恰幅のよい男がひとりなにかの本を読んでいる。アンテックな椅子とその横に置かれた丸テーブル。
丸テーブルの上にはティーカップがひとつ、男は本を20から30ページほど読み進める度にカップから口に一口分の液体を注いだ。
ここには朝も夜もない。今がいつなのかを知る必要はなく、また時間という概念もここにはない。
男はなにかをふと思い出し、本を丸テーブルに置き椅子からすっと立った。
全身白の衣装を着、その肩からかけたマントが印象的だ。
光がまぶしくあたりを包むが、影はどこにもない。椅子、テーブル、カップ、その他のものの影はなぜないのだろう。
また、ここ一面が真っ白なのはどうしてだろう。
理由は今は語れない。それは、まだ知ることも許されない守られた秘密だから・・・。
遠くから白い鎧とやはい白いマントを着た大男が、白い地平線の向こうからゆっくりとやってくる。
ゆっくりとした時が流れ、大男が恰幅のより男のそばまでやってくる。
「久しぶりだな。ターマージ。しばらくみない内にまた大きくなったな。」
「そうか・・・。それよりあれにはもう気づいているか?」
ターマージは、ふと思い出したことを忘れないように、読みかけの本にいつのまにか取り出した白いペンでなにかをメモった。
「カッオータ。まずはホットミルクでも飲むか?」
「そうだな。まずは飲もうか」
二人は白い丸いテーブルの周りに寄った。いつのまにかに用意された二つの白いアンティークの椅子、二つの白いカップとそこに注がれた白い液体。
彼らの時間はまた別の時間軸によって縛られているが、それを知る由もない。
今はただ、来るべき人たちの為になにをすべきかを話し合うためだけに二人はこの白い世界にいた。
「ほかの者達にはあっているのか?」
ターマージは、カップの白い液体をすすり、それをゆっくりと飲み込むまでは答える様子はない。
時が進む・・・。