お宝映画・番組私的見聞録 -221ページ目

変身忍者嵐

「怪傑ライオン丸」がスタートしたわずか6日後にスタートしたのが「変身忍者嵐」(72年)である。同じような変身時代劇ヒーローがほぼ同時にスタートしたのは、偶然であろうか(そうは思えないが)。当時どちらが人気あったのかはよく覚えていないが、小学校ではどちらもたいして話題になっていなかったような気がする。嵐は裏番組が「ウルトラマンA」だったので、自分も当初はそちらを見ており、嵐はかなり終盤の方だけ見た気がする。

主役のハヤテは南城竜也で、自分は同時期にいた南条弘二とよく混同してしまう。おまけにずっと南条竜也だと思っていた。当初は本名の清宮達夫で「ガッツ・ジュン」などに出演しており、本作から南城竜也に改名している。「ライオン丸」の潮哲也とは東映養成所の同期だったという。俳優としては86年頃まで活動していたようだ。こちらも「ライオン丸」同様に女子供を連れて旅をするが、こちらのミニスカ忍者は林寛子である。当時13歳のお色気担当?ということになるが、忙しくなり途中で降板する。もう一人忘れてならないのが中年忍者タツマキ役の牧冬吉だ。霧の遁兵衛や白影と同じような役をここでも演じている。敵役の眼をむけると骸骨丸を演じるのは曽根晴美。曽根がこういった子供向け作品に出るのは非常に珍しい。悪魔道人には沼田曜一、ラスボスの大魔王サタンはお馴染みの天本英世で、東映作品だけあって役者陣は豪華である。終盤にはイタチ小僧役で潮健児が登場し、天本とショッカーの大幹部が揃うことになる。やはり終盤には「好き好き魔女先生」も菊容子がくの一として登場する。

さて番組のほうだが、怪人が「ライオン丸」とさほど変わらない化身忍者から、西洋妖怪へと変更された。ドラキュラ、狼男、フランケンといったお馴染みの妖怪からゴーストファーザーとか意味不明なものもいた。魔女メドゥーサを真理アンヌがレオタード姿で演じたりもしていた。こういったテコ入れは視聴率が苦戦していたからなのだが、前半に比べれば面白くなっていると思う。番組的には「ライオン丸」のほうが成功しているようだが、個人的には嵐のほうが好きである。今の時点ではだけれども(ライオン丸は現在視聴中なので)。

風雲ライオン丸

「怪傑ライオン丸」とくれば「風雲ライオン丸」(73年)である。「怪傑」を見ていなかった自分が「風雲」を見たかといえば、当然見ていない。ほぼ未知の番組であるといえる。というわけで各資料からのネタであるが、まず主人公は前作同様、獅子丸(潮哲也)なのだが、続編ではないという。しかも「怪傑」の獅子丸とは別人なのだそうだ。面倒くさい話である。ゆえに沙織、小助は登場せず、代わりに志乃(宮野涼子)と三吉(新井つねひろ)が登場する。宮野は70年度ミスセブンティーンの肩書きを持つが、この番組を最後に姿を消してしまったようだ。新井つねひろはずうとるびの新井康弘の弟で、「ウルトラマンレオ」や「金八先生(第1シリーズ)」の生徒役などでも活躍している。黒影豹馬の早崎正樹はこの番組以外に出演経歴が見当たらない。虹之介の菅野直行はアニメ「わんぱく探偵団」では小林団長の声をやっていた役者で、現在も舞台などで活動しているようだ。「怪傑」で急死した戸野広浩司の後を継いだ福島資剛は、本作ではタイガージョーJrとして登場する。EDテロップで役名が最初は虎錠之進だったのが、回によっては「怪傑」時代の虎錠之助になったり錠之介になったりするそうである。いいかげんなものである。そのタイガージョーJrの中の人である中山剣吾は、後にゴジラで有名になる薩摩剣八郎のこと。あと地虫忍者などの役で後に声優として有名になる千葉繁が出演していたらしい。

