宇宙(6)
詳しくは述べられないので、 大枠(フレームワーク)につき説明したく思う。 全世界に適合するフレームワークは現段階では難しいであろう。 何故ならば、 この地球上は国家単位で構成されているからだ。 今までの歴史を辿っても、 小国家、 大国家の差はあるにせよ、 構成単位別に発展してきた。 近々の状況から俯瞰すると、 世界の基軸通貨米国ドルが世界の中心にあり、 アメリカ中心の経済システムで世界経済は成り立っている。 しかし、 最近次に述べるような不都合が起こってきた。 『「サブプライムローン問題以降、米ドルの価値が下がっていろんな国に影響がでている。 例えば中東の湾岸産油国では最近のドル安でインフレがひどくなり、イランのアフマディネジャド大統領は「ドル紙幣は価値のない紙くず」と批判。 これは極端な意見だとしても、いろんな国から「ドル」の地位を疑問視する声が出ているのは本当なのだ。
でも何故米ドルがほかの国に影響を与えるのか。 その理由は米ドルが世界の「基軸通貨」だからだ。 この基軸通貨とは、国際間の貿易や金融取引などに広く使われ、各国中央銀行の外貨準備預金の積み立てに利用される通貨のことをさす。 そのため、おもな国の通貨は米ドルに連動していて、たとえば、米ドルが上がると日本円やユーロや英ポンドなどは下がり、米ドルが下がると日本円やユーロや英ポンドは上がる。 文字どおり、世界経済の基準・中心となっているのが米ドルという基軸通貨なのである。
もっとも、米ドルも最初から基軸通貨だった訳ではない。 もともと国際金融の中心にいたのは英国で、英ポンドが基軸通貨だったのだが、第1次世界大戦後のインフレや大恐慌で欧州経済が疲弊。 一方、戦争をきっかけに大きな経済力を持ったのが米国で、特に第2次世界大戦後、世界の復興需要を補える生産力を持っていたのは米国だけだった。 そこで戦後、米国が各国に米ドルの金兌換を約束。 金と紙幣をあるレートで交換する金兌換制度があった当時、ドルを持っていれば常に一定額の金との交換が保証されたため、共通の決済通貨として利用しやすくなり、いろんな国がドルを持つようになったのだ。 それが米ドルが基軸通貨となった大きな要因という訳だ。
とはいえ、その後「ニクソンショック」(1971年)によって金兌換制度は停止し、通貨制度は変動相場制に突入。 最近では将来的にユーロが基軸通貨になると言われたりと、米ドルの地位は決して安泰ではない。 因みに、アジア圏では人民元が基軸通貨になるかもしれないという見方もある。」云々。 』
上述の如く、 世界は現在パワー(経済力・技術力・軍事力等)バランスで均衡が保たれている。 最近のノーベル平和賞がオバマ大統領に授与されたことでもわかるように世界のバランスは「平和」に向いつつある。 そこで日本が「平和」を世界の基軸とする方向に大提案ができないものかという発想も生まれてくる。 また、 日本は「環境」をキーワードとする「環境技術力」も有している。 かように日本は地球の将来を左右するパワーを持っているのである。
― - - つづく
宇宙(5)
日本の取る方向性。 政府も含む有識者は勿論真剣に探っているだろう。 その現れの一つとして昨日の日経新聞の一面の記事がある。 それは、 一条の光りを感じさせてくれる内容であった。 「オバマ政権のアジア政策と今後の日米関係を探る」シンポジウムが東京・大手町の日経ホールで開催されると言う。 日本経済新聞社と米国の戦略国際問題研究所(CSIS)主催で。 その講師に迫力を感じた。 ジョン・ハムレ元米国防副長官(CSIS所長)、 リチャード・マイヤーズ元米統合参謀本部議長(元在日米軍司令官)、 ジョン・ポデスタ元米大統領主席補佐官(オバマ政権移行チーム共同議長)、 リチャード・アーミテージ元米国務副長官(CSIS日本部長)、 石破茂自民党成長会長、 長島昭久防衛政務官の面々である。 しかし、 ここで重要なポイントは、 米国の戦略に飲み込まれてはならないということである。 一条の光りを感じるというのは、 米国のアジア政策の中で日本の存在を認めているように思えるからである。 ここで日本の戦略は如何なるものか。 それで方向性が見えてくる。 しかし、 日本の方向性は国民に示されてはいない。 国民は信頼し、 見守るしかないのか。 或いは、 国民の提案を受ける手立てがあるのか。 歴史的な重要なポイントに今あることは間違いない。 日本国民の将来がかかっている。 前述の「リーマン・ショック」の話題が示すように、 従来の経済システムが世界全体を混乱に陥れた事実を正面から受け止め、 新たなシステム提案が求められている。 米国主導ではなく、 全世界のバランス、 全世界の繁栄を目的とする新システムが。 ここでそれを語ることはできない。 世界のパワーバランスは単純ではないからだ。 しかし、 何らかの方法で輝ける日本にしていきたいものだ。 日本人であるから。
