テムズ河の潮汐を眺めつつ -320ページ目

ハロウィーン・ディスコ

午後6時半から始まった香蓮の学校のハロウィーン・ディスコに行ってきました。チケットは家族で500円で、チラシには模擬店もあると書いてありました。日本の文化祭みたいにタコ焼き屋やカレー屋がある訳はないけれど、ソーセージ、パイなどが売っているかと期待して行きました。でも売っていたのは子供用の極彩色の合成ジュース、スナック菓子、キャンディー、大人向けには紅茶だけでした!「そうか、今回売れ残っても腐る事なく次回のイベントまでしまっておける物だけを売っているのだな。」と遅ればせながら理解しました。おなかがペコペコだったので仕方なくミルクティーを買いオニオンリングのスナックを食べましたがこれがもの凄くしょっぱかったです。
 学校の講堂は予想以上の人出で、親子連れでいっぱいでした。子供達はほとんどが市販の衣装を着ていましたが、中にはお父さんの古い白のワイシャツを破って赤い絵の具で着色したようなオリジナルな物を着ている子も居ました。児童の弟妹達も来ていて、その小さな子達はカボチャの衣装等を着ていました。NHKの子供番組の『いないないばあ』で踊るあの小さな子達の衣装のような、おしりとおなかの辺りにぽってり綿が入ってた、その年頃の子のキュートさを最大限に強調するデザインでした。保護者達の中にも仮装をしている人ががたくさんいました。。
 ご近所のフィオナちゃん、ジェイムスちゃん、スカイちゃんも、魔女の格好と化粧に付け鼻までした母親のマーガレットさんと海軍関係者の様な洋服を着た父親のジムさんと一緒に来ていました。夫の透が「それは衣装ですかそれとも職場の制服ですか?」と尋ねたのですが、ディスコの大音響の中強いスコットランド訛りの返事が聞き取れませんでした。夫も聞き取れなかったそうです。ロンドンに来る前はイギリス海軍の本拠地として有名なポーツマスに住んでいたそうなので、そこで何か海や船に関連した職場に勤めていて今回はその時の制服を衣装として活用したのかな。
 DJはちょっとBill Noyeさん(最近の映画では『ラブ・アクチュアリー』でクリスマスCDをリリースする年配の歌手役で出演。)似の男性で、選曲はS Club 7、50 Cent、Crazy Frog、(Is This The Way To) Amarillo?、最近流行ったエクササイズビデオのように手足を動かす指示付きの曲など全部最近の曲でした。ラップ音楽もたくさんかかったけど、過激な歌詞では無い物を選んでありました。保護者世代のためにABBAのDancing Queenなどがかかるかなと思いましたが一切無し。唯1つテーマに合うという事でMichael JacksonさんのThrillerはかかりました。
香蓮はお友達とノリノリで踊りまくっていました。手を繋いだりターンしたり手足をスイングさせたりブレイクダンス風だったりで、よくある子供のただ飛び回るダンスとはひと味もふた味も違います。大学時代にサークルの合宿の自由時間に砂浜にラジカセを持ち出した帰国子女の人達が「踊ろう!」と言って真っ昼間から音楽に合わせてガンガン踊っていたのを思い出しました。私はあれには恥ずかしくて加われなかったけど、その人達はこうやって小さな頃から踊る機会がたくさんあってそれはごく自然な事だったんだろうな。などと回想している内に香蓮はしまいには床の上でバックスピン!
 ここで先ほど話した紅茶とスナック菓子を手に講堂の隣の音楽室で椅子に座って休憩しつつ模擬店に買い物に行ったり来たりする子供達の姿を眺めていました。そうしたらバーバリーチェックのキャップを被った男の子が居ました。若い『チャヴス』!(chavs)チャヴスはキャップを被り、スポーツウエアを着てスポーツシューズを履いている、労働者階級出身の若い人達で集団だと特に傍若無人な態度を取るなどあまり良いイメージを持たれていません。有名人だとBritney Spearsさん、Eminemさん、Jordanさん、Wayne Rooneyさん、Beckham夫妻などです。
 Nicklesonなどのスポーツブランドに並び、なぜかバーバリーがチャヴスの部族衣装として選ばれています。テレビでサッカーのゲームの後に騒ぎを起こすチャヴスの様子が報道されましたが、彼等はバーバリーチェックのキャップやシャツを着用して写っていました。フットボールフーリガンとチャヴス人口に重なる部分が多いような気がします。これはブランドイメージ失墜の一大事とバーバリーは何か対策を講じた様です。先日テレビで『バーバリーはどうやってチャヴスと連想されるのを防いだか』というようなタイトルで番組があったようなのですが、残念ながら見逃しました!
 最後にラッフルと言って日本のくじ引きのような物がありました。事前に一枚40円の番号付きのチケットを買います。チケットはペアになっていて片方はくじ引きの箱に入れ、もう片方は手元に持っています。代表の人が箱からチケットを引く度にその番号を読み上げ、その片割れのチケットを持っている人が賞品を貰えるという訳です。学校の運営費を稼ぐ為に、イベントの時は必ずこのラッフル・チケットが売りに出ます。今回我が家は1人1枚ずつ計3枚買って、見事にチョコレートのバラエティーボックスを当てました!私はイギリスのチョコレートは嫌いだけど夫と娘は大喜びでした。

