テムズ河の潮汐を眺めつつ -319ページ目

残念なイラストレーション

今日ようやくマザーグースの歌の絵本の仕事が終わりましたが、イラストレーションに愛が感じられず見てて悲しかったです。この春に歌の内容や本文の置かれる位置を考慮して描いたページのラフスケッチをとあるイラストレーションの会社に送りました。これまで私が接した事のあるイラストレーターさん達は、基本的にはラフスケッチに従いながらも完成作品にはプロならでの創意工夫とか新たな提案をしてくれていました。でもこの会社の作品はどれもただ指示通りに仕事をこなしたという感じでがっかりしました。

このイラストレーションの会社(イギリスとトルコの両方に事務所があるようです。)ではコンピューター上に今まで描いたイラストのデジタルアーカイブがあるに違いません。例えば背景だったら、夜空、小川、山、丘、木、花、茂み、街、外壁、室内の壁紙、家具などが分類して保存してあるようです。同様に動物や人物、その他の小道具も。それらの部品を組み合わせて注文された絵を作っているようなのです。
 アーカイブを作りそれを活用してイラストレーションを作り上げる事自体は悪い事ではないけれど、この会社の場合1つのシーンの中に線の感じやスタイルが違う部品がごちゃまぜに使われている所が問題なのです。そして同じシーンの中に登場する数人の子供の目が全部同じだったりするんです!色や形を少し変えるという手間を一切かけずに単純にコペー&ペーストしているんですよね。
 アーカイヴにある部品を組み合わせて表現できないシーンのみ、新しく描いているようで、それはなかなか素敵だし、人や物の形、遠近感の表現、影と陰の付け方などの基本が間違っている訳では無いのだけれど、全体的に古くさ~いイメージです。確かにマザーグースの歌はどれも起源がかなり古いですが、もうちょっと現代の子供に受けそうなセンスで表現してくれれば良いのに。

でもこういう文句をイラストレーター言うのは間違っているとも言えます。なぜなら注文主は事前にイラストレーターの作品集を見ているはずで、そのイラストレーターのスタイルや持ち味と違う物を無理矢理描いて貰っても良い結果は出ないのは当然の事です。例えば人物の目をいつも点で表現するスタイルの人に人種の違いや目の色がはっきり分かるような絵を描いて欲しいと言っても無駄です。
 逆にイラストレーターの側も、この注文主が欲しい絵はどうやら私のスタイルや持ち味からかけ外れているようだと思ったら、その仕事は断るべきだと思うんだけどな。これは報酬に関しても言えて、イラストレーターの中には自分が適性だと思っている基準より報酬が低い仕事が来た時に、納得できないなら断れば良いのに引き受けて手抜きの仕事をする人がいるのです。

デザイン部長の一平太さんも児童書編集者の理桜さんも同意見で、大部手直しはして貰ったみたいです。通りすがりのフリーランスの編集者もそのイラストレーションの質について否定的なコメントをしていました。児童書部長の亮子さんが見つけて来た会社らしいのですが、デザイン部の同僚の蒼哉さん曰く「きっとかなりの低価格で仕事を請け負ったんだろう。」と。たぶんその通りです。

アリとキリギリス

例年より暖かかった秋が過ぎて冬に入ろうかというこの週末になって私達が慌ててしているのは窓枠のペンキ塗りです。去年の春に引っ越して来て以来塗り直さなくてはと思いつつ冬を越し、結露が酷かったのでカビが出てしまいました。窓枠はペンキを塗ったら一晩は開けっ放しにして乾かさないといけないのでこの夏にと思っていました。
 8月一杯香蓮は夫の実家に預かって貰っていたのですがそのせっかくのチャンスも普段できない新作映画を観にでかけたりレストランでゆっくりお食事をしたりお友達と飲みに行ったりで過ぎてしまいました。そして9月も10月の週末も親子で外出したり夫の自主制作映画撮影などであっという間に消えて行きました。

今更後悔しても仕方がないけど、私達は本当にイソップ物語のアリとキリギリスのキリギリスみたいです。また冬が近づき結露が始まって、実家から送って貰った結露吸水テープを貼ろうにも木の窓枠をこのままにしてもう一冬越したらカビだけでなくて腐食の被害まで出ててしまうのではないかという状態です。
 それでようやくこの週末にペンキ塗りのDIYをしています。でもペンキ塗りってその準備に時間がかかるんですよね。まず窓枠を洗って取れるホコリやカビを取り、サンドペーパーで古い剥がれかけのペンキを取り除きつつ大丈夫な所も次のペンキが定着する様に表面をザラザラにする、そしてマスキングテープを貼らなくちゃ。

