お宝映画・番組私的見聞録 -148ページ目

その結婚異議あり

前項で話題にした佐川満男から辿ってみると「その結婚異議あり」(63年)が目に付いた。
監督は近江俊郎で、新東宝が倒産してからは初メガホンと思われる。おそらく大映作品というのも初だと思われる。結婚と異議の間に「に」を入れたくなるが(そういう小説がある)、本作にはない。
誰が主演なのかよくわからないのだが、映画ポスター上では、五月みどり、森山加代子、西田佐知子、仲宗根美樹の当時人気の女性歌手四人が先頭にきており、写っているのもこの四人である。
ストーリー上はすき焼き屋の親父(森川信)の息子(佐川満男、当時ミツオ)と娘(五月みどり)の結婚が軸となっており、この兄妹が主演といってよさそうである。ちなみにポスターでカップルとなっているのは佐川と西田、五月と川畑愛光である。森山は大辻伺郎と結ばれるようだが、仲宗根は役名もなく特にストーリーには関係なさそうである。
他の出演者は大川修、佐々木功、平野こうじ、近江映画の常連といえる由利徹、並木一路など。
川畑愛光は個人的にも初めて聞いた名前だったが、60年代前半に大映作品で活躍した役者のようだ。大映はこういう役者が多い気がする。大川修は大映で長く活動した脇役俳優で、多くの作品の顔を出しているが、ポスターに名が載るような役はあまりないのではないだろうか。
佐々木功、平野こうじは歌手として登場。佐々木は説明不要だろうが、平野は検索しても「白い花のブルース」という歌を残している歌手という情報くらいしか見つからない。俗に言う「一発屋」だったのかも。
五月みどり(当時24歳)は今や女優のイメージだが、当時はまだ歌手が本業であった。西田佐知子(当時24歳)と仲宗根美樹(当時19歳)は共に71年に結婚して、西田は活動を縮小し、仲宗根は引退している。現在は西田は完全に専業主婦(関口宏夫人)となり、仲宗根は98年に復帰し、歌手活動を続けているようだ。森山加代子(当時21歳)はずっと現役のようである。ちなみに森山直太朗の母は森山良子である。間違えないように。

誘拐/雪の降る街に

引き続き大瀬康一の出演作品から辿ってみた。今回は彼が主役ではない。
「誘拐」(62年)は高木彬光原作のサスペンスもの。誘拐事件の裁判を傍聴していた男が、今度は自分が誘拐事件を計画するといったストーリー。
主役となる弁護士夫婦を演じるのが、この前年に新東宝の倒産により大映に移籍してきた宇津井健、万里昌代のコンビ。その誘拐を目論むのが川崎敬三である。検事役が根上淳、警部補役が高松英郎で、刑事役を石井竜一、藤山浩二、原田玄など。息子を誘拐される金貸しが小沢栄太郎、その後妻に中田康子、他に友田輝、渋沢詩子、村上不二夫、杉田康などで、大瀬はどういう役柄なのかはよくわからない。
「雪の降る街に」(62年)で大瀬はプロ野球のスター選手を演じている。その妹役が小桜純子で本作のヒロインである。主人公であろう超高校級の投手といわれる少年を演じるのが高原巧、そしてその兄を演じるのが山崎努である。
小桜純子は小桜京子とややこしいが、特に関連はなさそうだ。60年代前半に活躍した女優で「眠狂四郎」などにも出演している。65年以降活動歴が見当たらないので、その辺りで引退したと思われる。高原巧はこの62年に三本ほど映画に出演しているようだが、それ以外は不明だ。役柄的に20歳前後だったと思われるのだが…。そして、山崎努。あの「天国と地獄」への出演は翌年のことなので、まだ無名といわれる存在だったと思われる。しかし映画会社の契約俳優ではなかったせいか、デビュー当時から仕事を選び、実はけっこう準主役級の役を得ていたのである。大映への出演は本作を含めて2本しかないようで、イメージどおり東宝への出演が多い。
他の出演者は川口浩、高松英郎、三津田健、渚まゆみ、六本木真などである。
ところで、山崎努は現在は山﨑努と書くのが正しいようである。最近急にこの「﨑」という異体字を見かけるようになったのは気のせいだろうか。