Child of the New Century 「誕生から生後9ヵ月まで」 その1

今回は「家庭環境」がテーマのページを訳します。

21世紀初頭の出産は50年以上前の出産とは大変様相が違ってきている。第二次世界大戦以降に以下の項目において多くの変化があった。例えば母親の出産時の年齢、出産の件数、両親の関係、医療サービス事情、避妊の手段、新しい産科の業務、痛み止め使用の可能性、病院での出産、自宅での出産、両親学級などなど。
 どのような家庭に赤ちゃんが生まれるかによって、その赤ちゃんの人生の出発点が大きく影響される。特に両親と2人の間柄、兄弟姉妹達、親戚は誰も全て赤ちゃんの人生に大きく関係してくる。

英国での出生率(Fertility rates)は徐々に低下しており、1964年には女性1人当たり平均して2.95人の子供を産んだが、2001年には1.63人まで減っている。

一人っ子の家庭が以前に比べて一般的になっている。

約20%の女性は一生1人も子供を産まない。

大家族はパキスタン系とバングラデシュ系の家族、北アイルランド、貧困層が多い地域においてより一般的である。

この調査では約14%の赤ちゃんは生後9ヵ月から10ヵ月の時点で父親と別居していた。別居している父親の内、49%は子供達に最低1週間に1回会い、15%は最低1ヶ月に1回会い、36%は全く連絡を取っていない。
 別居している父親の内、75%は赤ちゃんの母親と友好的関係にあるが、母子家庭の内、33%しか別居している父親から養育費を受け取っていない。
 働いている母親と学位や資格を持つ母親の方が赤ちゃんの父親から養育費を受け取る率が高い。

1971年には子供の居る家庭で片親しかいない割合は8%だったが、20世紀の終わりには20%にまで上昇した。

この調査では過半数の赤ちゃんは結婚している両親の元に生まれているが、24%は結婚はしていないが同居している両親の元に生まれ、15%は出生時に両親は同居していなかった。

低年齢の母親程未婚率が高く10代の母親の92%のは未婚で、それとは対照的に30才以上の母親の70%は出産時には既婚だった。

10代の母親の50%と20才から24才までの母親の約3分の1は赤ちゃんの父親と別居している。これは高年齢の母親達とは大変異なる数字で、30才以上の母親が赤ちゃんの父親と別居している割合は10%以下である。

インド亜大陸出身の母親達は黒人や白人の母親に比べて子供を生む時点で既婚である割合が高い。

カリビアン系の黒人とアフリカ系の黒人の子供達の内約50%は実の父親と別居している。

パキスタン系とバングラディシュ系の母親達は白人の母親達に比べて若くして赤ちゃんを産む割合が高い。パキスタン系の母親の平均年齢は26才、そしてバングラデシュ系の母親の平均年齢は25才である。

第一子出産時の母親の平均年齢は徐々に上がって来ている。この調査では第一子を出産した母親の内3分の1以上は30代である。1946年にはその割合は8%に過ぎなかった。