- - - 物語りは続く。
宇宙(4)
日本国を立て直そうとするとき、 一番に注目しなければならないのは、 アメリカの動向である。 読者は、 「リーマン・ショック」という言葉をご存知だろうか。 ここに大きな教訓がある。
リーマン・ブラザーズ (Lehman Brothers) は、アメリカのニューヨークに本社を置いていた大手投資銀行及び証券会社。 ドイツから来たユダヤ系移民、ヘンリー、エマニュエル、マイヤーのリーマン兄弟によって1850年に創立され、米国第四位の規模を持つ巨大証券会社・名門投資銀行の一つとされていたが、2008年9月15日に連邦倒産法第11章(日本の民事再生法に相当)の適用を連邦裁判所に申請し倒産した。世界金融危機顕在化の引き金となり、世界経済に大きな影響を与えた。 日本もこの影響を諸に受け、 現政権も四苦八苦している有り様である。
また、 世界不景気の真因はリーマン・ショックではなく、投機的な金融事業が膨らみすぎたことにあるとも言われている。 リーマンやゴールドマンなどの投資銀行や陰で儲かるヘッジファンドは巨額な借り入れをして、借り入れた資金で短期的な利益を追求する投機に必死であった。 借り入れた資金(レベレージ)を使って投機をすると勝った場合の利益が増えるが、 負けた場合の損失も大きくなる。 投機は真の価値を生まないゼロ・サム・ゲームであるから、生産的な事業に使えるはずだった資源を無駄にしてしまう。 なおかつレベレージがかけられていると、 金融制度を不安定にさせるリスクもある。
金融業はなぜこうした無責任なことをするのか。 人間の強欲ももちろん一因だが、 インセンティブの問題もある。 投資銀行やヘッジファンドは有限責任の法人であるから、 利益が出た場合は株主と経営者は制限なく儲かることができるが、 損失を抱えた場合は株主と経営者は個人の財産が保護される。 これでインセンティブが歪んでしまう。 ぎりぎりのところまで資金を借り入れて投機をして、 儲かった利益を速やかに株主と経営者に分配する。 それから危機が起きて会社が破産したとしても、 有限責任であるから株主と経営者は以前分配された利益を取られることはない。 こうしたインセンティブが存在すれば無責任な投機が行われても不思議はない。 政府のベールアウト(緊急脱出)によって問題はさらに悪化する。
破産しそうになった会社は、リーマン・ショックで見える通り、 破産すると経済を不安定にさせる恐れがある。 そこで政府が介入して、ベールアウト(緊急脱出)をする。 結果的に、経済制度を脅かすほどの大規模の投機をすれば、 巨額な損失を抱えた時に政府が救ってくれると経営者が予測するので、 経営者のインセンティブはさらに歪み、 ますます大胆な投機に走る。 こうした現象はアメリカで実際に起きており、 有限責任がインセンティブを偏らせている問題はまず明確である。 ベールアウトされた大手銀行の8社は、2000~2007年の間、約18兆円の自社株買いで利益を株主に分配した。 それから危機が起きたらベールアウトで救われた。 リーマンやベアスターンズは救われなかったが、 生き残った大手銀行はますます大きくなっているので、 銀行の経営者はまた危なくなったら政府に救われると思うであろう。 金融業界のインセンティブを直さなければ、 金融危機が再発せざるを得ない。 しかし残念ながらアメリカにおいてはリーマン・ショックから1年の時点では改革の見込みがあまりない。 ウォール街の味方であるサマーズ氏とガイトナー氏を金融政策の主要ポストに選任したオバマ政権も含めて、 アメリカ政府は金融資本主義の思想から脱出できないようである。 オバマ政権は銀行を救っている一方、 投機を抑えるための規制作りに力を入れていない。 銀行やファンドは国債CDSや保険証券など、 新しい投機対象を既に見つけている。 報酬は危機以前の異常に高い水準に戻ろうとしている。
さて、 日本はどのような手を打つのであろうか。 これは日本国の存亡がかかっている。