弾痕街の友情/背広姿の渡り鳥

大瀬康一といえば、「月光仮面」「隠密剣士」などテレビヒーローのイメージが強いと思うが、その合間に映画(ほぼ大映作品)にも出演し、主役を演じていたこともある。
本名を大瀬一靉(かずなり)という恐ろしく難しい名前なので、川内康範が自分の康の字をとって康一と名付けたという。まだ二十歳そこそこだったわりには、妙に貫禄があるように個人的には思った。
「弾痕街の友情」(60年)は、大瀬初の主演作品である。少年院を大瀬、三田村元、大辻伺郎の三人が脱走するシーンから始まり、五年後には大瀬はボクサー、三田村は刑事、大辻は殺し屋になっており、大辻が大瀬、三田村を殺そうとするというようなストーリー。少年院出身で刑事になれるかどうかは実際のところ知らない。三田村元は以前ここでも触れたが、57年のミスター平凡。村上文二名義でデビューし、59年途中に改名したようである。伸び悩み63年に大映を退社している。
他の共演者は江波杏子、三木裕子、見明凡太郎、中条静夫、守田学など。
「背広姿の渡り鳥」(61年)という日活のパクリのようなタイトルの作品で、大瀬は流れ者のピアノ弾きという役を演じている。上田吉二郎率いるヤクザたちと対決するというような、それこそ日活の「渡り鳥」シリーズのような話のようである。
共演は佐川満男(当時ミツオ)、村瀬幸子、三木裕子、友田輝など。佐川は前年にレコードデビューしたばかりで、実はこの「背広姿の渡り鳥」は彼のシングル曲のタイトルでもあり、本作はその発売直後の公開である。ちなみにあの佐川一政は甥にあたる。
友田輝は「隠密剣士」で大瀬と対決する忍者を演じたりしている。以前にも書いたがこの人は63年ころ姿を消している。両作ともにヒロインの三木裕子だが60~63年まで多くの作品に出演しているが、この人もここでぷっつりと姿を消しており、詳しいプロフィールなどは不明である。

女は抵抗する

藤巻潤が藤巻公義時代にチョイ役として出演した中から「女は抵抗する」(60年)をピックアップしてみる。
このタイトルで主演は若尾文子だと、一般的な恋愛映画を想像してしまうのだが、本作は女性プロモーター渡辺美佐(現・渡辺プロ会長)をモデルにした作品だったりするのだ。つまりナベプロ(本作では別名だが)の創設や日劇ウエスタンカーニバルの興行を描いている。ちなみに渡辺プロの誕生は55年のことである。
で、夫となる渡辺晋にあたるジャズバンドのリーダー役を演じているのが川口浩。他に高松英郎、片山明彦、北原義郎、宮川和子、滝田裕介などが業界の人間を演じ、江波杏子が宮川和子の友人といった役でちょこっと登場するようだ。
当時人気のミュージシャンもたくさん顔を見せるようで、山下敬二郎、平尾昌章には役名もついている。坂本九、ダニー飯田とパラダイスキング、寺本圭一とカントリージェントルメン、井上ひろしとファイブサウンズ、スマイリー小原とスカイライナーズ、そして渡辺晋とシックス・ジョーズ。美佐は出演していないが、渡辺晋は本人も顔を見せたようだ。
坂本九はパラダイスキングのボーカルとして活動していた頃だと思われる。石川進もまだ在籍していたようだ。寺本圭一はスイング・ウェストのボーカルとして堀威夫(後のホリプロ社長)と活動していた人物で、当時はナベプロに在籍していた。井上ひろしは「三人ひろし」の一人で、70年代はドサ周りの日々だったようだ。坂本九はパラダイスキング以前にドリフターズに半年ほど在籍していたことで知られるが、スタートは同じ年齢である井上ひろしのバンドボーイだったという。坂本九は85年8月の日航機事故で亡くなるが、井上ひろしはその一ヵ月後に心筋梗塞で亡くなっている。平尾昌章は「平尾昌章とオールスターズ・ワゴン」としてクレジットされていたようだ。小坂一也がいた頃はチャックワゴンボーイズという名であったようだ。
ラストでオーディションを受けに来る役で顔をみせるのはザ・ピーナッツである。
監督は大映倒産直後に自殺した弓削太郎で、本作がデビューである。
しかし、冒頭にも書いたとおりこのタイトルでこの内容を想像できる人はいないと思う。ある意味損している作品のような気がする。