問題の窓枠は主寝室のものです。もうペンキは塗り終わって乾かし中ですが、もし就寝時刻までに乾いていなければ窓を少し開けたまま眠らなくてはいけません。フリースかウールのセーター着たままでベッドに入らないとキリギリスみたいに凍えてしまうかも。ダメモトでドライヤーの温風をあてて乾かしてみます。

インドからのセールス電話

午後8時半頃我が家の電話が鳴りました。私も夫も携帯電話を持っているのでお友達はそちらにかけて来るので家の電話が鳴るのは両方の実家や使っている各種サービスの会社がかけてくる時です。でもたまにはセールスの電話も。出てみると2時間程前に「来行透さんは在宅していますか?」とかけて来たのと同じ人らしい。

セールス:「来行透さんはもう帰宅していますか?」
私:「まだ帰宅していませんがどちら様でしょうか?」
セールス:「来行透さんはいつ帰宅の予定ですか?」
私:「どちら様でしょうか?」
セールス:「フレッドです。来行透さんはいつ帰宅の予定ですか?」
私:「どちらの会社でしょうか?」
セールス:「今名前を教えた(ので十分?)でしょう!電気代の会社です。来行透さんはいつ帰宅の予定ですか?」
私:「透が戻りましたら折り返し電話をかけさせますので電話番号を教えて下さい。」
セールス:「来行透さんはいつ帰宅の予定ですか?」
私:「今夜は何時に帰宅するか分かりません。透が戻りましたら折り返し電話をかけさせますので電話番号を教えて下さい。電話番号を教えて下さらなければ、私達にはフレッドという知り合いはおりませんから折り返し電話はできませんよ。」
セールス:「透さんは私の事を知っています。」
私:「いいえ、あなたのお名前すら聞いた事もありません、二度と電話をかけて来ないでください。さようなら。」

セールスをしようとしているのに自分のフルネーム、会社名、連絡先を教えられないなんて怪し過ぎます。例え電気会社を替えようかなと思っていたとしてもこんな失礼な電話の仕方をする会社を選ぶ訳がありません。相手はかなり強いインド訛りの英語で、恐らくインドのコールセンターからかけて来ていると思われます。
 セールスの電話だけでなく既に顧客になっている電話会社、衛星放送の会社、インターネットのサービスプロバイダー、銀行など数多くのイギリスの会社は、最近コールセンターを人件費の安いインドにどんどん移転させているんです。既に顧客になっている会社のカスタマーサービスの電話の受け答えは別に普通です。
 それどころか、インドのコールセンター紹介のテレビ番組見たように、「我が社は社員と提供するサービスの質に自信を持っています。社員教育をみっちりと行っています。丁寧な話し方はもちろん電話の向こうの人に合わせてアメリカ英語やイギリス英語とアクセントも切り替えさせます。」という所もあるようです。
 でも新規顧客開拓のためのセールス電話はもの凄く訛りが強くて相手の言う事を理解するのがやっとだったり、今回の電話の様にマナーがなっていなかったりする場合が多いです。イギリスの会社がきっと超低料金だけど質も低いインドのコールセンターを使っているせいでしょう。

でもまだ人間がかけてくるだけマシかもしれません。過去1、2年の間に無言電話や録音メッセージの迷惑電話が増えてきました。無言電話はセールスの会社のコンピューターが無差別に電話をかけ続けるために個人宅がその電話に出てもちょうど相手ができるオペレーターが居ないと無言電話になるんです。
 録音メッセージの方は「おめでとうございます!懸賞で贅沢な海外旅行が当たりました!この賞品を手にいれるためにはこれこれの電話番号に今直ぐお電話を・・・」というパターンでももちろん相手の言う電話番号はプレミアムコールラインで長い説明を聞いているうちにお金を落とす事になるというものです。