番組が幌馬車などが登場するマカロニウエスタン調になり、主題歌もとても覚えづらいものになっている。「怪傑」のような単純ヒーローものとは違って、悪人を倒しても迷惑がられるといった富野由悠季アニメのような展開が多く、番組カラーが一言いえば暗いものになってしまったようだ。そんなこともあってか番組は半年で打ち切りとなる。個人的には鬱展開なヒーローものには興味をそそられる。「怪傑」に続いて、CSで放映されるようなので、今度は見てみたいと思うのである。

怪傑ライオン丸

今回放映の始まったピープロ作品では、全話見たことがあったのが「マグマ大使」、半分程度見たことがあるのが「スペクトルマン」、ほとんど見たことがないのが「怪傑ライオン丸」(72年)である。何故見なかったのかよく覚えていないが、あの獅子のマスクが気に入らなかったからだと思う。丁度この頃、大人の時代劇を見始めた頃でもあり、ガキくさいと思ったのかもしれない。

さてライオン丸だが、スペクトルマンの終わった翌週からスタート、つまり後番組である。主演は潮哲也で、クランクインのわずか5日前に選ばれ、ゆえにその5日間で立ち回りやら乗馬やらの特訓を受けたという。潮哲也という芸名はうしおそうじからであり、哲也という名前はスペクトルマンが成川哲夫だったので哲也にしたのではないか、と予想する。本名は本保明啓という変わった名で、「キイハンター」に本名でゲスト出演したことがある。この時点では相手役も決まっておらず、二人の候補から「どっちがいい」と聞かれて潮が選んだのが九条亜希子である。別に好みだからとかではなく、芝居経験があったからだという。二人が後に結婚したのは有名な話である。ちなみにもう一人の候補は16歳だったそうである。

前作スペクトルマンからは、JFAのメンバーが本作でも活躍。渡辺高光は殺陣師として、遠矢孝信は大魔王ゴースンやデボノバ、他のいろんな怪人の中に入っていたという。尾崎孝二も何度か怪人の声を担当したりしている。成川哲夫も蒲生城太郎という役で登場するが、主役を食ってしまうとの懸念があり、二回のみの出演にとどまった。あと、原作者の牛次郎が第8話の脚本を担当しているが、これはプロデューサーの紹介によるもの。結局忙しくなり一話のみに終わっている。

ライオン丸での一番の事件といえば、やはりタイガージョー役・戸野広浩司の事故死であろう。これは見ていなかった自分にも記憶に残っている。ロケ先である滋賀の旅館で深夜に酩酊し、風呂場で転倒し、ガラス戸に突っ込み脇腹などを切り、出血多量で亡くなったというものである。そのまま湯船に落ち、浴槽が真っ赤になっている状態で発見されたという。享年25歳であった。ただ、死んだ場所が女風呂だっために覗きにいって死んだなどという噂が流れたこともあったようだ。代役は劇団で同期だったという福島資剛が受け継いだ。

ゲスト出演者では、徳大寺伸と天津敏が「赤影」と同じような役柄で登場しているのが面白い。主人公の頭領といえば徳大寺伸、悪の首領(ゴースンの人間体)といえば天津敏というのは、東映でもピープロでも一緒なのである。

スペクトルマン(その2)

先月CSで「スペクトルマン」(タイトルはご存知の通り3度変わるが面倒なので統一)が、一挙に放送された。以前このブログでも取り上げていりのだが、実際に見たことがあったのは、恐らく全63話中の半分もなかったのである。見なかったのではなく見れなかったと記憶している。ほとんど再放送もなく、ビデオ化もされず(ネズバードンの巻とモグネチュ-ドンの巻のみされた)、とにかく見る機会がなく、映像を目にするのは30年振りくらいではないだろうか。とにかく今回の放送で第1話も最終話も初めて目にすることができた。