三人の顔役/三兄弟の決闘

前項、本ブログでは取り上げることが何故か少ない大映作品の話が出たので、続けて大映作品でいってみようと思う。
やはり前項で話題の出た藤巻潤からたどってみて、ふと目に付いたのが「三人の顔役」(60年)という作品。
主演が長谷川一夫で、共演に京マチ子、勝新太郎とくれば、当然時代劇だろうと思いきや、現代劇なのである。京や勝はともかく、長谷川一夫の現代劇って個人的には初めて聞いた気がする。他のメインキャストには川口浩、野添ひとみ、菅原謙次といった現代劇中心の役者が並んでいる。
長谷川の役はなんと脱獄犯で、川口や菅原はその部下、京はバーのマダム、勝は元ヤクザのトラック運転手、野添はストリッパーだそうである。
他にも安部徹、早川雄三、市田ひろみ、藤巻は本名の藤巻公義名義での出演で、野添の恋人役であった。次回作より藤巻潤を芸名とするようになっている。
「三兄弟の決闘」(60年)も長谷川主演の現代劇で、タイトルの三兄弟を演じるのが長谷川一夫(当時52歳)、川口浩(当時24歳)、そして藤巻潤(当時24歳)である。若作りの二枚目とはいえ、長谷川と他の二人が親子ならわかるが、兄弟というのはかなり無理があるように思う。長谷川は今回は刑務所から出所してきたヤクザという役柄。本作には志村喬、河野秋武、左卜全、多々良純といった東宝作品でよく見かけるベテラン勢も顔を揃えている。
他の出演者は叶順子、弓恵子、角梨枝子、中条静夫、大辻伺郎、星ひかるなど。
本作での悪役は河野秋武と星ひかる。星ひかるは宝塚の女優のような名前だが、長谷川より1つ年長のベテラン男優である。大映には倒産する71年まで約20年にわたって在籍していた。目立つ名前のわりには印象があまりないけれども。
いずれにしろ、長谷川一夫の現代劇作品というのは珍しいと思われる。

風神雷神

さて、引き続き北原隆の話題だが、松竹を経て61年に大映に移籍している。今回は北原が大映時代に出演した作品についてピックアップしてみた。
「風神雷神」(62年)は、タイトルからはわかりにくいが、アクション映画である。フージンは馬名として登場する。主演は大映ニューフェース12期の本郷功次郎と同11期の藤巻潤。当時、大映現代劇での主演といえばこの二人か田宮二郎、川崎敬三といったところである。
本郷は週刊誌記者といった役柄だが、藤巻は組幹部といった彼的には珍しい役どころである。他に高松英郎、大辻伺郎、潮万太郎、見明凡太郎に加えて、千波丈太郎、村上不二夫、中条静夫といった大映お馴染みの顔ぶれが並ぶ。千波は日活より移籍し、これが大映での第1作となっている。女優陣は滝瑛子、加茂良子、渋沢詩子など、いずれも70年前後あたりまで活躍していた女優で、個人的にはあまり馴染みがない。
滝瑛子(高城瑛子)は日活ニューフェースの4期生(同期に赤木圭一郎)だが、1年足らずで大映に移籍している。ちなみに、滝は10歳の時、浅丘ルリ子がデビューした「緑はるかに」(55年)にの最終審査に桑野みゆき、山東昭子、榊ひろみなどともに残った一人だそうだ。滝瑛子という女優は二人いて、戦後すぐに松竹で活躍した人もいるが、58年に結婚して大滝英侑子と改名している。つまり入れ替わるように新しい滝瑛子が登場したのである。「緑はるかに」に出演している藤代鮎子は、古いほうの滝瑛子の実妹である。
話は戻るが北原隆は社長の息子という役柄。童顔なのでこういった役柄は似合うかもしれない。北原は「特別機動捜査隊」では、村上記者役の村上不二夫との絡みが多い気がしていたのだが、大映時代に何度か共演していたのであった。