日本のコールセンターもその内人件費の安い国に移転する事になるんでしょうか。大学生の頃父と一緒に行ったトルコ周遊の旅(とは言っても広いトルコの東半分だけ。)に行った時に田舎のカーペット工場見学でセールスのトルコ人男性15人位がみな非常に上手な日本語を話していて驚いた事があります。
 どの国に旅行する時もせめて「こんにちは。」とか「ありがとう。」とかちょっとした日常の挨拶位は覚える様にしているのですが、トルコ語は強烈に難しくてそれすらもできませんでした。なので逆にトルコの人が日本語を覚えるのだって大変だろう、いくら生活の為とは言っても偉いなと感心しました。
 という訳で海外のコールセンターの社員達に日本語を覚えるという部分は意外とすんなり行くかもしれません。でもその上に日本での「お客様は神様です。」って異常な程にお客さんを持ち上げる習慣を外国人に理解して貰って常に低姿勢を保つ事を教えるのは一仕事のような気がします。

クリスチャンくんの訪問

香蓮のお友達のクリスチャンくんと彼のパパ、トーア(Tor)さんが保育園帰りに我が家に立ち寄りました。香蓮は前から何度もクリスチャンに遊びに来てと誘っていたのでその願いがとうとう叶った訳です。またしても抜き打ちで、カトリーナちゃん親子が来た時よりはマシでしたがやはり洗濯物が干してあったりして慌てて片付けました。前回散らかっていて恥ずかしかったのを教訓に帰宅したらまず居間をそれなりの状態にする事を続けていましたが、今日は私は空腹に負けて台所に直行して料理を始めてしまったのです。

香蓮とクリスチャンは子供部屋で遊び、トーアさんと私達はミルクティーを片手に居間で雑談しました。良くある話ですがノルウェー人のトーアさんもそのブルガリア人の奥様もイギリスには勉強するために来たのだそうです。同じ大学で同じコースに在籍していたのをきっかけにおつきあいが始まり結婚、お互いの第3国であるイギリスにそのまま住み続ける事になったそうです。やはり共働きだそうで、この近所で適当な託児サービスを見つける事の難しさと費用の高さについて嘆き合いました。
 ロンドンには特定の国からの移民が特定の地域に固まって住んでいる場合が多いです。例えばアールズ・コートにはオーストラリア人やニュージーランド人、レスター・スクエアには中国人、サウス・ケンジントンにはフランス人、イーリングとカムデンには日本人、北ロンドンにはユダヤ系の人、東ロンドンは昔はユダヤ系の人や東ヨーロッパの人で、現在はインド、パキスタン、バングラデシュの人が多く住んでいるなどなど。なのでトーアさんにノルウェー人が多く住むので有名な地域はありますかと聞いてみました。
 トーアさんによると彼がこの近所に住み始めたのは偶然の出来事だったそうですが、実はこの近所にはノルウェー人、スウェーデン人、フィンランド人がかつて多く住んでいたのだそうです。言われてみれば以前、「何で家の近所にはノルウェー教会、フィンランド教会、スウェーデン教会と北欧系の教会が揃っているんだろう。」と不思議に思った事がありました!現在は大部埋め立てられてしまったけれどかつては数多くのドックと倉庫が集まっていたこの地域はドックランズ(ロンドン港)と呼ばれています。
 北欧から建築用の木材を積んだ船がかつて数多くこのドックランズにやって来ていたそうです。そう言えば通りの名前にもノルウェー・ゲイト、オスロ・スクエア、スウェーデン・ゲイト、フィンランド・ストリート、グリーンランンド・ドック、オーラヴ・スクエア、など北欧に縁のある地名がいっぱいあります。ロシア、カナダなどの地名もあります。そして漁師、荷役人夫、縄ない人、船頭など航海に関連したような地名もあってなかなか面白いのです。
 トーアさんも、ここに引っ越して来た後になって実は彼の祖父や曾祖父などが先祖代々が船長などとして貿易の仕事に従事していて、この地を頻繁に訪れていた事を知ったそうです。なんだか感動ですよね~。今自分が歩いているのと同じ道を昔自分の祖先も歩いていたとは!また、彼の1911年生まれの高齢の親戚の女性はこの近所のパブの名前を次々と挙げたそうです。それらは全部今も営業しています!彼女は自分では訪れた訳では無く、夫が仕事で来る度に寄っていたパブの話を彼女にしていたので知っているそうです。