10代の母親は近年減りつつあるが、それでも英国では今だに西ヨーロッパで一番高い割合で存在する。この調査では約5%の母親が20才未満だった。

以上が訳で、以下は私の感想です。

この英国の出生率が日本の特殊合計出生率と同じ方法で算出されているのかは不明ですが、同じとすると日本の2003年の1.29よりはずっと高いですね。それでも一人っ子の家庭が増えていたり子供を産まない女性の割合も高いようですし少子化の傾向はありますね。

Asians(インド亜大陸出身の人達)は伝統的な生活の仕方を守っているという感じがします。イギリスに住んでいてもインド亜大陸に住む親戚とは密接な関係を保っていて、最近の大地震でも個人で救援物資を持って現地に住む家族や親戚の救援に向かうAsiansがいました。
 Asiansは相互扶助のためにまたは単に便利だからか固まって住む事が多い様です。ロンドンではタワーハムレッツ市というシティの東やハウンスロー市というヒースロー空港近くに多く住んでいます。イギリス全体ではバーミンガムにある大コミュニティーが有名です。
 バーミンガムでは他の人種との間の緊張感が高まり度々暴動も起こっています。この調査にも関連する事ですが結婚も伝統的なお見合い結婚が多く、しかもその中には親族に勝手に決められた相手に強制的に結婚させられる場合もあるようなのです。
 そしてイギリス、特にロンドンでは国際結婚や異人種の間での結婚が多いのですが、Asiansは自分達のコミュニティー以外の人とはほとんど結婚しません。過去10年に個人的に知っていたり街で見かけたりした片親がAsiansでもう片親が他人種というのは3人だけです。

子供の居る家庭で片親しかいない割合が20%というのは日本より大分高い割合ではないでしょうか。カップルの死別の率は日本とそう変わる事はないだろうし、やはり離別の率が高いかまたは最初からパートナーとの同居を望まない親が多いと言う事でしょうか。
 その次の項目も見ても、まず最初に赤ちゃんが生まれた時点で両親が結婚しているのは過半数に過ぎない事がわかります。母親が若ければ若い程赤ちゃんが生まれた時に未婚だったり父親と別居している割合が高いのはなんとなく予想できる事ですね。
 アフロ・カリビアン系の黒人の子供達の半分が実の父親と別居しているという事実にはその割合のあまりの高さに驚かされました。これは理由は何なのでしょうかね。何かそういう伝統的文化があるのかしらと不思議に思いました。

母親の出産時の年齢も日本と同じく上昇していますね。私の知り合いにも20年間カップル2人だけで暮らして来た後に45才で女の子を出産した女性がいます。その一方で有名なイギリスの10代の母親の率は依然高い水準を保っているようです。
 これについては理由は何なのか調査研究は行われているようですけど、前に長年失業と貧困で苦しむ地域に住んでいて福祉に頼って生活せざるを得ない両親を見て育ち、積極的に得意な事や才能のある事を伸ばして貰えない環境にいるせいだという分析を聞いた事があります。
 そういう希望の持てない生活をしている若い女の子達がやはり自分の母親達がそうであったように、14、5才で妊娠して赤ちゃんを産む事によって初めて人生に生き甲斐、母親業にやりがいを感じる事ができるからだと。なるほどな~と思いました。

イメージバトン 「はな」

marikumaさんからイメージバトンが廻って来ました。

1 バトンを回してきた人のキーワード(連想するもの)を書く。
「はな」です。「花でも鼻でもハナでも構いません!」との事で、私は「鼻」にピピッと来たのでそれについて書いてみます。

