多逢聖因 ― ひとは、 邂逅によりどこまで成長できるか (7)
ここから、 地球の将来。
現在の地球は、 海に覆われ自然も豊かではある。
しかし今後数十億年の間には、巨大隕石の衝突
あるいは、大陸移動に伴う火山活動や気候変動など
による大量絶滅が起きる可能性も高い。 約10
億年後には人類滅亡の可能性もある。
また、未来にはプレート運動が停止し、 海洋は
マントルに吸収されて失われていく。いずれは、
現在の火星のような姿になると予想されている。
そして50億 – 70億年後には太陽が主系列星
段階を終え、 地球の公転軌道に近い大きさに
まで膨張する。 地球自体は太陽に呑み込まれ
るか、そうでなくても表面は融解して誕生時の
ようなマグマオーシャンに覆われる。 太陽が
燃え尽きた時に地球がまだ残っていれば、
そのまま白色矮星になった太陽と共に冷えて行く。
T氏はこのように宇宙の歴史に関心を持ち、
広大な俯瞰図の中で地球を、 人間を、社会を、
国家を捉える。 また、鍼灸師としては、 患者
を全人間存在という観点から捉えるため、 対処
療法とはならず、的確で患者からの信頼は絶大な
ものがある。 先日もふとしたことでとある無農薬
コーヒー店に入り、店主とT氏の話の中で是非自分
も診て欲しい、他の患者も紹介したいということに
なった。 氏のパワーに引き寄せられるように確実
に患者は増えていっている。
宇宙に関する考察を終え、 書斎から出て、 青年
が去って行ってもとの静寂の中にある応接室に入る
と、外のベランダに伸びて来ているムラサキシキブ
の枝にめじろがやって来ていた。この別荘地の周辺
には色々な野鳥がおり、庭木の椿や梅の花の蜜を求
めてくる小鳥達を眺めるのも一日の憩いのひととき
である。
一階に降り、キッチンでコーヒーを入れ、 二階の
応接でクラッシック音楽を聴きながら、 一服して
いたとき、 玄関の呼び鈴がなった。
腰痛を患っている患者の訪問であった。老人を意識し、
一階に作った施術室に案内し、 いつものように脈診
から始めた。 勿論、 基本は四診の「望」「聞」
「問」「切」診であるが、 「望」「聞」「問」は
既に十分行い、様子がわかっているので、 いつもは
脈を取り、 五臓六腑のバランスをチェックし、
治療を行うのが常であった。
患者、 「先日の治療で腰が大分楽になりました。
言われたようにお灸もしています。」 T氏、
「加齢により、腰痛が起こり易いですが、お灸はその
痛みを和らげ、正常に戻す力があります。 よく、
灸は病を治し切る力があると言われています。」
そして、T氏は若いときの物語を語り始めた。 氏と
東洋医学との出会いは、 なんと36年前に遡り、
癌研究を20歳の頃より行い、治療体系を確立していた
漢方医・K氏との出会いがあった。玄関先には、
「東洋医学研究所」という看板が掲げられていた。
K氏は東洋医学は勿論のこと、 政治経済にも明るく、
新聞社によく電話をして社会を動かす提言をしていた
のを思い出す。 T氏とK氏は深い認識力に於いて
共通点があった。 T氏は前述の如く、 20歳のとき
実体・価値・実行の哲学が完成し、 K氏は同じく20
歳のとき、 同一の哲学に基づき癌研究を開始したと
いう運命的な符合性、 この出会いがなければT氏の
鍼灸師という人生は存在しないと言っても過言ではない。
更なる共通性は、 T氏も鍼灸師という東洋医学だけに
止まらず、 作家、 新聞記者、ビジネスコーディネー
ターという多様性を持っているということである。
今日もそうであったように、 患者はT氏の思い出話を
一通り聞くことも必要であった。その話は興味深く心待
ちにしている患者もいた。 それは、 T氏の東洋医学
の歴史であり施術に対する信頼感につながる内容でも
あったのだ。
多逢聖因 ― ひとは、 邂逅によりどこまで成長できるか (6)
●新生代(約6500万年前 - 現代)
霊長類の出現。
30)約5500万年前、 初期の霊長類・
アダピス類出現。(約7000万年前に
北米に出現したプレシアダピス類のプルガ
トリウスを最古とする考え方もある。)
31)約4000万年前、 南極大陸で氷河の
形成が始まり、徐々に寒冷化。
(これ以前は非常に温暖な時期だった。)
32)約2500万年前、 アルプス・
ヒマラヤ地帯などで山脈の形成が始まる。
テチス海が消滅し、造山運動により隆起。
33)2500万年前、 最古の類人猿と思わ
れる化石がアフリカのケニヤで発見された。
34)約2000万年前、 現存する最古の湖の
形成。バイカル湖、タンガニーカ湖。
35)1600万年前頃、 大和三山の内の畝傍山
や耳成山、更に二上山もこの頃火山活動していた。
36)約1500万年前、 ヨーロッパに隕石が落下、
クレーターを形成する。
37)1300万年前、 この頃からヨーロッパ、
