haruのブログ~争いはいらない ほしいのは愛だけ~ -211ページ目

恋蛍⑪

ユノは、ぼんやりして、味も判らないままカップ麺をすすり、休憩を終えた。
リフレッシュルームの電気を消し、早々に情報管理室に戻る。

4時25分。

まだまだ外は暗い…。
それにしても今朝は少し、暗過ぎた。

ユノは、ふと思いついてブラインドを開けてみた。
すると、コールセンターの上空に、夜目にも黒い雲が近づいている。
ユノは落雷に備えて、業務中のブロックと、使用中のパソコンを確認した。



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「お疲れ様です、Bブロック水上です」
「…お疲れ様です。情報管理室、Tシステムのチャンです」
「お疲れ様です」
「E‐2ブロックで、管理端末がログインしたままですが」
「確認します」
「まだ判りませんが、…来そうです。早めにシャットダウンして下さい」
「…了解です」

少し間が空いて、今度はE‐2ブロックから内線電話が入る。

「お疲れ様です。情報管理室、Tシステムのチャンです」
「…水上です。E‐2ブロックに来て貰って大丈夫ですか?」

恋蛍⑩

0時から仕事に入ったものの、ユノの頭の中は頭の中は、桜でいっぱいだった。


桜…。

どうしたの?

何が有ったの…?

どうして泣いてたの?



それから…。



時計を見ると4時前だった。
内線電話をかけて、休憩に入る連絡をする。

「お疲れ様です、Bブロック水上です」
「…お疲れ様です。情報管理室、Tシステムのチャンです」
「お疲れ様です」
「4時から一時間の休憩入ります」
「了解です…リフレッシュルーム使われますか?」
「はい」
「かしこまりました。鍵を開けに行きます」



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リフレッシュルームの前。
「お疲れ様です」
「…お疲れ様です」

桜が待っていた。

聞きたいことは、色々有った。
だのに、桜の顔を見たら何も言えなくなった。



「あの」
「ん?」
「桜は、休憩終わったの?」
「うん、21時入りだからね。じゃ、ごゆっくり。休憩上がる時、消電だけお願いしまーす」



普段の…いつもユノに見せる表情で、桜は業務に戻って行った。

恋蛍⑨

「あのさ」

ユノが続けかけると、

「あ、水上さん」

不意に、一人の男性社員がやって来て、桜を呼ぶ。

「イナ、センター長…」
「ちょっと」

手招きされて、桜が駆け寄る。その男性社員が桜の背中に軽く手を回し、耳打ちした。
途端に、桜が悲しい顔になる。

「こればっかりは…」

男性社員の言葉に無言で何度も頷く桜。
ユノが、今まで見たことのない表情だった。



桜…。

どうしたの?

何が有ったの…?



桜は、そのまま肩を抱かれるようにして立ち去った。


その肩は、少し震えていて、泣いてるように見えた。