寺田真理子オフィシャルブログ

 




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【参考情報インタビュー記事(タイパ全盛の時代に、「癒やし」の本が求められるワケ )】

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佐賀新聞で『心と体がラクになる読書セラピー』を連載中です。毎月第1月曜日の掲載です。


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よしとみあやさんデビュー記念インタビュー


酒井瞳さんデビュー記念インタビュー


国枝成美さんデビュー記念インタビュー


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4月の読書会『ふたりはともだち』レポート⑤

4月10日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート①はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート②はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート③はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート④はこちらをご覧ください。

 

 

 

「折に触れて思い出すエピソードがある。小さい頃からクラスで『イケてる子』『イケてない子』がレッテル貼りされ、それに流されていた。当時は、がまくんみたいな子を下に見てしまっていた。

 

中3の時、クラスの男子でつるんでいて、その中に上半身を鍛えている剣道部の子がいた。筋肉自慢で、『パンチしていいよ』と言って殴らせていた。当時は個人情報のことが厳しくなかったので、クラスメイトの電話番号も住所もオープンになっていた。その子は先に推薦で進学したが、自分は受験があった。受験の前日にその子が家に来て、インターフォンを押して『明日受験頑張って』と言ってくれて、びっくりした。

 

自分はその子のことをクラスメイトのひとりと思っていたが、自分が思っていた以上に仲良しだと思ってくれていたのかな、と感じる。自分はわざわざそういうことをしないタイプなので、大人になって思い出すと、その子の人間的な魅力を感じるし、今もきっと魅力的な人になっているだろうと思う」

 

「孫が2人いて、2歳しか離れていない。下の子が生まれる前、その子が来たら上の子はどうするのだろうと思っていた。そんな絵本を渡したこともある。実際にやってきたら、赤ちゃんはまだフニャフニャで、『何、この生き物?』という感じで怖がっていた。だが、最近はふたりでコロコロと転がるように育っていっている。ふたりとも性格は違う。兄弟がいる男の人はどんな感じなのか、聞いてみたい」

 

「3人きょうだいの自分がいちばん上で、妹と弟がいる。遊んだ覚えはあまりない。妹はずっと自分についてきていて、失踪事件で大騒ぎになったことがある。幼稚園のバスにこっそり乗ってくっついてきていて、幼稚園の先生が後で気づいて家族に電話してくれたが、大騒ぎだった」

 

 

 

 

 

4月の読書会『ふたりはともだち』レポート④

4月10日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート①はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート②はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート③はこちらをご覧ください。

 

 

 

「前回、前々回の2作に比べ、わかりやすく、ほのぼのしている。絵柄は地味で、いかにも外国の絵本で日本のとは違うのかなと思った。バイトで来ている子が、小学校の教科書で読んだと言っていた。小学校の仲良しってこんな感じかなと思う。意地悪や喧嘩もあるけれども、仲が良くて。子どもの頃の仲良しって、こんなに無垢に相手のことを思いやるのかと思った。

 

ベッドの中で『お話してよ』と子どもの頃に親にせがんでいた。どうして布団の中にいるとお話を聞きたくなるのだろう。親は即興で話をしてくれたが、父親の話は不気味だった。お化けが寄ってきたり、鬼婆が出てきたりした。弟とその話をしたことがあり、ふたりとも覚えていた」

 

「自分も父親にお話をせがむと即興で話してくれたが、いつも食べ物の話だった。話し手の性格や興味がそのまま出るのかもしれない」

 

「分析とかではなく、意味を考えずに素直に聞けた。自分は高松にいるのだが、昨日はいい天気で、お年寄りと桜の木の下でコーヒーを飲んだ。今日は夕方から曇って、雷や雨も降ってきた。花散らしの雨になった。季節の変わり目を感じることができて、お年寄りもそれについて話をするというのではなくても、外を見てその感覚を共有できている。

 

『物語』と『触れること』。この力をどう使うかということを、介護をする中でライフワークにしていきたい。触れることは、皮膚へのアプローチ。物語については、人生紙芝居など、淡々と描く中で癒される。あったことを物語にすることで何かが起こった」

 

「小さい時のことを思い出すと、隠れ家に集まって、秘密基地で世界征服といった物語を膨らませていた。押し入れの暗がりとかも、自分たちだけの世界を持てた」

 

「がまくんが寝てしまうラストは、微笑ましいが意外だ。がまくんだったら、かえるくんの話を聴いていてコメントしそうなものだ」

 

「がまくんの性格だと『一生懸命聴いていなければいけない』と思ってしまいそうだが、そんな生真面目さという縛りのようなものから解放されたのかもしれない」

 

 

 

 

 

4月の読書会『ふたりはともだち』レポート③

4月10日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート①はこちらをご覧ください。

4月の読書会、『ふたりはともだち』レポート②はこちらをご覧ください。

 

 

 

 

「ふたりの関係性を見ると、とても仲良し。こういう仲良しは他にもある。兄弟で、年の近い男の子とか。がまくんとかえるくんは、ちょっと性格が違う。かえるくんは理性的で、がまくんは情があるタイプ。がまくんは、かえるくんをなんとか喜ばせたいと一生懸命だが、要領が悪い。まるで自分のようで、親しみを覚える。

 

そんながまくんのことを、かえるくんはちゃんと見ている。がまくんの一生懸命さを見ていて、お話にした。がまくんをどう喜ばせようかと、がまくん流のやり方にはまるのではなく試みた。理性的とも、ちゃっかりしているとも言えるが、どちらもほのぼのしていて、そこが良い。

 

26ページの、かえるくんのお話の口調が良い。簡潔でリズム感があって、お話らしい。それなりにお話になっている」

 

「かえるくんもがまくんのように一生懸命な感じだと、ふたりとも辛くなってしまう。かえるくんのアプローチは、精神的にスッと抜け出せるような感じで、ふたりのバランスが良いと思う」

 

「優しい話。がまくんの様子を見て、『わかる、わかる』と共感した。喜ばせたい一心で頑張るのが微笑ましい。かえるくんは、困っているがまくんをそのまま受け容れてあげる。がまくんがやったことを言っているだけなのに、安心してがまくんが寝てしまうのがかわいい」

 

「『チコときんいろのつばさ』や『なんにもできなかったとり』では、見返りや『何かにならなきゃ』というのがあって、息苦しいと思っていたら、こういう世界があった。かえるくんの姿勢のフラットさ。がまくんの一生懸命さ。こういう優しい世界を、どこで受け止めて、どこで共感すればいいのか迷ってしまう。こういうものが絵本としてあって、197刷と広く読まれているといいうのは捨てたもんじゃないと思う」

 

「教科書に載っていたということは、こういう世界を大人が子どもに与えたいというのもあるだろうが、これを読んで大人になる子どもたちがいるということで、それは良いことだと思う」

 

 

 

 

 

 

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