将棋の対局は、
「勝ってなんぼ。」
です(将棋でなくても、何の試合でもきっとそうなのだと思いますが...)。
私は進行乳がん治療も、それ程大きな違いは無いと思っています。
勝ちを目指さず、延命を目指した将棋の打ち方をする人は居られません。
例えば、
「延命出来る時間が長い事が証明されている順番に駒を使っていきます。
駒を動かせなくなったり、(効果が)無くなってしまえば、次の種類の駒を打ちます。
打つ駒が無くなれば終了です。」
となりますでしょうか。
将棋でこの様な闘い方をすれば、余程のことが無い限り将棋に負けます。
決して勝つことは出来ません。
「今のうちに、将棋の負け方や負けを受け入れる場所を探しておいてください。」
「万が一も勝つことはありません。
先ずその事を受け入れてから、将棋を始めてください。」
「どう負けるか。
負けるまでの間(生きている間)をどう過ごすかかんがえて、その時間を目一杯楽しんでください。」
「将棋に負けた時。
その時があなたの天寿です。」
あまり楽しく無さそうです。
ほとんどの将棋を打たれる方は、やる前から負けたいと思っておられないでしょう。
「出来れば勝ちたい。」
と思われている方がほとんどだと思います。
まして、人には一つしか命がありません。
何度も負けられません。
まだまだ将棋を続けたいと願っても、一度でも負けたら、その方は次の将棋を打てないのです。
ただ一つ、将棋と進行乳がん治療で異なる事があります。
(いやいや、たくさんあるよ、と思われる方がおられるかもしれませんが、、)
将棋の対局(試合)では、他の人が誰も対局している人に打ち方を教える事が出来ません。
その一手を打つと、将棋に負けてしまうと周りの人が分かっても、教える事が出来ません。
しかし進行乳がん治療では、患者さんが望まれるなら、勝てる可能性のある治療法を提案する事が出来ます。
この方は、ご主人と共に、お二人で、まだまだ元気に楽しくいつまでも過ごす事を望んでおられました。