こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第18回試験・実技2
まず、前線解析の基本的なところで図8(下)の850hPa風・相当温位24時間予想図を基に見ていきたいと思います。
風の分布において、反時計回りに循環しているところを見つけて低気圧の中心位置を推定します。北緯38°東経128°付近に見られることから循環の中心に×印で記したところに推定されることがわかります。次に、この低気圧が閉塞過程にあるかどうかを見てみます。相当温位の分布において、低気圧に向かう暖気の突っ込みの先端部がどこかを見ますと、相当温位が330Kで北緯36°東経135°付近にあると考えられ、低気圧の中心位置から離れており、この低気圧は閉塞過程にあると同時に、この付近が閉塞点と考えられます。
したがって、低気圧の中心から閉塞点の間を閉塞前線で、これを挟んで赤道側が306K~321K、極側が312K~324Kであることから相対的に赤道側の寒気の方が強く、寒冷型閉塞前線であることがわかります。
今回は風向シアーについては明瞭ではありませんが、あとは温暖前線を330K、寒冷前線を333Kにほぼ沿う形で解析します。
850hPaの温度分布に重ねてみましたが前線は12℃~15℃にほぼ対応しています。風向シアーも一部で参考になるところがある程度で、あまり暖気側と寒気側の間の風のシアーが明瞭ではなく、相当温位の場で解析した方が良いと思います。
今回は、500hPa面の資料がありますので前線解析における着目点について触れてみますと、先ほどの850hPa面の中心位置からほぼ南の北緯37°東経127°付近に低気圧の中心があり、低気圧の発達過程のときの、上層ほど気圧の谷の軸が西に傾いている特徴が見られないことからも低気圧が閉塞過程にあることがわかります。また、特に寒冷前線におきましては、850hPaの前線の少し寒気側に渦度0線が沿う形で延びていることがわかります。
次に、700hPa面に今度は重ねてみました。前線は、一部そうではないところもありますが、陰影部で示されている湿数3℃以下の湿潤域にほぼ対応していることがわかります。閉塞前線の相対的に寒気が強い赤道側から寒冷前線の後面にかけて湿数が急激に大きくなっていることがわかります。
最後に地上の前線を決めていきます。前線の構造を考慮し、850hPa面の前線の少し暖気側に、また前12時間降水量分布や風のシアーも考慮に入れながら解析します。また地上において予想される低気圧の中心気圧はLマークのすぐ周りに取り囲んでいる等圧線の値を中心気圧として読み取ります。1000hPaと読み取れますので、中心位置とともに解答図に記入します。
あとは、前線の記号を付して完成です。
(2)につきましては、以上の考察で着目した点について穴埋めしていけばOKです。
では。