〝安倍は辞めろ!〟緊急首相官邸前抗議/集団的自衛権行使容認の閣議決定、海外メディアの反応 | Down to the river......

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集団的自衛権」行使容認の閣議決定が7月1日になされました。

この問題に関しては、これまで再三にわたりこのブログの中で言及しているので、僕からこれ以上付け加えることは殆どありません。



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抗議行動や街宣活動の現場に参加していて良く耳にするのが、「集団的自衛権って難しくて分からない」という国民の声が無視できないほどに多いことです。

学歴も教養の面でもそれほど良くないこの僕でさえ理解できることを、先進国で民主主義国家の国民の多くが「難しくて理解できない」とは、到底考えられません。

どうしてなのか?

良くない頭で色々考えた末たどり着いた今の結論は、要するに「他人(国家や世界等の外的世界)について無関心」〝身勝手な日本人〟が、僕の想像以上に——昔(昭和の時代)に比べて——増えているのではないでしょうか?












もしその原因が「無関心」ではないとすれば、日本は教育程度が海外と比べても決して低くはないことも勘案すると、それは現代日本に悪しき「反知性主義」が蔓延している——とも考えられます。





僕が現場で撮影した動画を、記録としてご紹介します。

決して日本の大手メディアは、撮影していても報道しない映像だと思うからです。




【決壊の瞬間】2014.06.30『閣議決定で「戦争する国」にするな! 与党協議で勝手に決めるな!緊急官邸前行動』






他のフリーランスのインターネット・メディアの方々は、この時「国会記者会館」の屋上で、欧州連合(EU)から人権侵害だと指摘されている既存の大手メディア(=「記者クラブ」メディア)と闘っていました。




2014/06/30 国会記者会館屋上 集団的自衛権 閣議決定断固反対 超緊急首相官邸前抗議






翌7月1日には、「山本太郎」さんたちが警察という国家権力と闘っていた動画が記録されています。




閣議決定の瞬間、市民らとともに警察に排除された山本太郎議員






それでは、6月30日と7月1日に僕が撮った映像をフルでご紹介します。




2014.06.30『閣議決定で「戦争する国」にするな! 与党協議で勝手に決めるな!緊急官邸前行動』【再生リスト 24本 5時間】






2014.07.01『閣議決定で「戦争する国」にするな! 与党協議で勝手に決めるな!緊急官邸前行動』【再生リスト 12本 2時間40分】






2014.07.01『官邸前行動連帯・戦争する国絶対反対!若者を戦場に送るな!永田町アクション』【再生リスト 2本 55分】








最後に、海外メディアの反応について、その一部をご紹介します。





Editorial
社説

Japan and the Limits of Military Power
日本と軍事力の制限


http://www.nytimes.com/2014/07/03/opinion/japan-changes-limits-on-its-military.html?src=twr

By THE EDITORIAL BOARD JULY 2, 2014
2014年7月2日 論説委員会

Prime Minister Shinzo Abe has disturbed many in Japan and increased anxiety in Asia by reinterpreting his country’s pacifist postwar Constitution so that the military can play a more assertive role than it has since World War II. While a shift in Japan’s military role was never going to be readily accepted by many, Mr. Abe’s nationalist politics makes this change even harder to swallow in a region that needs to reduce tension.
安倍晋三首相は、終戦以来今までよりも軍隊がより積極的な役割を果たせるように日本の戦後平和憲法を再解釈することによって日本の多くの人を動揺させ、アジアにおける不安を増加させた。日本の軍事的役割における転換はそもそも日本の多くの人にとって容易に受け入れられるものではなかったが、緊張を緩和しなければいけない地域において安倍氏の国家主義的政治はさらにこの転換を納得し難いものにしている。

It is difficult to overstate the significance of what Mr. Abe has done. Since 1947, Japan’s Constitution, written and imposed by the American Army, has permitted the military, known as the Self-Defense Forces, to engage only in self-defense. That meant the large and technologically advanced armed forces was barred from “collective self-defense” - aiding friendly countries under attack - and thus was far more constrained than those of other nations.
安倍氏が行ったことの重要性はいくら強調しても誇張にはならない。1947年以来、米陸軍によって起草され日本に課された憲法は、「自衛隊」として知られる軍隊に対し自衛に携わることのみを許可してきた。それは、規模も大きく技術的にも優れている軍隊が「集団的自衛権」行使-友好国が攻撃されたとき援護すること―を禁じられ、従って他国の軍隊よりもはるかに大きな制限を受けていたことを意味する。

With the reinterpretation, Japan’s military would still face restrictions on what it could do, but it would be allowed for the first time, for example, to help defend an American ship under attack, destroy a North Korean missile heading toward the United States or play a larger role in United Nations peacekeeping operations.
再解釈により、日本の軍隊はまだその行動に制限が加えられるが、例を挙げれば、攻撃を加えられた米国艦船を防護したり、米国に向かう北朝鮮のミサイルを破壊したり、国連平和維持作戦により大きな役割を果たすといったことが初めて可能となる。