呪いの笛/女ざむらい只今参上

共に日活ニューフェース1期生として映画界入り名和宏と北原隆だが、前述のように二人とも直ぐに松竹に移籍してしまったので、前項の「からたちの花」以外では日活での共演らしい共演はない。しかし、その分松竹では何度か共演を果たしている。
まずは「呪いの笛」(58年)。タイトル通り恐怖映画の部類に入るようである。主演は名和宏と沢村訥升で、兄弟役を演じる。沢村訥升は以前当欄でも紹介したとおり、東映の「新諸国物語」などで活躍するのだが、これはそれより早い時期の出演だったようである。
北原隆は両替商のドラ息子役だが、名和はその使用人の役である。客観的には北原の方が二枚目だと思うのだが、本作では名和の方がもてるようである。
他の出演者だが喜多村緑郎、伊志井寛、大矢市次郎、山鳩くるみ、伊吹友木子、そして高峰三枝子。当時40才で既に大女優というイメージだが、このテの映画にも出ていたのは意外な気がしたりする。
もう一つあげると「女ざむらい只今参上」(58年)。北原隆がデビューしてまもなく美空ひばりと共演したことはちょっと前に書いたが、この松竹でも共演することになる。しかし、こちらで相手役となるのは名和のほうである。ひばりはよくあるお姫さまというわけではなく、商人の娘なのだが何故か剣術が好きという設定。そんな彼女の旅の護衛をするのが名和だったりするのである。
他の共演者は近衛十四郎、田崎潤、清水元、田代百合子、堺駿二などで、北原隆も商人の役で出ている。松竹では完全に名和の方が扱いがよかったようである。あと、浅茅しのぶ演じる尾上駒之丞一座の一人として出演している松山清子とは後の松山容子のことである。

からたちの花

日活ニューフェース第1期としてよくここに名を挙げるのが、宍戸錠、名和宏、牧真介、そして北原隆である。実はこの四人が全員出演している作品が1作だけ(と思われる)存在する。それが「からたちの花」(54年)である。
それも当然で、北原隆(当時18歳)が日活の作品に出演しているのは、これ1作だけだ(と思われる)からである。
しかも、北原が扮するのは主人公の北原隆吉(つまり白秋)なのである。つまりこの北原隆という芸名は、この北原隆吉から来ているのである。主人公といっても、クレジット上はその父親役である山村聡をはじめ、伊藤雄之助、宇野重吉、山田五十鈴といった蒼々たる面々が上位に来ているようだ。
ちなみに牧真介の役は北原の友人で、名和宏は船長役、宍戸錠にいたっては車夫の役なのだがノンクレジットである。つまり宍戸の扱いが一番悪かったのである。おそらく名和も牧もこれが初出演だったと思われる。あと、本作には野村隆、桂典子、雨宮節子、星野晶子といったニューフェース1期生も出演している。
他の出演者だが、清水元、永田靖、三島雅夫、柳谷寛、美川陽一郎、伊沢一郎など。北原と伊沢は後に「特別機動捜査隊」に共に刑事役として長く出演することになる。
翌年、北原は新東宝の「たけくらべ」や「唄祭り 江戸っ子金さん捕物帳」で美空ひばりと共演したり、東映の「薩摩飛脚」に出演したりと、何故か自社以外で活動している。そして松竹のミュージカルに出演したのをきっけに、56年松竹に移籍したという経緯のようである。実質、日活ではほとんど活動していないことになる。61年には大映に移籍しているが、日活→松竹→大映というコースは名和宏と同じである。そして。契約切れと共に映画界を離れ、テレビに拠点を移しており、前述の「特捜隊」出演となる。
こうしてみるとデビュー当時はかなり期待されていた存在だったことがわかるが、「特捜隊」以降はテレビ出演も減り、知る人ぞ知るという存在になっていたようだ(個人的にも特捜隊を見るまで、よく知らない役者であった)。