あれ、「鼻」と書きましたが正確には私が連想したのは「洟」です。それでも読みは同じだから良いですよね、汚いですけど許してください。私は最近「鼻風邪」をひき、2日間ほど職場でも洟をかみつづけてゴミ箱はティッシュの山でいっぱいに・・・。その時思ったのが「イギリスでは洟をかむ音について誰も気にしないから楽で良いわ~。」でした。
 日本だと特に女性の場合は人前でブーッて洟をかむのはほとんどうっかりオナラが出てしまうのと同じ位恥ずかしいっていう感覚ですよね。もちろん流れ出て来る物は止められないので、ティッシュやハンカチで押さえるようにして静かに拭うのですが。それさえも恥ずかしいと、トイレ等に入ってしっかり処理できる機会が来るまでは永遠に啜り上げ続ける人も居ます。
 イギリスでは洟を啜り続けるよりは一気にブーッてかんでしまう方が本人にも周りにも良いという感覚です。さすがにあまりに大音をたてるのは良くないですが。例えば職場の営業の哲也さん。10メートル先の机に座っている私の所にも彼が洟をかむ音が聞こえてきて、向かいの机の沙弥子さんは「脳みそまで出て来そうね。」と言っていました。
 これ、あるフランス人が言っていたのですが、フランスでは洟を啜り続ける音の方がブーッてかむ音よりもよっぽどみっともないと思われるそうですね。日本の冬の図書館の学習室などは静けさの中に受験生達の洟をすする音があちこちに響きますが、そんな光景を見せたら大ショックでしょうね。他のフランス人のお友達にも聞いて裏を取りたいです。
 日本でも今は多少は事情が変わっているんでしょうか。95年夏にイギリスに来て以来、春や初夏の花粉症の季節には里帰りしていないんですけど、花粉症に悩む人は年々増えているんですよね?そうしたらやむを得ず人前で洟をかまずには過ごせない人も増えているはずで、少しはあの洟をかむ音にも寛容になって来ているのでしょうか。

2 バトンをまわしてきた人に一言。
marikumaさんのブログには確か国際結婚で検索をかけて辿り着いたのですが、ブログ紹介の「おきにいりや気になることをメモメモ。」っていう「メモメモ」っていう表現がまず可愛らしくて好きだなと思いました。その後読者にして頂いているのですが、読み易くも背後にしっかりとした考えのあるmarikumaさんの文章の大ファンです。

3 次にバトンを回す人。
まきさんいかがでしょう。時間があったら受け取ってください。キーワードは何にしようかな~。「かみ」にします。紙、神、髪など漢字はどれでもお好きなように選んでくださいね。

Child of the New Century

Child of the New Centuryというのは政府が出資して行っている大規模なリサーチプロジェクトの名前で、21世紀早々に生まれた赤ちゃんとその赤ちゃんを育てている家族を対象にしています。既に2001年と2002年に一斉調査が行われて、全国1万8千553家族の約1万8千819人の赤ちゃんについての情報が集められました。
 一斉調査の目的はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各地方に住む赤ちゃんと家族の比較、様々な人種の赤ちゃんと家族の観察、家族構成とそれが赤ちゃんの心身の健康に及ぼす影響の調査、子供達の人生最初の年の発達の研究、人々がどのように親になる事に適応して行くかを見る事なのだそうです。
 娘の香蓮は2001年生まれで調査対象になり調査依頼の手紙が送られて来ました。将来の教育や福祉政策の立案に役立てられるという事なので調査に協力する事にしたのです。今後香蓮が大人になって自分で家族を持つ様になる頃まで定期的に一斉調査が行われるそうです。
 ところがこの調査が結構大変なんですよ。前回の調査の時にはまず香蓮に20分程かかる知能テストのような物をして、次に母親の私へ40分以上のインタビュー、最後に父親の夫へ更に20分ほどのインタビューが行われ、結局最初の挨拶やら趣旨の説明など含めて2時間もかかりました。

調査対象の子供とその家族に調査に興味を持ち続けて貰うためと引っ越し等で行き先不明にならないように定期的に調査の結果の速報などが送られて来るのですが、今回第1回目の誕生から生後9ヵ月までの調査報告が一冊の本にまとめられたそうで、そのハイライトを載せたパンフレットが最近届きました。
 それがなかなか興味深いのでこれから5回に分けてそれを訳してみたいと思います。第1回目は「家庭環境」、第2回目は「健康で幸せな両親?」、第3回目は「両親の学歴と仕事」、第4回目は「子育て」、第5回目は「21世紀の赤ちゃん」です。