Mr. Abe has long argued for changing the Constitution on the grounds that Japan should assert itself as a “normal” country, freed of postwar constraints imposed as a consequence of its wartime atrocities and defeat. He now has another argument for expanding the military’s role: Japan, the world’s third-largest economy after the United States and China, needs to be a fuller partner with the United States in countering China as it increasingly challenges the conflicting claims of Japan and other countries in the South China and East Asia Seas. Washington has long urged Tokyo to assume more of the regional security burden.
安倍氏は 戦時の日本による残虐行為と敗北の結果として戦後に課された制約から自由になり、日本が「普通の」国として自らを主張するべきであるとの根拠により改憲を長い間訴えてきた。安倍氏には今軍隊の役割を拡張するためのもう一つの主張がある。米国と中国に次ぐ世界第三位の経済を持つ日本が、南シナ海と東シナ海における日本や他の国々との相反する主張に対しより強く挑戦するようになった中国に対抗するにあたり、米国にとってのより完全なパートナーになるべきというのだ。

What stood in Mr. Abe’s way was Article 9 of the Constitution. It says the Japanese people “forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.” Any change should have required a constitutional revision, which would mean winning two-thirds approval in both houses of Parliament, followed by a referendum. Instead, Mr. Abe circumvented that process by having his government reinterpret the Constitution.
This is not the first time Japanese leaders have gone this route. Past governments have reinterpreted the Constitution to allow the existence of a standing military and permit noncombat missions abroad. But this step goes further.
安倍氏にとって邪魔だったのは憲法第九条であった。九条は、日本国民は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」としている。これをどのように変えるにしても、両院の三分の二の賛成に続く国民投票という改憲手続きが必要になる。安倍氏は、そのような手続きを踏む代わりに、自分の政府に憲法を再解釈させてその手続きを回避した。日本の指導者がこのような手段を取ったのは初めてとは言えない。過去の政府も憲法を再解釈し、常備軍の存在を許し、外国の非戦闘地域への派遣を認めてきた。しかし今回はさらに踏み込んだ形となる。

The prospect of altering Japan’s military’s role is controversial as well as consequential, with many Japanese citizens voicing fears about being dragged into foreign entanglements. Several polls showed that 50 percent of all respondents opposed the reinterpretation; in recent days, thousands of people have protested in front of the prime minister’s residence.
日本の軍隊の役割を変更する可能性は重大なだけでなく、物議を醸すものだ。多くの市民が外国での紛争に引きずり込まれるとの恐れを口にしている。数件の世論調査によると、全回答者の50%が再解釈に反対した。最近になって、官邸前で数千・数万の人々が抗議した。

Although some countries, like the Philippines, endorsed Japan’s move, China and South Korea, which suffered greatly from Japan’s aggression, are wary about how Japan might exercise this new authority. While they share blame for the current tensions with Japan, Mr. Abe is fueling their fear and mistrust with his appeal to right-wing nationalists and their abhorrent historical revisionism. For instance, he unnecessarily reopened the politically charged issue of the Japanese military’s use of Korean women as sex slaves during World War II, though his government’s recent report acknowledged the abuses. Still, the South Koreans have reacted with outrage.
フィリピンのように日本の動きを支持する国もあるが、日本の侵略に多大な被害を受けた中国や韓国は、日本がこの新たな権限をどのように使うのか警戒している。現在の日本との緊張関係には中国や韓国も責任があるが、右翼的国家主義者たちとその人たちによる嫌悪すべき歴史修正主義に安倍氏が訴えかけていることに対する恐れと不信に安倍氏が拍車をかけている。例を挙げれば、朝鮮半島の女性たちを日本の軍隊が性奴隷として使った、という政治的な議論を呼ぶ問題を、安倍氏は必要もないのに再開させた。最近の政府による報告書では、虐待の事実は認めたにもかかわらずである。それでも韓国の人々は激しい怒りをもって反応した。

The Japanese Parliament must still clear legal barriers to the constitutional reinterpretation by revising more than a dozen laws, which could take months. Mr. Abe’s governing coalition has a comfortable majority in both houses, and the revisions are expected to pass. Even so, there is time for citizens to be heard through their elected representatives. It is fair for them to ask Mr. Abe to prove that the shift “is not going to change Japan into a country that wages wars.”
日本の国会はまだこの憲法再解釈の法的障壁をクリアしなければいけない。そのためには1ダース以上[12以上]の法律を改正する必要があり、何か月もかかると言われている。安倍氏の連立政権は両院において余裕のある多数派を占めており、これらの法改正は通過することが予想される。そうだとしても、市民が自分たちが選んだ国会議員たちを通して意見を表明する時間はある。市民たちが安倍氏に、今回の政策転換が「日本を戦争をする国にするようなものではない」(注)ことの証明を要求することは正当である。

(以上)

注:安倍氏が7月1日の記者会見で「日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない」と言った言葉を指していると思われる。