「マグマ大使」の役者陣は、結構豪華な顔ぶれであったが、この「スペクトルマン」は主演の成川哲夫をはじめとして、当時はほぼ無名のレギュラー陣であった。一番大物扱いだったのが、顔よりも声が有名な大平透になってしまうのである。加賀役の渡辺高光も役者よりも殺陣師のイメージが強い。「無用ノ介」や「忍者部隊月光」、このスペクトルマンの後番組である「怪傑ライオン丸」の殺陣を担当するのが渡辺だ。役者としては59年の新東宝映画「女吸血鬼」とか「九十九本目の生娘」などに出演したのがスタートだったようだ。その渡辺が代表だったJFAというアクショングループの一員だったのが有藤役の尾崎孝二で、レギュラー陣で最も印象が薄いのが彼であろう。太田役の新井一夫だが、「太陽にほえろ」に何度もゲスト出演しているようだ。正直全く印象にないが、注意してみれば分かるかもしれない。尾崎は役者活動は70年代半ばくらいまでだったようだが、新井はまだ現役のようである。現在は新井量大という名前になっているらしい。スペクトルマンの中の人は上西弘次だが、ラーの中も彼でその声も演じていた。もちろん二者が絡むシーンでは別の人が入っていたようだが、初めから別々にすればよいと思うのだが、そんなに人がいなかったのであろうか。ちなみに「ウルトラセブン」の中に入っていたのも上西である。ゴリの中の人は遠矢孝信。彼もJFAの一員であった。同時期にやっていた「帰ってきたウルトラマン」の怪獣の中にも入っていたという。ちなみに99年の時点では東映テレビプロ事業部次長になっている。一方の上西は消息不明。ゴリとラーで明暗が分かれてしまった感じである。

マグマ大使(その3)

さて、最近「マグマ大使」で話題になっている出来事といえば、第21話における衝撃映像である。ボロボロの服を着た三人の男(ゴアの手下)が、首にカードを下げている。そこにはそれぞれ「めくら」「おし」「つんぼ」と書かれているというものである。99年に全話収録のビデオが発売されているのだが、1件だけそれが置かれているレンタルビデオ屋があったので、4,5年前だが全巻借りてきてHDD-DVDレコーダーにダビングしたのだが、知らずに見ていたのでさすがに驚いた。当時だったら別に驚かないだろうが、このご時世では中々強烈である。ちなみに92年に発売されたLD-BOXでは、その部分にはボカシがかけられていたそうだ。現在、CSで放送中だが、おそらくボカシがかけられるのではと予想する。

ところで、この番組は4話完結方式だった。つまり1匹の怪獣で1ヶ月もたせてしまうわけだが、後半は1匹の怪獣は2話で倒されるように変更された。ストーリー上は繋がっているが、37~38話はサソギラス、39~40話はグラニアというようになった。個人的には、この変更は残念であったが、まあ1匹で4話は長すぎるという風潮だったようだ。同時期にやっていた「ウルトラマン」のように1話完結が好ましいと思われていたようだ。

個々のエピソードでは9~12話に登場するフレニックスは、音波を食べる怪獣ということで、画面から音が消えてしまう。本放送時は「これは故障ではありません」というテロップを流したという。青血病、ツチラ菌病、オレンジ黴となど細菌、伝染病ネタがけっこうあるのだが、17話で青血病の最初の犠牲者となるアベックを演じているのが山口暁と山口千枝である。これは以前書いたと思うが、チョイ役でありながら、この二人はこれをきっかけに結婚することになる。もちろん苗字が一緒なのはたまたまであろうけれども。山口暁といえば「怪獣王子」ではレインジャー部隊の一人、「電人ザボーガー」では主役とピープロ作品にはなくてはならない役者となっていく。人生何がきっかけになるかわからないものである。


マグマ大使(その2)

先月よりCSでピープロ制作の特撮物(「マグマ大使」「スペクトルマン」「怪傑ライオン丸」)の放送が開始された。権利問題で放送できなくなっていたが、解決されたのであろうか。まあ嬉しいことである。しかし「マグマ大使」(66年)に関しては、少々残念なことがある。今まで世に出ていた映像と変わりがないという点である。

2年ほど前にこのブログで「マグマ」を取り上げたときに、OPやEDに出演者やスタッフの名前がでないと書いた。子供の頃に再放送を見ていた時点で、既になかったと記憶しているし、近年発売されたLD-BOXやVHSソフトにも無いと言うことなので、最初から無いのではと思ったが、やはり本放送時にはあったことが確認されている。OPは映像は一緒だが、主なスタッフの名前がちゃんと記されていた。EDは今見ることのできる映像ではロケット化したマグマやガムが延々と飛んでいる映像が流れているが、あれは違う。実は予告とEDが一体化しており、バックに流れるのは「ガムの歌」で、そこのキャストの名も出ていたようである。一度だけそのような映像を見た記憶があったのだが、どうやら間違っていなかったようだ。もちろん再放送で、何故かは不明だが一話だけ流れたと記憶している。

