コロナ禍の山陰地方で何が起こっているのか。

なぜこんなことが起きてしまうのか。

1人の地元民の率直な叫び。

切に読んでほしいです。


いつも当ブログをご覧頂き、ありがとうございます。

公私共に忙しい時期を過ごしていた為、 2ヶ月少々の間ブログを更新せず、また、皆さんのブログにお邪魔をすることもできず、失礼しました!

音信不通だったのでご心配をおかけしたかもしれませんが、僕も家族も元気に過ごしています。

今回お伝えしたいのは表題の通り、当ブログをアメブロから他の場所に移転させます、ということです。

決してアメブロに不満があるわけではありません。ブログを続けていくうちに、よりカスタマイズの自由度が高い環境で運営をしていきたいという気持ちが徐々に強くなってきた為です。

アメブロさんのもとで3年ほどかけて育ててきた当ブログを他に「移籍」させて、またゼロからのスタートにするのは気が引けましたが、最終的には新しいことに挑戦したい気持ちのほうが勝ったという次第です。

アメブロさんには本当にお世話になりましたねぇ。ITに疎かった僕が気軽にブログを始め、ここまで3年間続けられたのは使いやすいサービスを提供してくれたアメブロさんのおかげです。

また、読者の皆様からはいつも温かいコメントを頂けたことが何よりの励みになりました。いいねやコメントが無かったら、こんなに続くことはなかったと思います。映画を愛する人同士の交流が多く生まれたことは他では得難い経験となりました。本当に感謝です!

誠に勝手ではございますが、今後、鑑賞した映画の感想は下記の移転先にて更新をしていきます。仕事と育児の傍ら、どれくらいのペースで更新できるか分かりませんが、お手すきときに覗きに来て頂けると幸いです。

エロ、グロ、ゲス、の基本コンセプトは変えずに行きます!


【移転先】
僕が住むカンボジアでは12月に入ってから小規模ながらコロナの市中感染が発生しています。感染拡大防止のため、国内の映画館はすべて無期限で一時休業となっています。

僕の何よりの楽しみである映画と海外旅行がコロナによって奪われてしまった形で苦々しい思いが続きますが、そんなフラストレーションを「書く」パワーに変えていきたいなと思っています。

日本に限らず、どの国も苦しい状況でお過ごしかと思いますが、皆さんの映画ライフがますます充実することを願っております。

映画館から配信への移行が急加速している昨今ですが、映画館の存続も応援すべく、個人でもできる形で映画界を盛り上げていきましょう!

重ねまして、当ブログを訪れて頂いた皆様、本当にありがとうございました!僕は場所を移してしまいますが、今後ともよろしくお願い致します。




The Poseidon Adventure
1972年 アメリカ
監督:ロナルド・ニーム
出演:ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、キャロル・リンレイ

◼️あらすじ

ニューヨークからアテネを目指して大西洋を運航する豪華客船ポセイドン号が大波により転覆。
船体が上下真っ逆さまになってしまい、多くの乗客たちが救助を待つ中、助けが来る前に自力での脱出を試みる人々がいた。



◼️感想

え?これって宗教映画だったの?

「次回はポセイドン・アドベンチャーをお願いします。パニックものとして有名ですが、宗教映画としての側面もある深い作品なんですよ」

と、丸顔海賊団さんから優しいパスを頂いたので(ありがとうございます)約25年ぶりに観直してみることにしました。

「人間ドラマも充実したパニック映画の傑作」というのが本作の一般的な評価だと思いますが、改めて観てみるとナルホド〜。確かにこれはバリッバリの聖書映画でしたね!


まず、上下ひっくり返った船内がどんどん浸水していく中で、わずかな人々が自力での脱出を試みるという話そのものがノアの方舟を想起させます。圧倒的大多数の乗客が待機して救助を待つという選択をしたにも関わらず、まるで神の啓示でも受けたかのように自力脱出を信じて疑わないのが主人公なのです。

そういう観点で観ていくと、この転覆事故がまるで神が人間たちに課した試練(または怒りの制裁)のように思えてくるのです。これはいかにもキリスト教的な神と人間によるSMプレイだな〜と。

さんざん人間たちを痛ぶって信仰心を試す神はドSでよ、ほんと。

で、「ノア」の役割にあたるのが主人公であるスコット牧師(ジーン・ハックマン)なんですが、これが実に興味深い人物像なんです。


ゴツイ風貌のジーン・ハックマンが牧師の役?似合わね〜、と観る前は思ったのですが、それはまさに作り手の狙い通りでした。

スコットは格闘家とスポーツ選手としての経歴がある異色の牧師という設定なんですな。体育会系の牧師とはなんとも型破りなキャラクターではありませんか。

スコットが牧師として乗客たちに説教をするシーンがありますが、まるで試合前にロッカールームで選手たちを鼓舞しているコーチのようにしか見えないのです。

「苦しい時は神頼みではなく、内なる神に祈れ!
勇気を持って闘え!
神が求めるのは勇敢な者だ!臆病者ではない!
勝つ努力をせよ!神は努力する者を愛する!」

牧師というよりも、その風貌も相まってアメフトのコーチのような男です。


そんな体育会系の牧師が10人に満たない乗客を引き連れて、自力脱出という「正しい道」へと導く過程はそのまま「キリストとその使徒たち」に見立てることもできます。

何しろスコット牧師は千里眼の持ち主かというくらいの超人的な判断力を発揮します。全てお見通しなのか、スコットの「こうすれば助かる!」はことごとく的中するので、もはや神の子レベルです。