とても興味深い話でしたが、時刻も午後7時に近づきトーアさんの奥様も下の女の子を別の保育園に迎えに行って帰宅する時間になったのでトーアさんはクリスチャンくんと共に帰って行きました。香蓮はクリスチャンくんが去る時に「バイバーイ!」と言い、更に「カドル!(さようならの抱っこ!)」と要求していましたがそれはやっぱり女の子のする事らしくクリスチャンくんは嫌がって逃げて行きました。なぜか今までもいつも香蓮がクリスチャンくんを追いかけ回すパターンなんですよね。それにしても思いがけなく楽しい夕べになりました。

華氏100度

もうすぐ正午という時間に私の携帯電話が鳴りました。発信元は香蓮の小学校で香蓮が熱を出したという事なので「私か夫が迎えに行きます。」と返事をしました。デザイン部長の一平太さんはちょうど会議中だったので同僚の初音さんに自分がしていた仕事を説明して引き継いで貰い早退しました。
 机上に広げていた書類を片付けたりちょうどファイルを3種類ほどプリンターに送った所だったので初音さんに説明し易い切りの良い所まで印刷が仕上がるのを待っていたりで、結局職場を出るのに20分ほどかかってしまったけれど昼間は道がガラガラで小学校までバスで15分で到着しました。
 校門のカメラ付きインターフォンで来校の用件を告げて校門の鍵を解除して貰いました。ちょうど昼休みで校庭は子供達でいっぱいでとても賑やかでした。香蓮のクラスの教師補佐の方に香蓮の様子を聞きました。華氏100度の熱があり喉の痛みを訴え全般的にいつもの香蓮らしくなかったそうです。
 この華氏100度と言うのがまたいかにもイギリスです。公式にはメートル法度量衡が採用されているのに一般の人は未だに温度は華氏(fahrenheit)、重さはpoundやstone、距離はinchやfootやmile、量はpintを日常的に使います。「華氏100度って摂氏で何度ですか?」と聞いても無駄です。
 自分も含めて換算をさっとこなせる人はあまりいません。後で家で計算したら華氏100度は摂氏37度7分でした。よく話題になる自分の身長や香蓮の出生体重などはfootやpoundでも暗記しています。私の身長は5foot5inch(165cm)、香蓮の出生体重は7pound7ounce(3370g)です。
 体重を表すのに良く使われるstoneは1stone=6.35kgです。体重を6.35kごとの区切りで量るなんて随分大雑把だなと感心してしまいます。でも「この春からダイエットを始めて1and half stone(9.525kg)も痩せたのよ~!」などという風に日常会話で頻繁に使われます。
 迎えに行った時点では香蓮はなんと低学年専用の校庭で三輪車を元気に乗り回していて、これなら迎えに来る必要は無かったのかもと思いました。額を触っても熱く無かったし。でももう仕事は早退してしまって戻るのも何ですから大事を取って家で休養させる事にしました。

フランスの暴動のニュースを聞いて

今お隣のフランスで北アフリカ出身の黒人達による暴動が起こっています。物的被害だけでなく人的被害も出ているようですし、何があったとしても暴力に訴えるのは良くない事ですが、ここまで規模が拡大して9日には夜間外出禁止令が発動されるほどに至ったのはなぜなのでしょうか。
 イギリスと同じく、フランスでも移民が多いのは大都市の近くのようです。フランスのパリに滞在中印象的だった事の1つに、街中の清掃係の人が100パーセント北アフリカ出身と思われる黒人達だったというのがあります。イギリスはそこまで人種が偏ってはいません。
 また最近やはり北アフリカ出身の黒人達が多く住むパリ郊外の劣悪な条件のアパートメントで火事が何軒も起きて犠牲者が出ていたというニュースも記憶に新しいです。外側から見ているだけでも移民達が貧しさからなかなか抜け出せないでいる様子が伺えます。

自分がフランスを旅行した時には、特にパリでは通りかかりの人に吐き捨てるように何か言われる頻度が普段住んでいるイギリスより高いなと思いました。まあ、何を言われているのか意味が分からないのですが、悪意は感じます。フランスの方が人種差別が強いのかなと思いました。
 イギリスでは過去10年間住んでいて差別的な事を言われた事があるのは酔っぱらい、精神を病んでいそうな人など自分に問題がありそうな人達にだけで、日常生活を送っていて学校の先生とかお店の店員さんとか警察に人などに不当に扱われたと言う経験はありません。
 イギリスでも移民達や亡命者達は貧しい生活からスタートという場合が多いと思いますが、例えばインド亜大陸からの移民達は子供の教育にも熱心だし、自分で小売店その他の自営業で会社を興して成功している人もたくさんいるし、専門職に就いている人も多い感じです。
 フランスではひょっとして移民達にはこういう成功への道が閉ざされているのかと思うのです。いくら努力して貧しさから抜け出したいと思っていても、それに対するサポートが全くなかったり十分でなかったりするのが自暴自棄になる人達が出る原因ではないかと思います。