南アジア、東アジアなどユーラシア各地にも
類人猿の化石が現れる。
●1000万年前 ~ 100万年前
38)1000万年~500万年前、 アフリカで
グレート・リフト・バレーの形成が
始まる。 (人類誕生に大きな影響を与えたと
する説がある。)
39)約600万~400万年前、 琵琶湖の形成。
(琵琶湖は世界に現存する湖の中では3番目に
古い湖と考えられている。)
40)約600万~500万年前、 ヒトと
チンパンジーに分化。ヒト亜科とチンパンジー
亜科の分岐。猿人の出現。 直立二足歩行の開始。
(アウストラロピテクス(猿人)が最初の人類と
される。)
41)約250万年~約180万年前、 石器の使用
始まる。
●100万年前 ~ 10万年前
42)約78万年前、 最新の地磁気の逆転。
地球磁場は10~100万年ぐらいの不規則な周期で
何度も逆転している。
43)約70万年前、 10万年周期の気候変動が見られ
るようになる。
44)約50万年前、 北京原人出現。
45)約23万年前、 ネアンデルタール人出現。
(この頃、 温暖期のピーク。 この後、緩やかに
寒冷化へと向かい、14万年前頃に氷期のピークと
なった。)
46)約20万-19万年前、 ホモ・サピエンス
(現在のヒト)出現。(アフリカに出現、
アフリカ女性のミトコンドリア)
47)約14万年前、 氷期(リス氷期)のピーク。
この後、急速に温暖化へと向かった。
48)約13万-12万年前、 温暖期のピーク。
(現在よりも温暖であったと考えられている。
この後、 急速に寒冷化し、約11万年前頃から
緩やかに上下を繰り返しながら徐々に氷期へと
向かった。)
●10万年前 ~ 1万年前
49)約10万年前、 現代人(ホモ・サピエンス)
がアフリカを出て世界各地に拡がった。
50)約2万2千年前、 ナイアガラ滝の形成が
始まる。
●1万年前 ~ 現在
51)約1万年前、 最後の氷期(最終氷期)が終わっ
たとされる。
52)約1万年前、 農耕革命(農耕の開始)。
人類史上、重大な事件の1つとされる。
日本、縄文時代へ。
多逢聖因 ― ひとは、 邂逅によりどこまで成長できるか (5)
●先カンブリア時代(46億年前~5億4200万年前)
1)46億年前、 地球誕生。 原始地球の形成。
2)44億年前、 海の形成。
3)40億年前、 原始生命の誕生。
4)38億年前、 真正細菌(バクテリア)と古細菌
(アーキア)の出現。
5)32億年前、 光合成をする生物が現れる。 藍藻
(シアノバクテリア)。
6)27億年前、 藍藻(シアノバクテリア)が大量発生。
7)21億年前、 真核生物出現。
8)25億年前、 縞状鉄鉱層の形成。
9)24億年前~22億年前、 最古の氷期。
10)20数億年前、 大気中の酸素の増加。
11)20億年前、 最古かつ最大の小惑星衝突。
12)20億年~19億年前、 最初の超大陸
(ヌーナ大陸)出現。
13)9億年前~6億年前、大規模な氷河時代で
あったとされる。
14)10億年~6億年前、 多細胞生物出現。
15)6億年前、 カンブリア爆発と呼ばれる生物の
多様化が起こる。
●古生代(約5億7000万年前 - 約2億5000万年前)
16)約5億3000万年前、 三葉虫などの生物出現。
17)4億3000万年前、 生物の大量絶滅。
18) 4億年前、 陸上植物出現。 アンモナイトが現れる。
19)3億6000万年前、 生物の大量絶滅。
20)3億5000万年前~2億5000万年前、大規模な
氷河時代。
21)3億年前、昆虫が拡大。 ゴキブリも出現。身近な
生きている化石とされる。
22)2億5千万年前、 生物の大量絶滅。
地球史の中で何度か生じた生物の大量絶滅の中で
最大。
絶滅率: 海生生物95 - 96%
全ての生物種90% - 95%
●中生代(約2億5000万年前~約6500万年前)
恐竜の出現。 中生代を通して恐竜が繁栄。
23)2億2000万年前、 生物の大量絶滅。
24)2億2000万年前、 マニコーガン・
クレーターの形成。カナダにある北アメリカ最大の
クレーター(直径約100km)。
25)2億年前、 パンゲア大陸の分裂がはじまる。
大陸移動説、プレートテクトニクス説による。
2億5000万年前頃に諸大陸の衝突で1つに固まっ
ていたパンゲア大陸が再び分裂をはじめ、現在の
大陸の姿へと徐々に変化しはじめた。
26)1億5千万年前、 始祖鳥。
27)2億年前、 哺乳類の出現。
●1億年前 ~ 1000万年前
恐竜の全盛時代。
28)約7000万年前、 インド亜大陸と
ユーラシア大陸の衝突。(約2500万年前頃から
ヒマラヤ山脈の形成が始まった。)
29)6500万年前、 生物の大量絶滅(白亜紀末)
この頃、恐竜が絶滅。隕石の落下による環境の
激変が原因。