安倍内閣が1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことに対し、スイスの主要メディアは「日本は平和主義に別れを告げた」「安倍氏は法的に姑息な手を使っている」「中国との緊張関係を再度高めるような閣議決定だ」などと厳しく批判している。

 自衛の措置であれば日本が同盟国の戦争に加担できる集団的自衛権の行使容認が閣議決定されたというニュースは、閣議決定の翌日、スイスの主要メディアで報じられた。

民主主義から外れた政治決断

 スイスのメディアは全体として、安倍晋三首相が閣議決定するに至ったプロセスが民主的ではない点を批判している。

 スイス国営放送は昼のニュース番組で、数千人が首相官邸前で抗議活動を行った様子を放送。新宿で閣議決定に抗議する男性が焼身自殺を図ったことや、日本国民の過半数は反対しているという世論調査を引きあいに、安倍内閣の早急な閣議決定は国民の同意を得ていないと断じた。

 国民の反対をかわすために、安倍氏は正式な手続きを経て憲法改正することなしに「法的に姑息な手段に出た」と論じたのは、保守派の一流紙NZZ。今回閣議決定ができたのは、まず国会で与党が過半数を占めていたこと、連立を組む公明党が武力行使の新3要件が数カ所新しく書き換えられたことで「大人しくなってしまった」こと、自民党内にほとんど反対派がいなかったことなどを理由に挙げる。

 また、安倍政権下では内閣人事局が過去にないほど多くの官僚ポストを指定したために、官僚が政権批判しにくい環境が作られたとNZZは指摘。さらに、安倍氏に近い経営委員会の指揮の下で、公共放送のNHKは安倍政権に「へつらっている」と同紙はみる。実際、新宿の焼身自殺未遂のニュースはNHKでは流れていない。

 スイス通信は、今回の閣議決定を「非常に議論の余地があるもの」とし、同じく安倍内閣と国民の意思とのずれを強調。「平和憲法は国民の大半が支持しており、1967年には武器輸出三原則もできた。しかし、武器輸出の禁止でさえ、安倍内閣は3カ月前に『平和に貢献』し、『積極的平和主義』にかなうのであれば認めることにした」と指摘している。

岸信介と軍国主義を神聖化

 安倍内閣が閣議決定に至ったのは、「米国との同盟関係を強化したかったからだ。米国のミサイル、空母、核兵器がなければ日本は自国を守れない」と、スイス国営放送は特派員のマルティン・フリッツ氏の分析を紹介している。

 左派寄りの日刊紙ターゲス・アンツァイガーは閣議決定の理由を「(米国との)同盟関係を強固にし、東南アジアにおいて中国との『均衡』を取ろうとしているため」とみる。そのために、安倍氏はシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で「積極的平和主義」を唱え、アジア地域における自衛隊の役割を強調し、民間企業が武器輸出ができるようにする意向を表している、と説明する。

 同紙はまた、安倍氏の「軍国主義的な理想」は祖父・岸信介に由来すると分析。「戦後初めて憲法9条を廃止しようと試みた岸だったが、反対にあい断念。だが安倍氏はそんな祖父と、19世紀の軍国主義を神聖化している。これが彼の決定的な動機だと専門家の多くが認識している」と辛口に批判を展開している。

周辺国との関係悪化か

 今回の閣議決定で、過去に日本の侵略にあった周辺諸国との関係性は悪くなると指摘するのは、仏紙ル・モンド。フランス語圏の日刊紙ル・タンが掲載したル・モンドの「日本の軍隊は自衛のための軍隊ではなくなる」という題の記事では、この閣議決定は同盟国の米国では歓迎されるが、中国との緊張関係を再度高めると主張している。

 ターゲス・アンツァイガー紙は、「安倍氏は日本の麻痺した経済を活発化させることが優先事項だと述べているが、それができるかどうかは貿易相手国の中国や韓国との関係によるところが大きい。憲法9条の解釈を変更すれば、両国を侮辱することになる」と、経済への影響を危惧する。

 同紙はまた、シンガポールのリー・クアンユー元首相の逸話を紹介。国連の平和維持活動(PKO)に日本が参加することに反対していた同氏はこう語ったという。「日本と軍国主義の関係は、元アルコール中毒者のようだ。元アルコール中毒者にチョコレートをあげるとする。もしそれにアルコールが含まれていようものなら、その人はそれを必要以上に求めてしまう」

鹿島田芙美, swissinfo.ch










Unlocked & Loaded: Japan PM dodges checks with 'illegal' troop deploy push








最後の最後ですが、戦後日本の平和国家として大転換となる閣議決定に際して、やはり映画監督の「大島渚」さんの日本人へのメッセージを、どうしても思い出さざるを得ません。



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日本人たちよ、私たちよ、これでいいのだろうか?

これでいいのだろうか?


—— 大 島   渚





そして——





自己を燈火とし、
自己を拠りどころとするがよい。

他のものを拠りどころとしてはならない。

真理は自分の中に見つけるものだ。


—— 大 島   渚