電波や光を利用した観測機器《第66回試験・専門・問3》(考察編)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第66回試験・専門知識(a)(大阪・高安山気象レーダー 2018.03.22 「大阪・高安山気象レーダーへゆく」 より)(気象庁HP :知識・解説>気象衛星・気象観測>気象レーダー より)気象ドップラーレーダー観測では、アンテナを回転させながらパルス状の電波を発射して雨や雪といった降水粒子に反射して戻ってきた電波から分析することで降水強度や降水域の動きを観測する機器です。したがって、ドップラーレーダーは観測対象の中から、「降水強度分布」のアとなります。(b)(引用文献:荒木健太郎, 2023: 地上マイクロ波放射計による大気熱力学場観測とその応用. 令和4年度予報技術研修テキスト, 気象庁, 1-85)地上マイクロ波放射計(MWR)は、大気中の水蒸気や雲などが発する微弱な電磁波の強さを測ることで、上空の水蒸気量、気温、雲水量の鉛直分布を観測し、線状降水帯をもたらすような水蒸気の流入の監視などに用いられる測器です。気象庁では2022年度に西日本を中心とした17地点に地上マイクロ波放射計(RPG-HATPRO-G5)を整備し,大気熱力学場の観測を行っています。したがって、地上マイクロ波放射計は観測対象の中から「上空の水蒸気量」のウとなります。(c)(大阪空港のシーロメーター〈左の奥〉 2017.04.06 アメダスへゆく 豊中〈旧大阪航空測候所〉 より)(気象庁HP:知識・解説>空港気象観測システムによる観測>シーロメーター より)シーロメーターとは雲高測定器ともいい、上空へレーザー光を発射して雲底に反射して戻ってくるまでの時間から雲底の高さを観測する機器です。空港の上空に低い雲がありますと、航空機の発着に影響を及ぼすため主に空港に設置されています。したがって、シーロメーターの観測対象は、「雲底の高さ」のオとなります。(d)(東京国際空港 空港気象ドップラーライダー1号機 気象庁HP: 知識・解説>航空気象>空港ドップラーライダー より)ドップラーライダー(空港気象ドップラーライダー)は、積乱雲などから発生した「ダウンバースト(マイクロバースト)」や「シアーライン」と呼ばれる風の急変域を検出する装置です。現在、成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港に設置されており、空港気象ドップラーライダーで検出した風の急変域の情報は、管制官や航空会社の運航担当者などからパイロットに速やかに提供され、航空機の安全な運航に活用されています。空港気象ドップラーライダーは、レーザー光(パイロットの目に安全な波長帯を使用)を大気中に発射し、エーロゾルに当たってその動きを捉えた散乱光を探知します。 動いているエーロゾルに衝突した電磁波は散乱する際、その周波数偏移(ドップラー効果)を利用し、対象物の移動速度を観測することができます。すなわち、空港気象ドップラーライダーは、降水粒子よりも小さなエーロゾルの動きを捉えることにより、降水を伴っていないときでも上空の風を観測する機器になります。したがって、ドップラーライダーは観測対象の中から「非降水時における風の分布や低層ウィンドシアー」のエとなります。よって、正解は②ということになります。では。