花火の季節

日が暮れるとともに打ち上げ花火の音が聞こえて来る季節です。広い公園や空き地だけでなく普通の住宅街の庭からも打ち上げるので、まるで戦場みたいな爆発音がすぐ近くのあちこちから聞こえてきます。それが夕方だけではなくて、飲みに行った帰りなのかパーティーの余興なのかは分かりませんが真夜中でも平気で打ち上げる人も居るんです。以前のフラットはヨットハーバーに面し目の前が開けていたので窓から花火を見る事ができましたが、今は住宅街の中なのでほとんどの場合爆発音が聞こえるだけです・・・。
 日本では花火と言えば夏の風物詩ですが、ここイギリスでは11月5日前後に多く行われます。11月5日はガイ・ホークス・ナイト(Guy Fawkes Night)なのです。1605年にガイ・ホークスを中心とする13人のカトリック過激派達が、国会議事堂を爆破し王のジェームス1世と内閣全員を殺害しようと企てました。樽36個分の火薬を国会議事堂に運び入れたものの陰謀の計画は事前に漏れており攻撃は未遂に終わりました。これを記念して毎年11月5日にはたき火(Bonfires)にガイ・ホークスの人形を焼べたり、花火を上げたりするのです。
 日本では夏にはどこのコンビニエンスストア、スーパー、デパートでも花火が売っていますが、イギリスではもう少し規制が厳しくてどの小売店でも売っているという訳ではありません。しかも18才未満の子供には販売してはいけない事になっています。戦場みたいに爆発音が聞こえるのは本物の戦場とは違って11月5日前後2週間と期間限定なのでそれをありがたく思えば良いですが、香蓮が小さかった頃は「寝た子を起こさないで~!」とついイライラしてしまったものでした。
 今年もまた11月5日には防寒をしっかりして、近所の自然公園の中にある築山まで親子3人で打ち上げ花火を見に行こうと思います。360度視界が開けており、3方向はテムズ河に囲まれているので河沿いの遊歩道で打ち上げられる花火をよく見る事ができるんです。ちなみにこの築山は芝生で覆われている為に地元の人には「テレタビーズ・ヒル」と呼ばれています。普段は日暮れ後には決して公園には立ち入りませんが、この日ばかりは他にも人出があって比較的安全なのが分かっているので。

ダヴさんに新しい彼女ができた?

先日の朝家のドアを開けたら階段の踊り場にダヴさんがいました。出勤するために家を出るのがほぼ同時刻なのです。彼は美容師仲間か同じようにおしゃれな男性と新しい彼女らしい女性と一緒でした。ダヴさんはその女性と手を繋いで歩いていたからそうかなと思ったのです。その彼女また日本人っぽいのです!3年間つき合ったという前の彼女は日本人で、その後1回だけ姿を見た女性も恐らく日本人。彼は日本人女性ばかりとつきあう所謂「ジャパ専」と呼ばれる趣味を持つ人なのでしょうか。
 今朝彼と一緒にいた女性もほぼ100%日本人だと思います。なぜ分かったかと言うと出張で来ているのか最近イギリスに到着したばかりなのかは不明ですが、かなり見かけの日本人濃度が高かったからです。ベージュのマックを羽織り、その下から見える白のナイロンストッキングを履いたO脚気味の細い足と黒の細いヒール付きショートブーツの後ろ姿が印象深かったです。ちらっと見えた顔は天皇家のご長女似で、色白のお肌に黒髪のセミロングでした。鼻は高かったような気がしますが。
 彼女はヒールの靴が実は苦手なのか、かなり歩きにくそうでダヴさんに手を繋いで貰っていないとすぐに転びそうな感じでした。バス停に向かう路地で彼女が立ち止まり靴ひもを直し始めた所で私は3人を追い越しました。その時目のあったダヴさんは幸せそうに微笑んでいたのでクチパクで「新しい彼女?!」と聞こうかと思いましたがもし違っていたら気まずいので止めておきました。背後でその彼女が何か言ったのが聞こえて、その母音の強い訛りがら日本人仲間であると確信しました。
 今まで見かけたダヴさんの彼女は若くて背が低くてお化粧が濃くカジュアル系の服装をしていたのですが、今度の女性は少しタイプが違うようです。もちろん性格までは分からないですけど。とりあえず近所に住む者として安心なのは前の晩静かだった事です。以前一晩だけ現れた女性の時は私は熟睡していて気がつかなかったのですが、夫は彼女の夜の行為の時の声で起こされてしまったそうなのです。翌朝それを聞いた私は「その人がステディーな彼女になったらどうしよう!」と心配してしまいました。