このスコット牧師が象徴する「危機に打ち勝つために人々を束ね、導くリーダー像」というものに、

・スポーツマン的
・キリスト的

という二重の意味合いを持たせてあるのが面白いですね〜。スコット牧師はジーザス筋肉クライストなのですな。

そして終盤では、両腕を広げてぶら下がった状態のスコット牧師が神に問いかける場面があります。


様々な難関により乗客が1人また1人と命を落としていく展開(神が与えし試練)に、「神よ!どれだけ人間に試練を与えれば気が済むのか!この人たちが救われるのなら私が犠牲なろう!」という旨を訴えます。

これは磔にされたキリストに見立てられていることが明白です。普通に観てもここは本作中で最も胸を打つ場面ですが、このような聖書メタファー(難易度は中級?)が隠されていることも鑑みると圧巻、の一言。

そして「使徒たち」には「天からの救い」がもたらされるところで映画は幕を下ろします。

思うに、1950〜1960年代は『十戒』や『ベン・ハー』などに代表される聖書をモチーフにした映画の全盛期でした。それが1970年代にはニューシネマなどの現実的で暗さのある映画の隆盛によって鳴りを潜め、聖書映画は終わったジャンルと見なされていました。

しかし、パニック映画という新たな装いにて復活を遂げた聖書映画が本作ではないでしょーか。

勿論そんなことを気にせずに、パニックと人間ドラマだけでもかなり面白い映画なので、本当によく練られてあるなぁと驚嘆するばかりです。

一応、書いておきますが、僕の信仰はキリスト教でありません。強いて言えばカンボジア仏教です笑。

僕の評価:8点/10


聖書メタファー初級編の映画はこちら



Climax
2018年 フランス、ベルギー
監督:ギャスパー・ノエ
出演:ソフィア・ブテラ、キディ・スマイル、ロマン・ギレルミク、スエイラ・ヤクーブ

◼️あらすじ

人里離れた廃校で合宿を行うのは22人の若きダンサーたち。ダンス公演のリハーサルを終え、打ち上げパーティーに興じる。
しかし、ふるまわれた酒の中にLSDが混入していたことから、皆が錯乱状態に陥り、現場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。



◼️感想

鬼畜監督ギャスパー・ノエが『テラスハウス』を撮るとこうなる、みたいな(笑)。


僕が思うに、本作と恋愛リアリティ番組『テラスハウス』の共通点は下記の通りです。

・ひとつ屋根の下、若い男女たちが共同生活

「素人と芸能人の中間のような出演者」を起用しているのが共通してますね。本作ではソフィア・ブテラ以外は演技経験のないダンサーばかりを起用しており、「手が届きそうな」人物たちによるリアリティを醸し出しています。とは言ってもみんなそれなりに容姿は良いんですけどね。本作は男女22人なので、人数過多ですが。

・限定空間で入り乱れる愛憎劇

若い男女たちが共同生活しちゃったら、そりゃ〜もう色々ありますって!観客の覗き魔的な好奇心をグリグリと刺激する要素がタップリです。今夜はあいつとヤリたいとか、お腹の子は誰の子か分からないとか、収集のつかない人間関係が展開されます。

・「台本がない」

『テラスハウス』はこの点が色々と批判されていますが、建前としては「台本なしのリアリティ」というコンセプトでやっています。本作もまた大まかな展開だけ決めておいて、台本無しのまま、演技経験のないダンサーたちによる即興で細部を作り上げていったそうです。

(こじつけですが)以上の共通点があることから、ギャスパー・ノエが「これが俺のテラスハウス」と言ったかどーかは分かりませんが、本当にそう見えてくるから不思議です。


もちろん、そこはノエなので、ドラッグ、中絶、近親相姦、幼児虐待、といったお馴染みの要素が散りばめられています。また「道を踏み外し、人生の破滅へと向かう」という物語展開はいつもと同じです。

なので、酒池肉林、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する『テラスハウス』だと思って下さい。

それでいて、どこか空虚な感じというのが両者ともに似通っていますね。『テラスハウス』はもともと虚構性の強い作風だったので中身が無いのは当然なのですが、本作は従来のノエ映画に比べるとテーマ性やメッセージが希薄に感じられます。