昔は再放送(主にアニメだが)といえば、EDやら予告やらはカットされているのが普通であった。マグマもそれに準じてか、各局で再放送を行う際に、EDや予告はカットして、OPのテロップのないものに差し替えてしまい、元の映像は所在がわからなくなったというようなことではないかと推測されている。まあピープロ自体にもないので、現在のような状態で流通しているのであろう。この番組では、各話ごとのスタッフで不明な回があったりするのはそういったクレジットが無いせいである。自分は子供の頃から、キャストの名前などはチェックする習性があったので、それができないのが不満であった。まあ岡田真澄や江木俊夫などは黙っていてもわかるが、黒丸良(木田記者)などは随分後になってから知った名だ。スクランブルの海老名長官とかダコーダの回に登場するサルタンとかは未だに誰か不明である。近々発売されるという噂のDVD-BOXは「完全な形」であることをマニアは望んでいるようである。もちろん私もだが。

新十郎捕物帖・快刀乱麻(その3)

前項の続きである。まず評判の高い主題歌についてだが、内田喜郎の歌う「少女ひとり」という曲である。改めて聞くと本編とは何の関連性もない歌なのだが、妙に世界にマッチしている気がしたりする。この内田喜郎という人だが、当時19歳の役者で、この時期は歌手活動もしていた時期である。小学生だった65年「大怪獣ガメラ」でデビューし、高校を中退し「高校生ブルース」などに出演。テレビでは、このブログでも取り上げた「笛吹童子」や「ラブラブ・ライバル」などに出演しており、当時は勢いのあった役者だったのであるが、個人的にはほとんど記憶になかったりする。少なくとも80年代終盤までは役者活動は継続していたようで、その後はよくわからない。

さて本作は毎回殺人事件が起きるわけだが、一番多かった殺害方法は刺殺のようである。もちろん、毒殺や撲殺、射殺、首切りなど様々なパターンがあったようだが、例外といえるのも何本があった。第9話「尼りといえば尼りな尼寺」の真相は自殺というものであり、第18話「恋は直線、柔道は一直線」などは、地震によって屋根から落ちてきたつららに刺さって死ぬ、つまり事故であったという回もあり、バラエティに富んでいたのである。ところでこの18話からは「ヒント」というものが提示されるようになり、この回はズバリ「地震」だったらしい。ちなみに19話は「手紙」、20話「教会の鍵」、21話「風見鶏」という具合に、勘のいい視聴者ならこれによって真相がわかったかもしれない。

さて最終回の「西郷札は最後殺」だが、ある新聞社の社主が西郷隆盛が生きているというデマを流し、西郷札の値段を吊り上げて巨万の富を得ようとする。その不正に怒った新十郎は社主を自らの手で刺殺してしまう。勝海舟の働きかけで逮捕は免れるが、犯罪者として逃亡の旅に出るというものである。ちなみにゲストは川口晶だったようだ。唯一ビデオが現存しているというこの最終回だけでも見たいものである。

しかし不思議とこのドラマをマネしたようなドラマというのは見当たらない。今、そのままリメイクしても面白いと思うのだけれども。

新十郎捕物帖・快刀乱麻(その2)

このブログ、開始当初に取り上げた「新十郎捕物帖・快刀乱麻」(73年)だが、最近またコメントが2つほどついた。等ブログではダントツのコメント数(といっても15くらい)である。この作品の人気の高さがよくわかる。特に新ネタがあるわけではなく、検索すればわかることではあるが、改めて取り上げてみようと思う。