移民との共存がうまく行っているように見えるイギリスでも人種が偏っている場合があります。1つは長距離バスや観光バスの運転手で、これがほぼ100パーセント白人でしかも男性なのに引き替え、路線バスの運転手はアフロ・カリビアン系の移民の割合が高く女性もいます。
 2つめはパブ。お客さんもカウンターの中で働くスタッフも社会人から学生まで海外から一時的に来ているらしい人はいくらでもいますが、アフロ・カリビアン系やインド・パキスタン・バングラデシュ系の移民らしい人の顔はあまりみかけません。
 3つめはクラシック音楽のコンサートの会場、博物館や美術館、田舎でのウォーキングコースなどではやはり移民らしい人達とすれ違う確率がガクっと下がります。話はずれますがクラシック音楽のコンサートの会場や博物館や美術館では日本人に遭遇する率が非常に高いです。

以上のような人種が分離している場面もありますが、全般的にはイギリス、特にロンドンはこれまで旅行した事のあるどこよりも共存が進んでいると感じます。白人と黒人のカップルも多いし、祖父母と孫の肌の色が全く違っていても驚かれません。人種が偏らず混ざっている場所は居心地が良いです。

子供の入浴

子供が立ち上がるようになる前まではベビーバスで入浴させていました。こちらの浅くて長い棺桶のような形のバスタブの両側の縁の上に渡せるようになっている タイプです。プラスチック製のベビーバスを卒業してからは大人用のバスタブに、座った子供の腰位まで浅くお湯を張って入浴させています。イギリスでは普通は親は子供と一緒にお風呂のお湯には入りませんので、自然にバスタブの側で床に膝立ちして子供の世話をする格好になります。固い床の上で膝が痛くなる ので私達は普通のクッションを膝あてに使っていますが、専用のクッションが市販品であります。他にも浴槽内に敷く滑り止めマット、浴槽の底に吸盤で固定 する赤ちゃん用の椅子など便利なものが売っています。

イギリスの子供はかなり低い湯温のお風呂を好むようです。たまたま遊びに来ていた義母は私が娘を入れているお湯を触った時、「普通よりかなり熱いわ ねー。」と言っていました。小学生の姪が泊りがけで遊びに来た時に娘と一緒にお風呂に入れたら「熱いー、熱くて入れない!」と言われてしまいまし た。測った事はないけれど、湯温はたぶん36度位、大人だと入った気がしない位のぬるさです。姪の言う通りにお湯に水を足して行ったら、彼女が適温と 言った時にはほとんど水みたいな温度になっていました。そんな温度なのでお風呂上がりに肌を拭くと冷たくて、頬が火照ってピンクになることもないので す。それでも風邪をひかないのが不思議。やっぱり慣れでしょうか。

お風呂のお湯で子供の顔、髪、体の順で洗った後、一般的にはそのまま上がり湯なしに泡の残るお湯から子供を出 して体をバスタオルで拭いてしまうようです。石鹸の泡が体に付いていても拭けば大丈夫という感じです。まあ敏感肌でなくて問題ないならそれでもいいので しょう。これはイギリス式食器洗いにも通じています。汚れた食器は洗剤を溶かしたお湯に漬けておき、スポンジでこすって汚れを落とし、泡が付いたまま水 きりかごに入れ、最後に布巾で拭いて終わりです。話には聞いていたけれど、初めてイギリスに来た時にホストファミリーが実際にやっているのを見て驚きま した。「お皿に洗剤分残ってて体に悪くない?」と聞いても、「泡をきっちり拭えば大丈夫。」と自信たっぷりに言われてしまいました。

