6月の読書会『あおくん と きいろちゃん』レポート⑤ | 寺田真理子オフィシャルブログ

6月の読書会『あおくん と きいろちゃん』レポート⑤

6月13日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

6月の読書会『あおくんときいろちゃん』レポート①はこちらをご覧ください。

6月の読書会『あおくんときいろちゃん』レポート②はこちらをご覧ください。

6月の読書会『あおくんときいろちゃん』レポート③はこちらをご覧ください。

6月の読書会『あおくんときいろちゃん』レポート④はこちらをご覧ください。

 

 

 

 

「保育士をしていた当時、何歳児の子のところにも本書があった。青と黄色が交わって緑になる、と感覚で楽しむ。子どもの感覚に自分を投影すると楽しめる。単純だからこそ、教材としても使いやすい絵本だ。うれしさが形として表れるのも、感覚として読むと楽しい。

 

意味を捉えようとすると、大人は緑になるのは部分的で一体にはならないけれども、子どもはすべて緑になることから、境界線ということを考える。かくれんぼをしている場面を見ると、交わるのが物の場合には色が変わっていない。黒いところに隠れていても、黒くなったりはしない。家の中にいても、色は変わらない。交わるのが人(というか〇)の場合だけ色が変わる。子どもは自分と他人の区別がつかない。戻れなくなるかもしれないという恐怖を感じずに交わる。大人は自我があるので、半分くらいしか入っていけない。本書の絵でもそうだ。

 

自分は境界線に悩まされることが多かった。『青は青でいなさい』という親で、洗脳に近いものがあった。他と交わりたいけれども、交われないという恐怖があった。青のままでいることを子どもに強いてくる親だった。この本では、緑になったことで一旦拒絶されるけれども、後で受け容れられて、親も緑になることを楽しむところに希望があった。子どもに倣って同じことをしてみる大人の姿に魅力を感じて、そうなりたいと思った。黄色ちゃんは青くんの親に抱いてもらったけれども、青くんは黄色ちゃんの親に抱いてもらっていない。青くんも抱いてもらったらいい。大人の緑の姿がすごくプラスで、すごく良い本だ」

 

☆告知☆

『古典の効能』第5回読書会を6月30日(日)に開催します。テーマは「つらいときの乗り越え方」です。詳細・お申し込みはこちらをご参照ください。