
ミュージックビデオを多数制作している「I was a Ballerina」のプロデューサー渡邊智博さんをお呼びして話を聞いたよ。
・ミュージックビデオと他の映像の違いってどんなとこ?
自由度があるところかな?
ミュージシャンが音楽を作るときも必ず画を思い描いているはず、だからそれを踏まえて、本人が想定しているアイデアを上回る要素を入れたいよね
結局は予算が無限ではないから難しいところはあるけど、予算から考えるとどんどんアイデアはしぼんじゃうから
ブレスト※の段階では「ヘリ3台使いましょう!」みたいなこともじゃんじゃん言ってくのがいいんだよ
※ブレインストーミング(自由闊達にアイデアを出し合う場)
・実現できなかったこともある?
予算が読めないときは「松・竹・梅」で3案だす人とかもいますね
本当はこのくらいのことをやりたいけどこのくらいのことしかできない、みたいなことはあるよ、でも「梅だと魂入ってないな」みたいに感じるし
規模を落としたときにも、ここだけは譲れないというのがあるはずだから、まず松から入って調整していきたいかな
「こんなのやれねーだろ!」から始めてね、ミニマムから入ったらそれより小さくはできないから
・アーティストとも話し合いながら作っていくの?
その音楽がどう世の中に羽ばたいていくのか、一緒に想像してあげるのが大事
それに聞くファンがいるのでその目線も必要、このアーティストがどう見えていけばいいのかって
作っている最中も「あれ、イマイチだな」と気づく時がある、そんなときも少しでも本人たちがカッコよく、かわいく見えるようになるか考えながら変えていくこともあります
・MVの中身もだいぶ変わってきてる?
MVにもトレンドみたいなものがあるんだよね、以前ボカロが流行った時に感じたことだけど、お金がなくても作れるMVの極端な例のような作風が出てきて
その後、曲のイメージを画として起こす人が出てきて、でも静止画が多かったからせっかくの動画サイトなのにさみしいなーと思ってたら
静止画が動画になりコラージュのような手法を使った作風が出てきたり、逆にカッコいいになっていった、今はもうそれが当たり前のようになっている
今後も変わっていくと思うけど、今流行っているものが「なぜいいと思われているのか」は気にしたほうがいいね
・どんなMVがカッコいいとされる?
MVだけがカッコいいと思われることって少ない、やっぱり曲ありきなんですね
「この曲が好きだからMV映像も好き」「この曲のMVが好き」ってなってるハズ
だからほとんどの場合は曲優位でアーティストから映像監督へオファーをするケースが多い
監督側からアーティストへ、曲が好きだからぜひMV作らせてほしいと逆オファーできるようになったりすると夢がありますよね
・撮影部に求めるものってある?
今どきは色を作れるカメラマンが必要とされている、特にMVでは必須に思う
照明やポスプロのことなども理解していて指示を出したりコミュニケーションを取れないとね
今売れてる監督さんは自分で撮っても上手い人が多い、だからこそカメラマンに注文も文句も言える(笑)
撮影部がいい、監督がいい、とか今はフィールドを限定しないで色々と取り組んでみるほうがいいかもしれないね
・学生のうちにしておいたほうがいいことは?
ディレクターになるにしてもカメラの知識は絶対あったほうがいいし、カメラマンだから演出に興味ありません」だと一体何がしたいの?って思う
今、学ぶうえでは全部の知識があったほうがいいし、カメラマンからディレクターになった人もいる、そういう人は売れてますよ
近い世代でいろんなセクションの仲間がいるTMSはとてもいい環境、すぐ相談できるカメラマン、照明マンがいるってものすごく財産になる
同じジェネレーションだと「いい」と思うものも近いと思うだろうし話も早い、もしかしたら一生の仲間になるかもね
作り手だけでなく広告代理店とかに進む人もいると思うけど、広告代理店に就職してミュージックビデオを作ることになる可能性だって当然あるんだよね
その他、渡邊さんがお仕事したMVを例に作り方や苦労したことなどウラ話をいろいろ聞きました。
就職相談などにも乗ってもらい、良い時間を過ごすことができました。
お忙しい中ありがとうございました!
sumika『Shake & Shake』
SUPER BEAVER『ひたむき』




















映画・ドラマ・映像作品のスタッフになりたい、
自分のアイデアを形にして誰かにとどけたい、なら。
早く動き出すのが最大のアドバンテージ!
2025年度4月生募集中!