女友達と買い物、ランチ、お茶、おしゃべり

日本の福岡在住のお友達、陽子さんが4年ぶりに遊びに来てくれました。前回の訪問は2001年の秋で香蓮はまだ8ヶ月の赤ちゃんでした。その後今まで私も日本には3回里帰りしましたが、実家のある札幌の他には、既に行った事のある東京、神奈川、新潟、京都、奈良、三重にしか行ってないのです。次回は九州や四国などを是非訪れてみたいです。
 陽子さんとは1996年夏のアートカレッジ主催の英語講座で知り合いました。この講座はリーディング、発表、レポートの主題が全部ファインアート、ファッション、デザイン、建築に関する物で面白かったです。秋から陽子さんはビジュアルマーチャンダイズ、私はタイポグラフィーのコースに通い、在学中も卒業後も仲良くして貰いました。

さて今回の陽子さんの訪問のハイライトは昨日の月曜日でした。有給を取ったので2人で一緒に街にでかけたのです。街とは言っても最初に目指したのはピカデリーラインのゾーン3のパーク・ロイヤル駅の側にあるBodenです。通信販売の洋服屋さんなのですが1軒だけ路面店があるのです。
 ボデン主な顧客層はノッティングヒル、ウィンブルドン、ケンジントン、チェルシーなどに住んでいるのになぜこんな辺鄙な所に店を出したかというとやはり貸し店舗の家賃が安いし、実は主な顧客層が住む所からも車でA40という幹線道路を使えばあっという間だからだそうです。堅実な経営ポリシーだな~と感心しました。
 陽子さんはカタログで見て気に入っていたデニムのジャケットを試着。彼女がそれを手にとった瞬間から「いかにも彼女らしいアイテムだ!」と思いました。レジに行ったらポストコードを聞かれて、ロンドン(イギリスかな。)在住だと10%オフという事でした。これなら遠くても1シーズンに1度は商品を実際に見に来ても良いかな。
 ボデンのスタイルはシンプルだけどディテールがかわいらしく、しかも鮮やかで元気な色から彩度の低い落ち着いた色まで様々で素敵なのです。ただし裕福なエリアに住んでいる人達が顧客というだけあり、値段が高めなのです。薄手のボーダーのニットで1万円以上します。なので私は大抵バーゲンの時のみ利用・・・。

その後は街中に戻り、ノッティングヒル・ゲイト駅からケンジントン・チャーチストリートを歩き、以前一緒に行った事のあるThe Churchill Arms (tel 020 7792 1246)というタイ料理を出すパブでビールとパッタイとグリーンカレーを注文しました。ここのタイ料理は大人気で夕食時はテーブルの予約が必要です。
 この大満足の昼食後、ほぼ向かいにあるClarke's (tel 020 7229 2190)というコンチネンタルフードのお店を覗きました。チーズや珍しい野菜などの素材からパンやパイなどの完成品も売っています。陽子さんは自分用のブラウニーを買うついでに香蓮と透用にもおみやげに1つ買ってくれました。

そしておいしいケーキ屋さんの少ないロンドンではなかなかの線を行っているMaison Blancでお茶にしました。昼食の直後だったけどそれでも甘い物が食べたくて、2人でリンゴのミニタルトを1つ食べました。カフェオレがカフェクレームとメニューに載っていて、スタッフの人も皆フランス後でしゃべっていたのでしばしフランスのカフェに居る気分に浸れました。
 2000年の春に一緒に行った南仏のエクス・アン・プロヴァンスやカシスという小さな街の事を思い出しながら。あの時はエクス(以下略)で入った地元の人が普段着で来るビストロでの食事がおいしくて2晩続けて通いました。調理法も味付けももちろんだけど、素材その物の味が良かったです。じゃがいもの風味に感動しました。
 さすが農業国フランスと思いつつその後に行った海辺の小さな街、カシスでは海岸近くのホテルの側のレストランで注文したフィッシュスープがまた感動的においしかったのです。その他に頼んだ物はそれほどでもなかったのですが、洗面器に一杯位出て来たスープ、食べきれないのがくやしかったな~。