銭形平次(67年映画版)

また名和宏から辿っていくと「銭形平次」(67年)が目についた。映画で銭形平次といえば、長谷川一夫主演のシリーズが有名で、テレビで銭形平次といえば、もちろん大川橋蔵ということになろうが、これは唯一大川橋蔵主演の映画版の平次なのである。というより、橋蔵主演のテレビシリーズは66年にスタートしていたので、テレビシリーズの映画化といったほうがよいかもしれない。
ちなみに、映画公開当時のテレビシリーズレギュラー陣だが、平次:大川橋蔵、八五郎:林家珍平、万七:遠藤太津朗(当時は辰雄)、清吉:池信一は一般のイメージどおりだと思うのだが、平次の女房・お静は八千草薫である。一般的には香山美子だと思うが、彼女は5年目からの登場で、当初の三年は八千草、二代目は鈴木紀子が一年だけ演じている。実は八五郎も最初の一年は佐々十郎、万七は藤尾純が演じていた。
あと与力の笹野新三郎はこの67年当時は黒川弥太郎が演じているが、スタート時は神田隆、翌68年は根上淳が演じている。しかし7~8年後に再び黒川が笹野を演じている。
さて、映画版の話だが、大川以外でテレビシリーズからそのままの役で出演しいているのは遠藤と池のコンビだけである。お弓役でレギュラーだった鈴村由美も映画版には違う役で出演している。
で、映画版のお静は水野久美、八五郎は大辻伺郎、笹野は大友柳太朗が演じている。東宝育ちの水野はこれが初の東映出演のようである。他の出演者は小池朝雄、小畠絹子、三島ゆり子、河野秋武、小池の乾分役で川谷拓三や福本清三などが顔を出している。名和宏は与力の役で、今回悪役の小池を斬ったりするようだが、正義役なのか実は悪役なのかよくわからん。そして、お馴染みの主題歌を歌う舟木一夫も平次を助太刀する若侍の役で登場する。銭形平次の誕生秘話が描かれているらしい。

快人黄色い手袋

名和宏の出演した作品で辿っていると「快人黄色い手袋」(61年)というタイトルが目に付いた。
桑田次郎の漫画に「黄色い手袋X」というのがあるのだが(原作・川内康範)、映画も原作は川内康範となっているので、この漫画の映画化(あるいは逆)と判断してよいのだろう。
主演はなんと伴淳三郎(当時53歳)である。あの伴淳が正義のヒーローというのは全く想像できない。漫画と同じような紛争をしていたのだろうか(未見なので)。
当時発売されていたソノシートに「黄色い手袋のおじさん」という歌が収録されているように、黄色い手袋は確かにおじさんなのだが、月光仮面だって歌の歌詞ではおじさんである。しかし演じたのは当時二十代の大瀬康一だったり、大村文武だったりするわけで、本当におじさんなのはどうかと思う。
他の出演者だが伴の妻に鳳八千代、私立探偵に小坂一也、部長刑事に明智十三郎、編集長に名和宏、他に北条喜久、福岡正剛、天津七三郎、宮城千賀子、五味勝雄(龍太郎)そして警視総監に藤間林太郎、喜劇役者の役で林家三平(もちろん初代)、そして悪人一味の一人として川内康範自身も顔を出しているようだ。
藤間林太郎は藤田まことの実父である。これが最後の映画出演になったようである。注目すべきは天津七三郎。彼はこの三年後、子供を誘拐し殺害するという事件を起こしてしまうのである。金に困っての犯行だったようだが、事件当時はまだ29歳。役者としては既に行き詰っていたようである。死刑判決をうけ、74年に執行されている。デビューは新東宝で「幽霊沼の黄金」(57年)では、新人表記でポスターに名前も載っていた。テレビでは「変幻三日月丸」への出演が有名だろうか。最後に出演した映画となったのは「切腹」(62年)であった。