haruのブログ~争いはいらない ほしいのは愛だけ~ -225ページ目

君に逢いたくなったら…③

この会場って海の近くじゃないのに。



風が、かすかに潮の匂いがした。



日本第二の大都会、大阪…浪速の都。




古代…海の波が速く、航行不能になった船を休ませる所が沢山有ったらしい、優しい町。



僕たちは休むわけにはいかないから。



今年は、ここで、夢を織る。

今年は、僕たち三人だけ。




三人で頑張るだけ。








人が思うよりも、ずっと僕は強い…はず。

負けず嫌いだし、プロ意識も有るつもり。

…その日まで、頑張る自分でいたい。

出番まで、あとわずか…。


ねぇ、ユノ。

愛しい人を思って、眸を閉じる。

この青く、暮れかけた空の下で…また思いっきり騒ごう!





歓声が聞こえる。。

もう、何にも怖くなんかない…皆の声が聞こえる。

まっすぐ、前だけを見て、僕はステージに向かった。

君に逢いたくなったら…②

「ユノヒョン」

「ん~」



韓国、ソウル。

宿舎…半分眠ってるところに同居人の携帯にメールが入った。



「引っ越したらしいです」

「…誰が?」

「ユチョンヒョンたち」



どきり、として覚醒する…連絡をとっているのは知っていたが。

寝返りをうつふりをして、チャンミンに背を向ける。

…意外に動揺している自分自身に…自分自身の身勝手さに改めて動揺した。



「ユチョンヒョンとジュンスヒョンは実家に帰ったらしいですよ」

「そうか」

「…ジェジュンヒョンは、一人で住んでるそうです。住所は」

「あ~、俺、いいわ」

「ユノヒョン?」

「お前に、メールがあったんだろ?俺にじゃない」



会話を打ち切り、寝たふりを決め込む。



チャンミンの深いため息が寝室に響く。







…淋しがりのくせに、一人暮しか。



実家に帰らずに…それとも、誰かとルームシェアするんだろうか…。







「…頑張りますね」沈黙を破ったのは、チャンミンの独り言。



「うん?」







寝ボケたふりはつらい。

それきり黙ったチャンミンに、心から感謝しながら、明日のスケジュールを反芻しながら眠りにつこうとした。

君に逢いたくなったら…①

「ねぇ、合い鍵って何個作れるの?」



新しい所属事務所で、新しい家を契約して貰った。



ジュンスもユチョンも実家に帰るけど…僕は帰らなかった。



不動産屋さんの事務員さんが所属事務所まで鍵を届けに来てくれて。

たまたま僕も居合わせて、聞きたいことも有ったし、軽く雑談。



マネージャーが席を外した瞬間、聞いてみた。



「そうですね。普通二つくらいじゃないですか?」

「…それにあと2つって…ダメかな?」

「え?」

「僕の分、ここの分、それにあと4つ…」



事務員さんの目が、一瞬同情するように見えたのは…僕の気のせいかな?



「あんまり作りすぎると、トラブルの元になりますよ」





優しく諭され、ちょっと落ち込む。







…でも、もうキーケースも買ってあるのにな。



青赤黄白黒。



買ってから、どれを誰のにするのか、なんて悩むの、結構楽しかったのに。







青は僕の。

黄色はユチョン。

白はジュンス。

黒はチャンミン。







そして、赤…。



「…判りました、ご兄弟が沢山いらっしゃいますからね」



事務員さんが優しく微笑む。



「担当者にはそうお伝えします」

「…ありがとう」





…察してくれたのかな?







赤のキーケース。



これはユノの。



一番に渡したいな。



…逢いたいな。