ロンドンは外国人が暮らし易い街

主に香蓮の保育園のお友達関係でこの頃ご近所に知り合いが増えてきています。そしてつくづくロンドンには外国人、国際結婚、異人種間結婚が多いなと思っています。以前このブログに登場したカトリーナちゃんとニーナちゃん姉妹の家はママがギリシャ人でパパがアメリカ人でしたが、昨日夫と娘が近所に買い物に出掛けた際に偶然道で出会ってそのままお茶に招待されたクリスチャンくんの家はママがブルガリア人でパパがノルウェー人なのだそうです。
 そう言えば香蓮が前の保育園で仲良くしていたラティシャちゃんはママがイギリス人でパパがイタリア人、エリースちゃんはママがオーストラリア人でパパがインドネシア人、リカルドくんはママがマレーシア人でパパがポルトガル人でした。夫と私がこれまで出会ったフラットメイト、同僚、上司、友達そしてそのパートナー達を含めるともう本当に一々国名を挙げていたらキリが無い程です。
 私自身が外国人で、イギリス人の夫とは国際結婚でかつ異人種間結婚なのでまあ類は類を呼ぶのかなとも思いますがそれにしても多いです。そうして出会う外国人達は雨が多くても交通機関を始めとする公共のサービスが悪くても治安が悪くても物価が高くてもなんだかんだ言っても結局はロンドンが好きで住んでいます。そして私もその1人なんです。その理由はどこにあるのか考えてみたいと思います。
 最大の理由は外国人仲間が多いという事ではないかと思います。結婚したり就職したり家を借りたりローンを組んだりする時に外国人だからという理由だけで差別される事が少ないと思います。企業側としても市場の大きな割合を外国人が占めていたらそれを無視する訳には行かないのでしょう。そしてこれだけ様々な見かけの人が街に溢れていると外見で注目を集める事なく日常生活が送れます。
 外国人が多いとその中には英語を覚えるなど同化の努力をしない人がいたり、難民として保護されたのにその恩をテロ活動など犯罪の仇で返す人がいたりします。そしてイギリス人の中には、外国人は唯でさえ潤沢でない教育や福祉や医療費を逼迫させたり、就職の競争率を上げたりすると考える人もいます。以上の様に確かに受け入れるイギリス側にはマイナス面もありますがプラス面もあります。
 失業率が高い一方で特定の単純労働や専門職ではまだまだ人手の足りない分野を外国人労働者は補いますし、外国人は出身地の文化も一緒に運んで来るのでそれを身近に経験する事ができます。外国人と知り合う事によりそれまで人事と無意識に切り捨てていた世界の各地の出来事も自分に関係のある事だと反応するようになります。世界の人々を身内と余所者と分けず皆が身内だと感じる事が世界平和の第一歩になると思います。

アーセナル・フットボール・クラブ朝の散歩

久しぶりに対岸のカナリー・ウォーフにあるショッピングセンターに行ってみるかと連絡ボートにのってテムズ河を渡りました。するとそこにはえんじ色のジャージーを着た若い男性の集団がいて、その中の何人かは何かの係らしき人の側に立ち止まっては紙に何やら書いているようです。私は「大学生か社会人の何かのスポーツチームがこの辺で合宿?遠征試合?それでリクリエーションとしてオリエンテーションのゲームでもしているのかな。」と思いました。
 夫も「何かのスポーツチームだな、でもその内の1人は同じユニフォームを着ているのにぽってり太っていてとてもスポーツ選手には見えないぞ。」と思って1テンポしてからやっと「これはアーセナル・フットボール・クラブの選手達で問題の選手らしくない人はファンでサインを貰っているのだ!」気がついたのだそうです。私も夫もスポーツにはあまり詳しくないのです。
 それで「カメラ、カメラ!」と写したのが下の写真です。1枚目の右端には監督のアーセン・ヴェンゲルさんが写っています。フットボールに詳しくない私でもさすがに知っているプレミアシップ・リーグの監督3人の内の1人です。ちなみに他に知っているのはアレックス・ファーガソンさん(マンチェスター・ユナイテッド)、ホセ・モウリーニョさん(チェルシー)です。
 選手の方はではティエリ・アンリ選手はテレビのレノーのクリオの広告で「ヴァヴァヴーン」と言うので顔は知っていました。夫は彼の名前も知っていました。でもそれだけ。後から夫が「話しかけて選手のサインを集めたら高い値で売れたのにな。」と言うので「そんなファンでもないのに朝の散歩の邪魔しちゃ悪いよ、その上話しかけるって言ったってまず名前も知らないくせに!」と言い返しました。
 あれがフォーミュラ・ワンのどこかのチームだったりしたら夫も私もファンなので迷わず駆け寄って話しかけて着ている洋服にでも何にでもサインをして貰っただろうな。ジェンソン・バトンさんやデビット・クルサードさんを応援しています。それはともかく、今日の午後アーセナルはサンダーランドと試合をして3対1で勝ちプレミアシップ・リーグで3位になったそうです。

