「群馬までは、どれくらいで行けそう?」
後部座席の白木が、助手席で高速ICから研究所までの道を確認している江口に言った。
「2時間30分かな。」
甲本が割って入る。江口は白木と甲本の言葉を耳を傾けず地図を見入っている。
「やはり地図には載ってない。・・・一度すみれさんに連れて行ってもらったことがあるんだけど・・・」
「すみれちゃん・・・?・・・・」
「ひょっとしたらあの光の中にいたのは、すみれちゃんだったのかもしれない。」
甲本が記憶を辿る。ふと車が揺れる。
「おいおい、コウ。思い出すのは後でやってくれ。」
車の揺れに驚いた白木が後部座席から言った。
「はっきりとした場所は思い出せないが、ひょっとしたらウッジーなら知ってるかも。」
車の揺れにも二人の会話にもまったく反応することなく、江口は独り言をつぶやく。
「ウッジか。そういえばあいつ今は群馬にいるんだったな。」
「誰?ウッジーって?」
ウッジーの記憶を辿る甲本と、それを見てまた車が揺れるのにビビる白木。
三人が甲本の自宅へもどり、車に乗り換え群馬に向かい1時間、
辺りはいつのまにか繁華街を抜け、道路を照らすライトだけが目立つ道に来ていた。
一瞬車がガタンと揺れる。白木がまた甲本に文句を言おうとする。
また車がガタンと揺れる。
「後ろをみて、しらちゃん!」
はっと振り向いた白木の目にはまたもやぼんやりとした光が見える。
「ひょっとしてあれか・・・」
江口がおびえ、白木が言う。
「コウ。なにかおかしい思いっきり飛ばしてくれ!」