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中国紀行文(2) - 国作りのメッセージ(結び)

清く正しく明るく直い(清明正直)というのは古代神道以来の精神であり、 日本人の精神の真髄でもある。 日本人は昔から、 清らかなもの、 明るい世界、 赤々としたもの、 正しいもの、 真っ直ぐなものを好んできた。 これは現在の人たちでも変わらないだろう。 先人たちの努力によって日本独自の文化や感性がつくられてきたわけだが、 同時に世界中から衆知を集めてきたことにより日本の文化や感性はさらに豊かになった。 独りよがりな自国の力だけではない、 他国の文明の力も大いに借りていこうということである。 


わたしたちの願いは、 この歴史と文明を受け継ぐものとして、 物心両面で豊かな国を築き、 自らの知恵と力でこれを守り、 美しく豊かで平和な日本を幾久しく次代へ受け渡し、 そして、 この日本の力を世界の安寧のために役立てていくことにこそある。


ここには世界の発展に寄与するという日本の決意が表れている。 日本の良さを単に過去から受け継いでいくだけではなく、 それを世界の繁栄のためにも活かしていこうということである。 日本だけが栄えればいいのではない。 世界をともに繁栄させていくことに日本の使命もある。


わたしたちは「ひとの幸わう国」をめざす。 わが国の力の源は、 ここに住まう「ひとの力」にこそあった。 道義が栄え、 教育が栄え、 諸々の技芸が栄え、 知恵が豊かにあふれる国。 人びとが自由のうちに自らの天分を追求し、 実現させていくことができる国。 万機を公論に決する民主主義の伝統を堅持し、 国民がお互いの知恵を持ち寄って進むべき道を切り拓いてゆく国。 それがわが国のあるべき姿である。 またわたしたちは、 これらの諸価値を重んずる諸国民と手を携え、 より広く「ひとの幸わう世界」をつくりあげることに貢献していきたい。


ひとの天分を最も大事にするというのが「ひとの幸わう国」である。 ひとは生まれてきたからにはそれぞれに天分がある。 それを最大限発揮させていこうということである。 ここには民主主義という言葉も入っているが、 日本は西洋から教えてもらって民主主義を学んだのではない。 もともと日本には仏教的平等精神に基づいた、 「和を以って貴しとなす」のような日本型民主主義と呼ぶべきものの伝統があった。 平和と平等の精神に基づいて諸国民と手を携え、 より良き世界の実現に貢献するのである。


わたしたちは「いのちの幸わう国」をめざす。 日本人は、 この豊かな自然の生きとし生けるものと共に生きる精神を培ってきた。 この叡智を生かし、 わたしたち各々のいのちを相互に尊重すると共に、 かけがえのない地球のいのちを守っていくことこそ、 わたしたちの崇高なる使命である。


日本人は今も昔も自然と共生しながら、 あらゆるところにいのちが宿るということを認識してきた。 日本の文化や伝統、 芸術はそうした認識を背景にして生み出されてきた。 石のような無機物にさえいのちを感じる国民であり、 これからもその精神を大事にしたい。 同時に、 大気汚染や森林伐採などで生態系が破壊されて地球環境が悪化していかないように、 しっかりと貢献していこうということである。


わたしたちは「和の幸わう国」をめざす。 日本書紀がいまに伝える「憲法十七条」が、 「和を以って貴しとなす」の一文からはじまるように、 いにしえよりわたしたちは、 「和」の精神を重んじてきた。 わたしたちは、 これからも和を貴ぶ国であることを誓い、 また、 この精神のもと、 和の先導者として国際平和の実現に力を尽くすことを誓う。 


「和を以って貴しとなす」という聖徳太子の憲法十七条があるように、 日本では基本的に競争より調和を重んじる。 会議でも自己主張だけをして終わりではなく、 話し合いによって調和のとれた結論を導き出さなくてはならない。 皆で調和するという日本の良き特質を世界の平和にも役立てていくのである。


この国家理念は日本の歴史という時間の縦軸と世界の地理的空間の横軸によって構成されている。 縦軸には過去とつながる現在があり、 今、 日本が大事にしている諸価値もまた過去から伝えられてきたということである。 それを強く自覚する必要がある。
また、 横軸は、 私たちの豊かな日本文明を独善的に護っていくだけではなく、 それを世界の繁栄と平和のために活かしていこうということである。 そこに私たちの使命がある。 「ひと」「いのち」「和」の幸わう国という形で、 三つの目標を掲げている。 この三つの違う種類の特質をあえて主張し統合して、 日本が世界に提供するということである。


フランス革命においては、 自由、 平等、 博愛という理念を打ち出して、 それを世界中に広げていった。 これからの日本にも、 「人」「命」「和」という日本的な目標を、 普遍的なものとして世界に広げていくという営みがもとめらるのではないだろうか。 日本人はもっと自信を持って、 「人」「命」「和」の素晴らしさを世界に対して訴えかけていくべきであろう。