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この短い記事を書くのにも外国の固有名詞の日本語表記をチェックするのに手間がかかりました。もちろんインターネットが無かった時代はもっと大変だったろうけど。私の耳にはアーセナルではなくアースナル、アーセン・ヴェンゲル、アレックス・ファーガソンではなくアレックス・ファーギソン、デビット・クルサードではなくディビット・クタードと聞こえます。

亮子さんの奢りでマレーシア料理

フランクフルトのブックフェアでテムズ河出版が最近参入し始めた児童書部門の本が好評だったという事で、児童書編集部長の亮子さんが関連する仕事をした社員をマレーシア料理のレストランに連れて行ってくれました。メンバーは児童書編集部の理桜さん、デザイン部の一平太さん、初音さん、蒼哉さん 、私、営業部の郁枝さんの予定でしたが、蒼哉さんは疲れたという事で参加しませんでした。彼はとてもプライベートな人でたぶん同僚と食事をするのも嫌だったんだと思います。疲れたというのは口実のような気がしました。
 なぜか始めは郁枝さんが飼っていたヤギの話。ペットとしてかわいがっていたけど最後にはシチューにして食べたそうです。動物関連で初音さんがブラジルのサン・パウロの郊外に住むおばあ様の家で牛の乳搾りをした時の話。牛のお乳を手で握りつつ同時に親指で乳腺をさすって牛乳の出を促すそうです。「Too much information」と言われてました。それから語学、旅行、クリスマスの過ごし方、テムズ河出版の過去のクリスマス珍事、Sun Raというジャズミュージシャン、The Donnasというロックバンド、i-podが話題になりました。
前回の食事会の時も一平太さんは前菜もデザートも頼まずにメインディッシュだけをオーダーしていましたが、今回もそうでそれでも全部食べきれていませんでした。私も人の事は言えず胃が小さいのですが、それでもメインディッシュだけでは面白くないと軽い前菜とメインディッシュを選んで頼んだけどやっぱり食べきれなかったです。私はメインディッシュにエビの天ぷらを頼みました。魚のグリルを注文した一平太さんは天ぷらにしようか迷っていたと言うので味見をどうぞと分けてお返しに魚を一かけ貰いました。
 この2つの料理の味はまずまずでしたが、他のお料理はそんなにおいしそうに見えなかったな。何だか「茶色」って感じで。でも皆さん残さず食べていたからそれなりにおいしかったんだと思いますが。レストランの名前はGeorgetownでロンドンブリッジのバスターミナルに面したLondon Bridge Hotelの中にあります。6時半に着いた時には古典音楽が大音響で流れていたのでボリュームを下げて貰ったのに、ほどなくピアノの生演奏が始まり床面積が小さなレストランだったのでまたしても声を上げないと会話ができませんでした。
 イギリスに来たばかりの頃はこういう状況だと相手の言う事は聞き取れないし私の言う事も分かって貰えないしで途中でもう疲れ切って頭はスイッチオフし無口なだるまさんになるのが常でしたが、あの頃から比べたら成長したなとしみじみ。まあ、在英10年経ってまだそんな状態だったらそれこそ問題ですが。そんな事を考えつつ頂いたカプチーノはとてもおいしかったです。それでまたそう言えば昔カプチーノを注文したらカップ・オブ・ティー(紅茶一杯)が出て来た事があったなと思い出しました。
 今日いつもは5時ピタで退社する私が他の社員の定時の5時半になっても机に居たので会計部の皐月さんが「どうしたの?」と声をかけてくれました。6時過ぎにレストランに向かった時点でまだオフィスで仕事をして居たのは会計部長の信之介さん、皐月さん、営業部の俊さんだけでした。残業をしない良い会社です。食事会で以前の適当だった会計係の話が出て、今年信之介さんが皐月さんを採用したのは正解だった、彼女は仕事が出来る人だと皆が褒めていたので明日皐月さんにこっそり教えちゃおう。