかのお手前で。~

 

って、なんか突っ込んでくれ!

 

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なぜ今俺たちがコスプレをしているのか、

そもそも、今日地元に帰ったはずの女2人がここにいるのか。


などなどの

事のあらましを(聞かれてもいないのに)

言い訳がましく伝えると、
神木くんはこう答えた。

 

『んー。

それだけの情報だと
まだ”雪女”の仕業だと

断定するのは難しいなぁ。』

 

『ただし、

確かに虎子を襲ったその氷は
何かしらの”妖怪”の可能性が高い。』

うん、俺もそう思う。

『いや、だって、自発的に動く氷なんて聞いたことあるか?』

ない。
見たことも聞いたこともない。

 

『だろ?

 

まぁ、その氷そのものが

何かしらの意思を持って動いていたのか、

 

或いはその氷を操る本体のような”妖怪”が

別にいるのかは分からないけど

 

とにかく”妖怪”のたぐいの仕業で決まりだろうなぁ。』

 

その言葉を聞いて

なみ子がニヤつきながら反応する。


『いや~でもどうなんだろう( ̄▽ ̄)

 

ほら、神木くんってさ

何でもかんでも

すぐに妖怪のせいにしたがるじゃない??笑』

 

 

『確かにー!』

『確かにー!』

 

それを聞いて

俺とミサのリアクションが

ユニゾンする。

 

なみ子は続ける、

『だいたい、

ついこの間だって

電気を操る妖怪の仕業だ~!とか言ってたのが

蓋を開けてみたら

老朽化したケーブルの漏電事故でした~

みたいなことあったばっかりじゃない!(笑)』

 

『確かにー!』

『確かにー!』

 

俺とミサのリアクションが

ユニゾンする。(2回目)

 

なみ子のターンは終わらない。

 

『その前だって、

事務所近くでボヤ騒ぎがあった時も

”妖怪だ””妖怪だ”って言ってたけど、

すぐに”人間”の、犯人捕まってたし(笑)』

 

『確かにー!』

『確かにー!』

 

俺とミサのリアクションが

ユニゾンする。(3回目)

 

なみ子が

トドメを刺しにかかる。

 

『もっと言えば、

さらにその前の猫又の件だって。。。』

 

もうやめてくれと

言わんばかりに

なみ子の話を遮って

神木くんが声をあげる。

 

『いや!まて!違う!

あれはそのっ。。。』

 

神木くんが

なにか反論しかけたが

 

それをさらに遮るように

なみ子のケータイが鳴る。

※ミスチル

 

『あっ、もしもし~?

うん。

うん。

どしたの?

今~?全然平気だよ?』

 

神木くんのターン終了。

お疲れ様でした(笑)

 

 

神木くんは明らかに「ザ・消化不良」といった感じの

表情を浮かべている。

 

-------

 

確かに過去のそう言った経緯はあるものの

今回の場合は

自然現象や人的なものとは考えにくい。

 

逆に妖怪の仕業でないとするならば

ホームに張っていた氷が

ズリズリと俺の靴から

足首、ふくらはぎ、膝、太ももへと

這い上がってくる現象を

どう説明できよう。。。

 

『ハッ!(゜□゜)!

そうよ!そうそう!』

 

と、突然ミサが

何かを思い出したかのように

興奮気味に話しだした。

 

俺と神木くんは

阿吽の呼吸で

飲みかけのお茶を

素早くミサから遠ざける。

 

『そうよ!キミたちの"師匠"に聞いてみたらいいじゃない!

それこそ今回みたいな

相手が”見えないモノ”の調査や鑑識なんかは

バッチリ専門の人じゃないとー!?』

 

確かに言われてみればそうだ。

「見えないモノの見える化」

というか「見抜く」という行為については

完全にうちらの領分。。。

というか

師匠の領分であり

専門だった。

 

しかし、

神木くんは

やれやれといった感じで冷たく答える。

(お茶を飲み干し、

ミサから一番遠いところに

空いた湯呑を置きながら)

 

この人は、どんだけ用心深いんだ(笑)

 

『あ~。だめだめ。

ウチの師匠、今ちょうど出張という名の

プライベート旅行中だもん。無理だね。』

 

そうなのか。

知らなかった。

なずさん良いな~旅行。

どこ行ってるんだろ。

ローマとかブリュッセルとか

なんか

きっと

そーゆー

横文字のお洒落な街なんだろうな~。

 

『あ~そっか、確かに

そんなプライベートの旅先に

連絡するのはちょっとねぇ。。。』

 

自身の名案を一瞬のうちに

駄案とされてしまい

わかりやすく(´・ω・`)シュンとするミサ。

 

-------

 

『ちょ、えっ!?冗談でしょ!!!!?』

 

3人がちょうど黙り込んだ瞬間を狙ったかのように

電話中のなみ子が声をあげる。

 

何か良くない事があったらしい。

明らかに動揺している。

 

『うん、、、

うん、、、

わかった。うん。

 

また何かあったらすぐ連絡して。』

 

-------

なみ子が電話を切るやいなや

ミサが慌ただしく話し掛ける。

※お茶の位置はそのまま

 

『なみ子ちゃん、どうしたとー!?』

 

『う、うん。

あのね、

 

やよいさんが

重度の氷症で

霊鳳堂の緊急院に担ぎ込まれたって。。。』

 

 

----次回に続きます-------

 

 

 

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