3人は光が消えた後、しばらくは何も言うことができなかった。
甲本が肩からかけていたリュックがなにかの拍子で地面に落ちた。
白木と江口はまだ何も考えられないでいる。
車が一台、目の前で確かに消えた。それは間違えのない事実。
しかし、それが3人とも信じられないでいる。
江口が口を開いたのは、それから10分以上経過したころだった。
「あの車、あの車は、すみれさんの車だったと思う。」
「すみれちゃん・・・?」
甲本もふと我に返り江口に聞く。
「すみれさんといえば、あの研究所の人だよね?」
江口は、白木のその言葉を待たずに話し始めた。
「研究は進んでいたとは聞いていたけど、よもやこの段階まで来ていたとは・・・」
「正直、こうしちゃいられないって感じだよ。」
「今すぐに研究所に行かなければならない。」
誰と限定して話かけていたわけではないが、話終えた後二人を見た。
「えぐっちゃん、詳しい話はそこでってこと?」
甲本はなにかあると踏んだが、それを聞き出すのを急かしはしなかった。
また、質問に対しての回答も望んではいなかった。
「行こう。その研究所に。全ての謎解きはそこから始まる場所に。」
白木も首を立てに振り同意を示した。
あまりの突然の出来事に甲本と白木は先ほどまでの飲食の勘定払いさえ忘れていた。
さっそく移動しようとする二人を制し、勘定精算を済ましたのは江口だった。
残された彼らが、何を見て、何を知り、何を選び、どう行動するかはこれからの話。
急展開を迎えたストーリーはどこへ向かっていくのか・・・。