Maison Blancの側のL. K. Bennettのショーウィンドーに素敵なベロア生地のピーコックブルーのコートを発見。このお店の洋服は手が届かないと思っていていつもだったら素通りする所でしたが、陽子さんの提案で入って見る事にしたら、以外にもBodenよりも手頃な価格でした。衝動買いしてしまいました、そのコート。
 その後はハイストリート・ケンジントンのお店をいくつか見て、最後にBoden、L. K. Bennettと似た系統の服をずっと低価格で売るKewというお店を見ましたが、陽子さんが指摘する通り、デザインや色合いは似ているけど、かなり渋め、暗めな感じでした。かなり年配の人でも着れるかもっていう位に。

まあ、そんなこんなで久しぶりに陽子さんと昔のように洋服屋さんを見て回ったりお昼を食べたりお茶を飲みつつおしゃべりしたりと、一緒の時間を満喫しました。陽子さんは今朝コーンウォール在住のお友達を訪ねにロンドンを後にしました。パディントン駅から列車に乗って行ったはずです。コーンウォールの田舎の空気、楽しんでね。

イギリスの姓名

イギリス人にとっては日常的に聞きなれていて当り前の姓でも外国人の私にとっては面白く感じられるものがたくさんあります。祖先がどこから来たのか推測できる姓は日本でも多いですが、名のような姓だったり、普通名詞や形容詞と同じだったりするのは日本では少ないと思います。

1)出身地が分かる姓
2)名のような姓
3)普通名詞や形容詞と同じものや、その両方を組み合わせたもの。発音は普通名詞と同じでも綴りが微妙に違うものもあります。

1)の例としてはLloydやLlewelynなど単語の頭に2つLが付くのはウェールズ系です。McDonaldやMcArtherなど姓の最初にMcが付く姓はスコットランド系です。Mcは「某の息子」という意味で、McDonaldは、「ドナルドの息子」、McArtherは「アーサーの息子」ということになります。同じ仕組みでO’NeillやO’Connorなど、O’が付く姓はアイルランド系です。
 私の姓、Ryanはよくあるアイルランド系の姓です。夫の親類は皆イングランドに住んでいますが、家系学が趣味の義理の母に聞いてみると、やはりライアン家の祖先はアイルランドから来ているそうです。世界史で1845年にアイルランドで起こった『じゃがいも飢饉』について習ったの覚えていますか?主食だったじゃがいもに胴枯れ病が発生して大飢饉になり、それに続いて流行したチフスのために1849年までに数十万人が死亡。この災難を逃れるために200万人もの人々がイギリスや北アメリカヘ移民したという。私の夫の祖先もこのじゃがいも飢饉の時にイングランドに移民してきたそうなのです。教科書のページの中の出来事が今の自分に直接繋がった、生きたものとして感じられました。
 イギリスにはたくさんの移民が住んでいるのでそれこそ世界中の国や地域の姓がみられます。私にとって身近な例では義理の姉の姓がScivierで、これはフランス系です。

2)の例としては Mr. Richard、 Miss Angus、Ms. Cliffordなどです。私の姓のRyanもこのタイプです。親がわざと選ぶとは思えませんが、Ryan Ryan という名前も可能なわけです。名としても通用する姓はほとんどが男性のものです。数が少ないけど女性の名のような姓の例としてはTracyがあります。

3)の例としては、Bird、Kitchen、Goodmanなどです。こんな名前があるなら 、Miss Mammal、Sir Bathroom、 Mrs. Badman なんていう人もいるんだろうかなどと考えてしまいます。普通名詞のようでいて微妙に綴りが違うものの例としてはForrest (Forestみたい。)、Wolff( Wolfみたい。)などがあります。

イギリス人にはなぜ私がイギリスの普通の姓を面白がるの分からないようなのですが、Mr. Bright(頭が鋭い)が存在するならMr. Dim(頭が鈍い)はどうなの?と意味が反対の例を挙げると理解して貰えます。やっぱり姓に使われるのは良い意味を持つ言葉のようです。

シュタイナー教育

同僚の皐月さんに来月グリニッジ・シュタイナー・スクールの説明会があるから一緒に行かないかと誘われました。皐月さんは会計部で働いていて2才過ぎの男の子がいます。会計部長の信之介さんは2人の子供をグリニッジ・シュタイナー・スクールに通わせていてその結果に満足しているそうなのです。