まずナレーションだが、「結城新十郎。彼がいかなる星のもとに生まれ、どこで育ったか誰も知らない。彼の背中に刺青があると囁かれているが、定かでない」というのが毎回入っていたようだが、これ「木枯し紋次郎」にそっくりである。「木枯し紋次郎。上州新田郡三日月村の生まれ…」で始まり「定かでない」で終わるのは一緒である。これで芥川隆行だったら、そのまんまだが違うようである(佐藤慶らしい)。サブタイトルだが、ダジャレというよりワープロ誤変換を数十年先取りしているようなセンスが素晴らしい。第1話「売る符は狼大明神」に始まり、第7話「金の延べ棒さが屍体」、第10話「さよならは別れの愛殺」、第14話「色はにほへと愛飢男」、第23話「唐獅子ボタンの血汐がポタン」、そして最終回が「西郷札は最後殺」といった具合である(全話サブタイトルはウィキペディアとかで見られます)。レギュラー陣だが、主役の若林豪をはじめ、池部良、植木等、花紀京、河原崎長一郎、尾藤イサオといったところは周知だと思うが、女性のレギュラーもいた。私自身は全く記憶になかったが、野川由美子、本阿弥周子、志摩みずえなどが出ていたようだ。そういえば子供の頃、志摩みずえって美人だなって思っていた気がするが、この番組を見たからではなかったと思う。

各話ゲストについてだが、これもほとんど不明なのだが、第2話「死と死と来ぬか雨」には岸田森、第14話には森本レオ、ちなみに小学校の校門にある門松に死体が刺さっていたというような話らしい。第15話「雪やこんこん幸せ来ん来ん」には紀比呂子。第21話「鳥と鳥をとりちがえ」には吉田日出子、関根世津子。第23話には怪傑ライオン丸こと潮哲也、第24話「生かすか殺すか母無烈人」には石橋正次といったところが判明している。長くなってきたので、以下次項へ続く。

ギャング同盟

水原一郎が主演ではなくワキで出演した映画は三本だけのようである。その中の1本が深作欣二監督の「ギャング同盟」(63年)である。まあタイトル通りギャング映画以外の何者でもない。出所したギャングが、自分の縄張りが奪われていることに怒り、仲間と新組織のボスから金を奪おうとするとうのが大筋である。主演はギャングといえばこの人という感じの内田良平で、彼の仲間となるのが曽根晴美、山本麟一、楠侑子、戸浦六宏、アイ・ジョージ、そして佐藤慶といった面々である。曽根や山本あたりはこういった映画の常連という感じだが、意外に感じるのはやはり佐藤慶である。大島渚とか新藤兼人作品への出演が多く、こういったギャング映画への出演は珍しい気がする。まあやくざ映画への出演もあるが、大抵の場合幹部クラスだったりする。で、本作での敵ボス役は当時65歳の薄田研二で、その娘が三田佳子である。最後に残るのが内田と三田だけらしいので、ヒロインはやはり彼女ということになるのだろう。他に平幹二朗も社長役で出演している。

ところで、水原一郎だがその役柄は「鞄を取りに来る男A」である。二年前は主演スターだったのに。

金も命もいらないぜ

前項に登場した水原一郎の映画について触れておこう。彼は「金も命もいらないぜ」「静かなるならず者」「復讐は俺らの歌」という三本の主演作を残しているが、いずれも61年ニュー東映の作品である。タイトルから想像できると思うが、当時はやりの日活の無国籍アクションを意識して作られた作品である。ヒロインは三作とも三田佳子で、第二東映・ニュー東映での三田の奮闘ぶりは凄まじく、この61年だけでも15本の映画に出演している。ニュー東映作品といえばヒロインは三田佳子であるというような状態だったのである。その勢いは東映が一本化してからも収まらず、63年頃まではかなりの本数の東映作品に出演している。

さてデビュー作の「金も命もいらないぜ」であるが、水原の相棒役となるのが木村功である。木村といえば「七人の侍」や「野良犬」など東宝黒沢作品のイメージが強く、こういった東映作品に出ているのが意外な感じがするが、木村は東宝の専属というわけではなかったのである。ゆえに東映や松竹の作品にも出演している。水原については資料がなく、当時いくつだったのかは不明だが、おそらく20代前半であろうと思われる。当時38歳で、決してアクション映画的な風貌ではない木村が15は年下であろう新人とやりあうとうのも、とてもミスマッチな感じがする。他の出演者は山形勲、加藤嘉、安藤三男、小林裕子などである。