それはノエ自身がインタビューで語っているように、本当に「酒とドラッグは恐ろしい(笑)」程度のものなのかもしれません。


実際に本作はテーマ性やメッセージよりも表現やスタイルのほうに重きを置いている感が強く、ある意味では肩の力が抜けたノエ映画という印象があります。

ではどのような表現・スタイルになっているかと言うと、本作はノエのミックステープ的な作品だということです。

タランティーノが自分の好きな映画を引用しまくって、ごちゃ混ぜにして再構築するのと同じような手法ですね。DJ的、サンプリング的と言ってもいいかもしれません。

具体的には、女性が発狂して奇声をあげながら地面をのたうち回るのは『ポゼッション』(1981)だし、赤や緑の大胆な照明は『サスペリア』(1976)、登場人物が自らの腹部を切りつけるのは『切腹』(1962)からの引用と思われます。

で、これらの引用元は作中でも堂々と公開されています。ダンサーたちへのインタビュー場面でテレビの右側にドッサリ積まれたDVDがこれらの映画というわけです。


このように正々堂々、元ネタをバラすあたりはミックステープ的であり、タランティーノ的だなぁと思いますね。

音楽はダフト・パンク、エイフェックス・ツイン、ジョルジオ・モロダーなどの2000年以前のテクノ楽曲の数々が並べてあるあたりはそのまんまDJ的な表現だと思います。

個人的にはテクノとホラーは相性がいいと思っていたので、こうしてテクノホラー映画を撮ってくれたノエには感謝です。

僕の評価:7点/10


本作に引用された『ポゼッション』についてはこちら


カンボジア、シェムリアップに移住してから2年半が経過しました。

その間に家を建てて、結婚して、子どもが産まれてと、月日はあっという間でしたね。

さて、今回は【僕がカンボジアで生活して1番、不便に感じたこと】について書きます。

日本の暮らしに比べたら、カンボジアは何もかもが不便そう…。

というのが一般的なイメージだと思いますが、個人的には日本よりも快適に暮らせています。
(地元の秋田と、長く暮らした東京が比較対象として)

・一年中温暖な気候

・ハリウッド映画の劇場公開は日本より早い

・満員電車の通勤(痛勤)なし

・物価が安い

・のんびり穏やかな人々

などなど、良い点はたくさんあります。
逆に不便だと感じることはほとんどありません。

1つ挙げるとするなら、日本語の本が手に入りにくい。これに尽きますね。

僕はもともと本が好きなのですが、特に海外にいる時は日本語の本に飢えます。

しかーし、アンコール・ワットのある街シェムリアップでは日本語の本を扱うお店はほぼ無し。旅行者が置いていった古本が辛うじてあるくらいです。

首都プノンペンのイオンモールには紀伊国屋書店が入っており、幅の狭いラインナップの中から購入することもできますが、わが町からは車で6時間もの長距離デス。

なので、読みたい本がある場合はアマゾンで購入して、実家に送りつけて(笑)まとめて国際郵便で送付してもらうということを今までやってきました。

こんな感じでどっさりと。


送料と時間をかけてでも手にしたいのです。

電子書籍にしろよ?

いやいや、紙の本が好きなんですよ。
好きな本は手元に置いておきたいんですよ。気になった箇所に蛍光ペンで線を引いたりしたいんですよ。

もちろん電子書籍も試してみましたが、スマホだと集中して読むことができませんし、味気ないなぁと。

ただ…。本を国際郵便ってのは送る方も、受け取る方もお互いに手間だよなぁ…と最近になって思い始め。

試しに、電子書籍リーダーを買ってみました。

これも時代の流れだし、海外在住だったら割り切りも必要かということで、渋々ですけどね。

購入したのはコチラ。


Kindle Paperwhite(第10世代)8GB 広告つき

Amazonのタイムセールで3,000円引きだったので、買ってみっか、と。

【良い点】
・薄くて軽いので実物の本に比べて手が疲れない。
・画面表示は本のような優しい質感。
・画面の明るさはスマホのようなドギツイ感じではなく、ふんわりと目に優しい。
・文字の白黒反転モードがあるのも状況に応じて使い分けができて良い。
・防水性能


【ここがイマイチ】
・電子書籍は全て白黒表示。オリジナルの表紙がカラーでも、白黒表示。雑誌には不向き。
・電源ボタンが本体の真下にあって押しにくい位置。
・デザインがやや古臭い。画面の外枠の幅が広すぎて。
・タッチパネルの反応が鈍い。気に入った箇所に線を引く(ハイライト機能)はスマホアプリ版よりも反応が悪い。


今のところは概ね満足していますが、果たして本のニューノーマルとして僕の中で定着するのか、飽きてしまうのか。どうですかねぇ。

電子書籍が定着したら、カンボジア生活で不便なことはほぼ皆無になります。