会話は続くがさしてもりあがりを見せずどんよりと陰を落とす。甲本が一杯目の空ジョッキをテーブルに置いた時、江口の胸ポケットで鈍い振動音がした。シルバーの携帯を胸ポケットから取り出した江口が、話相手の誰かにここの場所を伝えてよろしくと言って電話を終えた。甲本が誰からと聞いたが、江口は答える様子もなく右手に持つシルバーの携帯をゆっくり丁寧にテーブルの上に置いた。もう一度聞こうとしていた甲本だが、別の感情に意識が移りそれをやめ店員に2杯目のビールを頼んだ。いつの間にかテーブルの上には空きジョッキが2つになっていた。そして灰皿には底をおおい隠す吸いがらが片岡の感情を表していた。白木が来るのか?そう片岡は一人ごとを言って、煙を吐き出した。
店の入口から対角線一番奥のテーブルに陣取った三人は、最も奥に甲本が座り、その横に江口、江口の向かいに片岡がいた。三人のオーダーはいずれも軽食だったので゛あの話゛がなにか明らかにする前のくだらないくだりの内に提供された。
甲本はいつものテンションでやけに明るい。提供された中ジョッキにさっそく口を付けた。片岡もジョッキを持ち上げ、江口はフリードリンクを取りに席を立とうとした瞬間、甲本がまた゛あの話゛を切り出した。ホントに上野は死んだだろうか?問われた二人は一瞬動きを止めたが、すぐに途中の動作へ戻った。
甲本はいつものテンションでやけに明るい。提供された中ジョッキにさっそく口を付けた。片岡もジョッキを持ち上げ、江口はフリードリンクを取りに席を立とうとした瞬間、甲本がまた゛あの話゛を切り出した。ホントに上野は死んだだろうか?問われた二人は一瞬動きを止めたが、すぐに途中の動作へ戻った。
国道18号沿いにある24時間営業のファミレスに三人はいる。甲本は肩にかけているリュックをテーブルにおき、羽織っていた紺のジャケットを椅子にかけた。江口はすでに椅子に腰掛け、メニューをゆっくりと端から見ていた。シガーの男は、お冷やとお手拭きがサービスにないのを知り、手を洗ってくるといいトイレにかけ込んだ。
しばらくしてシガーの男が戻ってきた。江口はすでに自分の注文を決めていたので、催促がちにシガーの男にメニューを差し出した。メニューを受け取らず甲本に言った。同じやつでいいや。受け取られなかったメニューは甲本が横やりでつかみ、同時にオーダーフォンを別の手で押した。江口は何事もなかったかのように、話を切り出した。あの話は今でも続いてんの?片岡はどうすんのよ。シガーの男片岡はゆっくりと椅子に腰掛け、シガーに火をつけゆらゆらと漂う煙を楽しみ始めた。
しばらくしてシガーの男が戻ってきた。江口はすでに自分の注文を決めていたので、催促がちにシガーの男にメニューを差し出した。メニューを受け取らず甲本に言った。同じやつでいいや。受け取られなかったメニューは甲本が横やりでつかみ、同時にオーダーフォンを別の手で押した。江口は何事もなかったかのように、話を切り出した。あの話は今でも続いてんの?片岡はどうすんのよ。シガーの男片岡はゆっくりと椅子に腰掛け、シガーに火をつけゆらゆらと漂う煙を楽しみ始めた。
ひっそりと静まりかえる夜に、スズムシの声が凛々と鳴り響く。
季節は夏。
あともう少しで今日も灼熱を降り注ぐ太陽がその顔を見せるのだが、今はその気配はない。
長い工事期間と莫大な工事をかけてこの4月に開通した大通りの脇、等間隔に配置された街灯が今時分でもあたり一面を明るく照らしている。
人気なく静まりかえるこの道に一人、中肉中背の男が右手に持つ懐中時計に目をやりながら、口にくわえたシガーをゆらゆらさせている。
もう一人同じ背格好の男がシガーの男にゆっくりと近づきつつあるが、男はまだ気づいていない。
気配を感じたシガーの男振り向いた。
シガーをくわえたまま、「よう、江口。」
呼ばれた江口は右手を軽く上げそれに応えた。
そしてすぐに目線をシガーの男の後方へ向けた。
「甲本。」
江口がそう呼び、シガーの男は後ろを振り向いた。
2人の目線の先にいるのは甲本と呼ばれる男だった。
甲本がニヤリとする。
この物語はすべてフィクションです。登場人物は現実には存在しません。また更新は、一回に原稿用紙一枚分、頻度は一週間に一回程度です。お暇な方は末永くお付き合い下さい。書くほどに、より洗練した文章が書ければいいなと思っています。では、第1回を次に。