以上が8月28日に天から届いた「国作りのメッセージ」である。 日本人として傾聴する価値があると思う。 また、 日本国を思うとき、 古事記・日本書紀を紐解くことも大いに意味あることである。 


政権交代がなされた今、 私の心の中ではこの「国作りのメッセージ」が爽やかに木霊している。


― - - 中国紀行文(3)につづく

中国紀行文(2) - 国作りのメッセージ

上海に着くと、 まず、 日立造船株式会社・上海事務所に向った。 その事務所は浦東新区浦東南路1088号中融大厦9階にあった。 とても愛想のいい人が出て来て、 応接室に案内された。 自己紹介の後、 環境ビジネス関連の話題へと入っていった。 日立造船株式会社は世界に冠たる技術力を有している。 今後のプロジェクトに参画願うことになると思う。 応対願った人物は日本でトップの「東京工業大学」(理系では、 中国の精華大学と同じように、 東大より上位にランクされている)留学出身者ということがわかり、 最初中国語でのやり取りであったが、 日本語も交え楽しい歓談となった。 中国世界遺産「黄山」の話題も出、 彼もとても好きな山で、 何回も登ったことがあると言う。 しかも、 頂上まで徒歩で。 この「黄山」には、 今回の旅行で私も登ったので、 後程詳しく述べることとする。 
― - - サブタイトルに「国作りのメッセージ」と記したように、 紀行文を一時中断して、 この話題を書きたい。 政権が民主党に交代した歴史的な瞬間に今あるからだ。 実は、 8月28日に天から「国作りのメッセージ」が届いていた。 その一端をご紹介したい。


そらみつ 大和の国は 皇神の厳しき国 言霊の幸わう国と語り継ぎいい継がいけり


「神代欲理 云傳久良久 虚見通 倭國者 皇神能 伊都久志吉國 言霊能 佐吉播布國等 加多利継 伊比都賀比計理」『万葉集』巻5-894) 山上憶良(702年の第七次遣唐使船に同行し、唐に渡り儒教や仏教など最新の学問を研鑽する。帰国後は東宮侍講を経た後、伯耆守、筑前守と国司を歴任しながら、数多くの歌を詠んだ社会派歌人)の好去来好の歌。」


― 山上憶良は好去来好の歌を遣唐使に捧げたが、 自らも遣唐使だったので、 海外に派遣される留学生に対して、 「日本は、 皇神の厳しき、 言霊の幸わう、 誇るべき国だから、 唐に行ってもけっして臆することはない」と助言しておきたかったようだ。 敷衍すれば、 「日本は中国に劣らぬ立派な国だから、 その誇りを抱いて中国で学び、 中国の文物を持ち帰ってきなさい。」ということであった。


日本最古の歌集、 万葉集にあるこの歌が、 わが国が長い歴史を通して、 豊かな文明を築き上げてきたことを教えてくれている。

先祖を敬い、 家族を大切にし、 自然を畏れ、 清く明るく正しく直い心を重んじてきた先人たちの歩みにより、 わが国ならではの自然観、 倫理観、 宗教観が形づくられてきた。 また、 豊かな感性のもとに多様で優れた文化芸術が生み出され、 磨き上げられ、 守り伝えられてきた。 さらにわが国では、 諸外国の優れた文物を積極的に受け入れ、 広く世界の衆知を集めることにより、 つねに自らを高める努力が積み重ねられてきた。

― - - つづく

中国紀行文(1) ー 7月30日(木曜)

関空から上海に向う飛行機の窓から中国地方(岡山から広島辺り)を見下ろし思ったことがあった。(7月30日) それは、 日本は未だ緑に覆われ美しいということであった。 来る8月30日には衆議院選が行われ、 間違いなく政権は変わると思う。 勿論、 国民の期待は大きい。 良くはなるだろう。 しかし、 自民党政権は長きに亘りいい加減な、 無責任な国の舵取りをやって来たものだ。 最大の責任は借金国にしたことだ。 このため老人が、 弱者が人生に行き詰まっている。 人の命が軽んじられている。 「命が粗末に扱われる。」 これが一番の問題だ。 何故ならば、 命あっての人生であるからだ。
日本人の命の保障、 それは「自給自足」とも深く関わってくる。 食糧が断たれたとき何が起こるか。 そこには生命はないのである。 そう思うとき、「自給自足」のシステムを崩壊させた政府の責任は大きい。 このことの意味を理解している国会議員がどれだけいるか、 また、 日本国の問題点を把握できている国民がどれだけいるか。 この辺りが今後の日本を予測するポイントであるような気がする。 このようなことを関空を飛び立って間もない頃考えていた。 2時間余りで上海浦東国際空港に着いた。

― - - つづく