私も15年程前にシュタイナー教育に興味があって少し本を読んだことがあり、その考え方には大変共感できるものがありました。例えば子安美知子さんの『シュタイナー教育を考える』はルドルフ・シュタイナーの教育論に重点を置いた入門書ですが、以下の様な一節がありました。
 「成人して、世の中へでていくとき、外の権威に頼ったり、世の中のすう勢に左右されたりしないで、自分自身の内部で考え、その考えたことには自己の感情がこもっており、しかも、その考えたことを実行できるという行為まで伴う、そう言う状態をシュタイナーは『自由』というのです。」
 その他にも「自分の全存在をかけて、世界を全体として捉えようとする人間」になるように育てる、「いつでも自分の位置を見失わない、本質からそれていかない生きかた、そんなものが円を動くオイリュトミー(一種のダンス、体操。)の持っている大事なねらいです。」という所が心に残りました。

しかし・・・。その後に更に一歩進んでルドルフ・シュタイナーの哲学についての本を手にしたのですがこれがとても難解で途中で挫折してしまいました!グリニッジ・シュタイナー・スクールのホームページには学期毎に保護者向けにルドルフ・シュタイナー哲学の理解を助ける為に講話や講義が行われているとあります。
 でも直感的に良いと思っても、深く理解してもいない思想を背景にした学校に子供を送っても良いものでしょうか。それはまるで日本に暮らしていて英語を使えない両親がインターナショナル・スクールに子供を送り込むようなものかしらと考えてしまいます。もちろん学費や送り迎えの問題もありますが。
 夫はまず人名が学校の名前になっているという所から警戒心を抱いているようです。宗教、政治関係の学校かも知れないと。その点会計部長の信之介さんは彼自身はブルネイ人だけれど奥様がドイツ人だそうなので、ドイツ出身のルドルフ・シュタイナーの思想にはなじみがあるのでしょう。

それでも説明会は無料だし、もう少し情報を集めをしたってこちらは何も失う物は無いので出席しする事にしました。その間またシュタイナーの哲学書に挑戦してみようと思います。その日はクリスマス・フェアもやっているそうなので、クリスマスの飾りやらカードやらを見繕うのも楽しいかもしれません。

クリスマス映画製作のアイディア

今年のクリスマスは夫の実家の経営するワイト島のホテルで過ごす事に決まりました。今まで一度も客商売の経験の無かった義理の両親と義理の姉夫妻が今年の初めに購入して経営を始めた所です。これまでも遊びに行った事はあるのですが、どうもホテルの宿泊客用の居間とかバーに座っているのは落ち着きませんでした。また私は寛いでいるとすぐに眠くなるのですが、さすがに誰が来るか分からない公共の場で眠ることはできません。そんな私と夫の訴えに答えてか、義理の両親は今使っている部屋と隣の部屋を繋げてホテル内にプライベートのフラットを作る改装工事をしています。その上クリスマスにはホテルを閉じる事にしたそうなのでゆっくり過ごせそうです。
 クリスマスの過ごし方について職場で夫とインスタントメッセージを使って話していたのですが、空っぽのホテルを舞台に娘の香蓮(4才)と彼女の従姉妹の葵ちゃん(9才)を主人公にショートフィルムを撮影しようと思いつきました。筋はジャック・ニコルソンさん主演の『シャイニング』とウォレスとグルミットの『The Curse of the Were-Rabbit』のパロディー。『シャイニング』に出て来る超能力を持つあの男の子のように香蓮が三輪車代わりにスクーターに乗って人気のないホテルの廊下を行くシーンはどうでしょう。また、その男の子が「RED RUM」(「MURDER」)と言うように、香蓮と葵ちゃんにも何かを繰り返しつぶやいて貰います。そしてそんな2人が予知している不吉な出来事とは・・・。
 やっぱりホラーフィルムが空っぽのホテルとクリスマスの雰囲気に似合いそうです。姪の葵ちゃんは以前『Mangled Body』(『ぐちゃぐちゃになった死体』)という題名のお話を創作していたのできっとこのホラーフィルム撮影計画にも興味を示してくれるに違いありません。

ところで先日サラママさんが既に発見済みの夫のポートフォリオサイト、『グランピー・チャップ』(不機嫌な男という意味。)も是非ご覧ください。

051022_Alex